セイバーフィッシュ戦闘機
地球連邦軍の主力戦闘機、本作では核融合ロケットではなくジェットで駆動する。地球の大手航空機メーカー、タッキード社の製造で、連邦空軍仕様のほか、タイタニア空軍仕様がある。ほか、カラバでの実働が確認されている。
(諸元)全長22メートル、最大速力マッハ3.0 実用上昇限度三万メートル、スーパークルーズ可能
(武装)
ビームライフル一門(連邦空軍)又は二門(タイタニア仕様)、六〇ミリバルカン砲、ロケット弾および真空対応爆弾
(第十七話「大統領暗殺」 セイバー戦闘機隊の活躍)
「これは手柄(フィーツ)の立て時だ、各機、敵を討ち漏らすなよ!」
ヤザンは僚機に檄を飛ばし、飛来するカラバの戦闘機隊に機を突っ込ませた。確かにその通りであるが、自分はこの戦いにはもっと大きなボーナス(クレジット)がある。
(作者メモ)ATZの兵器はほとんど全てがアレンジされていますので、セイバー戦闘機も例外ではなく、原作のデザイン(左画)はほぼ無視されています。一見して現代の戦闘機風にデザインしましたが、未来の機体ですので、その能力は遥かに高くなっており、ビームライフルの装備など一年戦争の戦訓を取り入れた装備も持っています。
セイラ・マス
アルティシア新聞社社主
ズム・シチ市クリーク区に本社を置くアルティシア新聞社の女社主、大戦中は連邦軍の戦艦ホワイトベースの乗員としてGファイターやコアブースターの操縦士としてジオン軍と戦う。戦後は帰国して兄から譲渡されたダイクン家の財産を元に新聞社を設立する。新聞はマハラジャ政権下では唯一とも言える鋭い筆鋒と政権批判的な論調で幾度か発禁処分の憂き目に遭うが、徐々に支持を拡げ、インテリ層を中心に一定の読者を獲得している。また、理由は不明だが軍人には同紙の購読者が多く、電送版がヤーウェ基地の酒保「アドラーターク」で定期購読され、バロス、タケイが読者になっている。記者や社員にも政権に批判的な者を採用しているが主要な社員は女性が多い。デラーズ事件で反逆者とされたケリー・ギャレットの妻ローラはセイラに採用された記者の一人である。
(第二十六話 新聞の発行を再開するセイラ)
「元々無効な行政処分には拘束力(フェアビントリヒカイト)はありませんわ、バロス少将。さっそく検察庁に赴いて不法に押収された機材を取り返してくることにしますわ。」
アルティシア新聞社社主、セイラ・マス、三四歳は髭面の少将に微笑むと、直ぐに社員や記者を呼び集め、トラックで公国地方検察庁に向かった。札付きの政府批判メディア「アルティシア」はその日のうちに発行が再開され、首都の住民にクーデターの帰趨についての情報と女帝軍の勝利、そして反乱を許した女帝の怠慢につき、辛口のコメントを伝えることとなった。
(第四十一話「外惑星にて」)
長い船上生活で鬱屈していたマシュマーは、タウベのタケイ大佐から勧められたジオンの新聞「アルティシア」を読んだ。ジオンにしては過激な内容だが、ジオン木星艦隊(ユピテル・フロッテ)の面々の間ではウケている。これはハマーンを除く木星艦隊の士官が「アドラー・ターク」で廻し読みしていたそうだ。彼は新聞のコラムに目を留めた。
(作者メモ)大戦中に兄から多額の金塊を譲り受けたセイラさんは戦後はそれをムダにせず、ズム・シチで小さな新聞社を開業します。かつての恋人のアムロとは別れていますが、その後20年近くの間、彼女の新聞社は反マハラジャの急先鋒として筆鋒を振るい続けます。ある意味、公国の国父ジオン・ダイクンの思想の最も正統な後継者ですが、なぜか苛烈な独裁者のマハラジャも他は弾圧するものの、自らに反駁する彼女の言動を大目に見ていました。彼には自らに課したいくつかの信条(Das
Glaubensbekenntnis)があり、反対者に対する良心として彼女を残したのだという説もありますが、本当のところは判然としません。クーデター時は地下に潜伏し、コルプによる不当な政権奪取を非難し続けます。
AMS-14(原作MSZ-006) ゼータ
原作ではカミーユの搭乗する後期主役機、ハマーンのキュベレイやシロッコのジ・Oと激闘を繰り広げた。作品ではマラサイの後継機のエウーゴの可変モビルスーツでシャアが中心となって開発された機体。可変MSで小型艦にも搭載可能のため、エウーゴの戦力を飛躍的に向上させた。
(資料集「共和国軍演習」)
「バンディット、距離二〇〇〇、方位二六〇。」
コロニーの境界面下、空力性能を活用するファイターの運動性を活用できる高度に五機のオーブルファイターを視認したエマは僚機とともに急降下した。従来の機体では落下速度が付きすぎ、誤って地表に激突しかねないが、ファイターと同じくエアブレーキを装備したゼータなら高速度で進入しうる。
重巡洋艦セプター
一年戦争中に大量建造されたネメシス級は戦後は約半数が他国に売却されたが残りは制式艦隊の戦艦として重巡洋艦として使われ続けた。シンプルで信頼性の高い設計と高性能な新型エンジンの組み合わせは戦後においても有用とされたが、0090年代には旧態化は否めず。第4次国防計画で大改装が計画され、制式艦隊所属艦の約半数が改装工事を受けた。
『セプター』は一年戦争をくぐり抜けた改造ネメシス級で第3艦隊に配備されている。主たる改装内容は高角砲としても利用しうる280o55口径砲の装備、Qシステムの搭載、そして電子装備の積み替えによる索敵能力の向上である。反面、ネメシス級の長所だった格納ラックは全廃された。既に大型空母が就役しており、艦隊の打撃兵力である本級に高価なモビルスーツを搭載する必然性が無くなったためである。
新しいカレイジャス級の就役と共に順次退役が決定されている本級であるが、原型のネメシス級と共になおも制式艦隊の中堅兵力として配備され続けている。
(諸元)全長200メートル、全幅35メートル 重量 11,450金属トン 乗員480名 兵装 280o50口径連装砲5基10門、180o連装砲4基8門、320o4連ミサイルランチャー4基、60oバルカン砲4基、メガ粒子砲4基、320o36連ミサイルランチャー2基 艦載機 搭載不可 所属 地球連邦軍
セルゲイ・ツポレフ
自由コロニー同盟軍少佐 大型巡洋艦「レイキャビク」機関長
元地球連邦軍兵士で戦前はサラミス艦の下士官から昇進して中尉で一年戦争に従軍した。ベテランの機関士としてレビル将軍のフェーベの他、いくつかの戦艦、巡洋艦に乗艦し、その機関士を務めている。終戦はユーリ・ヤゾフの旗艦「ヒベリオン」で迎えたが、戦後の連邦軍では再び下士官に降格され、家族を養えなかったので、かつての上官ヤゾフを頼って同盟軍に移籍する。機関工学の多くを独学で習得した努力家で、レイキャビク後はドルンベルガーの誘いで艦隊大学に転籍する。
(第四話「レダ星域会戦」)
「こんなのは例外だ。俺たちは解放戦争(リベレーション)を戦っていたんだ。ザビ家の独裁(ザビズム)から宇宙の民を解放するために戦った。こんな卑劣な事はやっていない。」
「ディーゼル少佐、アルンヘムで一五〇万人を殺したお前たち全体主義ジオンと我々地球連邦軍を一緒にするな。地球だけでも五千万人死んでいるんだ、コロニーまで落としやがって。」
ソロモン共和国軍艦隊(SRS)
同盟首相リーデルの指示の下、0080年代後期から進められていた自由コロニー同盟軍の新艦隊計画は0093年末に木星から帰還したマシュマー提督をチーフに加え、0098年に完成した。新型艦は0096年に配備されたタイプ96護衛艦(グレイハウンド級)を皮切りに、翌年には純国産の大型空母、戦艦、護衛艦が就役した。0097年のジャブロー事件で紹介されたことにより、従来艦よりも大型でパワフル、そして高性能な戦艦の一群は、新生ソロモン艦隊として第3勢力の存在を強く印象づけることになった。これらの艦艇は独特のモジュラー設計を採用しており、SM-600系列エンジンを主機とし、信頼性の高い対空防御システム「Qシステム」を全艦に用いた、完成度と能力の割にシンプル、そして扱いやすく信頼性の高い軍事力として整備されている。
新生ソロモン艦隊の諸艦は以前の同盟艦隊と異なり主要艦種は4種類とシンプルである。戦術実験艦としての色彩の強いタイガー級を除けば各種戦艦は1艦種に絞られており、また、多くの部品を共用するモジュラー設計が採用されている。各艦艇の建造数は以前の同盟艦隊に比べて多く、より大型になっており、全体ではほぼ連邦制式1個艦隊に比肩する隻数と戦闘力を持っている。これらは統一されたコンセプトと高い汎用性から、そして艦艇自体の高バランスから、侮れない軍事力を形成している。
ダイアデム(自動車)
サイド5の巨大重工業プラント社の自動車部門プラント自動車が製造する自由コロニー同盟の中型リムジン。同盟においてこの種乗用車の需要は少なく、0074年設計の同モデルは専ら公用車とタクシー用に製造されている。既にモデルライフが20年に及ぶこと、また、旧式な外見から「走るシーラカンス」などと揶揄されている。宇宙艦隊司令部に赴く際にマシュマーが使用した。ダイアデムとは「王冠」という意味。
(作者メモ)言わずと知れたトヨタ・クラウンのオマージュです。しかし、作中での描写は三菱の銀行用セダン・デボネアか旧ソ連のモスコビッチに近いでしょう。
第1艦隊司令部ビル
第1艦隊は連邦の本土決戦の切り札であるが、一年戦争以降ほとんど出動することが無かったため、特定の旗艦は置かれず専らノーフォークのこのビルに司令部を置いている。参謀本部が連邦ビルに移り、実戦部隊から遊離しつつある中で、第1艦隊はその存在はお飾り的なものの、各地に展開する各艦隊の要の役割を果たし、司令官は事実上の司令長官となっている。
第9艦隊(The 9th Fleet)
その中心である『ジュピトリス』は一年戦争時代に連邦が戦争継続に必要なヘリウム3を自前で採掘し確保するために建造した超大型輸送船。完成は戦後になったが、その後は同盟その他からヘリウム3は潤沢に輸入できたため未成のままサイド7に放置されていた。しかし、0092〜93年に同盟との関係が悪化、名目上はヘリウム3の自家生産、事実上は木星圏の占領を目的に再び駆り出されることになり、その護衛として編成されたのが第9艦隊である。建前上は地球圏に5個存在する連邦制式艦隊と同等の制式艦隊だが規模は半個艦隊に留まる。3ヶ月かけて木星圏に到着した同艦隊はジオン木星艦隊、同盟木星派遣艦隊を合算したよりも強力な一大戦力である。実は連邦政府内の政治オルグの策謀の産物で、後のティターンズへの試金石である。
(第三話「新司令官、マシュマー・セロ」)
航行中の第九艦隊が引き起こした事件は発砲事件ばかりではない。寄港した小惑星帯の小都市、カイメデ市での略奪放火事件、艦長が殺害された戦艦レムリンの反乱事件、火星の港に上陸した兵士が集団で地元女性を襲い殺したクセノフォン市の惨劇などなど、事件の頻発から地球連邦軍(EFSF)の威名はすでに地に堕ち、火星以遠の外惑星諸都市の新聞は連邦の木星進出計画を無謀と非難すると同時に、キムの艦隊を「狂犬艦隊(マッドネス)」、「野良犬艦隊(イエロー・ドッグ)」などと呼んで嘲笑するようになっていた。また、第九艦隊は艦隊番号はともかく、予算要求における編成上は連邦の正規艦隊とは認められていないことから、「私生児艦隊(バスタード)」と書いた新聞まであった。
タイタン(重巡洋艦)
現役のジオン艦隊で最古参の戦艦であるチベ級は元々はジオン公国以前のジオン共和国の主力戦艦である。当時は戦艦として建造されており、計画としてはサイド6のカイザー級あたりと比較されるべき艦である。しかし、同級はカイザー級ほど重装甲ではなく、当時のアストロ計画による外惑星植民地の開拓も視野に入れた同艦は航続力にも優れた戦艦である。 カイザー級同様、0079年の大戦の開始、またその後も改装を続けた同級は戦後の外惑星植民地の時代においてはむしろ設計の先進性が評価され、戦隊旗艦として新造艦が建造されてもいる。動力性能については建造時より大幅に改良されており、ほぼ2倍の出力となっており、未だ第一線級の性能機能を維持しているとされる。
タイタンは戦後に建造されたチベ級の一隻で、エンジンを戦後型の標準であるスカニア社製SM304に換装したタイプである。装備等もアップデートされており、旧式な外見にも関わらず強力な戦闘力を持つ軍艦である。木星艦隊では長らく第一戦闘艦隊の旗艦を務めており、同艦隊の勇将ハイデルシュタインの乗艦として活躍した。
(諸元)全長127メートル、全幅63メートル、全高65メートル 重量 12,888金属トン 乗員360名 兵装 300o45口径3連装砲、180o側面砲 艦載機 ザク+タイプ6機 所属 ジオン公国軍
(資料集「第二部カットシーン」重巡タイタンの強行着陸)
「総員、衝撃に備えよ!」
革のベルトにしがみつく艦長の指示で重巡の操舵手は操舵輪を押し引いた。コロニーの外壁に急接近する艦の艦首がリフトアップし、ロケットアンカーを撃ち込んで一万四千トンの巡洋艦が回転するコロニーの壁面に吸着する。一部着底した艦が外壁を削って減速し、ベルトに掴まる乗員が前に投げ出される。第一戦隊の旗艦は市街地の裏側に着底した。