◇MUDDY WALKERS
機甲艦隊ダイラガーXV(1982) 各話レビュー | ||||
■第12話「宇宙の樹海伝説」 | ||||
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■あらすじ | ||||
遺跡惑星の探査を続けるラガーチーム、しかし、古代遺跡以外めぼしい成果もなく、調査は打ち切られようとしていた。クウラガーチームのクロイツはわずかに残った樹海に故郷サラ星の記憶を思い出す。 | ||||
■見どころ 三惑星連合の二星、サラ星、ミラ星のうちサラ星人はメインキャラ以外にも艦隊司令や乗員など比較的登場頻度の多い人種だが(ミラ星人はキーツとキリガッス以外は数人しか登場しない)、全般的に地味なキャラが多く、また、ミラ星人のような超能力も無いため、つい作品に埋没しがちである。また、星自体の描写もほとんど描かれることはない(ダイラガーの続編があったら描くつもりだったのだろう)。そんな中で過去の記憶ではあるが、クロイツの故郷、サラ星の光景が描かれるある意味貴重な回である。 | ||||
■キャラクター紹介 | ||||
クウラガーチーム、クロイツマシン(右上腕)のパイロットでサラ星人、幼少の頃に兄を怪獣に襲われて失った記憶を持つ。サラ星人らしく朴訥で内省的な性格である。なお、サラ星は野生生物と原生林の多い星らしく、クロイツは第6惑星の樹海に故郷の光景を見出す。兄の助言に従ってバトルマシンを倒したことで過去の呪縛から解放される。 クロイツの故郷サラ星の森に住む宇宙怪獣、見たところ爬虫類のようであり、森を通る旅人を襲うこともあるらしい。サラ星は地球の同盟星で三惑星連合の一員であるが、高度な恒星間航行の技術を使いこなす反面、旅人がクルマやレーザーガンを使わず、徒歩で森を縦断するような旅もしているらしいことが分かる。クロイツの実家の近くは四国八十八ヶ所巡りのような、その種の宗教的聖地で、彼らが手製の槍で怪獣に立ち向かった所を見ると、サラ星の森ではレーザーガンの持ち込みは禁止されているのかもしれない。クロイツ兄の死後、大規模な山狩りが行われた形跡もないことから、サラ星人はテクノロジー以上に、この種の怪獣も含む自然を愛する種族であると分かる。 | ||||
■今週のバトルマシン(3分0秒) | ||||
今回初登場のバラタリア隊のバトルマシン。久々に登場した生粋の土建屋フォルムのマシンで、4本の足に2本の腕を持つが、武器らしい武器は電撃ムチくらいしか装備していない。後は目くらましのフラッシュビームで、土木マシンとして回転する頭頂部がドリルとなって地中を突き進む特殊能力を持つが、これはトンネル工事用で、どうも自身を地中に隠すくらいの掘削力しかないようである。素の状態では対抗できる武器さえなく(フラッシュビームは目くらまし用である)、ダイラガーキックに蹴られ殴られとダイラガーの戦闘力に圧倒されて地中に潜ったが(比較的交戦時間が長いのはそのせいである)、クロイツに露出した部分を見つけられ、浮上したところにラガーソードを突き刺されて爆散する。ポリバケツを逆さにしたようないいかげんな風体といい、性能といい、元々戦闘用のマシンですらなさそうで、そんなものをダイラガーに差し向けたバラタリアが悪い。監視の命令に背き、このマシンで勝手に戦端を開いたバラタリアを見たテレスはさすがに形勢不利と見て撤収を厳命したが、時すでに遅しであった。 | ||||
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