◇MUDDY WALKERS
恋愛プロファイリング
■ララァ・スン Lalah Sune
生年月日/不明
出生地/不明
職歴・軍歴/孤児だったが、ジオン公国軍のシャア・アズナブルに見出されて、ニュータイプの研究・養成を
目的とするフラナガン機関に預けられ、史上初のサイコミュ兵器を操作するパイロットとなる。
階級は少尉。
余談だが、彼女が戦災孤児だったとすると、戦災に遭っているのは「コロニー落とし」等で
一方的に攻撃を受けていた地球連邦の民間人で、彼女もそうだったことになる。とすると、
そんな彼女をジオンの兵士にすることは、戦争犯罪にならないだろうか
(だからTV版では、彼女は単なる「みなしご」としてしか紹介されていないのだ)。
主な搭乗機/エルメス
趣味・特技/ニュータイプ能力
女性関係係/パトロンにして上官…シャア・アズナブル
敵なのに心通じ合う…アムロ・レイ
ガンダムには、薄幸系の少女が何人も登場します。例えば戦災孤児だったり(ミハル・ラトキエなど)、兄と生き別れになっていたり(セイラ・マス)、恋人が敵の人だったり(イセリナ・エッシェンバッハ)…。Z以後のガンダムはだいたいこのバリエーションになってくるわけですが、中でもガンダムならではの一ジャンルを作り上げたのが、ララァ・スン。戦争に利用される美少女です。これがなければガンダムにあらず。Z以降のガンダムはまさにそんな感じになっちゃってますね。私は必ずしもそうとは思っていませんが。
さて、そんな「元祖」利用されキャラのララァ・スンですが、彼女がどういう生い立ちなのか、作中では語られていません。それを知っていたのはシャアとフラナガン博士だけだったでしょうが、彼らはララァの出身について、何も語ろうとしませんでした。わかるのは「孤児」でシャアにとって「妹とでも言っておこう」というくらいの存在だ、ということです。
ガンダムに登場する薄幸系少女は、一様に、何とか自分の力で不幸な状態を乗り越えようとします。しかし、彼女は違います。運命のなすがままに、流されているのです。戦災孤児になった彼女が、どういう経緯でシャアと出会ったのかは原作では分かりませんが、シャアが彼女の才能を見出して、フラナガン機関に預けたようです。彼女にとって、薄幸な状態から抜け出す道は、パトロンにすがることだったのです。そこに恋愛感情があるかどうかは別にして…。
他のガンダムの少女たちが、わりとどこにでもいそうな雰囲気だったのに対して、彼女はまったく違っていました。「卑弥呼か!」と突っ込みたくなるような服装をした彼女は、天から舞い降りてきた女神のように見えたことでしょう。シャアのような冷酷な現実主義者の心を奪うには、これくらいでなければなりません。彼女はサイド6で初めてアムロと出会ったとき、湖の白鳥に目を奪われていましたが、まさに彼女自身がそういう存在でした。彼女はガンダムの中のおとぎ話、ガンダムの中で「鶴の恩返し」を演じていたのです。「鶴の恩返し」は、罠にかかって傷ついた鶴を助けた青年に恩返しをしようと、鶴が女性に化けてやってきて、2人は一緒に暮らすようになり、さらに女性は夜の間鶴の姿に戻り、自分の羽根で織物を織って、青年に現金収入をもたらしますが、「見るな」という言いつけを守らずに青年が織物を織る鶴の姿を見てしまったがために、空へ戻っていく…という有名な民話です。彼女もまた、自らの身を削って恩返しをしていました。それこそが、彼女の愛の証なのです。
彼女はシャアに対して「恩返し」の気持ちで従っていました。彼女がシャアを愛する理由は、彼が彼女を助けてくれたから、という理由でした。それって、結構しんどい恋愛ですよね。だって、恩返しをするということは、相手に対して「借りがある」と感じているということですからね。しかも相手のシャアは「私はおまえの才能を愛しているだけだ」などと、女性が聞いてもちっともうれしくならないようなことしか言ってくれません。最初はよくても、だんだんイヤになってくるはずです。尽くすばかりで、自分に報いがないからです。「私、尽くすタイプなの」っていう女性は、要注意ですよ。そんな言葉を間にうけて、いい気分で尽くされていたら、「こんなに尽くしてるのに、何にもしてくれない!」って勝手にキレますからね。
さて、そんな「尽くすタイプの恩返し女」ララァがアムロに対して心を開いたのは、純粋に、対等な立場で接することのできる相手だったからでしょう。いつも上から目線の人と一緒にいては、疲れますからね。というわけで、彼女に対してはとにかく彼女からの見返りを期待せずに、純粋な気持ちでぶつかっていくのが吉ではないでしょうか。
MUDDY WALKERS◇