
DVD/日本語吹き替えあり 万年Bクラスのへっぽこチームがオーナーの悪巧みに反発して一発奮起、地区優勝を目指すベースボール・コメディ。 |
「二人の新人選手の前途を祝して。おれはもう一年太陽を浴びられる」"Here's
to baseball,and to the start of two great careers,And for me,here's
to onemore good year in the sun" ---Jake
Taylor
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| プレイヤー |
ジェイク・テイラー Jake Taylor 40歳 |
| 所属球団 |
クリーブランド・インディアンス CLEVELAND INDIANS |
| 背番号 |
7 |
| ポジション |
キャッチャー 右投げ右打ち |
| 打順 |
多分3番(2番に見えるのは、気のせいか) |
公開当時、確かこの映画にものすごくハマった気がする。万年Bクラスの落ちこぼれ球団が、オーナーの悪巧みにも負けず、見事地区優勝を果たす。弱小球団ファンにとってはたまらない展開だからだ。それも、実際に34年間も優勝から遠ざかっている、クリーブランド・インディアンスというアメリカの実在の球団の話である。思わず阪神タイガースに思いを重ねて観た人も多いのではないだろうか。
しかし、あれから10数年の歳月が流れ、球界も変わった。売れ残りを寄せ集めた「東北楽天イーグルス」という球団が38勝97敗、勝率2割8分1厘という悲惨な成績を残したり、千葉ロッテマリーンズが31年ぶりに優勝したり、阪神タイガースが3年で2回も優勝したり、ニューヨーク・ヤンキースにゴジラという愛称の日本人選手がいたり、映画に出てきたクリーブランド・インディアンスに学生時代ゲイ・ビデオに出演していたといういわくつきの日本人投手がいたりする。予想もしていなかった現実が目の当たりとなったのである。今ふたたびこの映画を観ながら、どこか冷めた気分になっているのは、映画がつまらなくなったのではなく、映画より現実が面白くなったからだと考えてみる。
もう一つ気になることは、ケビン・コスナーの『さよならゲーム』を観たあとで『メジャーリーグ』を観ると、随分似た設定があるなあと思うことだ。ブゥードゥー教徒とキリスト教徒、ベテラン捕手と剛速球の新人ノーコン投手、実在の球団を舞台にしているところも同じで、ぶっちゃけマイナーリーグが舞台の『さよならゲーム』をメジャーにリメイクしたという感じ。どうしてこんなに似ているんだろう。
しかし『さよならゲーム』はマイナーのベテラン捕手が新人投手をメジャー級に育てるという通好みの話だが、こちらはあくまで、へっぽこチームが予想を覆して勝ち上がってゆくというスポ根モノの王道をゆく。このわかりやすさと爽快感がヒットにつながったのだろうと思う。あちらは「野球愛」の映画、こちらは「チーム愛」の映画なのだ。それはオープニングによく現れていて、他の野球映画の多くが父と子のキャッチボールという黄金パターンで幕を開けるのに対し、『メジャーリーグ』ではクリーブランドの町とそこに暮らす人々の風景が映し出される。その中でさりげなく、34年前に優勝したあと惨めに負け続けるインディアンスの様子が、新聞を使って描かれる。この導入部、実にうまい。あっという間に現在のチーム状況を説明すると、さっそくどうしようもない選手たちが一人ひとり呼び集められる。主人公のジェイク・テイラーは元メジャー選手だがひざの故障でメキシコ・リーグ落ち。新人投手のリッキー・ボーンは刑務所から出てきたばかり。ウィリー・メイズはもともと名簿に名前がなかったのにド厚かましく紛れ込み、足の速さだけでレギュラーに。大砲セラーノはキューバからの亡命選手で変化球が全く打てない。そんな面々が揃うのである。
最下位、最低観客動員数を目指すオーナー未亡人は、そんなへっぽこチームが15勝もし1といって不機嫌になる。このヘンまでの流れは勢いもあって実にいい。15勝する間に43敗もしているのだが。そして未亡人の嫌がらせが始まるのだが、予想に反して意外にも、シーズン終盤手前で60勝61敗と、借金1という、ポンコツチームにしてはやけに手堅く生き残ってゆく。このあたり、最初の1か月を5割で乗り切り、その後嫌がらせが始まって連敗地獄に堕ちる方が、らしいかなあと思ったり。楽天がやらかしたような「0−26」みたいな馬鹿試合の描写があってもよかった。負け続けてモチベーションがどんどん下がっていくチームの状態というのも、もうすこし紋切り型でなく面白い描写が出来たと思うのだが。そのあたりで、ジェイクやロジャーなどベテラン・メジャーリーガーの存在がきいてくると、深みも増したことだろう。ジェイクの恋愛話が絡めてあるのも私は好きだが、ちょっと簡単すぎかなあと思う。3年連絡を取らなかった恋人とよりを戻そうなんてムシが良すぎるし、もうすこしジェイクを通してメジャーリーガーの矜持みたいなのが描かれると良かったかな。
と中盤はちょっと中だるみの感もなきにしもあらずだが、この映画の真骨頂は終盤のヤンキースとのプレーオフ。最後の試合にはかなり時間をかけている。先発のリッキー・ボーンを抑えにまわす、いわゆる「特攻ローテ」がカッコイイ!彼が最後に抑えで出てくることは読める展開だが、それでいいのだ。シーズン当初は「日本ハム対オリックス」みたいな閑散とした観客席が、ファンで埋め尽くされている。0−0で進む白熱した試合は、ヤンキースのツーランで均衡が破られるが、その裏、空砲と化していたセラーノの回心のツーランで同点に追いつく。しかし9回表、先発ハリーが力つき、(多分2アウト)満塁の危機に。そこでピッチャー交代、リッキー・ボーンの名前がコールされると、盛り上がりは最高潮に達するのだ。球場を埋め尽くしたファンが「ワイルド・シング」を大合唱! いや〜、このシチュエーション、たまりません。
そして同点で迎えた9回裏。…とこの状況を作るところが、野球映画の王道たる由縁だ。一打サヨナラ。分かり切った展開で、どういうふうに得点させるか。ここにすべてが集約されるところが、野球映画の面白いところだ。落ちこぼれ球団インディアンスのワンシーズンを象徴する戦いがここにあって、それが見事に表現されていると思う。予告ホームランと見せかけて球を転がし、痛む膝をかかえながら必死で一塁に走るジェイク。ポンコツらしい、実に泥臭い勝ち方ではないか。
(2005.11.25)
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