MUDDY WALKERS 

機動戦士ガンダムF91 

F91 1991年 日本 115分

監督富野由悠季
脚本伊東恒久/富野由悠季

出演
辻谷耕史/冬馬由美/前田昌明 ほか

スト−リ−

 宇宙世紀123年、スペースコロニー「フロンティア4」の隔壁が突如破られ、モビルスーツ部隊が侵入してきた。ちょうどその日は高校の学園祭で、メインイベントの「ミス・カントリーサイド」でセシリー・フェアチャイルドは見事クイーンに選出された。そのとき、ふとセシリーは耳鳴りのような音を感じる。と突然目前にモビルスーツが出現した。連邦軍がナゾの軍隊と交戦を始めたのだ。戦場と化す市街地から、シーブックたちは必死で逃げまどい、博物館から持ち出したガンタンクで防戦しながらコロニーの脱出口へと向かう.そこに敵のモビルスーツが降下してきてハッチが開いた。現れた男はドレル・ロナ。彼は「ロナ家にあなたが必要になった」という。ナゾの軍隊は、セシリーの母親の実家ロナ家率いる、クロスボーン・バンガードだったのだ。

レビュー

 アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズの一作だが、これ1つで独立したストーリーとなっている。しかし一本の映画としては、イマイチという感じである。主人 公シーブックの暮らすコロニーが突然、モビルスーツの襲撃を受ける。実はシーブックの母がガンダム開発者だったり、ガールフレンドのセシリーに出生の秘密 があったりと、物語は「スターウォーズ」的な展開だがそれほど壮大な話ではなく、近未来SFアクションと捉えるべき内容。登場人物のキャラクターや住んでいる世界などよく構築されていると思うが、そういった映画の世界観を、主人公のセリフや行動でさりげなく示すという手法がイマイチ洗練されていないし、主 役となるメカ・ガンダムF91の登場までもダラダラとして乗り切らない。ガンダムのストーリーには必ず出てくる「ニュータイプ」という設定も、この物語には必要なのか。別になくても良かったし、その方が話がすっきりして分かりやすいと思う。ハリウッド製のこの手の映画の作りに沿ってシンプルに分かりやすく 作れば面白い内容だが、いちいちマニア受け要素を盛り込むために、かえって映画としてはつまらなくなっている。ガンダムシリーズゆえの不幸ともいえよう。

評点 ★★★

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