◇MUDDY WALKERS
聖書を読もう!
■聖書の読み方
聖書は大きく分けて「旧約聖書」と「新約聖書」の二部構成になっています。どこから読んでも構いませんが、旧約、新約ともそれぞれ、普通の本を読むように、前から順番に読んでいくのがいいと思います。
「新約聖書」にはマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネと著者の異なった4つの福音書があります。福音書は、イエス・キリストの地上生涯を描いたもので、挿入されているエピソードや細部の描写などいろいろ違いはあるものの、基本的に4つの福音書の内容は同じです。
読みやすそうな福音書から読むのがいいでしょう。
ちなみに「マタイの福音書」が一番最初にありますが、4つの福音書の中ではこれが普通に読んでわかりづらいです(とくに旧約聖書の知識の土台があるユダヤ人にわかりやすく書かれたものなので)。
聖書の読み方ですが、あまり気構えず、普通に物語を読むように読むといいでしょう。
物語を読むときは、そこに書いてある事柄は物語世界の中であったこととして、その物語の世界観の中で解釈しながら読んでいきます。SF小説ならば科学的根拠、歴史小説なら歴史的根拠という現実の課題との整合性が重要ですが、聖書を読みながらそういうことを考え出すと、頭の中が混乱して、読み進めなくなってしまうかもしれません。
ですから、物語を読むように読みながら、聖書の世界観、そして聖書の歴史観がどういうものか、楽しんでください。
また、聖書の著者は、これが2000年後、3000年後の現代人が読むものと思って書いているわけではないので、現代の私たちにはピンとこない表現や風習などもたくさんあります。例えばそれは、フランス人が「源氏物語」を読むようなものでしょう。そうであっても、そこには時代を超え、文化を超えて心に迫る普遍的な真理や人の心情があることも事実です。ですから、古い時代の異文化の中で書かれたものなんだ、ということもどこか頭の片隅に置いて、よくわからない個所があったとき、そういうことも思い起こしてみるといいかもしれません。
もう一つ大切なのは、文脈にそって読むということです。聖書の中には、とても印象的な言葉、インパクトのある一文がところどころにありますが、文脈、文章全体の流れの中で解釈しなければ、意味を取り違えてしまうことにもなりかねません。ですから、こういう物語のこういう場面の中で、こういうことを言っているんだな、と全体の流れの中で印象的な言葉の意味を受け取っていくようにするのがいいと思います。
MUDDY WALKERS◇