機動戦士ZガンダムDefine 第2話

ストーリー

 操縦ミスで建物上に墜落したジェリドのガンダムMk-II。騒ぎに乗じて取調室から脱走したカミーユは、別室で裸にされて泣いているファ・ユイリィを発見。近くにあった軍服の上着を着せて、一緒に逃げ出します。操縦ミスをエマから叱責されるジェリドですが、まるで懲りていない様子。一方カクリコンは、宇宙港で出会ったブライト・ノア中佐が飛び出してきて何やら命令するのを聞いて頭に血がのぼり、彼をガンダムの足で踏みつぶそうとします。
その様子を目の当たりにしたカミーユは、もう1機のガンダムに乗り込んでカクリコンを制止。少年がガンダムに乗り込む様にブライトは「アムロの再来」と驚愕。2機のガンダムが相討ちしようとする様子をこっそりリックディアスで見ていたシャアは予定を変更。ガンダムだけでなくパイロットも一緒にいただいて帰ることを決意します。

レビュー

 「ぼくのせいでこんな目に遭って」と言わせるためだけに、ファを取り調べのためと称して裸にする。そうとしか思えない何の根拠も深みもない展開にびっくりです。まずそんな取り調べはあり得ないし、あったとしても調べるのは女性の警官だろうし、なんで服を取り上げられて泣いてるの?とわけがわかりません。実はもっとあんなことやらこんなことやらされていると読者の妄想をかき立てるためなんでしょうか。  ティターンズの開発したガンダムを強奪するためにやってきたクワトロ大尉以下のエウーゴの面々。カミーユは彼らと合流して戦うことになるんですから、この犯罪者集団を「いいもん」にしなきゃならない、っていうのがこのお話。時代背景も状況説明も何にもなしに始まっているから、とにかく出たとこ勝負の場当たり次第でティターンズを「わるもん」に仕立て上げています。それが、裸のファであり、ボコボコにされたブライトさん。あのね、庇のようなリーゼントの高校生がどつきあう漫画じゃないんだから。でもそんなレベルのお話ですね、これは。「混沌としていた状況をわかりやすく」「大胆な新解釈」ってこういうことだったんですかねー?
 テレビ版では、自分が警官のマトッシュに嫌な目に遭わされた腹いせに、ガンダムの足で踏みつぶそうとしたカミーユですが、そういう「わるもん」のすることは、ティターンズの十八番ということで、ジェリドにお鉢が回ってきます。踏まれそうになるブライトを助けるために立ち上がるカミーユ。しかしですね、クワトロの次の台詞は失笑ものでした。
「そうか!潜入時に感じた感覚は、あのパイロットのものだったのか!」
 それで、ガンダム強盗に加えてパイロットの拉致をたくらむクワトロさん。しかしですね、これだけ読んでいると、なぜこの人がこれほどガンダムやら「その感覚」にこだわるのか、さっぱり分かりません。まったく、お話づくりとしては手抜きもいいところではないでしょうか。仲間内で回し読みする交換日記ならこれで良いんでしょうけれど。

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