MUDDY WALKERS 

八十日間世界一周 Around the World in Eighty Days 

80日間 1956年 アメリカ 169分

監督マイケル・アンダーソン
脚本
S・J・ペレルマン
ジェームズ・ポー
ジョン・ファロー
原作ジュール・ヴェルヌ
「八十日間世界一周」

出演
デヴィッド・ニーヴン
カンティンフラス
シャーリー・マクレーン
ロバート・ニュートン

スト−リ−

 時は1872年、まだ飛行機も出現していない時代。イギリスはロンドンの社交クラブで、英国紳士フォッグ氏はひょんなことから“80日間あれば世界一周できる”という賭けにのり、なんと2万ポンドという大金を賭け、自ら実証のための大冒険に出ることになる。さっそくフォッグ氏はパスパルトゥーを従者に従えロンドンを出発する。マルセイユへ向かう途中、汽車が止まってしまい、2人はなんとか気球を調達して先を急ぐ。ところが、気球は風に流されてスペインへ。そして、パスパルトゥーはそこで、闘牛をするハメになってしまう…。

レビュー

 ジュール・ヴェルヌ原作の冒険小説をワイドスクリーン撮影で映画化した大作。几帳面すぎて使用人が次々辞めてしまうイギリス紳士フォッグ(デヴィッド・ニーブン)が、紳士クラブの仲間と、80日間で世界一周ができるかどうか賭けをすることになり、職を求めてきたばかりの新使用人、パスパルトゥー(カンティンフラス)とともに旅立つ、というお話。イギリスからまず気球でスペインへ、そして鉄道、蒸気船などを乗り継いで、スエズからインド、中国、日本、そしてアメリカ大陸を横断して船に乗り、イギリスに戻るまでを描く。偏屈そうなフォッグと、何でもできる器用なパルパストゥーのコンビはユニークだが、それぞれの人間性よりも、世界各地の名所をめぐり名物を見物する観光案内的な面が前面に押し出されている。まだ海外旅行は高嶺の花で、海外の旅案内的なテレビ番組などもなかった時代だからこそ、という感じがする。そんな中で、社交クラブの賭けが知れ渡ってイギリスの国民的ニュースになっていったり、銀行強盗の疑いをかけられたフォッグが刑事に追われたり、旅の途中で出会ったアウダ姫(シャーリー・マクレーン)といい仲になったり、というエピソードがストーリーを盛り上げる。大スターが端役で出る、いわゆるカメオ出演の走りでもあり、最後にタネあかしがあるのも面白い。しかし一番の遺産は、そのテーマ曲だろう。映画音楽の代表といってもよい曲で、映画を離れてあちこちで使われ、誰もが一度は耳にしたことのある曲となっている。世界を旅するというイメージにぴったりで、古き良き時代の旅のロマンを感じさせてくれる一作。

評点 ★★★

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