MUDDY WALKERS 

評価点つき映画メモ

 これまで見た映画の感想を、簡単な評価点つきで紹介しています。★3つは普通に楽しめた映画。★2つはちょっと退屈だった映画、★1つは時間の無駄、という感じです。

 や・ら・わ行

ユー・ガット・メール YOU'VE GOT MAIL(1998)★★★

 トム・ハンクスとメグ・ライアンによるラブ・コメディ。ニューヨークの街角で親から受け継いだ子供向けの本屋を営むキャスリーンがチャットを楽しんでいた相手は、実は大手チェーンのにくきライバルだったことが分かって・・・。最後は予定調和的ハッピーエンド。気楽に楽しんで、すぐに忘れられるお手軽な一本。

容疑者 室井慎次 (2005)★★

  警察庁の室井管理官が、ある事件の捜査上のミスで被疑者を死なせてしまったことから逮捕されるというお話。容疑者となって自身の弁明をしなければならなくなる。そこには、これ以上事件を捜査させたくない何者かのワナがあり、何とか真実を明らかにしようとする室井はどんどん追いつめられてゆくわけだ。
 これまでの「踊る大捜査線」とはうってかわって舞台は新宿。そしてメインは法廷劇ということになるのだろうが、残念ながら、どちらも中途半端という印象におわってしまった。新宿といいながら、ロケ地はクレジットを見るとおそらくいわき市なのだろう。東京に2回ぐらいしか行ったことがない私の印象でしかないのだが、その風景は新宿という感じがしなかった。そこで起こる事件も拍子抜けするほどくだらない事件だ。法廷劇の方も、対決する弁護士が新米の女の子とゲーム機を片時も話さない法律オタクで、まるで真実味がないうえ、法廷劇といえるほどきちんと対決していない。で、結局いろいろあったけど、落ち着くところに落ち着いたねえ、で終わってしまった感がある。今回は室井が主人公ということで、心理劇ふうに創り上げたかったのかもしれないが、室井はやはり、現場を走り回る青島刑事がいるからこそ引き立つキャラだとわかった。青島なしで成り立たせるには、警察手帳を取り上げられた室井をもっと自由に動き回らせた方が良かったのではないか。「事件は現場で起こっているんだ!」の名台詞を生んだこのシリーズだが、今回は肝心の現場がどこかへすっ飛んでしまったように思う。

ラスト・サムライ THE LAST SAMURAI(2003)★★★

 渡辺謙がアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたことで話題を集めた作品。日本に関してはハリウッド映画としてはかなりまともな描写がされていて、なかなか好感が持てる。もし私が日本人じゃなかったら、サムライのかっこよさに感動していたかもしれない。しかし歴史好き(特に戦国時代)の私としては、ちょっと厳しい見方をせざるを得ない。明治時代を迎えようというのに、あの重装備の騎馬戦はないやろ!
 侍がなんだか鎌倉武士みたいで、むしろ「タイムスリップもの」みたいに感じでしまった。侍といっても1000年近い歴史があるが、信長以前、信長以後でその有り様は変わってしまった。鉄砲を否定する勝元はまるで武田信玄みたいで、明治維新の頃では時代錯誤も甚だしい。トムが捕虜となっていた隠れ里のような村も、なんだかなあ。確かに美しいし、よく再現されてはいるが、まるで半農半士のライフスタイルと、戦国武将のようなゴージャスな甲冑とのギャップが大きくてずっこけてしまった。
 ストーリーは時代を変えただけで「ブラック・レイン」とある意味よく似ており、正直目新しさが感じられなかった。「武士道は死ぬこととみつけたり」とは「葉隠」の有名な一節だが、そういう価値観を持つ武士道に触れることと、オールグレン大尉がインディアン虐殺のトラウマを乗り越えることの関係も良く分からないいし、勝元が反乱を起こした理由も説明不足だと思う。
 そういった細かいことを気にしなければ、美しい映像と迫力のある戦闘シーンが楽しめる、すぐれた娯楽映画だと言える。特に日本人キャストは皆すばらしかった。日本を舞台にしたファンタジーだと思えば、それなりに面白いかな。しかし、ラスト近くで明治天皇がオールグレンから勝元の刀を受け取るラストは非常に重苦しい感情を覚えずにいられなかった。勝元は武士として、天皇に死をもって仕えた。こうして武士の時代は幕を閉じるが、実際には天皇に死をもって仕えるという生き方が、武士という限定された階級から全国民へと広がってゆく。そして私たち日本人は、歴史の中で最も恐ろしく陰惨な時代に突入してゆくのだ。エドワード・ズウィック監督が、DVDにおさめられた監督解説の中で、日本が帝国主義国となり侵略国となったことについて「我々がその誕生に加担していたと言いたい」と述べていたのは大きな救いだ。それが、映画そのものを通して伝わってくれば、もっと良かったのだが。

ワイルド・ワイルド・ウエスト WILD WILD WEST(1999)

 今となっては西部劇ふうであったことと、変態的なメカが登場したことと、ギャグがいちいち下品だったことしか思い出せない。しかし、多分それ以上のものは何もなかったのであろう。ちなみに1999年のゴールデン・ラズベリー賞受賞作品である。

私がクマにキレた理由(わけ) The Nanny Diaries(2007)★★★

 スカーレット・ヨハンソン主演のロマンティック・コメディ。主人公のアニーは、大学で人類学を専攻した21歳の女の子。観察眼にすぐれているものの、のんびり、おっとりした性格で、専攻とは畑違いの金融界に就職すべくゴールドマンサックスの面接を受けるものの、「あなたはどんな人間ですか?」という質問にまったく答えられずパニックに。すっかり落ち込んでセントラルパークをとぼとぼと歩いていたとき、男性の乗ったセグウェイにひかれそうになった男の子を危うく助ける。すると、その母親があわててお礼を言うのだが、アニーの名前をナニー(子守り)と聞き間違え、雇いたいから、と名刺を渡して電話するように言い残して去っていった。彼女はミセスX。ニューヨーク5番街の高級アパートに暮らすスーパー・セレブなご夫人だった。アニーは自分探しのため、セレブの世界に踏み込んで、5歳の息子、グレイヤーのナニーになることを決意。マンハッタンで暮らす特殊な部族“セレブ”の生態の観察をはじめることに。そこで彼女が観たものは…。

 聡明だけれどちょっぴりドジで自分がどんな人間なのかわからない、そんな女の子をスカーレット・ヨハンソンが好演。彼女が対峙するスーパーセレブの奥様たちは、子供はナニー(子守り)にまかせっきりで、24時間、365日すべてを自分磨きのために使っている。そんな奥様のゴージャスな暮らしっぷりやファッションも堪能しつつ、そんなセレブの「何もかも満たされているのに、心は虚しい」様子を暴いていく快感が楽しめました。アニーが赤いカサにぶら下がって空を飛んでいく演出で思い出したのが、メアリー・ポピンズ。そう、これは現代版メアリー・ポピンズなのですね。といってもどちらかというと内容は『家政婦は見た!』って感じかもしれないけれど、ドロドロしたセレブの中の人間関係よりも、夫に顧みられない妻の虚しさにフォーカスをあてて、主人公と、そしてターゲットにしている若い女性の共感を引き出しているのがよかったです。大笑いするようなコメディではなかったけど、爽やかな後味の、軽く楽しめる一作でした。邦題もなかなか、シャレているのではないでしょうか。理由は、最後まで見ればちゃんとわかりますよ。


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