Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2020/2/17)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。




はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。



1.今週のゴーン事件 



「私は、寝ていたところを、突然、アメリカにいる息子からの電話で叩き起こされました。『ニュースを見た?』と尋ねてきたのです。最初は何を言っているのかわからなかったのですが、パソコンを開いてみると仰天しました」

小林: アムステルダムで裁判が始まったが、始まった途端に審理中止で、ゴーン側が要求していた資料を日産・三菱の弁護士が出さなかったせいで。再開は早くても秋ごろになりそうだ。

ハヤト: 「10億円ネコババ」の解雇理由の資料ですか、隠すほどのものじゃないはずですが、それでも隠すということは日産・三菱以外の面子、つまり日本政府が関わる内容があるということでしょうなあ。

小林: 解雇の理由よりもこれはケリーが作ったスキームに無い内容だから、やっぱりネコババの理由が言われているものとは違うはずで。ま、三菱が承知していたことは分かっているけど。

ハヤト: いずれにせよ、裁判や捜査とは違った方向性でゴーンさんには朗報があるようですよ。



2.中国肺炎



厚生労働省は16日、新型コロナウイルスの集団感染が起きているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」について、新たに70人の感染が確認されたと発表した。



、、、すなわち,法務大臣は,当分の間,本邦への上陸の申請日前14日以内に中華人民共和国湖北省における滞在歴がある外国人及び湖北省において発行された中国旅券を所持する外国人については,特段の事情がない限り,出入国管理及び難民認定法第5条第1項第14号に該当する外国人であると解するものとする,という内容です。この取扱いについては,日本時間の2月1日午前0時から行います。この対応により,新型コロナウイルス感染症の患者に加えて,患者であることが確認できない場合であっても,本邦への上陸の申請日前14日以内に湖北省における滞在歴がある外国人等の上陸を拒否し得ることとなり,水際対策の一層の強化を図ることが可能となります。

(2/12追完・法務大臣)
2 法務大臣は、当分の間、本邦の港に入港する目的をもって航行している旅客船であって、同船舶内において新型コロナウイルス感染症の発生のおそれがあるものに乗船する外国人については、特段の事情がない限り、出入国管理及び難民認定法第5条第1項第 14 号に該当する外国人であると解するものとする。




小林: と、このような経緯でダイヤモンド・プリンセスもウェステルダムも乗船している日本人以外の乗客は上陸すらできないことになってしまい。結果、ウィルス培養の海上収容船という、世界的に見てもおぞましい事態が生じてしまっているのだが。



【ニューヨーク=村山誠】カナダ政府は15日、新型コロナウイルスの集団感染が起きているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に乗船しているカナダ人を、チャーター機で帰国させると発表した。発表によると、帰国対象となるのは症状の出ていない人で、カナダ・オンタリオ州の軍施設に移送後、14日間以上の隔離を行う。

ハヤト: 日本政府に当事者能力がないことはすでに各国の常識になりつつあるようです。タイをはじめ、いくつかの国から打診されていますが、自国民救援のチャーター機を次々と仕立てているようですね。しかし、この船は日本を中心にクルーズ旅行を挙行していましたし、船は三菱重工製で、今回の最終目的地も横浜でした。クルーズの出発地も横浜ですので、ここで外国船であることを盾に取っての上陸拒否は信義に反すると思うのですよ。

 フォーブス誌

小林: ゴーン氏は一連のニュースを見て溜飲を下げているだろうな。「ほら、俺の言う通りだろ」、高笑いするゴーンの声が聞こえてくるようだ。思えばこの事件だけではなかった。モリカケに桜を見る会にゴーン事件と政治による正義の歪曲と取れる事件は他にもあった。

  志摩観光ホテル

ハヤト: 他の国の対応を見ているとですね。後知恵なんですが、閑散期のホテルをいくつか借り上げて一時滞在先にするくらいのことはできたと思うのですよ。2016年のサミットではですね、志摩観光ホテルを1年間借り上げてサミット用にほとんど再建築ともいえる改装を施したじゃありませんか。

小林: そう、あれはすごかった。ホテルだけじゃないぞ、賢島までの道路も中勢バイパスなんか突貫工事でかなり良くなり、直後のプーチン訪日でも国道316号を大改修しているな。もっとも、サミットでは各国首脳はセントレアからヘリコプターで会場に向かったけれども。

 ホテル三日月

ハヤト: この構図はですね、最初の滞在先だった勝浦のホテル三日月にも見られたものなのですよ。志摩観光ホテルは都ホテルグループの所有でこの都ホテルズは党大会など自民党御用達です。ホテル三日月もですね、オーナーが自民党議員(森英介)と懇意で、その伝手で借り上げが決まった経緯があります。

小林: 気の毒だったのが従業員で、感染者かもしれないチャーター客が来訪すると知らされたのが来訪の4時間前、当然シフトを組むことはできず、そのまま接客に当たったのだが、客室も鴨川三日月は170室あるはずが120室しか使えず、チャーター便は197人だからな。多くの帰国者は相部屋だ。

ハヤト: 報道されていませんが、通常の滞在客も同時にいましたよね。しかし、ホテルが国内の滞在客を融通して他のホテルに案内した形跡もない。突然来られた地元は非難轟々で滞在者に対する差別などもあったと聞きます。ま、オーナーが従業員や客を消耗品くらいにしか見ていないことは分かりましたがね。わずか4時間では、、



閑話休題



ハヤト: この中国肺炎についてなんですが、ある程度状況が見えるまで、こちらは政府の批判は控えて来ました。ゴーン氏の事件などと異なり、相手が自然物ですからね、現在進行形で、その時に最善の努力をしていれば、結果は間違いでも非難はしないというスタンスでしたが、、



小林: そこは当サイトではラベルと化した上の左翼ブレーンとウチの違うとこでさ、何でもかんでも政府批判に繋げれば良いとは考えていないよ。最善を尽くしても失敗することはある。が、2週間を経過してみると、やっぱり今の自民党政権の反民主的性格が事態を悪くしたことは拭えんな。それと声を大にして言いたい。感染の第一報が入った後、関係する政府のお偉方は一度でもWHOのテドロスや感染症の第一人者に政治的偏見誹謗中傷抜きで虚心坦懐に言い分を聞こうとしたのか。



ハヤト: 判断の中核になる事実の認識に重大な錯誤、誤りがあったように見えるのですよ。この肺炎は感染力は高いですが、多くは軽症者で適切な栄養と休息を与えれば治癒します。ですが、重症化した場合ですね。サイトカインシンドロームというのですが、多臓器不全を起こして数日で死亡する例があります。ですから、医療機関への迅速なアクセスによるスーパースプレッダーと重症者の隔離がパンデミック阻止の鍵になります。中国は大半が院内感染ですからね。



小林: つまりだ、上の客船のように感染者と一緒に乗員ごと漂流させ、狭い部屋にロクな栄養も与えずに放置して受診もさせないというのは科学的でもなければ、適切な医療措置とも言えないわけだ。何でも体温計で体温を測って受診するしないを決めていたとか、それで今や20人も集中治療室送りで、感染者は乗船者の10%だ。森まさこの入管法の歪曲解釈が原因だが、浮かぶウィルス培養基と言われても仕方ないよ。



ハヤト: 乗員に対する扱いは乗客のさらに上を行きます。香港では彼らは最優先で全員検査の対象でした。ですが、ダイヤモンド・プリンセスでは後廻しで、今も船内で船の保守や配膳作業に従事しています。見ようによっては感染拡大のキャリアになっているのですよ。

小林: 連中に重症者がいないのは乗客に比べ若く体力があるせいだな。しかし、この扱いは政府が船員に命じることのできる限度を越えている。誰もウィルスの蔓延する中で職務を遂行する義務はないはずだ。

ハヤト: 政府ともあろうものが乗員個人の倫理観や義務感に期待するしかないわけですよ。ええ、彼らは立派ですよ。しかし、そうなったのは日本政府の判断と施策が諸事拙劣だからでしょう。アナタの言い分じゃありませんが、最善を尽くしているとはお世辞にも言えない。早急に上陸させ、隔離場所を確保すべきでした。でも、今の今まで彼らは入国前だとか、外国船だからイギリスが責任を取れとか言っている。これはいったい何なんですか。



小林: 努力はしているのだろうが、政治システムの不良のせいで貧しい結果しか出せないとはいえるな。例えば、約4千人分のホテルの確保、もっとも、この数も水際阻止が前提で今となっては無意味だが、は、厚労省の然るべき地位の人間がホテルの借り上げと風評被害の補償をきちんと交渉できれば、手を挙げるホテルはおそらく数多あった。が、「政治主導」の今の体制では正論か否かより安倍政権に近いか遠いかで物事が判断される傾向があり、そんな交渉をしたら政権寄りの同僚や大臣に梯子を降ろされることも目に見えている。だから、そんな交渉はしていない。

ハヤト: 検査薬の話もありますね。民間の検査薬と検査機関を巻き込めばより迅速に検査できますが、今だに実現していません。水際作戦を放棄しましたから結局は使うんです。でも、政府の責任でそれはしない。阻止に失敗したからあとは民間頼みで責任放棄してしまっている。保険の適用がどうと言って必要な施策に予算を割かないのですよ。



小林: 優れて安全保障の問題なのだから、今からでも遅くはないので戦艦加賀の改装は取りやめて、あの欠陥機F35はキャンセルすればそのくらいの金は出るじゃないか。無い袖は振れないと言えばトランプだって考え直すよ。

 

ハヤト: 現時点で言いますと、中国は感染者の99%ですが、数が頭打ちになってきていますから、封じ込めに成功しつつあるとは言えるでしょう。新たな感染源になりかねないのが我が日本で、中国以上のハイペースで患者が増えていますし、数も中国以外では最大です。日本以外の国の対策は概ね成功しているといえ、ウエステルダム号、安倍さんが自身で指図して入港拒否した船ですね、の、コロナ患者もカンボジアで下船して1人いましたが、今では回復しています。



小林: これも日本発着のクルーズ船じゃないか、本来ならこれも日本で責任を持つべき船だ。安倍は何トチ狂っているんだ。受け容れたカンボジアに比べれば日本の国力は300倍で人口だって8倍だ。

ハヤト: しかもですね、当てこすりでしょうか、カンボジアで下船したウエステルダム号の乗客、あの、この人たち成田まで飛んできて横浜で乗っているんです。それに日本在住で永住権のある外国人だって結構いるでしょう、に対する、森まさこ法務大臣の仕打ちがこれです。



出入国在留管理庁は16日、クルーズ船「ウエステルダム号」を下船した外国人についても入国を拒否すると発表した。出入国管理法第5条第1項14号に基づく措置。入管庁は「下船した後他国に入国し、新型コロナウイルスに感染している恐れのある外国人が見つかったため」と説明している。政府は7日、同号に乗船している外国人の入国を拒否している。



小林: こういうさ、人畜無害な人間にばかりシワ寄せが行く政府を支持するのってどうなんだろうね。まるで昔の日本軍みたいじゃない。足腰の経つ人間を総ざらいして南の島にばら撒いて、あとは野となれと。講和の努力も戦争に勝つ努力もしなかった。

ハヤト: いつもならここで「今日の所はここまで」なのですが、今回は少し追記があります。



(追記)



小林: このおいさんはサヨクの記号として便利だから出しているだけなのだがな。ま、このクラスの学者には自明なんだが、我々庶民には不可解で自民党政治を存続させているものについては、この政党の権力構造がある。元々、自由党も民主党も単独では日本社会党に勝てない政党だった。また、動員力でも日本共産党には敵わない政党だった。

ハヤト: 選挙でも実際の投票数で過半数を取ったことは一度もありませんね。低投票率と組織票に助けられ不敗伝説を生んでいる。そして、現在の政党のオーナーは安倍ちゃんです。ま、ヤマグチな方々は彼が成蹊大だとか新日鉄の腰掛け社員だったとか学歴コンプレックスを揶揄するんですがね。ま、自民な議員は今でも「自主憲法制定」、これは結党以来の党是です、は、信頼できる人間にしか言いません。自分らが弱いという自覚はあるみたいなのですよ。

小林: 安倍ちゃんがそう思っているかは怪しいがな、確かに以前の自民には弱さに対する自覚のようなものがあった。だから選挙法を支持者に有利なように書き換えたし、組織票を重視して有力者の懐柔に余念がなく、支持には必ず見返りがあることを約束していた。自民党の議員は本来国会議員のあるべき自由委任ではなく、支持者の意向に沿う命令委任の性格が強かった。これは国政にはメリットがなかったが、一党支配の維持には必要な施策であった。

ハヤト: その後経済社会が進展するにつれ、マスコミ対策も入念になりましたね。最初は暴力団とか山口組の元祖みたいな人と組んだ粗野なものだったのですが、今では主要なメディアのほぼ全てにシンパの記者や役員を擁していて、一般へのアピールに余念がないです。ですが、これは煎じ詰めれば「有権者を投票所に行かせないための施策」で総括できますね。なぜそれが必要で?

小林: 新しい層である無党派層は労働全人口の3分の2を占める中間所得者で、多くは終身雇用ではなく、あっても東証300以下のサラリーマンで、その利害はマチマチで、これは組織化にも集約にも向かなかったんだ。これとマジメに向き合ったのは日本では電機メーカーと自動車メーカーくらいで、自民は最初から無視の態度を取っていた。エネルギーの割に見返りが少ないからだ。だから、この層が影響を及ぼすようになった70年代以降は、自民党は政治スキャンダルによる有権者の憤懣、「風」とか「政局」とかいうが、を、最も恐れる政党になっていた。マスコミとの癒着は自民生存の鍵を握る重要な施策なんだ。

ハヤト: ネットの世界も自由かと思われましたが、自民党ネット対策班は大変な労力と人員を投入しているようですね。なのでアナタは事件の度に外紙を読まなければならなくなる。



小林: それと最近では検察が加わったな。小泉が最初だが、実は手法自体はロッキードの時代からあり、三木武夫が検察に暗黙の支持を与えて角栄を叩いたのも、自民党の中では彼は弱者だったからでしょ。小泉も同じで、大衆の支持はあったが、自民では彼の派閥は少数派だった。東京地検特捜部というおあつらえ向きの機関があり、実は政治抗争なのだが、その手段として「国策捜査」の名目で司法権の濫用が正当化される手法が編み出された。これも弱者の戦術だ。

ハヤト: つまり、我々の見立てでは自民党の権力はハリボテで、実はそれほど盤石なものではないということになりますね。ただ、網の目のように張り巡らされた支持組織とその潤滑油としての非民主的・超法規的手段がこの政党を成り立たせていると、一言で言えば八百長ですね。



小林: だから、この八百長構図を解体する意思があるか否かでエセモノとホンモノの区別はできるわけで、解体したところで普通の民主政治だからな、何の害もないと思うのだが、上のオッサンは死んでもそれは言わないわけで、それを説明してくれ、言ってくれるのが本当の指導者であり次世代の政治家だよね。トーダイ出身のこの人には死んでも東京大学解体は提言できない。私は構わないと思うがな。東大どころか旧七帝大は全部廃校にして構わない。当座に関係のない研究機関や施設も全部潰す、そんなものがなくても民主政治は成り立つはずだ。

ハヤト: 大昔の時代、アナタがそういった仕組みを説明すべきだとエライ先生に言ったらどう返されました?

小林: 「そんなことは知っていて当たり前だから、あえて説明しなくて良い」と返されたな。だが、有権者の誰もが承知していたなら、今のような政治になるはずないじゃないか。説明しなきゃいけないんだよ。今さらと言う気がするが、間違った教育を受けていたとつくづく思っているよ。

ハヤト: マア、自分らでは常識と思えることが世間の非常識という例はありますからね。

小林: そういうこと、大学受験で物理を選択科目に取る学生は全体の10%しかいない。選択科目とするということは、少なくとも一年間は基礎から勉強したということだ。大学進学率が50%とすると、「エネルギー保存の法則」や「速度と加速度の関係」、「動摩擦と静止摩擦」は20人に1人しか理解していない。でも、クルマの免許は成人のほぼ100%が持っている。恐ろしいことだと思わないか。

ハヤト: ファインマンでしたかアシモフでしたか、難解な知識を平易に説明するということで評判の学者がいましたね。経済学者ではクルーグマン氏ですが。

小林: サミュイルソンなんか今でも孫引きするよ。理論がじゃなく、載っている具体的事例が優れて実践的なんだ。私の大学時代の教科書だけどな。でも、この本に書いていることの数%も実は世間では常識として享有されていないんだ。クルーグマンもインフレ・ターゲティングは安倍や黒田のそれとぜんぜん違うでしょ。

ハヤト: 上の山口氏のようなセージな方々はカミュやサルトル、バーク、鶴見俊輔や内田樹を読んでいると吹聴するのが通の明かしみたいですね。

小林: でもさ、そういうの読んでいる人間に限って、ヤマグチも含め、どこが良かったのかちゃんと語る人間は誰もいないんだ。これらは「君は僕の仲間」みたいな符丁になっていて、実は文学的知識でも教養でもないんだ。そういう雑音は取り除かなければならない。

ハヤト: ま、いずれにしても今の自民党政治は病原体に対しては無力だとつくづく思い知らされました。感染者に対する扱いも血の凍るようなものがあります。それに対する有権者の答えは、たぶん、この国のその後を占うものになるでしょうね。

小林: 有権者の老人が目先の年金や医療費欲しさで政治的な不知を決め込み、近視眼的な選択をするなら、若い人間を誤った方向に誘導するなら、そういう方々は罰を受けるべきだと私は思うね。

ハヤト: では、今回はここまで。