Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2021/8/18)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。




はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。



1.時事色々(アフガン情勢)



小林: それにしてもまあ、あっけなく陥落したこと(カブール)。

ハヤト: 数字の上じゃ負けるはずのない戦いでした。35万対6万、戦争にさえなりはしません。だが負けた。

小林: それにアメリカ人たちはカブールで戦いがあっても街は複雑で市街戦を続ければ勝機があるとか言っていたじゃない。巻き添えになる住民がどうかとか考えなかったのかと、ま、アメリカ軍も志願兵の質が下がっていて、アフガンくんだりにいるのはロクな奴らじゃないことは噂で聞いていたがな。

ハヤト: 彼らの言う自由とか民主主義っていったい何だったんですかねえ。これだけ簡単に制圧されるということは、ここ20年のアメリカの介入は全くアフガン人の支持を得ていなかった、あるいは失望を与えていたということです。

小林: もっとも、カブールを押さえたタリバンも今後は大変だがな。舌の根も乾かぬうちにデモ隊射殺か、先が思いやられる。

 

小林: 見ての通り山がちな地形で、最高峰はノシャック山(7,492m)、こういう所はさ、山間に集落があって各々孤立しているから、まとまりが悪く、王朝も19世紀に80年ほど続いたのが有史以来唯一だ。だいいち名前からしてアフガニスタン(アフガン人の国)で、占領して支配しようなんていう酔狂な国はいなかった。

ハヤト: 英語でジャーナリストが外国の話題ばかり扱って自国の問題から目を逸らすことをアフガニスタニズムといいます。そのくらい意識の上から遠い国ですね。タリバンはパキスタンと同族ですので、創設以来からパキスタン=アメリカの関係が言われていますね。最初で最後の王朝もパシュトゥーン人でした。タリバンもそうですね。

小林: それでも全土支配とは程遠かったんだ。天然ガスが採れるので、以前はソ連に輸出していたそれを911を契機に欲しがったのがブッシュ政権とパキスタン(の同族たち)だったんだろう。



ハヤト: ということはあれ(ハイラックス)、天然ガスで動いているんでしょうかね?

小林: そういうことを掴むのがインテリジェンスじゃない。たぶんそうだと思うよ。バイデンも一方的に取られたような物言いだが対価関係があっただろう。ところがCIAも人員削減でロクなインテリジェンスがなく。土地は痩せているから、農産物なんかはあまり期待できないし、輸入も必要だ。

ハヤト: 歴史的に見れば同じような地理条件の場所は他にもあります。スイスなんかそうでしょうし、ヒマラヤのシェルパ族とか、日本では十津川なんか似てるでしょうね。

小林: 十津川郷士のでかいのだと思えば当たっているんじゃないか。だとすれば交換条件が問題で、アメリカの提示した条件よりロシアや中国の方が好条件だった。そんな所だろう。関わっても良いことないから、これはペルシャ帝国みたいに傭兵隊で使えば良いんだよね。今じゃ傭兵は古いが、仕事は外に作れば良かったじゃない。中身がタリバンだろうが共産だろうが介入せず、友好的な関係を作り、好待遇で優秀な人材を海外で仕事させりゃ良いじゃない。

ハヤト: マア、今のアメリカじゃダメだったかも知れません。彼ら人を安く使うことしか考えてませんから。資源を取られ、海外じゃ外人研修生みたいな扱いで、国内じゃ米軍兵士の召使いじゃ背かれて当然でしょうね。

小林: そんなダブスタを押し通しておいて、何が民主主義だ。日本もそろそろ考え直したほうが良いぞ。

(追記 20日)


、、、報告書によればアフガンには「鉄、フェロクロム、銅、鉛、亜鉛、ニッケル、リチウム、ベリリウム、金、銀、プラチナ、パラジウム、タルク、大理石、バライト、宝石および半宝石、塩、石炭、ウラン、石油、天然ガス」などが開発されないまま眠っている

小林: やっぱり裏取引か、調べてみたらワサワサ出てきたので惜しくなって中国に身売りしたんだな。

ハヤト: ホント、十津川郷士ですね、南北朝~戦国の彼らは免税特権を与える側に味方しました。資源探査はたぶんアメリカが入ったことで大きく進んだんでしょう。ですが、予想以上に高く売れそうなのでアメリカの与える対価、防衛やインフラ食糧援助だけでは物足りなくなった。

小林: しっかし、こんな80の婆さん(遠藤誉)に言われなきゃ出てこないというのは、日本の他の評論家は何を見ているんだ?

ハヤト: この分だとアフガン政府の高官も抱き込まれていそうですね。先に示した妙な寛大さは彼ら専用で、後は処刑なんでしょう。

小林: 資源についてはアメリカの方も契約はあるはずだ。が、見た感じではアメリカにとってはそんなに魅力的な資源でもないな。シェールガスの開発で石油やガスなんか余っている。アフガン政府を再興して再侵攻などしないだろう。

ハヤト: 中国だっていつまで仲良くできるか分かりません。それに資源だけなら正常化のチャンスはあると思いますね。

小林: 地理の問題もあるからな、遠藤の婆さんはその通りなんだろうが、テロは爆弾だけ持っていればよいが資源を運ぶには道がいる。ところがその道があるのはパキスタン以外は旧ソ連のタジキスタンで、パシュトゥーン人のタリバンには仇敵のタジク族のテリトリーで、タリバンもカブールよりこっちの方がてこずっていたじゃない。今でも実効支配できているかどうか怪しい。ガニの逃走ルートだからな。

ハヤト: ガニさんはロシアの手引きでタジキスタンに逃げたんですよ。つまり、この中国のアフガン丸取り計画、それを操っているのはロシアと。というより、プーチンさんに仁義切らなきゃ中国も手も足も出ませんね。ただ、ロシアもタリバンとの関係は悪くないです。ハイラックスの卸元ですから。

小林: プーチンも習近平もひどい奴だが、最近のアメリカのセレブ主義者よりはアフガンにとってマシとも思えるんだ。少なくともプーチンは趣味で宇宙旅行はしない。多少なりとも良い目を見させてやれば、支配しようなんてバカなこと考えなければ、飛行機から堕ちた人は気の毒だし、これからも大勢殺されるだろうが、バイデンは正しかったと言わざるを得ないね。

ハヤト: でも、たぶん何千人も殺されますよ、万の単位かもしれない。

小林: 私がタリバンの族長だったらアフガン政府の関係者や米軍シンパは全員殺す。残虐だが、悪いのは20年掛かって彼らに対して何ら良いことをしなかったアメリカのグローバル主義者、セレブ主義者どもだ。軍も政府も腐敗していたんだろう、腐った肉を取り除くのは外科治療なら当たり前だ。

ハヤト: まあ、あのブザマな崩壊ぶりを見るに、外科治療は仕方ないかも知れません。ですが、なるべく少ない血でいてもらいたいとは思いますね。

小林: そういう希望的観測はしない方が良い、最悪のケースを想定すべきだ。


2.コロナ拡大止まらず



ハヤト: アカン状態ですね、もう手遅れといった感じがひしひしと、8月がピークというのはウチも予測していたんですがね。

小林: 考えてみれば有史以来遺伝子レベルで追跡されたパンデミックはこのウイルスが初めてだ。実は過去の流行も同じような経過だったかもしれんが、感染力が強い=死なないではあるが、4倍の人数に感染したら2倍死ぬんだよね。病院も医療もパンクして死者が3倍、4倍になったりする。

ハヤト: 被害が大きくなるのはこれからかもしれませんね。

小林: 日本の医療はまず診療所があって、怪しい検体は保健所、それから感染研に行くんだ。それで感染ありと分かったら保健所が都道府県知事に申し立てて必要な処分をしてもらう。法制上は感染症法の名宛人は都道府県知事なので、でも、二次的自治体にも保健所にも感染症の専門家はほとんどいない。養成といっても多くて年10人くらいだったらしいんだ。これまではそれで何とかなっていた。

ハヤト: 諸外国のような専用の施設を作らないのは、この仕組みの範囲内で回そうとしたからですね。

小林: 施設といっても必要な人員や機材を揃えるには1~2年の時間は掛かる。できた頃には感染が終息していて、作った所で予算のムダ、そういう発想が財務省を中心にあったことは本当だろうな。いちばんの理由は前の内閣、つまり安倍氏の政権で対策拡大の措置を一切しなかったことだ。していれば、今はもう少し楽になった。



ハヤト: ま、ないものねだりをしても仕方ありません。感染予防の基本を徹底して何とか罹らないようにするしかないでしょう。


閑話休題



小林: 先のレビューで「ヒカリ」と「ヤミ」の喩え話をしたが、どうも当たっていたらしく、最近読んだ本では元々は総理大臣が暗殺とか病気とかで倒れた時に与党から後継首相を出していたのが遠因らしい。今で言うなら自民党の総裁選、安倍さん辞めても選挙なかったでしょ。衆議院議員の任期は4年だから。

ハヤト: 以前もありましたね。小泉内閣の後に安倍、福田、麻生と三代内閣が続いたのですが、その間選挙はありませんでした。与党内部のたらい回しで。民主もやってますね。鳩山、管、野田はやっぱり選挙なしです。

小林: つまり、総理は変わっても与党は動かさないという運営が慣習化してるんだが、戦前の場合は少し違っていて、暗殺その他で総理が倒れると天皇が元老に諮問して後継を宣下するという、5.15事件で犬養首相が暗殺されたのが議会政治の終わりと言われているけれども、実はこの時も天皇は元老(西園寺公望)に諮問していた。なのでそのままだったら後継首相が立って政党政治が続いたはずであった。

ハヤト: これは中学日本史の知識です。高校かも知れませんがね、大政翼賛会が始まったんですよ。以降敗戦まで政権交代はありません。

小林: 当時の日本の資本主義の歪みと、今と似ているんだがな、緊縮財政でデフレになって、金本位制の解禁で資金の海外流出が止まらず、地方の貧困化で割を食ったのが陸海軍にいた若者たちで。そりゃ娘を遊郭に売ったとか、死んでこい父さん恩給欲しいからなんて手紙を送られた日にゃ兵隊さんはたまらんわな。

ハヤト: ダラダラと中国で戦争やっていたんですが、戦死者の遺骨なんか取り合いだったそうですね。供養したいんじゃなく、恩給が欲しいから

小林: まあそれは良いわ、いろいろ研究している人いるから、面白いと思ったのが、この翼賛化、あまりに殺されるので軍の過激派を抑えられるように軍人を内閣に入れよう、それも与党じゃ怖いから野党も巻き込んでなんだが、与党内部でもやっぱり反発があって、近衛文麿なんかが「(政党の)幕府化」と言ったのに陸軍がビビったらしい。それで陸軍の方も対抗する「幕府」を東条英機中心に作って、このままじゃタダの権力抗争だな。

ハヤト: 結局「東条幕府」が政争に勝って組閣したと、ま、右な方々ですから近衛さんの一言にクーデター的なキナ臭さを感じたんでしょうなあ。あっちがクーデターならこっちもやってやる的な売り言葉に買い言葉で太平洋戦争までやってしまった。

小林: つまり、不正な権力奪取については軍部も大政翼賛会も自覚はあったんだ。自民党総裁選のような罪のない慣習法がひどい害悪になってしまったという感じで。こと日本の場合「ヒトラー」とか分かりやすい悪人いないから、東条さんという人はそういう政治的天才には縁がなくて、権力志向の強いタダの右寄りのオッサンでしょ。「正論」とかでダラダラ書いてそうな、田母神あたりと人物器量大差ないような。

ハヤト: その辺は当時の時代的雰囲気がありますが、5・15、2・26と立て続けに軍の不祥事が続いて、軍全体が翼賛運動に警戒感を持ったということはあるかもしれませんね。ま、あの事件は皇道派とか統制派とか軍内部の派閥力学で説明されることが多かったんですがね。

小林: 東条が翼賛会に対抗して「幕府」を作ったとしても、ずっとやる気はたぶんなかっただろう。要するに近衛文麿がみんな悪い。もっとも近衛がいなくても、軍をビビらせるような軽薄リベラル政治家は他にもいたと思うけれども。

ハヤト: 一つだけ確かなことがあります。暗殺にしろ辞任にしろ内閣総理大臣が欠けた時点で総選挙をしていれば、大政翼賛会も軍閥政治も起こりませんでした。それが明治憲法の下であってもですね。

小林: 今も似たような制度と似たような状況があるから、例えば内閣官房三課なんか仕切っているような官僚どもが、昔のようなベテランじゃないでしょ、ソフトバンクやパソナなんかから出向している外社員と一部公務員どもで「公務員幕府」とかやり始めた日には、それに照応する政党側の動きがあるということだな。現に自民の一部じゃ、野党と連携して挙国一致内閣という話もある。

ハヤト: 強い政党政治が強い専制を生むというのも逆説的ですねえ。

小林: 戦前の件に関する限り、その処方箋はごくシンプルだがな。

ハヤト; では、今回はここまで。