Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2020/1/10)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。




はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。



1.今週のゴーン事件 



小林: 相変わらずこんなようなタイトルの記事が踊っているけど、こういうのの読者は知能指数80~90くらいなのかなあ、そりゃ、そんなポンコツ頭じゃ会見内容(恐ろしく多岐に渡る)なんか理解できなくてもしょうがないな。身振り手振りの印象やテレビの断片だけで「分かって」もしゃあないよ。それにこういうタイトルに限って、記事を読んでも、書いた人間がゴーンより頭良さそうに見えない。

ハヤト: ゴーンさんのIQってどのくらいなんですかね。

小林: あの感じだと120~130はあるな、140以上かも知れない。それは良いとして、困った君なのがキョロル夫人を国際手配したどアホな東京地検。これ以上日本の恥を晒してくれるな。



<夫人のLINEコメント>
「全ては、K・Jが受け取った資金が日産のために行った業務の対価だったということを証明する証言を得られるかにかかっている」
「K・Jに、より強い証言をしてもらうため、彼を苦しめる方法を見つけないといけない」


 ハリド・ジュファリ(Khamed Juffari)さん

ハヤト: こりゃまずいでしょう(笑)。KJは「ハリド・ジュファリ」ですが、頭文字でこれが隠語かどうかはともかく、ゴーン氏とジュファリ氏は接触禁止のはずです。

オマーンの代理店をめぐる特別背任事件では日産の資金の一部が代理店のインド人幹部の個人口座などを通じてキャロル容疑者が運営に関わっていた会社に流れた疑いがあるとして特捜部が裁判所に請求し法廷で証人尋問が行われましたが、この際、キャロル容疑者はこのインド人幹部と何度もメッセージのやり取りをしていたにも関わらず、「知らない」などとうその証言をした疑いがあるということです(NHK)。

小林: どうしてさ、容疑は上の通りだわな。偽証の対象はSBAのインド人幹部でジュファリじゃないんだぜ。それにジュファリの名は2回目の保釈条件では外れている。重要参考人なのに何でか、このメールの時点ではKJはリストに載っているがな。それは禁止にしても無意味だからだ。

ハヤト: 事件を良く見てないと間違いますよね。キャロル夫人とジュファリは慈善活動を通じて以前から知り合いです。つまり、上の指図は偽証の証拠じゃありません。特捜部が追及しているのはSBA幹部とのやり取りですからね。連絡していたというレバノンの弁護士はたぶんアブジョウデ(前ジェブラン?)事務所のパートナー弁護士でしょう。そんなに重要な人じゃないと思います。ゴーン弁護団に名前ありませんから。

小林: このジェブラン事務所は捜査協力が得られなかった特捜部が日産社員と襲撃してパソコンを強奪した当の事務所でさ、いわゆるマネロンのペーパー会社GFIを実質的に仕切っていたのが故ジェブランだ。資金を出したのはバフワン(SBA)幹部のディビエンドゥ・クマール、古参の役員で今は引退してインドにいる。

ハヤト: バフワン社は創業兄弟の内輪揉めをスヘイルの娘アマルが収めた経緯上、役員にインド人が多いんですよ。クマール姓は何人もいます。

小林: バフワンは大きい会社でさ、いくら重要人物の細君だからといって、訴訟問題のような複雑で込み入った話に経営幹部がいちいち応対すると思うか。思うにディビエンドゥはキャロルとは面識はないし、面会もしなかったと思うよ。ゴーン本人ならともかく、夫人の感情的な話に大会社の幹部が時間を割くいわれはない。隠滅工作なんて最初からないんだ。

 ゴーン息子のアンソニー、陰謀の当時はジャリガキ

息子は、投資会社の資産にはゴーン被告からの送金も含まれていたことを認める趣旨の供述をしたという(日経)。

ハヤト: クマール氏は引退間際に渡米してアンソニー君と面会したことがありました。ショーグンファンドの資金の出所はGFIですから、事情を説明したんじゃないかと思います。夫人と面会したかどうかは斎藤次席検事の言う「資金の送金手続きに深く関わった人物」は何人もいますから分かりませんね。特定しないところを見ると、クマールじゃなくジェブラン事務所の関係者じゃないですか?

小林: 息子の件だと、ショーグンの出資額の半分はゴーン本人で、彼も会社のオーナーなのだけどね。だもんで上の供述は当たり前のことを供述しただけで、犯罪事実の立証にほとんど意味がない。産経新聞の記事にある「通信の内容」も偽証罪とは全然関係ない。夫人が古い友人に夫のために働きかけることは当たり前のことだ。

ハヤト: ま、ケチな「事実歪曲(ディストーション)」なんですが、知能指数80くらいの方々なら、これで騙されるんじゃないですか。2回目の保釈条件でジュファリ氏の名が外れたのは、夫人との接触を禁じておけばそれで十分という、対外的な評判を考えない浅はかな考えでしょう。

小林: そもそもさ、キャロルの電話押収だって違憲の疑いの強い、無令状差押の第三者物件押収でさ。それに夫人はジュファリに証言を求めたのであって彼を隠滅したわけではないから証拠隠滅罪ではないし、そのジュファリは日本法廷に来る気はないのだから偽証教唆も成立しない。



2.世界中のビジネスウーマンを敵に回した日本



小林: 安倍官邸&特捜部謹製のゴーンドラマは振り付けも出演者も男性が多いせいか、「男性中心のドラマ」であることは拭えんな。で、哀れキャロル夫人はICPOのお尋ね者にされ、夫とともにレバノンに封じ込められたのだけどさ、元々この人は米国育ちのセレブ女性で世界を股にかけたやり手のビジネスウーマンでしょ。先にも述べた通りのほとんど屁理屈でこんな人が座敷牢の目に遭ったら、世界中のビジネスウーマンはどう思うかねえ。



ハヤト: 宣伝費ゼロで世界中に喧伝したようなものですよ。事件に関心がなくても「赤のマーク」で注意を集めますし、その理由が「夫を助けたこと」では、女性の言語能力は高いですから、検察の屁理屈なんかすぐ見抜きますよ。ヒロイン界で指導的立場にあればあるほどそれは顕著でしょう。ハリウッド女優の一人がなにか、「キャロルに自由を!」とか言ったら、もうおしまいです。

小林: 週刊誌の特捜部リーク情報だけども、情報元の検事の口調が下っ端の岡っ引きみたいなんだよね。たぶん筋書きでは夫人は世を儚んで自害とかしてくれればなんだけど、このキャロル夫人、どう見てもそんなタマじゃないでしょ。

ハヤト: ま、ゴーン氏側とすれば、夫人の手配を逆手に取る可能性が十分ありますね。

東京地検は10日までに、元会長の妻、キャロル・ナハス容疑者(53)=偽証容疑で逮捕状=が事件関係者に口止め料を支払うなどして証拠隠滅を図った疑いがあることを明らかにした(日経)。



小林: これも歪曲だな。二回の保釈でゴーンの元妻リタが「事件関係者」であったことは一度もなかったはずだ。

ハヤト: ゴーン氏の離婚は結構修羅場でしたから、これを奇貨に元妻が騒ぎ立てる可能性は十分ありましたからね。しょうがないのでは

小林: これもドラマだ、この辺(現妻が元妻に頭を下げる)の心境は女性でなければ理解できまい。正直想像つかないが、世界の半分は女性だ。



3.リビジョン7,8

  左・2時半、右・3時(テレビ朝日前)

ハヤト: ま、本人がレバノンに姿を現したんですからどうでも良いんですがね。特捜部はテイラー氏を指名手配すると息巻いていますし、これは29日の防犯カメラ映像なんですがね、報道されている時間より1時間ほど遅いと思うんですよ。ああ、指定住居から六本木ヒルズまでは2キロで徒歩で20~30分です。

 12月29日の太陽照射方向

小林: 報道だとさ、ゴーンは2時半に制限住居を出て、3時頃に六本木のホテル・グランドハイアットで待ち受けていたテイラーら2人と会い、4時半の新幹線で新大阪に向かったんだがな。ホテルはチェックインされていて、そこで逃走用の衣服に着替えたとある。

ハヤト: 大阪のホテル(スターゲイト)のチェックイン時間がおかしいことは指摘しました。ハイアットの場合は3時がチェックインですね。ホテルから品川駅まではタクシーで20分です。ですから4時にホテルに着いても間に合うといえば間に合うのですが。報道された乗車時間ですと結構ギリギリです。

小林: それにさ、待ち合わせなのに携帯(ガラケー)や時計を見る場面が一度もないのが不思議だ

ハヤト: 案外これこそ偽装なのかも知れませんね。それとテレビ朝日の前なんですが、学校への陽当りを見るに、他の映像より前の時間(2時ころ)ですね。しかし、こういう偽装をやる意味が分からない。箱とかテイラー氏らの絵はあるわけですからね。飛行機もちゃんと飛んでる(フライト24)。でも、当たり前ですが、出国印は押せません。

小林: これは事実よりも日産とか検事たちの頭の中を見た方が分かりやすいのかもな。あと、トルコなんだが、貨物ターミナルとか懇談するフランス外交官の話はなくなり、飛行機はタキシングしてそのままレバノン行きの飛行機の横に乗り付けたことになった。

 日産カメラ(当初は昼)だけは認めたゴーン

ハヤト: トルコの人たち、どうしてこう説明をコロコロ変えるんです?

小林: これはさ、やっぱり彼に不法出国の犯罪者でいてもらわなければ困るということなんだろう。当面の間はさ。

ハヤト: テイラー氏は本当に行方不明でサイトを閉めたそうです。あと、CNNのインタビューで逃走に関連してMNGの従業員数人が逮捕されたことについては、「気の毒に」という割と他人事な感想です。かわいそうに。



4.ストラテジー

 レバノンでは月収12万円

小林: これはさー、パイパイ(PayPay)とかペーパル(PayPal)とか言っている現代じゃ言っても無意味だと思うぞ。

ハヤト: アングラ経済があるでしょうね。レバノンは負債がGDPの150%でこういう国で普通に通貨を使わせたらインフレになってしまいます。ですから引き出し制限をしていて、銀行で下ろせるのは週300ドルです。ゴーン氏も例外ではない。通貨が信用できないので、通用しているのは米ドルです。

小林: ゴーンが銀行を持てるわけだ。でも、日本と違って成長しているから、政府も成長を当て込んで予算編成できることはある。

ハヤト: しかし出国禁止の状態でできること何かあります?

小林: レバノンは解除の条件として裁判証拠の送付を求めているけれども、応じるはずはないし、こういう外交ルートを通じた解決は時間がかかる。フランスも送還請求しないところを見ると、当分の間、フランスでの裁判もないだろう。慎ましやかな銀行家やワイン醸造業者でいるとも思えない。求める者はいるが、政治には興味がなさそうだ。なので国連大使もない。そして、金満の彼を巡っては、その金を狙う勢力がウヨウヨいる。

ハヤト: それはマア、ゴーン氏も承知している話ですよね。で、どうします? ま、我々も一年彼に付き合ってきて、思考パターンがおおよそ読めるんですが。

小林: 良きにつけ悪しきにつけ、ゴーンといえば金だよね。で、国外に出ずに使えるオプションを検討すると。

1.株主代表訴訟・・・業績の低下を理由に、ルノー、日産の経営陣を訴える。
2.自身の報酬の請求・・・収監によりカットされた両者の退職金の請求。

3.敵の敵は味方・・・フランス共和党、日本民主党に対する資金援助。
4.回顧録、映画の出版・・・経営ヒーローが活躍する人情ビジネス物、エキストラにダイソー店員、焼き鳥店主登場。

5.イクシールワインのテコ入れ・・・事件をネタに販売を強化

小林: 3以外は金を稼ぐ話だが、ありそうなのは2と4で、4はすでに話が進んでいる。代理人を差し向けつつ、事実関係を争えるのが2で、現にオランダのNMBVでは訴訟が始まっているし、フランスも意思決定過程に瑕疵がなければ請求は認められる可能性が高い。

ハヤト: 暗黒国家日本はどうですかね? 勾留理由開示では現在の契約で彼に報酬請求権はないはずですが。引用していた東大の田中教授の見解でも、役会決議も株主総会決議もない報酬案に法的効果を認めることは難しいです。確かに「民事裁判なら受けても良い」と言ってましたがね。

小林: 退職金もゴーン自身が廃止してしまったしな。しかし、どこの国であれ、債務名義を取得する行動は起こすだろう。日本に関しては報酬を争うより、ジュファリやバフワンを引き込んで中東日産壊滅の方が良いかも知れないな。何らかの方法でUAEのPDIセンターを差し押さえてヒュンダイに売り飛ばす。

ハヤト: アメリカはどうでしょう? 北米のクラス・アクションでの日産の主張が日本と食い違っていることを主張していましたが。これは北米での訴訟を検討したということでしょう?

小林: 会社の所在地じゃないから、これはクラス・アクションに加勢だろうな。ゴーンさえ追わなければ純利益が6千億円もケシ飛ばずに済んだのだから、そのまま損害賠償としてご相伴に預かるとか。

ハヤト: 細かい訴訟を区々起こされて、それらの核心に常に刑事事件があるとなると、迎え撃つ側は厄介でしょうねえ。そこでギブアップさせて和解に持ち込むという筋ですか。UAEのPDIにしても、助かるなら100億くらい安いものという感じがしますね。

小林: ゴーンの報酬は高かったけど、高くても2千万ドルくらいの話だからな。2億ドルよりだいぶ安いし、しかし、日産やルノーが日本司法に後手を縛られていて出せない刑事事件の証拠資料をネタにこれだけやられるとなると、どうも普通に払っていた場合より安く収めることを考える方が難しいな。

ハヤト: 日本はどうします?

小林: これは訴訟事故としてその分海外で上乗せして請求するというものだろう。60億くらいかな。競業避止契約もないから、だからこれは払えと、その内容はヒュンダイに売る。中東日産は終わったな



ハヤト: えげつないとは思いますよ。でも、レバノンでは自衛のためでもありますね。

小林: 常に世界の各地で権利奪還のために戦っているとなると、これはヒスボラも手を出せないな。じっとしている方がずっと危ない。自衛と名誉回復のためには、レバノンでも常に動くことだ。政治家の駆け引きや官僚的手続を待ってはいけない。



5.「ロッキード事件」の成功体験から抜けられない日本のマスコミ



小林: 率直なトークも聞く人間が悪意を持って聞くとこうも歪むのかという見本のような文章だけども、この御方の文章、何となくどこかで似た調子なようなと思って書棚を見たら、立花隆の文章が似てるんだよねえ。

ハヤト: 「田中角栄リポート」で角栄を失脚させたジャーナリストですね。晩年は死生観などにつき、かなり哲学的な文章を書く方でしたが。

小林: ところがブンヤ時代の立花は違い、傍聴録を週刊文春に連載していたのだけど、法廷での角栄の一挙一投足を過去のエピソードを交えて、ことごとく穿った解釈で書くという実にいやらしい文章で。

ハヤト: ウチも小説サイトですから、最近は時事放談サイトになっていますが、ある種の小説を書く方々に共通した傾向というのは分かってますよね。人の臓腑を覗き込んで冷笑するような、そういうのがないと直木賞が取れない、だから嫌いだとアナタは言ってましたが。

小林: たぶん、私小説か何かが型になっているんだよ。審査員の先生もそれしか見ない(バカ)だから、みんな同じような小説になる。型が独り歩きしていて、誰が作ったのかそれも忘れられている。当時絶頂期の総理大臣を蹴落とすという殊勲賞ものの功績を挙げた立花のスタイルを後進がこぞって真似たことは想像に難くない。それに対して私はモリソンのこのスタイルが好きでさ。

 マッカーサーは次のように書いている。「これから一世紀して、もし私が、たった一行でも、平和の前進に貢献したと認めて書いてもらえるなら、戦争によって与えられたどんな名誉をも私は捨てるだろう。」
 将軍、その一行は私が書きます。この歴史を書いている私は、あなたに敬意を払います。平和と善意のために払ったあなたの努力で、あなたは名声不朽の人の列に加わる資格があるのです。古代あるいは近代のいかなる植民地司令官、あるいは征服者といえども、敗戦の苦しみをなめた誇り高く好戦的な国民の心を得るのに、あなたほどに成功を収めた者はおりません。あなたの勝利は二重の意味の勝利です。軍事上の、そして、もっとも高尚な意味で、精神上の。
サミュエル・エリオット・モリソン著 西川正身訳「アメリカの歴史(第五巻)」一九九七年(原著一九六五年)、集英社(原書オックスフォード大学出版局)、二四八頁


小林: こういうのは立花的には「青臭い」、「ナイーブ」となるのだろうが、人間性の発露に対して伝記の作者がが率直な賛辞を示すということはあって良いと思うんだ。本当の意味での才能に乏しく、先達のスタイルを律儀に寸分の狂いなく再現するのが正しいと思っている人間は、この国には少し多すぎる。井上のようなジャーナリストばかりでなく、公務員や会社員もな。だがそれは手本をなぞっているだけで、自分の目で見ることができなくなる。

ハヤト: ま、少々常軌を逸した「ゴーン叩き」、まだやっているんですが、も、彼らに言わせれば先輩の「正しい」スタイルを実践しているだけということですな。

小林: そうしていれば立花みたいにジャーナリストの最高の栄誉が手に入ると漠然と思っているんだろう。ある意味、井上も哀れな男だ。

  
左からペガード(カレッジ卒、元ジャーナリスト、ベルサイユ理事)、ウォルフレン(中卒、アムステルダム大教授)、グレタ(高校休学、運動家)

ハヤト: 欧米の場合は、ジャーナリストは高学歴の人もいますが、山口真由ちゃんみたいな人は少数派です。むしろカレッジや高卒のようなあまり学歴の高くない人が結構良い仕事をすることがありますね。上の方々は学歴と関係なく、影響力のある地位や発言をした方々ですが、文体がみんな同じということはないですね。

小林: 低学歴と言っても、日本ではほぼ全員のスレたひねくれ者じゃないんだ。色々あって学校に行かなかったけれども、志は高い人間たちだ。そういうのは日本では朝日新聞にも読売新聞にも入れない。大学などは年齢関係なく、途中で講座受講すれば良いだけの話と思うがな、日本の大学はジャリガキの楽園で、そういう所でもない。それで芥川や小林多喜二のタチの悪い模倣のような文章がいつまでも。

ハヤト: それで権力者を引きずり落とすのが彼らの夢なのですが、最近の権力者は強すぎるので、ホリエモンみたいな安い敵や籠池さんみたいな人を叩くのがお手軽で安易ということになりますね。

小林: ゴーンが2、3呼べば同じと言っていたけど、日本の代表的企業にいて、20年もトップやっていて、出した結論がそれというのはいかにも寒い。



閑話休題

ハヤト: このインタビューは短いのが身上なのですが、ここ数日は想定外に長くなってしまいました。レバノンに逃れたゴーン氏と日本・フランスの諸勢力との戦いはまだまだ続きそうですが、世界的ビジネスマンが司直の監視をかいくぐって逃亡というのも前代未聞の話ながら、彼が取りそうな策略もなんとなく分かってきましたね。

小林: 日本の法廷ではゴーンは後手を縛られての防戦を余儀なくされたけれども、自由の身になった現在では逆に彼らの後手を縛って戦わせることになる。繰り出される民事裁判はルノー、日産の幹部にはさながら目の前に火の粉が飛ぶようなものに見えるだろう。経営どころではない

ハヤト: しかし、思うのですよ。日産にしてもルノーにしても彼が生涯かけて成長させた会社でしょう。それを弱体化させ滅ぼすことには、彼も躊躇を感じるのではと。

小林: それは感じるだろうな。抗争は両者の軛にこそなれ、メリットはない。しかし、巨大企業が全力で一個人を潰しに掛かっている状況では、よくもここまで追い込んだと思うが、彼も情緒を感じる暇はない。必要であればレバノンの政治家もオプションに加えているだろう。ここで情けを掛けても自滅するだけだとは彼の方が良く知っている。

ハヤト: 誰かが止めなければいけませんね。

小林: 誰がそれをやるのか想像もつかないよ。ゴーン主導で株主代表訴訟の光景なら想像できるが。

ハヤト: では、今回はここまで。