Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2020/1/22)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。




はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。


1.今週のゴーン事件 



、、、加藤氏が着目したのは、海外送金する際、送金銀行と受け取り銀行をつなぐ「コルレス銀行」(=仲介銀行、中継銀行)の存在だ。テロリスト顔負けのゴーン被告の起訴内容を伝えることで、コルレス銀行のブラックリストに掲載させることを目指している、、、コルレス銀行への通報は、主にメールで行っている。加藤氏がブログで賛同者を呼びかけた直後から、7000件を超えるアクセスがあり、「送りました」という返信が相次いでいるという。



 “無罪請負人”の弘中惇一郎弁護士(74)は、“逃亡請負人”となった。保釈を勝ち取り、日産自動車がつけた見張りも排除して、ゴーン逃亡のお膳立てをしたのである。そればかりか、ゴーンが使っていたパソコンの提出を拒む始末。事ここに至っては、強制捜査をかけてもいいのでは――。こうした見方について、司法記者が次のように語る。



、、ゴーンは今後も発信を進めていくでしょうし、結果として、日本の裁判はメチャクチャだと世界に広がります。一般の事件とは次元が違って重大危機なんだから発信しないとダメ。そのひとつが録音録画を公開することです。英語でやっていて、通訳人もいたわけだから公開に支障はない。もともと自白なんて取れないということでやっていたはずですから自白を迫るようなこともなかったはずです。録音録画を出せばよいのです

小林: 高野弁護士の興味深い論説(英語)があるが、まずは今日も沸き起こるこの変な論説から。あれほど「推定無罪の原則」と言っているのに、この人たち、まだ「推定有罪」で文字書いているんだねえ。

ハヤト: ああ、高野さんは朝日新聞のインタビュー(日本語)に出てますよ、では、最初の話から。

(その1)


小林: コルレスなんて書くからスペイン人の誰それとか思ってしまうけどさ、これはcorrespondent(代理店)”の日本風読み方略称でさ、ゼットガンダムの富野みたいなセンスの悪さだけど、要するに外為銀行だ。素直に三菱UFJと書けば良いものを。

 コルレス銀行への通報は、、、「送りました」という返信が相次いでいるという。

ハヤト: 要するに日本語でやっているんですね。何だ、弁護士会に懲戒請求送りつけるとか、テレビ局に電話といったいつもの安倍自民応援団のやり方そのものじゃないですか。義憤も感じません。それにこれじゃ送金の遮断はできません。

小林: 外為銀行(円↔ドル)だからな。要するにゴーンの資金が立憲民主党とか反自民サイドに流れることを恐れているんだろう。あんなポンコツ野党、応援する価値もないけどな。



ハヤト: でも、有権者の間には不信感が広がっているんですよねえ、ゴーン氏自身、「日本の一般国民の受け止めは寛容だった」と言ってますし。森法務大臣に今日送った果たし状(フィナンシャル・タイムズも結びはこんな感じです。議員としても心穏やかではいられないと思いますよ。

...the country deserves better from its leaders, including Ms Mori and those responsible for the damage to Nissan and its alliance with Renault and Mitsubishi.
(日本の国民は森大臣や(政治的に結託して)日産とアライアンスに損失をもたらした現在のリーダー(含む安倍政権)よりずっとまともだ。)

(その2)


小林: これはさ、弁護人は辞任したけれどもコンサルティングは継続していると見るべきだな。そりゃあ以前は相対する立場だったんだから、取り上げちゃいけないよ。

刑事訴訟法第百五条 医師、歯科医師、助産師、看護師、弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、弁理士、公証人、宗教の職に在る者又はこれらの職に在つた者は、業務上委託を受けたため、保管し、又は所持する物で他人の秘密に関するものについては、押収を拒むことができる。但し、本人が承諾した場合、押収の拒絶が被告人のためのみにする権利の濫用と認められる場合(被告人が本人である場合を除く。)その他裁判所の規則で定める事由がある場合は、この限りでない。

司法書士法第二十四条 司法書士又は司法書士であつた者は、正当な事由がある場合でなければ、業務上取り扱つた事件について知ることのできた秘密を他に漏らしてはならない(行政書士法も同じ)。


小林: 司法/行政書士の「正当な事由」とは刑事事件を含むものと解されている。つまり、これらは刑事事件の情報提供を拒むことはできない。法律の留保があるけどさ、弁護士の押収拒絶権はそれより強い権利だ。しかし言うに事欠いて「逃亡の援助者」とはひどいね。

ハヤト: 法律の定める正当な権利もナショナリストの前では国益を損ねる逆賊行為となってしまうのですよ。いいかげん正気に戻りませんか?

小林: 連中、自分が不利になると法律の庇護を求めるんだ。これが安倍政権の「法の支配」だよ。

(その3)


 怪気炎を上げるゴーン動画、翻訳は秀逸

小林: これは私も「何で公開しないんだろー」と思っていたが、上のビデオで理由が分かった。検察庁の雇った通訳が下手すぎて、ゴーンもケリーも何を言われているのか分からなかったんだ。だから、ビデオを公開してもブロークンな英語とゴーンのキョトンとした顔が映るだけ。しかも供述書面は日本語。

ハヤト: (汗)公開しても、、、日本の恥を晒すだけですね、、、



2.すこし復習



ハヤト: この400億円なんですがね、何の賠償請求でしたっけ?

小林: ゴーンはジュファリと組んで中東販売をトヨタ式に作り変えたけどさ、実は会長口利きで全部うまく行ったわけじゃなかった。勾留理由開示の時にジュファリが声明を出したけど。奥さん偽証罪のアレだな。ジュファリ関係ないけど。その時に日産の納入価格が契約よりも高かったと言っている。契約で日産の利益は5%と決められていたのに、実際は20%取られていた。何と比較しての利益率か分からんが、ジュファリが高い価格のクルマで苦戦したことは本当で。なので差額をよこせというのがこの400億円だ。

 実はビミョーなジュファリ氏

ハヤト: ま、一年見ていて我々もゴーンさんのやり方が分かってますからね。一度方針を決め、担当者(現在はペイマン・ガーガー)に任せたのですが、その担当者が不実だった。それと、ジュファリ氏については言われているほどの親ゴーン派じゃないとも見てますね。

小林: 復習だが、最近ようやく生年月日が分かったが、ジュファリは1958年生まれで姉のマハと兄のワリド、そして2008年に麻薬中毒で死んだ弟のタレクがいる。ワリドも2016年に亡くなったが、ジュファリ財閥の総帥はこのワリドで、おそらく父親の方針で他の兄弟は看護師のマハを筆頭にハリドも慈善事業家みたいな仕事をしていた。実はゴーンが助けを求めた2008年時点では、アハメドは死んでいたがワリドがまだ健在で、慈善家のハリドには名誉職以外そんなに力はなかった。

ハヤト: しかもこの人善人なんですよ。兄の方はすごく悪そうなんですがね。ハリドは中東の資産家をあちこち訪ねて慈善ファンドに寄付を求める光景が印象的ですがね。慈善活動には金が掛かりますから、スイスを拠点に活動していたハリド氏は金勘定は人並み以上にできる人物です。ですが守備範囲が特殊なんですよね。

小林: 2004年の日産ガルフの開所式のコメントより、どう見ても慈善運動の方が情熱的で熱心で、ガルフのコメントなんか日産社員に書かせたのを読み上げただけだからな。常に金策に走り回っていたこの人物にとって、2008年の30億円は大金だ。ゴーンが求めたって出すはずない。それに多分そんなに親しくない

ハヤト: でも、ポンと出してますよ。ま、復習ですがね。

小林: ウィキペディアには書いていないが(ハリドが消したため)、ゴーンとハリドの兄ワリド、そして資産家で有名なサウジのビンタラール王子はほぼ同じ年で、同じ時期にベイルートで教育受けているんだよね。三人組の中ではゴーンが1年年長で、ワリドとビンタラールは同じ年。3年年下でハリドもいたが。あと、ゴーンのキリスト教マロン派はレバノンでは支配階級だ。

ハヤト: あの狭い国です。この三人が顔を合わせていないと考える方が不思議です。ただ、アルノー記者の取材でゴーン氏の父親には問題(殺人犯で逃亡)があったようですから、レバノン上流社会への出入りは祖父ビシャラの差配でしょうね。あの性格を見ればゴーン氏がガキ大将でワリドやビンタラールを引き回していただろうことは分かります。ただ、後の境遇を見るとハリドとはそんなに親しくなかった。

小林: ハリドが表に出るのは2016年にワリドが死んで、正式にジュファリ財閥の総帥に収まってからだよね。その頃には日産ガルフのスキームはもう出来上がっていたから。親しげに契約して高卸なんて友だちだったら裏切り行為だが、元々友だちでないので(ゴーンの友人は兄ワリド)、高卸しされても気づかなかったし(ハリド)、ゴーンも(聞かれなければ)関心を払わなかった。バフワンとはえらい違いで。



ハヤト: それにしてもビンさんまだ出てきませんね。ムハンマド皇太子にひどい目に遭わされたことは知ってますが。

小林: GT-Rについて調べた時にサウジの誰それが400台ポンと買ったという話があって、開発者の水野和敏がサウジに出向いて納車証に一枚一枚サインという話があるんだが、そんなことするのは死んだワリドかこの男くらいだよね。それに関係者の中で「王族」はこれしかいない。今はムハンマドに圧されて雌伏しているが、ほぼ間違いなく、物陰からこの事件をじっと見つめているよ。だいたいビジネスマンのゴーンが変じゃない、特殊部隊隊員(テイラー)を知っているのは。



ハヤト: ええ、海千山千で羊頭狗肉な人が多い業界です。知らなければ人選にも苦労するはずです。大金をむしり取られてそのまま誘拐、あるいは殺害もありえますからね。ゴーン氏が信頼でき、秘密を保ちつつ、迅速に実行できるだけの実力のある人となると限られます。



小林: 全部の条件を満たしているよな。それにしても安倍ちゃん愚か。実は動機もありそうだ。



3.日産はあと2年で潰れる?

 

小林: 今日の11時に郷原弁護士の記者会見があって(外国特派員協会)、そこでゴーン発とされる爆弾発言が次々と。すぐ外紙に転載されて日産災難だよねえ。

ハヤト: 財布の中身を知っているだけに説得力あります。2017年に彼が辞めた時、日産のキャッシュは200億ドルだったそうです。今はそんなに無いだろうと。



小林: あと、ハリナダはケリーが引っ張ってきた社員で、彼の後継者として考えていたようだが、結果的に二人とも裏切られた。この辺はまあ、我々もそうだろうとしていたな。

ハヤト: ケリー氏は非常に毛並みの良いテネシーの法服貴族(法律家一家)の出身ですし、ハリナダ氏はイギリスで学位を取得したバチスタ(法廷弁護士)の資格を持つ法律家です。どちらも率先して悪を行うような動機も理由もあるタイプじゃないんですよ。



小林: 例のZiAなんだが、その後のフランステレビの取材でゴーンのあの家は実は日産の所有ですらなく、ブラジルの家と併せて、ZiAを中心とした金融パッケージの一部だというんだな。つまりマネロンなんかじゃなく、ゴーン退職金の原資として運用されていた利殖資産の一つにすぎなかった。英領バージン諸島のオフショア会社を介するのがマネロンチックと言われているが、租税回避でしょ。上手く運用すれば退職金を引いても利益が出る

 

ハヤト: マア、彼らの討伐に2億ドルも使ってしまった後では、ハリナダ氏を使い、数千万ドルの捻出に四苦八苦して利殖していたケリー氏も浮かばれないでしょうがねえ。それにこういう内容はGMではCEOの特典です。バーラCEOがタダで受けられるアドバイスを、日産ではケリー氏がやっていた。

小林: ゴーン、ケリー、西川以下日産経営陣の関係は、検察が描きたがっている指揮命令関係より、各々独立した存在とした方が分かりやすいと思うぞ。つまり、ケリーは調整者で、ゴーンの腹心なんかじゃない。



閑話休題



裏でも表でも国際金融の実務経験者は「SBL/C」という証券が使われた時点で、このゴーン氏が「推定有罪」であることを認識している。法律の専門家が国際金融の専門家であるとは考えにくい。

小林: そんなこと言ったらアフリカに進出するトヨタ自動車の支店も電機会社も「黒い悪徳会社」にならなければいかんな。そんなもの(SBL/C)、信用状規則から削除してしまえ(笑)。

アメリカは「ドル」で悪事を働くことを絶対に許さない。SECの認定は「結末」ではなく、「はじまり」と考えるべきだ。逃亡を首謀したテイラー氏は、政府機関で仕事をした「アメリカを良く知る犯罪者」だ。アメリカにとって「敵」となったテイラー氏を使ったことによって、アメリカはゴーン氏の資金監視をますます強化していると考えるべきだろう。

ハヤト: このSECで1億円払って和解したことは「推定有罪」な方々には得点に映るようですね。ほかにもあります。「公正な裁判」を受けたければ「トゥー・マッチ」などと言わず、アメリカでも最後まで争うべきだ。それを避けたのでゴーン氏は「推定有罪」と(笑)。尾形聡彦という朝日のサンフランシスコ支局長ですがね。



小林: 会見での朝日新聞は予定されていた共同通信社が直前でポシャって急遽入れられたんだ。人選をしたのはゴーンじゃなくミラージュ7から会場整理を頼まれた日本の芸能事務所。だから朝日は元々対象外。それに和解の内容に法的効力はない。白でも黒でもないんだ。それにSECでの責任は虚偽記載を許した日産会長としての監督責任でしょ。刑事責任じゃない。そういうのからは彼は逃げないよ。1年通して何見てるんだか。

ハヤト: むしろ検察庁から十分な証拠資料を提供されていたはずのSECが和解で手を打ったという所に注目すべきです。争ったらSECでも勝てるかどうか分からない案件だったんですよ。検察の犯罪事実を示す「高度の蓋然性」は、アメリカでは民事裁判の基準である「真実であるとの確信」にも達していなかったということを間接的に示したものでもあります。つまり、引き分けのようで、実は勝っているんですよ。

小林: 少なくとも我々にはこれがミッドウェーに見えるな。朝日の尾形記者は正反対だけど。センスが無いのは困るよね。

 得意満面の猫さん

 カルロス・ゴーンが国外へ逃亡し、その経緯や日本の司法制度に注目が集まりがちですが、それこそ彼の思う壺です。彼が何をしたのかもう一度おさらいしましょう。

 毎年10億円をドルに換金した場合(2006~2009)

ハヤト: ま、ウチでも計算しましたが、ウチでは新生銀行に差し出した担保は彼の保有株300万株の半分、150万株(約15億円)だと思っていました。なので10億円換金ですと2006、7年は担保に余裕があるのですが(余剰がプラス)、リーマン危機以降はマイナスになってしまいます(担保不足)。つまり、2008、9年のゴーンさんは日本以外では無給状態

小林: 実際の評価損は18億5千万だから数字は上の2倍だけどな。担保も全株差し出したらしい(30億円)。それと猫さん、どうも信用状とコルレス銀行を混同しているようで、そりゃコルレス銀行は日本に三菱UFJしかないが、スタンバイ信用状はどこの銀行でも扱っているよ。現に新生銀行も案内がある(笑)。

ハヤト: それともう一つありますよ。SBL/Cはジュファリさんが切ったんじゃないんです。ジュファリさんが積み立てた銀行(外資系)が切ったんです。猫さんは「足りなければ貸せば良い、その方がノーマルだ」と言っていますが、どうも我々の見るところ、そこまでの信頼関係はゴーン氏とジュファリ氏の間にはありませんね。

小林: まだあるぞ、どうもこの男、荷為替信用状と混同しているようだが、スタンバイ信用状の保証額は100%だ。つまり、30億円の保証には30億円積み立てなきゃいけない。7.5%で発行できるなんてどこから出てくるのか。

ハヤト: 一点崩せば瓦解の独特の理論は一年経っても進歩がないようですがねえ。



小林: ウチでは多分こうだと思っているが、たぶん、ジュファリをスヘイルがさらに保証していて、そのスヘイルをワリドとビンタラールが支えていて、実際に現金は動いていないよね。ジュファリが信用状開設しただけで、スヘイルの借用書は手書きだった。実はバフワンも(リビアプラント建設で)そんなに金ないからな。

ハヤト: 猫さんも井上久男さんも一度決めつけると止まらないんですよ。

小林: リース説は取り下げたようだがな。信用状の移転は受益者の承諾がいる。前受益者が譲渡証を発行して、現受益者が承諾しなければ成立しない。が、ジュファリの信用状が譲渡されたものという事実は一年経った今でも出て来ない。つまり、この信用状はリースされたものではない。

 高野弁護士のレポート

ハヤト: このレポートについては、一度きちんと扱わなければいけませんよね

小林: 人生は短いし、人が完全燃焼できる時間は長くない。その時はいつまでも続くと思うものだが、後で見返せば、それが黄金の時であることに気づくんだ。これは彼の長い弁護士人生の中でも貴重な時間だ。後世に残るものになるだろうし、場合によっては百年、二百年と語り継がれるものになるだろう。それが分かっているなら、見える目を持っているのなら、それはきちんと受け止めなくてはいけない。彼より若い分、彼の訃報を聞いて総括するのは我々なのだからな。



ハヤト: では、今回はここまで。