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 機甲艦隊ダイラガーXV(1982) 各話レビュー

 第48話「第10番惑星突破」

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うぐっ! あれほど近づくなと言ってあったものを、
バカめーっ!

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ガルベストン第10番惑星
 ガルベストン太陽系の外縁惑星の一つ、かなり辺縁の星のはずだが液体の海を持つ。海がメタンか水か、地球とは別の循環系なのかは不明。ガルベストンの基地があり、リモコン機雷でラガーマシンを苦しめた。

あらすじ

 第10惑星に接近する地球艦隊、新兵器リモコン機雷が偵察中のラガーマシンを襲い、パティが負傷する。一方ガルベストンでは星の崩壊がますます進みつつあった。

見どころ

 ガルベストンの御前会議で科学長官ゴメスが星の崩壊状況を報告している。最高幹部会議にはカポネーロの他、内務長官テスの姿もある。

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ゴメス 「現在、星の崩壊は18%、昨日よりプラス1.5%の、、この所、崩壊率は日増しに加速している。この分だと、あと1ヶ月もあれば、、」
コルセール 「カポネーロ、地球艦隊はどうなっているんだ?」
カポネーロ 「ハッ、現在第10番惑星に接近中とのことで、、」
コルセール 「何をグズグズしておる! 一刻も早く可住惑星である、第37恒星系第3惑星へ移住しなければならぬであろうが!」
カポネーロ 「はっ、第10番惑星から中へは入れぬ覚悟で作戦指示を与えております。」
テス 「コルセール帝!」
コルセール 「、、、、」
テス 「この上無用の戦いはお避けになるべきです。」

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カポネーロ 「テス長官!」
テス 「コルセール帝並びに市民の安全を考えれば、もはや猶予はなりません。直ちに停戦して、無条件降伏を。」
コルセール  「、、、、」
カポネーロ 「テス長官! 我々はまだ負けたわけではない! ここで一気に逆転して、ガルベストンの銀河支配を確立するのだ!」
テス 「総司令! 我々にそんな余裕はあるのですか!」
カポネーロ 「ううっ、、」
テス 「もはや、移住船も建造することさえも間に合わぬ状態ではありませんか。」
カポネーロ 「だからこそ! 戦いに勝たなくてはならんのではないか!」

  無条件降伏という決定的な言葉を言われても皇帝に解任されないテスに注目、ガルベストンの軍部は強気だが、皇帝は必ずしもそうではないらしい。「移住船」という言葉はガルベストンが戦艦建造などの傍ら、そういった船の建造も進めており、それがテスの管轄にあることを示唆している。が、全住民を乗船させるほどの数は建造できていないようだ。

 一方、地球艦隊が第11番惑星を抜いたことに勇気づけられ、蜂起したバッキらのゲリラ運動は鎮圧されて失敗に終わる。新たに彼らのリーダーになったサークは艦隊の第10番惑星接近を受け、ゲリラ活動と地球艦隊の動向を連動させる必要性を強調する。囚われの身であるテレスを救出するためにも、それは必要なことだった。今までの所、行政府や軍部を動かす最大の要因は地球艦隊の動向だったからだ。サークは今後は蜂起の時と場所を選ぶことをバッキに指示する。

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 第10番惑星では接近するラガーマシンを見て守備隊長が新型リモコン機雷を放出する。自動追尾する無人兵器の群れをビームで掃討する各マシンだが、機雷の一つがパティマシンに吸着してしまう。敵の狙いはマシンが取り外しのためにラガーガードに着艦した所で起爆させ、ラガーマシンと母艦の双方を葬ることにあった。すぐに起爆させない敵の狙いを見切った安芸はウォルターとキーツに低空飛行で基地の監視装置をすり抜け、起爆装置のある敵基地をパティの着艦前に叩くことを指示する。が、長門(リックラガーチーム)が監視装置を機銃掃射したことで接近を悟られた守備隊長は着艦前の機雷爆破を命令し、パティマシンは爆発で損傷して母艦に収容される。母艦に後退したクウラガーチームに基地隊長は哄笑する。

「フハハ、バカな奴らめ、次はリックラガーだ。」

 もうこれはこの番組の宿命として諦めるしか無いと思っているが、例えばラガーメンバーに交代要員がいないとか、ダイラガーが1機しか無いというのは「それは大人の事情」で仕方がないと筆者も思うが、しかしパティマシン、いくらなんでも機雷なんかが爆発したら機は撃墜だしパティは死ぬだろうと思うが、そうはならないのが番組なのだった。機雷の爆発で「負傷(普通は死ぬ)」したパティはサーチ病院に入院し(リックラガーチームのせいだ)、彼女が回復するまでクウラガーチームは出動できなくなる。

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 ラガーマシンにはいくつか欠けると致命的なパーツがあり、例えば両肩の陸奥マシンとクロイツマシンは欠けるとダイラガーはラガーソードを使うことができない。しかし、パティマシン(胸の戦闘機)の場合は欠けても使えないのはウィングビームくらいで、別にいなくても良いじゃないかと思うが、律儀に彼女の回復を待つというのがこの番組なのだった。10番惑星のリモコン機雷はどうもかなりの優れモノのようで、海に山にとラガーマシンを追い回す機雷に伊勢は安芸らを置いて戦闘を続けていたウォルターとキーツに退却を命令する。で、スポンサーやお子様などステイクホルダーの都合の話はここまで。

 帰宅したテスは自邸の入口で待ち受けていたサークとバッキに出会う。邸内に招き入れ、サークの話を聞いたテスは自分は内務長官で反逆者となった彼女を討伐しなければならない立場であると言い、軍に軟禁されたテレスの救出を拒絶する。しかし、サークの目的はテスにテレスを救出してもらうことではなかった。以下は彼らの会話。

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テス 「テレスに会いたいと? 彼は軍の監視下にあり、私の力はそこまでは及ばん。」
サーク 「しかし、このガルベストンを救うにはテレス司令しかないのです。」
テス 「サーク、、私が内務長官であることを承知しているのかね?」
サーク 「、、、、」
テス 「君たちゲリラの弾圧を命ぜられているんだぞ!」
サーク 「バッキ!(テスに銃を向けたバッキを制止する)」
サーク 「(テスに土下座する)長官、私たちはテレス司令を救い出し、本当の意味での指導者になっていただきたいのです。お願いいたします、テレス司令の救出に、お力を。」
テス 「、、、、」
サーク 「私たちは地球艦隊の動きと連動して、作戦を開始したいのです。」
バッキ 「お願いします、長官。」

 サークの「コルセール帝を倒すために立ち上がった市民のグループ(長い名前だ)」は王宮や行政府内部に内通者を持つが、テスに土下座したサークの言葉で危険を犯して面会した彼らの狙いも明らかになる。かつてドレイクが予見した新生ガルベストン、敗北の後の再生の具体的行動がサークによって動き出す。しかし、星の崩壊までにテレスを救出できなければ、地球との講和もできず、再生もありえず、全ての努力は水泡に帰す。先の御前会議で星の寿命があと一月であることを知っているテスは内務長官としての矜持はともかく、ゲリラに協力せざるを得ない立場に追い込まれる。こうしてテレスの父テスを味方に引き入れ、サークのテレス救出作戦が開始される。

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安芸 「もはやこうなったら仕方がない、基地ともども道連れにしてやる!」」
(アタッカーを羽交い絞めにして基地に突撃する)
兵士A 「隊長! ダイラガーが来ます!」
守備隊長 「よし! 今度こそ最後だ! リモコン機雷爆破ーッ!」
兵士A 「隊長! 見てください! バトルアタッカーまで犠牲になってしまいます!」
守備隊長 「うぐっ! あれほど近づくなと言ってあったものを、バカめーっ!」

 今週の言葉は第10惑星守備隊長、無敵に思えた10番惑星のリモコン機雷だが、実はシンプルな欠点もあった。負傷を押して出撃したパティの協力で合体に成功したダイラガーだが、合体した途端、マシンを追尾していた多数の機雷に吸着されてしまう。しかし、無人兵器の悲しさ、リモコン機雷はバトルアタッカーにも吸着するのだった。ダイラガーに羽交い絞めにされたアタッカーはそのまま機雷原に突っ込まれて機雷漬けにされ、機雷まみれになったダイラガーとアタッカーは死なばもろともと共に基地に突っ込む、突入直前で安芸はアタッカーにダイラガーランサーを突き刺し、破壊されたアタッカーはそのまま基地の司令室に墜落する。守備隊長が爆破ボタンを押す間もなく基地は破壊され、基地の破壊とともにあれほど厄介だったリモコン機雷もダイラガーから剥がれ落ちるのだった。そして10番惑星も下した地球艦隊はいよいよ最後の要衝、ガルベストン絶対防衛線に近づく。

キャラクター紹介

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第10番惑星守備隊長

 前回のガレイはカポネーロのお声掛りがあったが、今回はなかったので結局名前も分からずじまいの不幸な守備隊長。新兵器リモコン機雷を使いラガーメンバーを苦しめ、パティを負傷させたが、主人公安芸マナブの蛮勇で機雷漬けのバトルアタッカーを基地に叩きつけられて爆死する。普通は機雷が爆発していればパティは死んでいたはずだが、ラガーマシンは超合金でできていて、彼の想像を超える耐久力を持っていたことが誤算であった。

今週のバトルアタッカー(50秒)

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武器:胸ビーム

 10番惑星のバトルアタッカーは胸のビーム砲が六連装であること以外はこれといって特徴のない機体である。ガルベストンのアタッカーは以前の運動性重視型から、また元の重甲型に回帰しているようであり、この機体にもソードなどは搭載されていない。戦闘時間は比較的長いが、それはパティが負傷していて合体の時間がやや長くなったことと、機雷原での組みつ解れつのプロレス戦が影響している。隙を見たダイラガーにダイラガーランサーを突き刺され、操縦不能のまま基地に墜落して爆発した。

ガルベストンの決戦兵器

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スペースインパルス

 地球の無人アタッカー、ピラニアーをモデルにガルベストンで開発された巡航ミサイル。基地から所定の位置まで移動して、基地からの活動開始のシグナルを受けて自動的に目標を攻撃する。ステルス性があり、当初攻撃を受けた時、地球艦隊は何から攻撃されているのか理解できなかった。アシモフ・伊勢の偏光サーチライト作戦で壊滅する。


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リモコン機雷

 第10番惑星に配備されていた自動追尾型の機雷兵器、機雷といってもその移動範囲は宇宙空間に海中と幅広く、基地からの爆破ボタンで爆発する。ラガーマシンの1機、パティマシンに吸着して爆発し、そのしつこさは対戦したラガーチームを大いに苦しめた。

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