Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2020/1/13)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。




はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。



1.今週のゴーン事件 

 日産の緊急時対応計画

(ブルームバーグ): 日産自動車の幹部は元会長のカルロス・ゴーン被告による日本からの逃亡後、仏ルノーとの分離の可能性に備えて緊急時(secret)対応計画を強化している。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が関係者を引用して報じた。

小林: で、その秘密対応計画というものなんだが、組織の完全分離、取締役会の変更の計画がシミュレートされているというんだな。「加速(accelerate)」とあるから、計画自体は以前からあったものとなるが、ゴーンがそんな計画作るはずないので、これは経産省が作って豊田に実行させたんだろうな。ゴーン事件当時の面子で今役員会に残っているのは彼しかいないので、消去法で作成者は経産省の自動車担当となる。過労麻薬漬けで捕まったあれだ。

 これは何かのギャグであろうか

ハヤト: 西川さんも山内さんもまだいますが、無任所の平取ですからね。しかし、LSDでラリった人の作った計画なんか実行して大丈夫なんでしょうか? 正気の沙汰とは思えない(笑)。それにラリってなければそんな計画考えないでしょう、アライアンスは上手く行っていたんですから。

小林: みんな忘れているが、ゴーンが捕まるまでのアライアンスは三菱も加え、「自動車産業における協業の最大の成功例」として賛辞の嵐だった。もっとも、地元の都合上、日産OBに根強い不満があることは私も知っていたけどさ。

 人のアイディアを盗用借用

ハヤト: これもまあ、例の井上久男氏のレポートで度々触れられていました。どうも彼の情報源は辞任した取締役の関潤氏のようですが、これに日本電産を加えて電気自動車会社というストーリーでしたね。

小林: だけどさ、笑っちゃうのは日産とホンダは全然社風の違う会社でしょ、それを取り纏めるのはゴーンが推進した「持株会社=アライアンス」の式しかないじゃない。それにモーターしか作れないサプライヤーのNidecでしょ、電気自動車やるしかないじゃない。

ハヤト: 散々誹謗して刑事訴追までして追い払った人のアイディアをそのまま使うですか、自尊心を疑うような顛末ですねえ。あとですね、ちょうどこの時期です、その計画とやらを作っていた経産省自動車課の職員さんの法廷尋問ですね。

、、、被告人にとっては覚せい剤を抗うつ剤みたいな感覚で使っていたようです。うつ病になったきっかけについては「労働環境が過酷でした」と話しています。平成25年に経済産業省資源エネルギー庁勤務、平成27年に本省の自動車課に異動。この頃「この仕事を本当に好きでやっているのか」と悩んでいたようです。エネルギー庁での残業時間を聞かれると「平均で月150時間。多い時は300時間でした。1週間泊まり込みもありました」、、、ベタナミン30mgを処方されても効果を感じなくなってきた被告人は、もっと強い薬はないかと調べ、リタリンに辿り着きました。持っている人から購入して服用する事になったそうです、、、密輸をした件については「経済的な理由からです。覚せい剤は高価なので私の収入では困難でした。探したところ海外なら格段に安く入手できると分かったので」と。

小林: 呆れ果てて物も言えんな、こんな職員の作った計画に日産本社と関連会社13万人の命運を委ねるわけか(嘆息)。



2.時は金なり



小林: 威勢の良かった検察と森法務大臣はブザマな沈黙を続けているけど、ゴーンさんは悠長に40日も待ってはいないわな。今度はルノー相手に未払い報酬の請求だ。業績給と基本給、退職金(会長&ルノー従業員)があったからな。良く分からない理由で、日産同様これらも支払われていなかった。

ハヤト: ま、世論を慮って日産同様不払いを決め込んだわけですが、それだけではない。

小林: そりゃあ検察の描いたストーリーによればゴーンの行いは背任に値するよ。ルノーのスナールも初めは渋っていたが西川に証拠を見せられて断罪に同意したわけだろう。何より、彼を解任した日産の取締役会ではルノー出身の役員2名は反対しなかった。西川が給料をダンピングしたことを伏せ、報酬契約について不知を決め込んだことで、これらは経営者による会社資金の不正使用にしか見えないものになっていた。で、今回彼が狙っているのは「その証拠」だ。

ハヤト: 民事裁判でしたら弁護士を差し向ければ良く、本人出廷の必要もありませんからね。それに最初は労働審判、ルノーの従業員としての退職金25万ユーロだそうです。77万ユーロという彼の年金1年分にも足りない額です。これは取れるでしょう。

※(1/14追記) 続報によると審判の申立は12月中旬に行われており、今回はそれを裁判所に提訴したもの。前者は書面審査が中心となるが、後者は対審構造のため、不払いの理由である新たな証拠が提出される可能性がある。請求は性質上、前審でも認められる可能性が高いものであるが、裁判手続に移行したのは、ゴーン氏の脱出により方針が変わり、金銭的要求から証拠獲得に戦術を切り替えたものと思われる。不払いに正当な理由のない場合は請求が認められるとともに、政府に対し国家賠償請求が提訴される可能性がある。事件の影響で、政府・ルノーによる介入が基本権に及んでいた場合、マクロン政権とルノーは苦しい立場に追い込まれる。

小林: フランスで彼の高額報酬を非難している人々には、事件の詳細について知らない人が少なくない。フランスのメディアは日本より公平だが、それでも、注意深く追わないと何が問題かは分からない。多くの民衆は彼の犯罪は脱税だと思っている。が、退職金は財産権の一種で、一般の労働者でもこれが不当に減らされたり、給付されなかったりしないことは知っている。

ハヤト: 金額が小さいですから、たぶん、役員に登用される前のルノー会社員時代「だけ」でしょうねえ。同じ事柄を都合で分割する(笑)、日本検察のやり方からヒントを得たのでしょう。



3.裏でうごめく? 韓国の会社



ハヤト: 実は気になる記事がありまして、朝鮮日報なんですが、経済部次長が米国の例を引き、韓国のCEOアレルギーをたしなめるような発言をしているんですよね。ですが、挙げられている事例を見ると、リーマン危機の例ですが、これは日産を揶揄していると見えなくもない。合理的な意思決定を行っていればCEOの責任は問わない米国と些細な理由で最高幹部を問責する韓国の企業風土を問題にしている。

小林: 今回の件、ヒュンダイが助け舟を出しているという動機と可能性はあるよね。が、ゴーンのような人物を迎えるには韓国の企業風土は問題が多すぎる。そういう風にも取れる記事だな。現にヒュンダイはゴーンの直弟子ともいうべき、ホセ・ムニョスをCOOに迎えている。



ハヤト: それなんですがね、ゴーン氏とムニョス氏が一堂に会している珍しい映像がありまして。長いですがトランスクリプションありますし、聞くと結構驚きますよ。北米市場で言われていることと随分違う。インセンティブ漬けの話も含めて、時代の動向を的確に掴んでいるのはさすがだと。

小林: ゴーン事件後のムニョスの映像もあったが、「(ゴーンが無罪だと信じたいが)日本の司法を信じている」と力なく頷く場面が印象的で、元上司がレバノンに逃亡した心境も聞きたいが、日本の司法に関する下りは今は違っているだろうな。

ハヤト: しかし、自動車産業の転換期に臨んで、彼らは壮大なビジョンを構想し、その実現にステップを踏んでいたわけです。ゴーン氏の視野もビデオに示されたそれはこの惑星の地球企業のそれで、日産などにかまけているほど暇にも見えません。それをあんな謀略で引きずり落としてしまった。ムニョス氏は単体では日産より大きいヒュンダイに移籍して、テクノロジーと品質を武器にビジョンの追求を続けていますが、ゴーン氏にとってはそれも叶わなかった。

小林: 控えめに言っても、今の経営陣が全てをブチ壊しにしたな。今ある成果の多くがゴーン時代に構想され計画されたものだよ。2020年くらいまではそれで持つ、が、その後は様々な分野の技術やソフトが混在したキメラで、強力なビジョンを欠いた企業は一人負けするかも知れない。



閑話休題

小林: 長期戦になりそうだから、そろそろ別の話題にシフトしたり休んだりしたいが、例の緊急対応計画、作成したのはたぶん2015~16年だろうな。同じ時期にGPIFが増資して日産株を5%から最終的に11%に増やしている。この資金は外国人支配の会社には投資されないものだ。シャープ然り、東芝然り。

 ニュースイッチ・日本自動車新聞

ハヤト: 実はこの交渉、水面下で進んでいたのですが、2018年末にゴーン氏が逮捕されるまで、世間ではほとんど知られていませんでした。業界の方々は良く知っていましたが。15~16年、18年と大きなヤマが二つありまして、一度目はゴーン氏を中心に防ぎ切ったのですが、交渉にあたっていた西川氏は政府支援の必要性を痛感したようです。ルノー最大株主はフランス政府ですからね。それで経産省がこの件に絡んできたとされています。

小林: ここで経産の側から見ると、そもそも西川が支援を求めることもおかしいんだ。日産はフランスの会社で株式の43%をルノーに保有されている、ほとんど子会社と言って良い会社だ。外国人支配の会社の株が5%も国有というのも、他の上場企業と比べてバランスが悪い。が、西川は増資して経営に参画しろという。理由は「ルノーがそうだから」。ゴーン時代を通じて、日産には天下りがいなかった。

ハヤト: 増資の条件として、経営資源のルノーからの分離を条件としたことは想像に難くないですね。ですが、ゴーン氏を始めとするフランス経営陣に知られれば、彼らはRAMA協定を破棄して直ちにTOBを行い、日産を完全占領したでしょう。

小林: 最悪の場合は占領後、要らない日本の事業所だけ会社分割して、海外の工場販売網、研究施設は全部ルノーが持っていくことも考えられた。日本には国内最弱のダイハツよりも劣弱な自動車メーカーの残骸だけが残り、これは吸収合併されて消滅するしか道はなかっただろう。不幸なことにゴーン事件がそのシナリオのハードルを低くしたと言えるがな。

ハヤト: たかが数%の増資にしては大げさです。「鶏を割くに牛刀を用いる」結果になりかねません。そこで経産省は会社分離の計画の提出だけを命じ、それを条件に増資した、そういうことですね。イザとなれば経営資源をほとんど損ねずにルノーと分離し、日本の会社として再出発できる。このことはマア、ゴーンさんには知らせていないでしょうね。

小林: 起案も日産社内でやったのでは外国人執行役員からゴーンに筒抜けになるから、かなりの部分は経産省で作成して同意を求めた、そういうものだろう。シミュレーションが添付されているのは、こういう企業分割は彼らも経験がなかったからだ。

ハヤト: しかし、それを作った人間がヤク漬けでは、、

小林: 多分に畳の上の水練で、おそらく実行しても上手く行かないだろう。が、この場合はそれで良いんだ。このシミュレーションは経産省がGPIFを運用している厚労省を説得するために使うものだから。そしておそらく計画はゴーンに漏れていた。でなきゃ、フィナンシャル・タイムズにリークしてアライアンスの再構築を進めているスナールの足を引っ張ったりはしないわな。

ハヤト: ルノーとの交渉は日産代表では西川さんが進めていましたが、メールなどから経産省とのやり取りを取り次いでいたのはハリ・ナダさんでしたね。しかし、マレー人執行役員の彼がなぜゴーン氏に牙を剥いたのでしょう? 彼はグローバル企業の日産の社員であって、ドメスティック会社の日産には何のメリットもない立場でしょう?

 ハリ・ナダさん

小林: このサイトでもいろいろな説を開陳したが、今まで見るところ、個人的にもゴーンにいちばん敵愾心を燃やしているのがこの男だな。理由はハッキリ言って良く分からない。ただ、ゴーンという人間の面白いところは、このハリ・ナダとかケリー、あるいは西川といった自分とは異なるタイプの人材を重用して引き立てていることで、彼の周りにミニ・ゴーンみたいな人はいないよね。

ハヤト: では、今回はここまで、そろそろ別の話題にしましょう。

小林: 正月はゆっくり過ごしたかったのにな。