Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2021/8/23)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。




はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。



1.横浜市長選とメンタリスト



小林: 選挙は勝ってナンボだが、野党とは思えんような洗練された勝ち方だったな。まずこの山中という男、街頭演説では中学校2年生に分かるような単語しか使わなかった。有権者をここまで見切った野党の候補者がかつて居ただろうか。



ハヤト: そこがマア、田中康夫氏とは違ったところです。演説の内容や話術、ジェスチャーでは彼の方が勝ってました。しかし、田中氏の演説は総じて言えば「意識高い系」に向けられたもので、中学2年生には見向きもしなかったわけです。

小林: 演芸で言えば田中は円朝、山中は「うっせいわ」だろうな、噺家はもう古いということで、時代が変わったんだ。

ハヤト: 戦略の点ではそうですかね、私は情報処理の専門家なのに、「コロナの専門家」は盛り過ぎに見えたのですが。

小林: これも大戦略なんだ、東京のとばっちりの緊急事態宣言で横浜市民には鬱憤が溜まっていた。そこへ「コロナ専門家」と自薦したんだから、自民がガッチリ固めていた20%の上に追い風が吹いた。投票率は46%だからな、それがゴッソリ山中に行った。

ハヤト: かなり手練れの選挙参謀がいたと思いますね。まとめるとこんな感じでしょうか。

① 難しい言葉を使わないシンプルなメッセージ
② 「コロナの専門家」と学者出身をアピール
③ 風を起こすことに全力


小林: 立民の中村喜四郎が自民支持層を行脚という話があったが、これは成功しても失敗しても良かった。自民がガードを固めれば固めるほど、彼らは身重になり風には乗れなくなる。味方に付けようとは露ほども思っていない。

ハヤト: 結果的には山中氏の好調を見て造反してきた自民支持層もあったみたいですね。ですが、下手に出なかった分、変な約束もせずに済みます。あの「ハマのドン」とかいう人はどうだったんですかね?

小林: 小此木と両天秤に掛けていたんだから損も得もしないだろう。ただ、ゴーンの件といい、IRの件といい、菅さんという人は彼なりに愛国者なのかも知れないな。ハマのドンはカジノが来ると自分のビジネスが危うくなるからだろう。


2.風に煽られるアンタたち何なのさ



小林: しかしまあ、勝つのは良いとして、こんな気まぐれな支持じゃ何かあったらすぐに凋落だ。ただ、バカな割に義理堅いから、多少のスキャンダルくらいじゃ支持はなくならないと思うけれども。民主党も三年持ちこたえたからな。山中と旧民主党も落選する頃には良い所は何も評価されず、ボロボロの悪印象だけが軛となって残る。それに対する対策はあるのかな?

ハヤト: 元々政治家なんか評価する能力のない成人男女が投票券という紙切れ持っているだけですからね。悪印象が付いたら増幅して除去も難しいでしょう。そうなる可能性は小さくありません。議会では今だ自民が第一党で公明と併せて圧倒的多数派だからです。今の所、彼ができるのはIR調査室の業務停止くらいです。ワクチンパスポートとかは予算が必要ですから。

小林: そこで揉めて痛くもない腹を探られて百条委員会というのがパターンではあるな。それに立民その他も自分勝手な政治家のボンボンの集まりだ。勝った後のフォローまではしないだろうよ。この選挙をレバレッジにして衆院選で自民削ろうくらいしか考えのない連中だ。

ハヤト: アナタが気にしているのは、山中氏があまりにも手際よく、住民有権者不在の政治像を示してしまったからですね。

小林: 中学校の学級委員を決めるならそれでも良いよ、しかし選挙期間中、山中が「コロナ専門家」なんてハッタリを非難したマスコミが一つもないのはどういうわけだ。この様子じゃ、彼の政策とやらも耳障りの良い流行り言葉を陳列したマニフェスト(積荷目録)でしかないじゃない。


3.中身はなくてもいい

 

小林: 実は山中はデータの専門家を鼻に掛けて議会と立ち回りなんか演じてくれなくて良いんだ。政策要項の中にSDGsがあったんだが、これ、実は結構細かいんだ。国連でブラジルだったか、女性の外交官が起案したのが始まりで、実はこの中に山中の政策なんか含んでお釣りが来るくらいの中身がある。

ハヤト: 日本では都合の良い所だけつまみ食いの印象がありますがね。

小林: 田中じゃ提案できなかっただろうな。田中康夫はプライドも高いから、自分が理解していない政策はまず言わない。中身カラッポの山中だからホイホイと取り入れたわけで。今の所、除外事項なんかないんだから、有権者としてはこれを手に取って履行を求めれば良いわけだ。少なくとも山中と民主党のブレーンよりは上等な頭の連中が考えてるよ。

ハヤト: 実は山中氏のマニフェスト、SDGsと言いながら中身はほとんど書いていませんね。

小林: 有権者をナメ切って耳障りの良い言葉を並べただけだから当たり前だろう。別に彼の罪じゃないがな、そうでなきゃ勝てなかった。悪いのは投票用紙を持ったサルどもだ。


閑話休題



ハヤト: 今回はマア、横浜市民に対してかなり辛口でしたね。ま、IRだけなら現職再選でしたからでしょうね。その場の雰囲気で候補者決めるような有権者をアナタは好まない。

小林: それもあるが、あのメンタリストの件もあるな。どうも二極分化しているんじゃないかと。今の若い人っていうと親は40~50代だろう。ロクな世代じゃないことは知っているし、中には「自分さえ良ければ他はどうでもいい」で世渡りしてしまったマズイのも少なからずいる。いや、今の日本がこうなったのはおまえたちのせいなのだけどさ。

ハヤト: 彼が受け容れられている理由は映像を多用していることもあるのですよ。中高校レベルの知識も怪しいのに信者になってしまうのは、そもそも今の人は大学受験しないんです。推薦入学で大半入ってしまいます。

小林: 本も読まないし大した努力もしてない。変な意味でのがめつさだけが異常に発達した連中か、この国滅びるな。上はどこの国でもあまり変わらないが、それだけ見てると見誤る。アフガンなんか良い例だ。

ハヤト: あれですねえ、協力者の避難が問題になってますが、あの識字率の低い国でアメリカ軍だけでも3万人も取るのはやりすぎだと思うのですよ。大学教育受けた人も10万人くらいでしょう? そんなに取られたら政府や軍、警察の幹部人材がいなくなってしまいます。

小林: つまりさ、アメリカのセレブ主義者どもは後先考えずに同国最良の人材を安くこき使っていたわけで、そりゃ軍は逃げ出すし政府も機能しないわな。本来なら行政府の書記官や教師、軍の士官でいなければいけない人達だ。それをそっくり「アフガン国民の敵」にしてしまい、これで愚民ばっかの暗黒国家に逆戻りだ。

ハヤト: メンタリストさんや彼のシンパなんかはいなくなっても別に困りませんね。日本はアフガンじゃないですから。アナタに言わせれば旧民主党や自民党もですが。

小林: 中国の本を読んだんだが、あの国が分立したり異民族に征服されたりしても一応運営できてるのは、「読書人」という階級があるかららしい。体制を引き倒して既存の官僚を失職させても、在野の読書人を登用して政府の体裁を繕うことができる。

ハヤト: 民主党さんの場合は、そういう階級にはアクセスしていませんね。日本にもいると思いますが、中国ほど広汎にはいませんし、今の所は既存エスタブリッシュメントのおこぼれで成立している野党です。だから野党でありながら、体制内の立身にも既存体制の実績が必要になる。

小林: その辺研究の要ありだがな。少なくとも投票用紙を持ったサルやメンタリストの支持者は読書人とは呼ばないよ。

ハヤト: では、今回はここまで。