Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2020/1/25)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。




はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。


1.今週のゴーン事件 



「レバノンにあるゴーンの“自宅”をめぐって日産が所有権を主張しています。この物件は敷地内に考古学的な価値のある墓もあるため、資産価値にすると18億円とされますが、もとは日産が10億円弱で購入した物件。改装費も出していて、ゴーンサイドの旗色は極めて悪い」

小林: 事件から1年経っているんだし、これらの事実もかなり前に明らかになっているのだから、もう少し利口になった方が良いと思うのだ。これもSEC同様、全然ゴーンに不利な事実じゃない。それに何より、あの家はゴーンの所有じゃない。強いて言えば登記された借家人、あるいは契約上それに近いものだ。

 

ハヤト: このゴーン氏の「勘違い」はゴーン、ケリー、日産日本人経営陣は各々独立しているという我々の見立てを裏付けるものでもありますね。10億円が18億円になってケリーさんもご満悦じゃないですか?

小林: しかもゴーンですら認めていない彼の報酬を修正申告して証取委に申告済みだ。倫理上の理由から「払わない」ことになっているけど、これらはいずれ精算しなきゃいけないんじゃないの?

「多くの海外メディアが、保釈金15億円が没収され、逃亡計画に最大2千万ドル(約22億円)を費やしたといった試算をしている。ブルームバーグは、“ゴーン一族の巨万の富を圧迫するほどの額”とまで指摘しているんです」 いずれにせよこうした莫大な蓄財は、大量のリストラで従業員を死屍累々の墓場に送ったうえ、卑怯で狡猾な手段によって会社の金庫を自分のサイフとした結果である。

小林: 我々が読んでいるのは2020年の記事なのか、それとも戦前か新聞日本の記事なのか。様々な可能性を考慮して文字を起こすのは表現者なら当然のことじゃない。ゴーンには多くの友人がいるし、中には特殊部隊を使うことのできる人物もいる。それにゴーンの立場になって考えなよ。長期の勾留と軟禁で精神的にグロッキーになっている時に、彼が信用するってどんな人間? まさかマイケル・テイラーじゃないよね?

  焼き鳥屋のゴーンと逃走監視のバイク人

ハヤト: 逃走6日前のこの表情見てもですねえ、見ようによっては「助かった」的な顔じゃないですか。安心できる何かがあったんですよ。

小林: だからこれは古い友人が援助の手を差し伸べたと考える方が、半拘禁の身で金で特殊隊員募って逃走より現実味があると思うよ。

ハヤト: ゲオシティーズ閉鎖以降、ウチが小説の再掲を躊躇っている理由に、ここ十数年来で日本人の共感力とか読解力が極端に下がっていることがあります。基本的な国語力がなかったり、語彙力がなかったり、仮説を立てて考えるという想像力も乏しい。

小林: ゴーンじゃないけど、小泉の時代(2005年ころ)にはなかった問題があってさ。



2.もう少し構図を見よう(退職金パッケージ)

 やや不正確な構図

小林: 一見して変だと思わなければいけないのは、10億円と5億円を合わせても60億円にならないことだ。それと、バージン諸島のあたりが不明瞭すぎるよね。

 

ハヤト: だから、これは投資パッケージなんです。色々と事情があって、2010年ころ、オバマ政権のスティーブン・ラトナーがゴーン氏に20億円の報酬を提示してGM会長を打診した時、引き留めようとした日産は同額のパッケージをゴーン氏に提案しました。しかし、リーマン危機で大打撃を受けたこと、また、他の取締役との均衡上、開示できる報酬は10億という条件があり、条件付きでゴーン氏はこれを呑みました。

小林: つまり、ケリーが間に立って、ゴーンの要求額と日産の提示額の調整をしたわけだ。そこで出てきたのが「後払い報酬」であり、ゴーンが10年ほどで退任するとなるとその総額は80億円ほどになり、この金額を退任時までに確保することがケリーの命題になった。退任がいつかはこの時点では分からなかった。

ハヤト: そこでケリー氏はZiA社の設立を取締役会に提案し、2010年と報告書に書いていますね。原資として60億円を確保してオランダに設立しました。オランダに設立したのは、税制の問題もありますが、ここがルノーとの共同会社RNBVの拠点だったからです。実際の給付には会長を兼務しているルノーとの交渉が必要なことが予想できます。そこまでは考えたのでしょう。

小林: おそらくゴーンはこのスキームについてはあまり知らなかった。60億円で十分としたのは、ケリーの説明で年率3%で資産を増やせば、10年後には80億円になり十分な給付が確保できるので、それで納得したと思われる。3~4%の利息は日本以外の投資では珍しくもない。むしろ堅実とさえ言える。

ハヤト: 給付が確定している場合はもう一つ選択肢があります。退職金積立として毎年8億円を積み立てる方法で、これだと毎年1%の法人税が掛かりますので、10年後だと72億円になります。ですが、これは企業人としては愚策ですね。「確定していない」ことには意味があるわけです。あと、ゴーン氏があまり知らないだろうというのは、後のゴーン氏自身によるNMBVの手際と比べて、ケリー氏の采配の鮮やかさが際立っていることがありますね。



小林: このフォイノスの間に会社を2つ挟む理由な。一つはオフショア会社だが、実はオランダの税制は日本と違っていて、これだけではオランダ税務当局に捕捉されてしまう。なのでもう一つ会社を作って課税を逃れたわけだ。日産が子会社を作ってルノー株式を取得したことと同じ公式だ。

ハヤト: 後のゴーン氏の場合はここまで洗練されていませんでした。NMBVがどうなったのか良く分かりませんが、ゴーン「業務主事」個人の給与所得という何とも垢抜けないやり方で。その後はやっぱりケイマンかバージンでしょうが。あれも「ギョーム主事」に名を借りた租税回避と我々は見てますが、オランダ税制の特殊性はケリーさんはすでに考慮済みだった。



小林: 実際に支給の段階になれば、ルノーとの関係があるから、ゴーンが日産のみから給付されることは絶対にない。が、10年後なら原資は80億円もある。で、ゴーンとしては10年前の合意文書(書類①)を日産の取締役会で承認させ、それを梃子にルノーで総額を確定させ、実際の給付は両社がコンサルタント契約等(文書②)で調整し、双方の株主総会で承認という手順になる。

ハヤト: コンサルタント契約の契約料が会社の規模に比例するとなると、日産の実際の負担は50億円ほどになりますね。さらに不動産の値上がりで利殖した部分が20億円ですから、当初の出資額が60億円としますと、結果的に必要な金額の約半分、30億円で未払い給与分を作ったことになります。ルノーと折半すれば、たぶん計上する数字は20億円弱で済むでしょう。ルノーの方も労組に認められそうな金額(10億円ほど)で収まります。会社へのダメージは最小限(三方良し)

 実は日産社員の鑑のような活躍をしたケリー

小林: これはもう一つの問題、ウチでも散々議論したCEOリザーブとは別の話だな。このようにゴーンの未払い給与はきちんと確保する枠組みがあったので、それ以外に別の収入源があったなら、それは社費流用の不正という話になる。



3.とめどなく落ちる日産

 

小林: 事件は「クーデター」だけど、一年間良いところないじゃない。

ハヤト: 5月頃に急落していますが、ゴーン氏が再度保釈されまして、事件について情報は一通り出揃っていたのですが、ゴーン氏の悪事の数々のほか、スナール新会長や持株会社の話なんかも含めてですね。報道としては割と静かな時期です。9月まで報告書もありませんし、何が原因ですかね?

小林: そりゃさ、最近ゴーンが4月辞任はインチキと主張しているけど、ルノーと日産の双方で株主総会があって、ゴーンが正式に役員会から追放されたことじゃない。取締役会の提出する議案に名前ないんじゃ、この人物の現役復帰はもうない。そう見た市場が日産とルノー両社を見放したんだよ。



ハヤト: 保釈されていましたから、日産はともかくルノーの方は「推定無罪の原則」で再任の余地はありましたね。ただし、日産は強硬に反対したでしょう。ですが、市場はゴーン抜きの両社に将来を見ていなかった。さらにダメ押しになったのが、今月22日の郷原弁護士の会見で、翻訳されて世界中に流されたけど、元経営者が会社の将来を見切る発言(2~3年でつぶれる)をしたことで売りに弾みがついたようです。

 

小林: ゴーン式経営が評価されていたことはムニョス入社がヒュンダイの、ヴァンサン・コベ、ヴィンセント・コビーの両名をブランドCEOに任命したPSAの株価を見れば分かるな。PSAの両名はゴーンが三菱再建に連れて行った役員で、ムニョスはもちろんだが、彼らは直接ゴーンの薫陶を受けた役員だ。

 ゴーン直弟子のボロレ

ハヤト: となれば、この人の将来も安泰ですね。誰ですか、ゴーン氏が人材を育てていないなんて言ったのは。

小林: 売買も往時の3分の1以下だ。今や市場は日産の株は売りしか興味ない



4.ゴーン弟子が売れる理由

 2015年NYカンファレンス

Ghosn: Yea, there are a lot of people who think that young people in developed countries are less interested in cars. I don't think so. They are less interested in the cars we offer them today. You know what I mean? But they are very interested in cars. And we know what it takes, when you analyze the millennium and the young people, we know what they want, you know? We know what they want and we know what other features they like, that would bring them back to the car.

They, first
they want a connected car. That's obvious. That means that they don't want any more cars where they have the impression they have, that there is a disruption between their life at home and their life in the university, or their life in their working place, because when they are in the car, they cannot be connected and they cannot continue all the conversations they are having, normally at home and etc. First obligation is connected cars.

Second, for a productive car to really be working, you need more autonomous drive, because if you want to read the user connection, you won't be able for certain time to turn into autonomous and be able to fulfill the connection. So
they are extremely also favorable to environment, so everything which is low on emission, high fuel efficiency, zero-emission also is very popular. Obviously am affordable price, so we know what it takes to bring back the young people to the cars, and I think that with the development of connected car, autonomous drive, zero-emission, low emission, we're going to get that back.

小林: 先にも挙げた、2015年にゴーンがNYで言っていた内容だが、自動運転の定義は以下な。

Ghosn: I'm not talking about the driverless cars. They are completely different. Autonomous Drive means that the driver is in the car, and you are empowering him to do whatever he wants. If he wants to drive, he drives. If he doesn't want to drive, he doesn't drive, in some circumstances. That's what we're talking about.

小林: 5年前だよ、これ? 5年前にこれだけのことを考えて言っているんだ。自動運転なんて、今だに日産や三菱のディーラーもちゃんとした説明できてないじゃないか。コネクティッドカーだってあのマツダの方が進んでいるように見える。三菱ミラージュにはコネクティッドのコの字もなかったな。

ハヤト: 日産の方々もですねえ、ゴーン氏の悪口や追跡調査はもう良いですから、こういうことを言って欲しいんですよ。



閑話休題

ハヤト: 面白いビデオが入手できました。日本メディアがほとんど報じなかった情報のある、気まずそうなゴーン氏のインタビューです。

 なぜ報道しない?

ハヤト: 40分あたりから始まるんですがね、50分くらいまでが重要な内容です。まず、あのビューティ・ヨットですが、売った弁護士の名がマデュー・キャラバンという人物で、あと、脱出の前にファド・アブ・ネーダーという人物が接触したのではという質問です。どちらもほとんど報道されていませんね。ネーダーはレバノンの軍人で政治家です。ほか、RNBVについてですが、検察は監査報告書をゴーン氏には見せなかったみたいですね。これも大事だと思いますが。

小林: あのネベッタ37な、老いたレバノンの弁護士から年を取って海に出れなくなったので譲渡というのは最初から少しおかしかった。ビューティー・ヨット社の設立は2015年で、シャチョウ号の建造が2017年、これがちょうどGFIからの不審な資金の流れと平仄が合うので。会社の所有者が変わったのは本当だ。弁護士はジェブランだと思っていた。が、キャラバンなんていうレバノンの弁護士は知らないな。もちろんゴーン弁護団にもいない。



ハヤト: ゴーン氏の説明ではビューティー・ヨットという会社は元々あり、所有者がキャロル氏に変わっただけという話ですが、2015年に巨額の資金移動があって、ヨット会社とショーグンファンドの双方がこの年の設立というのが怪しさ爆発なんですよ。

小林: 本当に怪しいんだが、直近4年間の販促費を全部合わせても27億円もないし、ヨットにしても建造期間1年で頭金と決済があるにしても、2016、17の金額が少なすぎる。あれ18億円のヨットだしな。ショーグンは5億円くらいという話だし。私はバフワンがGFIを介してゴーン一族の会社に投資と見ているけど。

ハヤト: 会社の話にしても、すぐ分かるウソを彼が言うとも思えないのですよ。10日間かけてファクトチェックしたでしょうし、ビューティー・ヨットの内情については頭に入っているはずです。今ある情報では、この会社はバフワンの金で大型ヨットを保有するための会社にしか見えませんよ。ですが言いようはもっと前から会社があったような口ぶりです。それに「シャチョウ」を「TWIG(小枝)」と改名していますが、彼によれば名前が陳腐ということですね。なら保釈中じゃなく、もっと前にすれば?

小林: このヨットの出自について検討した話の一つに、仮説だが、実質的所有者が別にいるという話があったな。スヘイル・バフワンの娘のアマル・バフワン。保釈中でスマホも持てないゴーンがあれこれ指図はおかしい。それにこの船、改名前は一度売りに出ていたしな。

 スヘイルと娘アマル

ハヤト: ビューティー社はどうも説明されていない、あるいは説明しにくい事情がまだある感じですね。しかし、アマル氏の結婚記念プレゼントなら、ゴーン氏が代金を払う必要はありませんね。あと、ネーダー将軍についてですが、どうして日本メディア報道しないんですかね?

 レバノンのネーダー将軍

小林: これはさ、ゴーン脱出レバノン特殊部隊協力説があっただろ、訪問者の一人にいたかもしれんが、カマを掛けたというのが適当だな。事実じゃない誘導尋問だから報道できないんだ。あと、ヨットの方は不正蓄財でなくても個人的事情だから、説明は苦しいと思うよ。

ハヤト: ゴーン氏の抑留中にキャロル夫人とアマル氏との間に喧々諤々があったんでしょうね。「TWIG(小枝)」という名前にヒントがある感じがします。

小林: 見た感じ、ゴーンには命名権もなさそうに見えたからな。最初の名前が「シャチョウ」で、次が「TWIG」、そこから連想されるのはキャロル夫人じゃないじゃない。

ハヤト: それは言えますね、キャロル夫人と知り合った当時、ゴーン氏はすでに会長で、彼が「シャチョウ」だったのは、日産では2000年から2003年の3年間だけです。そして、ウチでも取り上げたバフワンの内輪揉め、スヘイルとサウドの兄弟ゲンカがちょうどその時期です。確かアマルがそれを収めて、トヨタの販売権をサウドに譲ったスヘイルが代わりに取得したのが日産の販売権

小林: この辺の話は前にしたな。アマルは数値目標とコンピュータ管理を導入して経営を透明化し、あの会社の兄弟紛争を止めたんだ。それに年間100日も飛行機に乗っているゴーンにヨットなんか乗る暇あるか。

ハヤト: では、今回はここまで。