Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2019/7/30)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。




はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。



1.今週のゴーン事件



小林: これはそんなに大したニュースじゃないな。ジュファリの本拠地はジュネーブなんだし。だいぶ前に要請していただろう、何を今さら。

ハヤト: 他には動きはないようですね、では、次。



2.京アニパクリ疑惑



小林: アイディアをパクられたと思うことはこちらも山ほどあるがな。しかし、ほとんど同じ構図があったとか、小説の該当部分の文意や表現が同じだったとか、全体に対する割合とか、本気でパクリ云々を議論するハードルはかなり高いと思うがな。そりゃ見てしまった以上、青葉の小説の一節が審査員の頭に残っていて、後に関わったアニメに使われたということは、十二分にありうることだろうよ

ハヤト: SEEDなんかやっていた頃は、ウチにも小説が山ほど持ち込まれましたよね。

 

小林: 京アニの作品それ自体が、作風として昔の特撮とかアニメとかのオマージュを彷彿とさせるものがあるからな。「頭文字D」のバトルに似たカーチェイスとか、キョーダインとか。しかし、そんなのは怒ったり、放火したりする理由にならない。私も怒っていないしな

ハヤト: キョーダイン(宇宙鉄人)にはこだわっているようですね。

小林: 子供の頃ファンだったからな。食事と称して青色に塗ったコーンフレークを食べる場面とか、弟が発射台、兄がミサイルで毎週毎週敵に体当りして爆発するのだけど平然と生きているとか、せめて戦闘機くらいにしてやれよとツッコミどころ満載の初期特撮だ。らき☆すたで聞いて以来、頭の中にキョーダインの曲がリフレインしていて。

 

ハヤト: 私としては星雲仮面マシンマンも期待しているのですがね。

小林: そちらはないらしい。途中からもっとロリでオタクっぽい奴(放火で死亡)に監督変わったからな。「頭文字D」とかネタはディープになったが、私には最初くらいのユルさがちょうど良いな。しかし、こういうのもパクリと言えばパクリなんだが、世の中完全に一から独創なんていう作品や芸能なんかなく、互いにパクリパクられ進歩するものだ。ま、マシンマンのシュールさとビニールマントのカッコ良さが分からない奴は焼け死んでも良いわ。冗談にならないけどな。

ハヤト: 京アニさんの弁護士によると、問題の小説は「形式面に関する」一次審査を通っていなかったというのですが、「形式面」って何ですか?

小林: 良く分からんが、たぶん、原稿用紙1枚に3行だけとか、字数制限オーバーとかそんなのじゃないか? 後者はともかく、前者はウチにも来たからな。原稿用紙じゃなくワープロだが、ワードのA4用紙一枚に数行書いて「小説」とか。もちろん突き返したが。

ハヤト: 京アニさんは何十何百も応募があるのでしょうが、ウチはもう少し丁寧に見てましたからね。覚えてますよ、最初アナタは作者の方に「作品の創作動機、プロモーション」の説明を求めますね。

小林: これはやや緩い。自分語りが苦手な人も少なくないから、創作作品に対する真剣さを見るのが目的だな。それから作品をざっと読んで二三質問する。この場面はどうしてこうなのかとか、言葉が正しく用いられているかとか、マジメな人なら真摯に説明するからな。この時点ではこちらも作品全容を把握していない。

ハヤト: この辺の形式審査をしてから初めて作品本文の検討に入るわけで、素性の良し悪しはここまでで大方分かるようですね。

小林: 少なくとも人の大事な時間を使って文章を読ませるんだ。書く側に覚悟を求めることは当然のことだ。で、パスしたら一行一段落づつ互いにやり取りしながら作品の検討に入る。だから、良い作品を書くのは当然のことだけれども、コミュニケーション能力も重要なんだ。ATZの場合は攻守を入れ替えてカオルさんが審査したけど。今でも覚えているのは4話で私が「たれか」と書いたのを「誰か」でしょと指摘された件だ。

ハヤト: やや古風な表現ということで、わざとやったんですよね?

小林: そういうこと、だからそのように説明した。もちろん間違いを指摘されたことも多くあるし、それはそれで直していった。だから公募に落ちたくらいで虐殺行為に走る人間のことが私には分からないんだ。それはそもそも人に読ませるような文章を書けない人間だろう。京アニを責めるより、まず、自分の未熟を責めるべきだ。



ハヤト: しかし、起きてしまったことは仕方ありません。

小林: でも、代理人の言い分、「一次審査で落ちたから全く影響を受けなかった」という言の葉も私は信じないよ。影響を受ける受けないは関係ない。影響があっても著作権法を論ずるレベルに該らないというだけのことだ。あれだけのことをされたところを見ると、かなり近い線のものはあったのだろう。何でそれを認めないのかね?

ハヤト: ウチが京アニ作品を高く評価しないことには、こういう事柄の扱い方がありますね。

小林: 本当にセンスが必要なのは、目に見えないものを感じ取る能力だよ。どうもその辺が弱いので、小ネタばかりで強力なタイトルがこの会社にはないんだ。



3.アイディアの盗用借用コンテスト(アニメーション大賞)?



小林: 京アニの我々のイメージは下請けだけども、実は社史を見るとハルヒ以降は独自作品で評価されているんだよね。でも、ジブリほどの名声は得てないし、ブランドでもない。下はJALの機内プログラムだけども、アニメはコナンとドラえもんで京アニ作品は一つもない。他の航空会社も同じだな



ハヤト: 強力なタイトルがないというウチの指摘を裏付ける結果ですね。京アニ作品は不特定多数の視聴者相手に無難に上映できるタイトルとは評価されていない。ま、アナタは「らき☆すた」は全巻見るそうですが。



小林: ネットを見ると京アニの作品から「生きる勇気をもらった」とか、「世界は美しい」とか頭おかしいんじゃないか的なコメントが多いけれども、とりあえず見てみると作品は私と同じか少し上くらいの世代にフォーカスされているね。アディクト(50代後半)くらいの年齢に刺さるんじゃないだろうか。で、そのくらいの年代だと、放映年度によるが画面に登場するくらいの年齢の娘がいる。

ハヤト: まず父親が見て娘が影響を受けるというパターンでしょうねえ。報道によるとスタッフは20~30代が多いようですが、手綱を握っていたのは親の世代です。



小林: この男もビデオは持っていなかったな。関連グッズが押収されたが、これは資料的な扱いで独身中年男子が自腹で購入するようなものではなかったのだろう。視聴手段は他にもあるからな。

ハヤト: アナタはネットは使わないで全部借りて見ているんですよね?

小林: 絵自慢の会社の作品なんか、画質の悪いkissanimeで見てもしょうがないじゃないか。その割に絵質良くないが、ジブリだって私はネットやyoutubeなんかじゃ見ないよ。そしてそれはドライブや団らん用に京アニビデオを買う親の心理でもある。娘を持つ父親というのは実は娘の関心を買いたくて仕方がない生き物だ。続くのが孫の関心を買いたくて仕方のない爺さん



、、幼い頃は、「パパ!パパ!」と無邪気な笑顔で慕っていた娘も、やがて小学校高学年、中学生となり思春期を迎え、ろくに口さえきいてくれない時期が訪れる。それを淋しいと思いつつも我慢するのか、機嫌をとるために甘やかすのか、生意気な態度に声を荒らげてしまうのか、対応はさまざまだろう(目白大・小野寺)。



ハヤト: そういえばらき☆すたの泉こなたは少女の皮を被ったオッサンみたいなキャラですね。これは財布の主とオーバーラップすると。

、、特別な存在である父親を通して知る外の世界は、娘にとっても特別な世界として映り、心に好奇心の種がまかれ、将来、自分の好きなものを見つける手助けになる(同左)。

小林: で、老いたオッサンに代わり、成長した少女層を取り込もうとアニメーション大賞とか、KYエスマ文庫とか始めているんだが、イマイチのようだ。むしろ受賞からアニメ制作までの速さ(1~3年)から見て、大賞の方は出来レースで、応募した作品は大半落選して彼らオジンたちの創作の糧になっていると考える方が自然だ。



ハヤト: 落選したとされるシンジ氏の作品も一部が抜き出されて企画会議で「今のギャルはこうなんだよ!」とか「荒んだ心境が熱い」とかの資料に使われた可能性は否定できませんね。

小林: シンジかどうかは知らないが、たぶんやっているだろう。というより、この種作品の盗用借用の基準というのは明確なものがないんだ。断ってやるのはまだマシな方で、大半は断らないでやるからな。これはプロアマを問わない。応募した原稿は著作権を取り上げて公開するなとまでやっているのだから、どこまでも審査者に都合の良い仕組みだな。いや、連中がネットなぞ見ず、応募された原稿も返却して、本当に独自の発想とリサーチでどこまでまともな作品を作れるかは疑問なのだがな。

ハヤト: アナタの言う通り、作品は盗用借用で進歩する一面もありますからね。目くじら立ててもいられない。

 今回、見つかった応募内容について、代理人弁護士は「京都アニメーションの作品との類似点はないと確信している」としています(代理人弁護士)。

小林: この弁護士は少しお人好しすぎるわな、紋切り型で単に落選しましたで済むものを、事実の公表自体が遅れ、京アニ側の言い分も歯切れ悪いのは、こういった作品の使われ方がこの弁護士が考えているそれとは少し違うからだよ。試験答案みたいに廃棄とか、落選しても送り返すなら単に返信用封筒の同封を求めれば良いことだ。そういう措置を取らないということは、資料として使っていたということでしょ。



ハヤト: 主要スタッフの年齢層からして、彼らが若い女の情報に飢えていたことは分かりますからね。「白石みのる劇場」ですか、らき☆すたの巻末付録ですが、見ると我々でも引くような古いギャグが少なくありませんからね。

小林: というより、素人ユーチューバーのこれを見ていると、連中の頭はキョンキョンやシブがき隊で止まっているんじゃないかと。悪いとは言わないが、シンジ青葉が凶行に及ぶほど逆上するくらい、ここのスタッフが情報に貪欲で、ただでさえ少ない投稿の内容を見逃すはずはないことは分かるわな。それがどんなに陳腐で月並みで誰が書いても同じようなものであったとしても。生活保護を受けていた投稿者と違い、それが何億ものビジネスに直結するのだから。



閑話休題

小林: 別に死屍に鞭打つつもりなく鞭打っているが、京アニの事件を見ていると、「個人の都合より会社の都合」という悪しき日本型雇用習慣がどうしても頭をよぎるな。一応各々の現時点での最終コメントを並べるとこんな感じだ。

代理人弁護士 京アニ本社
被害者の実名公表 右に同じ 2週間経っても未公表
寄付金の使途 被害者の補償・療養費 公表せず
寄付金の扱い 財団を構成 政府に税制優遇を要求
大口寄付者 右に同じ 公表せず
小説の投稿 受理したが落選 名前も聞いたことがない
サーバー 関知せず 迅速に復旧
消防法 問題なし 従業員コメントのみ
セキュリティ 存在しない 当日はロック解除
会社の責任 明言せず承認 認めていない
会社の存続 関知せず 基本的に存続
労災申請 当初は気づかず 後に申請

ハヤト: 被害者の未公表は容疑者がすでに確保されている事情がありますが、寄付ということで多額の資金を集めていることを考えれば有名監督やアニメータの死亡が影響することを考慮しているとしか思えません。アナタも感じたそうですが、やっぱり楽しげな作品の制作者が無残な最期を遂げたというのは寄付にも作品の価値にも影響すると考えるのは無理もありませんが、これは会社の都合ですよね。



小林: 作品の舞台裏を見せるのは作品に対する親近感を増す良い方法だが、これも登場するスタッフの半分くらいが焼死していると思うと見方も違ってくるわな。しかし、被害者の実名はともかく、財団や補償に用いる費用配分は迅速に結論を出すべき問題だ。判例でも適用のある労災なんか翌日に議論して良い問題だが、補償の話が出たのがなんと10日も後の話。



ハヤト: 気持ちは分かりますが動転した上の社長が事件はテロだ殺人だとわめいていたので、会社の責任を基礎にした労災保険については、弁護士も聞かれればちゃんと答えたでしょうが、後回しにした観がありますね。

小林: この弁護士はかなりの善人だと思うが、法律家としてみれば当然の会社の責任も呑み込ませるまでに時間がかかった感じだな。とにかく、このまま行くと寄付金は半分が税金で取られるので、弁護士の頭の中では補償財団を会社財産と分離という考えは税制対策を考えても理の当然だが、社長は寄付金も含めて会社の枠内でやりたい。一言で言えば、代理人と経営陣の思惑が一致してないんだよね。任意代理としては解任事由にもなるわけで。

ハヤト: 補償の手順としては先ず労災、次いで中退共、それから事業保険で足りない部分を会社が補償ですが、京アニは会社の責任を認めていない。財団を分離していないと、ほとぼりが冷めた頃に揉める可能性が大きいですね。

小林: というより、必ず揉めると思うよ。

ハヤト: では、今回はここまで。