Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2021/3/3)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。




はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。



1.今月のゴーン事件(テイラー親子、日本に来る) 



小林: ようやく日本にやって来たが、コロナがなければ執行猶予で今頃は自由の身だろう。

ハヤト: 犯人隠避罪が3年、出入国管理法が1年で併合罪でも最大で4年ですからね。ですが、「事案の解明」はこれで進むのでしょうか?

小林: 大方はそういう見方だが、ゴーンは経営者で長期的戦略に長けた人物だからねえ。テイラーも捕まったのは5月で、犯人引き渡し条約の存在を知り、雲隠れするヒマは十二分にあった。12月に犯行し、1月にはアメリカに帰っていたのだからな。わざと捕まったというのがありそうな話だが、コロナのおかげで計算はだいぶ狂っただろう。

ハヤト: ここでゴーン氏の立場を整理しますと、彼は一昨年(2018年11月)に逮捕され、半年間勾留され、その後保釈されても手続は遅々として進まず、公判前整理手続が始まったのが7ヶ月後の6月末で、公判は翌年(2020年)という話でした。そして裁判では無罪を立証するとしていましたが、知っての通り日本司法の有罪率は99.8%、勝訴の可能性は限りなく薄いというものでした。

小林: 検察は有証虚偽記載(ケリー氏と同罪)で手を打とうとしたけれども、ゴーンは頑として罪を認めなかった。それで特別背任とかオマーンとかが積み上がり重罪化いった経緯がある。それに彼が自身で事情を説明できたのは公判前整理手続くらいで、ほかは記者会見をしようとしたら余罪で逮捕とか検察の権利蹂躙も著しかった。

ハヤト: ここで行うべきは事件の復習じゃありません。悪手かもしれませんが国外逃亡という手段を選んだゴーン氏が今後予想される日本政府と司法相手にどう戦うか、どういう手段が考えられるかということでしょう。テイラー氏が逮捕されることについては、予定の戦略のうちだろうと考えるのがウチの見方ですが。

小林: それはやっぱりゴーン脱走の方法が、現在説明されている内容とはまるで違うということだろうか。



・・・・「ゴーン元会長を逃がしたような人物。どこかで奪還されるかもしれず、最後まで油断できなかった」(検察幹部)という厳戒態勢の移送劇だった。

ハヤト: これまで説明された犯行の態様では、脱出作戦はほとんどテイラー氏の個人事業です。「彼を奪還」を警戒といいますが、検察はいったいどこの誰から彼を守るつもりだったのでしょう?

小林: 少なくともそういう組織の情報を掴んでいるということだろう。



2.逆説のゴーン事件

 

小林: 昨年に失笑を買った変装保釈だが、良く考えると偽装しているのに、どうして彼とバレたんだろう?

ハヤト: それはですね、実は同じ服装の囮や偽装用の大型バンまで用意していたのですが、彼の周りを拘置所職員がゾロゾロ囲んで歩いたこと、眼光鋭い本人の目元でしょうね。あと、歩き方もあります。ああいった作業員はあのように胸張ってノシノシとは歩きません。

小林: 要するに、背格好が同じで、サングラスやマスク、帽子で顔を隠しさえすれば、ゴーンなりすましは割と容易なんだな。



ハヤト: このマヤさん(ゴーンの娘)が逃亡の当日にゴーン氏と会食していたという情報がありますが、その後彼女はゴーン氏に先んじてハイアットホテルに赴き、ピーター氏と面会しています。重く大きなスーツケース(運転手の証言)を渡したそうですが、ケースの中身は分かりません。検察は彼女が現地指揮官でゴーン逃亡を差配したと見ているでしょう。ですが彼女は国際手配されていません

小林: この行動なんだが、ゴーンが29日には既にいなかったとしたらどうだろう? 唯一の肉親として父親役の俳優の演技を確認しに来たとはいえないだろうか?



ハヤト: そうですね、脱出計画の内容からして、彼女を関与させる必要があったとは思えません。むしろ足手まといともいえ、その彼女に計画を漏らすとしたら、この脱出計画自体が漏れて良いもの、つまり陽動とはいえないでしょうか? 確かゴーン氏はクリスマスパーティーに招かれた楽団の楽器箱に入って屋敷から脱出という話が当初はありましたね。日付も違っていて、それだと逃亡は26日になります。

小林: この時はテイラーはまだ日本に入国していない。だから、当初流れていたこの説なら、逃亡計画は別チームということになる。テイラーはマヤがゴーン宅から持ち込んだ重いスーツケースを楽器箱に詰め、空の飛行機でトルコに帰国したことになる。逃走援助どころか、誰も密出国していないのだから、彼と不幸なトルコ航空の面子(実刑判決で収監)は何の罪も犯しておらず、無罪ということになる。思うに、これが狙いじゃなかろうか。

ハヤト: 説明されている逃亡方法には穴がいくつもあると思うのですよ。しかし、ゴーン氏の目的が最初から自身の脱出ではなく、日本国警察と検察に無実の人間を逮捕させることだったとしたらどうでしょう?

小林: それが本当にできたとしたら、日本国の裁判所と検察は壊滅的なダメージを受ける。そしてこういう計略を立案するのに、彼ほど適任の人間も他にいない。経営者の仕事は半年や一年の話ではなく、長期的な計略の立案と実行だから。その片鱗は随所にあるよね。



閑話休題

ハヤト: 他にも扱いたい話題はあるんですがね、ま、ゴーン氏の立場に立ってみれば、彼が単に逃げたいだけの理由で逃走を図るとも思えません。逃走計画は思うにレバノンの将軍とか周囲が提示したのでしょうが、彼の性癖を考えれば、自分を陥れた日産と日本司法に最大のダメージをどう与えるかを考えることは不思議でもありません。物理的に破壊することは困難ですから、信用の失墜が手段となります。

小林: 確かに縁故を頼って国外逃亡を図るだけでは物足りないわな。自分の立場を少しでも有利にというなら、裁判という相手のフィールドではなく、世論という自分のフィールドでというのはあるだろう。しかし、世間では彼のような高額報酬者への風当たりは強く、そのままでは同情も得られない。だが、正義・不正義の問題となれば話は別だ。

ハヤト: 日本が不確かな証拠でテイラー氏を国際手配までして処罰となると、無実が明らかになった時には現在進行中のケリー氏の裁判も、彼自身の裁判も全て冤罪という世論になるでしょうね。もはや裁判どころではなくなる。

小林: 私だったらそこでもう少し揺さぶりを掛けるな。しかし、検察の主張の通りという見方も普通だと思うので、これは様子を見よう。それにしてもテイラーは芝居がかっているな。

ハヤト: 移送直前のインタビューでは「アメリカに裏切られた」とも言ってましたね。ま、彼のことを多少知っていれば、かなりわざとらしい。

小林: どう見ても受け容れられるはずのない移送中止を最高裁まで争ったり、とかくこの人物の行いは奇矯だが、「アメリカに~」は変だわ。

ハヤト: とっくに裏切られているんですよ。ゴーン氏に加担する直前まで彼は刑務所にいて、FBI工作費の横領で投獄されていました。海兵隊員として長年海軍に奉職し、数々の困難なミッションの実績のある人物ですが、雇い主の政府が工作費用が惜しくなったんでしょうかね?

小林: 本人は冤罪だとずっと言っている。裏切ったのは司法当局ではなく米政府そのものでしょ。彼が政府に不信感を抱く理由は裁判よりずっと根深い。

ハヤト: 経緯から、彼がアメリカ政府に慈悲を期待する理由はないですね。だから一連のコメントは彼らしくなく時間稼ぎや宣伝色が根強いと判断するわけです。

小林: 彼が自分の特殊技能を生業にするなら、いちばん大事なのは知能やスキルよりもまず信用だよね。これは先の事件で政府によって傷つけられたと感じているものだし、犯人隠避罪は軽罪だ。少なくともゴーンの罪よりずっと軽い。信用とリスクを秤に掛けて、あえて捕まることは彼の立場ではデメリットばかりではない。

ハヤト: 依頼人のために体を張って投獄まで受けたとなれば。失敗すればただの阿呆ですが、作戦自体は成功してますからね。

小林: 手口がほとんどバレているから作戦は失敗なんだ。ゴーン逃亡だけが達成できただけで、請負人としては惨敗に等しい。そういう結果ならプライドはボロボロで、捕まるまでもなく自首して捜査協力し、早期釈放を狙うはずだ。が、米最高裁まで粘るスタミナと精神力はどこから来るのか、様子を見れば、彼は今も依頼人のために任務を遂行している。そういうものじゃないか?

ハヤト: 依頼人のためにそれだけやる人物なら、出所後も仕事は約束されていると見て良いでしょうね。

小林: ビットコインで支払われたテイラーへの報酬なんだが、差し引き計算するとほとんど費用で消えていて、彼の取り分はほとんどないという話もあるんだ。知っての通り、犯罪収益は没収(刑法19条)されるから、そのことまで考慮して金額を決めたとすれば、テイラー逮捕はやはり所定の行動だろう。

ハヤト: そこまで分かっている人物が犯罪人引渡条約について知らないというのは、ありえないでしょうね。


(追記)



小林: いい加減認めるべきだと思うが、今の日産で新生とか新型とか言っているクルマは全部カルロス・ゴーンが決裁したクルマなんだ。新型ノートもフェアレディも。で、ゴーン逮捕を一番喜んだのが財務省という話だけど、逮捕されなければゴーンは日本の軽自動車規格をいじる気でいた。具体的には現在の全幅1.48mを10センチほど拡大するつもりだった。軽自動車規格は20年間改定されていないから。

ハヤト: おあつらえ向けのクルマが用意されているんですよねえ。日本より大きなインド市場向けのダットサン・レディゴーがその大きさで2016年から売り出されています。これは幅だけ大きな軽自動車(1.56m)と言っても良い車で、現在こういうクルマを持っているメーカーは日産しかありません。エンジンは1リットルと800ccですが、このエンジンはボアダウンされてデイズとeKワゴンに使われています。

小林: 2020年にルノーと統合するでしょ、その頃までには軽規格が改定されていて、安くてハイテクのインド製レディ・ゴーが軽自動車市場を席巻していて、インドはローテクの4代目アルトが信仰に近いクルマになっているからなかなか難しいけど、今の日産デイズのようなクルマ(デイズより操安性は良い)が80万円で売られたら、こと国内市場では日産は勝ったも同然だ。逮捕されなければそうなった。そういうことを考えるのがカルロス・ゴーン。

ハヤト: つまり、今の日産の経営陣はゴーン氏が数年前に作ったロードマップに乗っているだけなんですよ。それをさも改革のように言っていますが。



小林: で、その脱ゴーン車たちだけど、急いで仕上げたせいか、どれもおしなべて走安性に難点を抱えているようだ。デイズはダイハツの軽セダンの方がハンドリングも乗り心地も良いし、ノートは正直前の方が良かったようなボテッとして鈍重なデザインだ。取り立ててハンドリングや空力が良いわけでもない。試乗しようと思ったが、実車を見て乗る気なくしたよ。

ハヤト: 新型ノートは好評なんですが、ハイブリッド専用車になり価格がほぼ2倍になりました。日産としては買えないユーザーはこれも新型のデイズに行けば良いという算段でしたが、案に相違してそういうユーザーは日産マーチを買っていくんですよ。



小林: マーチはさ、自動車評論家にはボロクソに言われているけれども、実は今のデイズやノートよりよほどマトモな車だよ。走安性は煮詰められているし、燃費だって良い。タイ製で日本人の雇用にならないというのが誹謗の理由だけどさ。



ハヤト: 日産の経営陣もようやく気づいたらしく、8年も作ったクルマをグリルを替えて延命しようという話になってますね。まるでミラージュみたいですが。

小林: 日本でも高速120キロ時代になっていて、いつもエコランでウソ記事書いていた自動車評論家も遅まきながら「120キロ走行テスト」を始めたのだけどさ、そこで明らかになったのはデイズなどのハイト軽やハイブリッド、SUVの無残なまでの悪燃費で。デイズなんかリッター8キロだよ。

ハヤト: トヨタのヤリスもいちばん燃費が良いのが廉価版のガソリン車というとんでもない話になっていますね。250万のハイブリッドより100万円代前半の1.5リットルや1リットルのほうが良い。

小林: 当たり前なんだが、クルマというものは物理法則には勝てないんだよ。日産マーチは今挙げたのより120キロでも燃費が良いから。


(追記2)



小林: ハッキリ言ってどうだって良いが、最近グーグルやMS-IMEの変換精度や文節の区切り方がひどいんだよね。中国にでも下請けに出しているのか。「うっせいわ」じゃないけど、SNSを中心にとかく言葉の使い方が乱暴だよね。

ハヤト: ああいうのはビッグデータで変換候補を出しますからね。全体のレベルが低いと変換もお粗末になります。かなり悪くなったと思いますよ。

小林: この間もさ、LINEの慣習で「返信不要です!」と書いてきた子を注意したけどさ、いや、仲間内ではそれで通じるらしいんだ。が、言葉のニュアンスが事務的で紋切り型でしょ。そういう言葉のアヤが全然わからない。



ハヤト: ま、最初これを聞いた時、メキシコの下層階級か東南アジアのどっかの後進国のラップかと思いましたがね。

小林: この歌詞読むだけでも「怠惰な文章」だと、村上春樹がSNS読まない理由が良く分かるよ。表現が陳腐で何の工夫もない。

ハヤト: 嫌悪感を表現することについては、SNSは2ちゃんねる以来むしろ得意分野ですね。でも、細かいニュアンスを表現することは相変わらず得意ではない。

小林: 三保の松原のような情景を極彩色の絵具で塗ったくったような雑然さは感じるな。

ハヤト: 未発達な表現方法という自覚が書き手にも足りないのだと思います。で、この程度の才能でこれを克服できるかといえば、まず無理でしょうね。

小林: シュメール文明の本を読んだが、最初の言葉というのは専ら数を数えるためのものだそうだ。羊が1匹米1俵のような。情景描写や感情表現は言葉そのものの本質ではなく、それを可能にするために様々な工夫が試みられたという言語史に対する敬意も理解も足りないな。

ハヤト: 司馬遼太郎さんでしたっけ、文章が苦手な人でも電車の中で1ヶ月、毎日週刊誌を読んでいればいっぱしの小説が書けるようになるとか、言語日本語をそこまで成熟させるには先人たちの多大な努力があったわけです。

小林: SNSを1ヶ月読んでいても、「うっせいわ」くらいしか書けないことは良く分かったよ。

ハヤト: では、今回はここまで。