Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2020/1/23)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。




はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。


1.今週のゴーン事件 





小林: リーマン危機の時を思い出すと、まさかゴーンが「人権と自由の使者」になる日が来るとは夢にも思わなかったが。



ハヤト: 反論は例によって井上久男氏のレポですがね。こんな感じで丁々発止が続きそうですね。

小林: 内容はいつも同じなんだが、井上氏のレポからゴーンの悪を取り出してまとめてみよう。

(日産ウォッチャー井上氏による)
 ・2004年まではヒーロー、以降は凡庸。
 ・問題は司法制度ではない。訴えられたのはほんの一部。
 ・日産の私物化・・・まるで北朝鮮。
 ・「親子上場」は問題・・・同一トップの二社支配。
 ・配当高すぎ、短期目標重視で商品開発が疎か。
 ・劣悪な現場、下がる社員の士気、コミットメント経営の弊害。
 ・コミットメント未達でも自分は無傷、老害経営者化。
 ・EV、新興国市場、北米インセンティブ販売の失敗(魅力のない日産車)。
 ・外人経営者の過度な優遇。
 ・後継者候補の排除。


ハヤト: マア、理解できそうな内容もありますね。総じて言えば、規模拡大と株価を重視するあまり、人や資本など会社の資産を犠牲にして私腹を肥やしたと。

小林: それじゃ、かいつまんで話そうか

1.「親子上場」問題・・・同一トップの二社支配。



小林: 「親子上場」についての議論は確かどこかの評論家がおかしいと書いていたが、親会社の役員が子会社の役員を兼務することは違法でもなんでもなく、経営に介入することも問題ない。問題があるのは、親会社の役員が子会社を使って親会社の株主総会を操作する場合だ。でも、見ての通りルノーの株主の62%は個人株主で、フランス政府は15%しかない。

ハヤト: しかも、ルノーは役員の過半数以上が社外取締役委員会設置会社です。持ち株会があることから、労組出身の役員もいる。ビデオにもありましたが、ボロレ氏の任命の例でゴーン氏が人事案を出しても認められるとは限らない、独裁者ではないというのは本当だと思います。現に2016年は持ち株会が音頭を取ってゴーン氏の報酬を減額させていますし。

小林: むしろ、日産も上場することで本来ルノーに還流するはずの配当利益が第三者に流出することが、この方式(親子上場)の問題なわけで、これはルノーの株主にとっては問題でも、日産の株主にはほとんど影響のない事柄だ。

2.配当高すぎ、短期目標重視で商品開発が疎か。



、、研究開発費は5・1%増の5500億円とし、良い商品づくりへの投資に振り向ける、、、ゴーン前会長は、開発投資を削って配当に回してきたが、その経営手法も完全に改め、配当よりも、商品開発に資金を回す。

小林: これは先の親子上場に関連するが、日産もルノーも配当率は高かった。日産6%、ルノー9%で株価も高かったんだよね。2004年からリーマン危機までは千円超だったし、リーマン後も2013年以降はやはり千円台をキープしていた。高い配当率が好調な売り買い(他社の2~3倍)に影響していたことは明らかだ。

ハヤト: しかし、研究開発費はゴーン時代は4~5千億円ほどです。トヨタは1兆円越え、ホンダも6~7千億円であることを見ると、見劣りするんじゃないですか?

小林: 日産だけならな、でもルノーが3千億円、三菱ほかが2千億円ほどあるので、合算すればトヨタくらいの投資はしている。研究開発費が一番多いのはVW(1.8兆円)だけど。

ハヤト: となると、「開発投資を削って配当」というその文脈が間違っていませんか?

小林: 西川氏がゴーンを追って先ずやったことは1万人規模のリストラと、主としてルノー共同開発のプラットフォームを用いた車種の整理だったが、その後で「分社化計画」なんてのが出てきたが、現在の日産のキャッシュは2017年の半分の100億ドルほどだ。これからリストラでさらに減る。

3.コミットメント経営の弊害



小林: 「言ったことはやる(有言実行)」というのは美徳だと思うが、これが日本風の忖度文化と合わさるとどうも雰囲気が悪くなり、、

ハヤト: 紫綬褒章にナイト・コマンダー(KBE)のゴーンさん偉すぎますからね。一度口にしたら引き下がれない的なムードはあったと思います。

小林: その辺の雰囲気が良く出ているのが上の日経ビジネスのインタビューで、星野っておばさん、彼女が日本の責任者だが、ずいぶんピリピリしてるでしょ。4年前のニューヨークでのゴーンとムニョスのトークショーとは対照的で。

 2015年、NYコンファレンス

ハヤト: 文化の違いでしょうか、こちらはかなりくだけていますね。

小林: ゴーンの経営が単に無理な目標を押し付けてゴリ押しとは全然違うことは聞けば分かると思うよ。

4.EV、新興国市場、北米インセンティブ販売の失敗(魅力のない日産車)。

ハヤト: これも論拠不明とはいえますね。インセンティブについては早くから意識されていて、インタビューでもしっかり言われていますが、どうも最初に言ったのはホンダのようです。「日産は法人販売のインセンティブでシェアを伸ばしている!」、ムニョス氏曰く、「いや、お前(ホンダ)のほうが多い。」、こんな感じのやり取りです。



小林: 上はヴァンダービルト大学でのムニョスのダイアログだが、わざわざ日本語を覚えてまでして、「方針管理」の効用を力説しているけれども、井上はこれは取り上げないんだな。なぜなら、元々TQC用語だが、別の本でトヨタ褒めるのに使ってしまっているから。こういう所ズルいよね。

ハヤト: 日本人ってそういうところありますよね。トップが「刺身のいちばん良い所」を持って行って残り物を押し付け、「好きにしたら」みたいな。日本人は平気みたいですが、外国の方から見ると奇妙に映ると思いますよ。自由と言いつつ、実は制約された自由しか無いんです。

 2010年、世界企業を運営する方法(ゴーン)

小林: 上は2010年のスタンフォード大学での講演だが、実を言うとゴーンの言っていることは2010年も2015年も2020年も、10年間ほとんど変わらなかった。何で10年前に逮捕しなかったんだと(笑)。EVや新興国については2010年も2015年もすでに答えが言われているよ。書かなかったのは日本のマスコミだけだ。

ハヤト: 中国の例を引いて興味深いことを言ってますね。2000年は中国の自動車販売は20万台ほどだった。2010年では世界最大の自動車市場だけども、「まずい経営・政治」はポテンシャルと。タタ(インド)なんかの例を挙げて、次の自動車市場はいつ、どこに眠っているか分からない、思わぬ形であると。

 その10年後

ハヤト: そしてこれが10年後、変装保釈に続き、驚愕の「箱脱出」でベイルートに到着後のインタビューですが、イランについて話していますね。日本ではあまり話題になりませんでしたが、ルノーでは実は結構しぶとくイラン市場にこだわっていました。なぜそうなのかは2010年のインタビューを聞けば分かります。井上さん、なにか言ってます?



、、もしルノーの人が日産関係者に含まれていないとすれば、ルノー側にはムナ・セペリというイラン人の女性の副社長がいる。この人も弁護士で、日産社内では“ルノーのケリー”と呼ばれている。その人とやり取りをして、ゴーン容疑者が有利になるようなことを画策する可能性があると日産はみている(井上)。

小林: ま、井上とか日産の日本人役員の見識って、この程度なんだろうな(溜息)。少し長めに見ると話繋がるんだよ。セペリはRNBVからゴーン以外に唯一「報酬(7千万円)」を受領した役員じゃない。そしてゴーンはイラン市場に執着を見せていた。



ハヤト: ゴーン氏のアレ(NMBV)は別として(笑)、たぶん租税回避ですからね。セペリ氏の方は、これは工作資金でしょうねえ、、2012年から欧州連合はイラン産原油の輸入を凍結しています。核合意に伴って2015年に事実上緩和されるんですが、ちょうどその期間でしょ。

小林: 金額が小さいのはイランではなく欧州の政治家に対するものだったんだろう。美人のセペリが若干の薄謝を持参して政治家に頼み込む、発覚したのは日産の調査だが、ゴーンはともかく追及が鈍いのは、これが政治スキャンダルに発展する案件だからだろう。タダの横領なら、調査はもう終わっていなければおかしい。



ハヤト: どちらかと言えばRNBVよりこちらに誘導したがっていますね。地味なオランダ建物より耳目を引く案件ですし、フランスではゴーン氏のイメージは拘置所よりもこちらですからね。



小林: これはゴーン夫妻と当局、ルノー日産の数少ない一致点で、キャロル夫人も「後悔」と言っているし、ゴーンも「やらなきゃ良かった」と言っているから、払うと言っているんだし、これは会場費をルノーに払って終わりだろう。



閑話休題



[ベイルート 23日 ロイター] - 保釈中に不正に日本を出国した日産自動車(7201.T)前会長のカルロス・ゴーン被告について、逃亡先のレバノンと日本の当局は日本に身柄を引き渡すか、レバノンで裁判を開くかについて約40日以内に決定する必要がある。司法筋とゴーン氏に近い関係筋が23日、明らかにした。

小林: これは2週間前にすでに言われていた話だな。

「関係筋によると、日本の当局は最近、正式な引き渡し要請のためには、どのような資料を提出する必要があるのか、明確にするようレバノン側に求めた。」

ハヤト: これはどういうことですかね? 3日にはICPO東京支局から赤手配を回覧しているじゃありませんか。それを受けて9日にゴーン氏を聴取したわけで。「正式な(formal extradition request)」とはどういうことです?

小林: 法務大臣名での引き渡し要請付随資料だな。実はレバノン側は手続を進めている。ゴーンを聴取して出国禁止にしたが、いつまでもというものではなく、セルハンは40日と明言している。この期間は正式な要請と付随資料を送付できるため、国際的に日本側が持つ猶予期間だ。それと出国禁止という措置は検察官ができるものではないから、これは裁判所も関与したんだろうな。

ハヤト: 付随資料と言いますと、罪状と裏付ける証拠についての文書はもちろんですが、日本・レバノン双方の刑法で処罰できる、双方可罰性の説明が必要でしょうね。

司法筋は「レバノン側は回答し、私たちはきょう、これを日本側に送った」と述べた。

小林: 言わずもがなのことであって、聴取から10日以上も経って、「どのような資料を提出する必要があるのか、明確にするようレバノン側に求めた」というのは、日本側の引き伸ばし作戦か、それとも法務省がそれだけ混乱しているかだが。そもそも40日の起点がいつなのか、セルハン以外明言していないしな。

 

ハヤト: 手慣れている感じしますよね。完全にレバノンのペースじゃないですか。

小林: さらに記事によると、ICPOの規則で、森さんは引き渡しを正式に要請するか、捜査資料をレバノンに送って同国での裁判手続に合意するかを40日以内に決めなければいけない。ま、セルハンは判事だし、レバノンへの引き渡し要求は結構多そうだし、手慣れているのも無理ないわな。もちろん検察はレバノンで裁判させる気などないので、「正式に要請」になるけれども。

ハヤト: その後はどうなります?

小林: 普通の例だと送付された資料からレバノンでも犯罪行為が認定(二重犯罪)される場合は、裁判所(高等裁判所)に送られるな。引き渡し裁判官が選任され、そこで審理が行われる。資料から嫌疑不十分と判断された場合は釈放され、そうでない場合は拘束されて法務大臣の最終判断を待つことになる。判決は決定で行われ、判決には控訴することができる。

ハヤト: 裁判所に送られない場合は、今回はその可能性も高そうですが、どうなります?

小林: 日本側が40日以内に正式な要請をせず、捜査資料も送らない場合は、嫌疑を掛ける理由がないので、逮捕勾留に相当する出国禁止は解除される。また、国際的に定められたルールを遵守しなかったということで、ICPOの手配も撤回される可能性が大きい。で、セルハンの話だが、裁判所が送還相当とした場合でも、最終的な決定を留保できる。自国民であることを理由に送還を拒否することはできるし、その他の理由もある。

 9月24日のSEC和解

"Simply put, Nissan's disclosures about Ghosn's compensation were false," said Steven Peikin, Co-Director of the SEC's Division of Enforcement.
(「簡単に言えば、日産の報告書にあるゴーンの報酬は誤りでした。」 スティーブン・ペイキン SEC法執行部門副理事)


小林: これは要するにこれだけの話で、検察庁の送った資料がどんなものか、刑事責任を問えるような代物なのかは分かるわな。レバノンも似たり寄ったりだろうし、これは要請しても第二段階の裁判所で放免される可能性の方が大きいな。



ハヤト: 見ていて思うんですがね、この人は仮に罪を認めて数年入牢しても、出獄したらタレントとして引く手あまただったと思いますよ。ま、そのチャンスはとっくに失われていますがね。

小林: 戦略家としてはやっぱり超一流だよね。あと、ついでに見たんだが、左の学者の鈴木一人ね。

 ツイッターではこんな顔の男   現在

ハヤト: こりゃ詐欺でしょう。ああ、イラン絡みでちょっと見たんですね。左の顔は知ってます。右は初めて見ました。ウチでは「新聞先生」と呼んでますが。

小林: セペリの件で、イラン核合意絡みで裏事情知ってるかなと思ったが、ま、こんなダサムサ顔にはセペリも近づかないよね。住む世界が違うんだ

ハヤト: この顔で京アニの話とか見ていて悲しいですよ。あと、この手の研究者ってスポ根用語が通用語なんですか? しかもメイン業務がツイッター、、

小林: ネット廃人とは別の意味で終わっている男だな。

ハヤト: 女子高生のツールが「ツィッター」とか言ってますよ(怖)、、フェィスブックは嫌いみたいですね。ええとこれ、2020年ですよね?

小林: もう何年も前にツイッターは「ジジイババアのツール」で、ティーンはLINEと決まっているのだがな。ネットウヨク3万人にフォローされてご満悦か、本当に絶望的な精神状態だな。救いようないよ。

 細谷雄一×中山俊宏×鈴木一人「ゴーン、イラン、トランプ」

ハヤト: それとですね、アナタにご案内されて話聞いたことがあるんですが、この種(政治)の学者さんは前置きが長すぎるんですよ。20分話しても本題に入らないじゃありませんか。

小林: 学生時代に3時間話しても本題に入らない東洋文化研究所の先生の話を聞いたことがあるよ。30分でようやく本題か、「(対抗できる何とかが)備わっていない」とか言っているが、備わっていないのはお前だ。ま、聞いててルノーのイラン工作について何も知らないことは分かったよ。



ハヤト: ま、中身ないですから良いでしょう。で、例によってサヨク学者山口氏オススメの立憲民主党の代表質問を読んだんですがね。これこそ「一方的な言い分」、「説得力に欠ける」、「政策を証明しろ」じゃないですか? ああ、まだ流れてますが(鈴木)、指示代名詞多すぎますよ。



「社会全体で『支え合う安心』の仕組みを構築することで、老後の不安をなくし、子どもを産み育てたいと望む方々の希望をかなえることが可能な社会をつくる」「偏って存在している豊かさを分かち合うことで、多くの国民がその実感を持てるようにする。それが、可処分所得を実質的に拡大させ、国内消費を伸ばし、GDPの持続的成長につながる最大の経済対策となる。

小林: だから、具体的にどうやるのさ(疑)?



(補記)民主党時代

 

小林: 民主党の時代なんだが、自民党の面子が言っているような無策政権では必ずしもなかった。読み切れないほどのマニフェスト(政策目録)があり、キックオフという言葉で工程表があり、数値目標を決め、各省に副大臣、補佐官を置いて実効性の確保に努めた。が、今にして思えば、これらはゴーン式経営の悪しき模倣、コミットメント経営といえ、官僚は動かず、政策の実効性は上がらなかった。「意あって力足らず」と言えばそれまでだが。

ハヤト: 運も悪かったですね。リーマン危機に東日本大震災と国難級の災害が2つもありました。対応に模範解答はなかったと思いますが、菅政権、野田政権の対応は非難の的になりました。

小林: 何で非難されたかは政権発足から2年も経っていたのだから後知恵であるが、民主党政権は政権交代を実現させた有権者の組織化を怠った。無償でも良いから協力したいという声は当時からあったのであり、それをすくい上げるべきだったが何もしなかった。なぜならば、彼らの政策には精度縦縦断性が欠けていたからだ。先のゴーンやムニョスの言葉に出てきた「方針管理」な、それが民主党政権には考えすらなかった。

ハヤト: だから、従来の自民党支持の利権システムも機能せず、支持者の組織化も行わなかったことで、日本社会には手持ち無沙汰な人が溢れたわけですね。

小林: 仮定の話だけどさ、ここで民主党政権が当時はリストラの大鉈を振るっていたゴーン、彼らが最も嫌う外人経営者、を、呼んできて師表を仰げば、十中八九、民主党政権は3年で終わらなかったし、自民党政治にも戻らなかったと思うよ。異なるタイプの人間を束ねる彼独特の理論はすでに完成していた。

ハヤト: 入閣はともかく、政治顧問くらいにはすべきでしたね。確かに、強固な抵抗勢力だった自民党に飼いならされた官僚たち、大企業の従業員に中小の商工業者、それに無党派層といった出自も傾向もバラバラの集団を束ねる方法はゴーン氏の方法しかありません。

小林: それがさ、表面だけ模倣して数値目標で役人を締め上げる。それじゃ組織は動かないとゴーンは明言しているんだ。現場視察も菅直人の場合は単なるポーズだが、ゴーンの場合は現場の課題を拾い上げて、それを縦方向のマネジメントに反映する方法を常に考えている。会社を合併しても資産の切り売りや大量リストラに走らず、さらに強大なグループになる。学ぶべき点は多かったんだよ。だから日産は20年で日産だけで二倍の大きさになったんだ。

 ロシアメディアのインタビュー

ハヤト: こういう方ですから、あのレバノン国をどうするかは観物ですね。やらせてみたいような気はします。

小林: 会社経営と政治は違うがな、政治は債務超過になってもリストラで逃げられない。

ハヤト: では、今回はここまで。