Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2021/2/13)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。




はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。



1.今月のゴーン事件(グリーンベレー殉教旅行)



日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告の逃亡を手助けしたとして拘束された米国人親子2人の弁護側は11日、日本への身柄引き渡し手続きの差し止め請求を棄却したボストン連邦高裁の判断を不服として、連邦最高裁に異議を申し立てた。

小林: これはまあ、日本にやって来るだろうな。逃亡罪ではなく犯人隠避罪ならバリバリの有罪だから。

ハヤト: 相変わらずマスコミ対応は旺盛なようで、牢屋にいるテイラーさんによると、「数日以内」に日本に送られるとか。もう少し掛かると思いますが、送られるのは仕方ないでしょう。弁護側は「拷問に相当する扱い」を受けると主張していますが。



小林: 拷問についてはトランプ政権のマティス将軍には一家言あって、「僅かな情報と引き換えに拷問者の精神を腐食させる」と批判的だったな。社会復帰困難になるとも批判しており、現に入国管理局の外国人虐待を見ると、「日本人も例外ではない」ことはあるだろうな。



ハヤト: 元検事の郷原信郎さんによれば、自白を得るために検事が被疑者の親族に危害を加えると脅すのは日常茶飯事だったそうです。大変残念なのですが、テイラーさんの危惧は当たっているのですよ。しかし、彼の場合は日本に親族いませんし、身体的暴行はしないでしょうから、精神的拷問がメニューになるでしょうね。良い例として遠藤周作の「沈黙」があります。ゴーンさんなんかモロこの式でしたね。



小林: この映画はゴーンはホームシアターで観た方が良いよね。自分の受けた扱いに「かなり納得できる」はずだから。

 移送されるテイラー親子

ハヤト: もっともテイラー親子には腑に落ちない点もありまして、特に親テイラー氏はゴーン氏がレバノンについた直後からワシントン・ポストのインタビューに応じて手口など詳細に話していました。実行犯にしては口が軽すぎるとは我々もそうですし、評論家の佐藤優氏も疑問を呈していましたね。その疑問はまだ氷解していません。また、実行後1ヶ月でアメリカに帰国したのも、当時は罪状から「数年は地下に潜伏」の論調だったことを考えると自縛行為としか言いようがありません。



小林: テイラーが同種の救出活動を生業にするなら、手口を安々明かすのも変だわな。



2.ケリー裁判(ハリナダ大暴れ)



小林: で、コロナ禍の中、重要証人としてハリナダさんが出廷したのだけど、ある意味この人は大沼や小枝よりスゴいよね。彼らの全権委任で会長の逮捕後もゴーン断罪の総指揮を執っていたわけで。これは半ボケした元会長の小枝なんかとかレベルが違う。しかし、この人の証言を読むとタコツボ的というか、その場その場ではまっとうなのだけど、全体としてみるとおかしいとは言えるわな。

ハヤト: 思うにキチッとした人で一定の枠の中で討論する習癖が板についているのではないでしょうか。法律家的と言えばそうなのですが、であればあるほど鵜呑みにしてはいけないものを感じます。弁護士はどんな悪人でも屁理屈でも依頼人擁護の論調をしますからね。そういう意味では彼は日産の役員でありながら、その思考方法は極めて弁護士的です。

小林: パッと見て指摘できることはあれだな、ハリナダはケリーに指図されたヘアカット(報酬隠し)は(日本法に照らして)違法としているが、まずルノーと統合されるなら総額はこのグループのトップとしては妥当な金額で、それを論難する理由は見当たらないこと。

ハヤト: 統合されなければ(言い分を呑むなら)違法報酬ですが、統合されてしまえば法的に問題のある約束は反故にして妥当な金額を別に決めれば良いことです。彼の言い分ですと、支払いが(統合前に)行われる(らしい)ので、「阻止しなければいけない」と思ったのですが。この時点では方式といい内容といい、ゴーン氏の隠し報酬には報酬と言える実体がなかったわけです。そういうふうに作ったのですから

小林: ゴーン自身も言っているわな。「1ドルも受け取る内容がない」、最終的に役員会で決議して株主総会の承認を得なければいけないのだから、それ以前に約束といっても「こども銀行券」くらいのもので、証言した理由では、ハリナダが必死で阻止する理由が分からない。

ハヤト: ウチでも指摘しましたが、ハリナダ氏を私的銀行にした「前借り」ということはあったかもしれませんね。問題とされる金額の7割は飛行機代です。これも同格の会社、GMやフォルクスワーゲンではトップの移動は専用機と決まっているのですから、その原資をゴーン氏の報酬とするにせよしないにせよ、総じて見れば日産の社内規定の不備ということになりますね。ゴーン氏がエコノミークラスで移動してハイジャックされたらどうするのか。そのリスクを考えれば、そんなに高い金額ではなかったと思いますよ。

小林: 「日産には逆らえる役員がいなかった」と証言しているが、テレビ東京のメールにもある通り、ハリナダ本人は西川と一緒にルノーのビアル(フランス経財省)との交渉にも当たっていた。ゴーンにとってマクロン政権が天敵なら、「彼に言えば良いじゃないか」との疑問はどうしても残る。むしろ言わなかったことは忠実義務違反じゃないか? ルノーは日産の親会社なのだし。

ハヤト: フランス政府の意向はルノーと日産との統合でした。それにフィアットも加わる。そしてこの規模のグループに20億や30億の報酬はどの国の基準でも、社会的にも受け容れられないものではありません。ハリナダ氏の言うように「日産だけ」に限局するなら過大ともいえますが、それは日産が会社の方針として、「これ以上成長しない。大きくならない」と決めた場合だけですね。もちろんゴーンさんそんなこと決めてません。



小林: それを決めたのはこのおいさん(菅)で、ハリナダの話は日産がドメスティックメーカーとしてやっていき、ルノーと手を切るという前提でなければ論理的に整合性が取れないんだ。あと、オマーンその他については彼は知らないんだったな。統合話を破談にしたのはこのハリナダと菅、そして元社長の西川だから、ゴーンは元々罪人でもなかったものを、計画の障害になるので強引に罪人に仕立て上げたというのが、やっぱり見える光景だな。

ハヤト: どうも一場面が映画「沈黙」に見えるのは、菅氏の主導したこの路線が徳川時代の禁教政策に通じるものがあるからでしょうね。あと、ハリナダ氏の論調も一部はケリーさんに向けられているようです。彼は関係者で唯一人司法取引に応じなかったのですが、この辺の口調もですね、転びバテレンを説得するフェレイラ神父みたいですよ。

小林: キリスト教を布教すること自体は別に罪でもなんでもないよね、当時の江戸幕府が罪と決めただけで、それ以前は幕府も海外貿易も布教も普通にやっていた。違法といってもそれは優れて政治的、内政的な創作物でしょ。300年前ならいざ知らず、現代の国際社会でこういった理由で処罰を肯定することを認める国がいくつあるか、中国と北朝鮮くらいじゃない。

ハヤト: 菅氏の指図はもちろん法律じゃありません。ですが、推測される内容からすると、これは彼の大好きな「法の支配」からは最も遠い内容でしょうね。とにかく、ハリナダさんは弁護士という話ですが、通常以上に全体として矛盾が目立ちます。

小林: 悪法はそもそも法としての実体を備えないとはどこかで読んだな。

ハヤト: では、続きは次回。



閑話休題

小林: 映画「沈黙」で、棄教しない若い宣教師ロドリゴにいちばん堪えたのが、彼自身は宣教師になるくらいだから知的で清廉な人物だが、幕府の役人が隠れキリシタンのほか、たまたまロドリゴと面識があった、路端であいさつしたくらいの人を捕まえてきては拷問したり殺害したりして、それを見せつけることで、「これはおまえのせいだ」とやるのがパターンだったな。

ハヤト: ま、これはないでしょう。テイラーさんは罪(事実)を認めているので、有罪でしょうが量刑がどれだけかということでしょうね。犯人隠避罪の上限は3年でしょう? 執行猶予が付く可能性もありますね。

小林: あと、入管法違反もあるから、検察は併合罪で懲役にしたいらしいんだ。ハリナダさんじゃないが、これも一部しか見ないと全体を見失う。この量刑が不当か否かは現在フランスで進んでいるオマーンルートの結果次第だから。これが無罪なら、改めて日本司法の過酷性がクローズアップされ、テイラー懲役は不当ということになるだろう。予審手続きはコロナで遅れているけれども。

ハヤト: フランスは予審判事をレバノンに送って聴取していますが、日本の方もですね、ケリー氏の裁判に受命裁判官なり大使なりを送って証言というのはないのですかね?

小林: ケリー氏の裁判は裁判というよりセレモニーだから。