Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2020/1/6)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。




はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。



1.今週のゴーン事件 



「彼は、特別背任で逮捕されたのは日産経営陣の陰謀と主張していますが、それを信じている人はまずいませんね。フランス国内では、ゴーン被告を擁護する発言をすると批判される、という空気になっています(広岡)」

小林: トルコの話は細かい所が二転三転していて信用できないが、上の言い分は良く分かる。私もこの事件が話題になった時には「会社の金を盗んだ悪い奴」の論調に乗ることにしている。そういう相手に、やれ会計上の経営者報酬と経費の仕分けがとか、経営判断の原則とか説明しても仕方ないからな。「うん、そうそう」と頷いているよ。

ハヤト: これは茶の間で結論を出すには難しすぎるケースなんですよ。



小林: そういうわけで今回の逃走劇も真由ちゃんなんかが、「法律を破ることは悪いことなんです」なんてやっているけど、実は東京地検の次席検事と法務大臣も同じような言い分に終止しているけど、実は本当の問題はそれではなく、ゴーンが収監の当初から求めていた「フェア・トライアル(公正な裁判)」が行われていたかどうかなんだ。今の所、国内では高野弁護士以外、誰もこれについて正面から言及していないけどね。

 

ハヤト: アナタは高野弁護士のブログを読んだ後オフレコで、「この場合はゴーンが裏切ったが、手続きが進めば遅かれ早かれ弁護団が彼を裏切ることになったはず」とこぼしていましたね。現に公判開始は4月の予定でしたが、1年延期が裁判所から打診されていました。公判前整理手続が検察の恣意で際限なく引き伸ばすことができることについては、制度の欠陥として以前議論しましたが。

小林: 今回はそこまで行かなかったんだ。証拠開示で弁護人が意見を付する前に日産が横槍を入れて主要なものを含む多数の証拠を改ざんしてしまった。改ざんのやり方については、同時期にウチにも「マーベリック弁護士事務所(千代田区)」の山縣敦彦と名乗る方がコンタクトを取って来て、インタビュー録の一部を修正させられたが、そのやり方は「該当部分の記述全削除」という、およそ個人情報保護の範疇を逸脱したものだった。

 高野氏のゴーン声明文訳(多少意訳あり)

ハヤト: 同時期に高野弁護士が日産の同じ方法について解説していたので、ウチも一連の動きの一つと気づいたのですが、ウチの場合は日産・三菱の合弁会社NMBVにおけるゴーン氏による不正な資金移動が三菱会長の益子修氏の承諾の下で行われたことを示唆するものでした。実はマーベリック氏がコンタクトを取ってくれたおかげで、ウチもそれが当初の推論ではなく事実だと分かったわけですが。

小林: 一つ付け加えると、ゴーンの報酬部分に対する証取委の追徴課税の勧告は、事件(虚偽記載)の本質が会計上の錯誤の問題だと示唆したことで、私は必ずしもゴーンに不利ではないと思っていることがある。

ハヤト: 若狭弁護士なんかは現在提訴中の案件は難しすぎるので、密出国に絞ってゴーン氏の悪逆性を世界にアッピールすべきだと主張していますが、これ(密出国)、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金なんですよねえ。トルコで強要罪(航空役員脅迫家族殺す)が成立すればですが、国外犯ですので日本国籍のないゴーンさんは処罰できません。

小林: FTの取って付けたような記事で逃走費用が22億とあるけれども、報道による救出請負人テイラーの会社は裁判で判明した国防総省からの継続的報酬が50億。顧客は国防総省やABC、デルタ航空にディズニーと一流どころだったが、50億の会社(それも怪しい)が普通20億の仕事を引き受けるか?

ハヤト: 日産の損害額と同じであることないこと積み増して行った感じですね。それとディズニーでは何をしていたんです?

小林: ディズニー・オン・アイスというディズニー関連会社の氷上イベント(スケート)の秘密警護だそうだ。なお、マイケル・テイラー(元グリーンベレー)は御年60歳。それはレバノン軍の軍事教官だった経歴はあるが、20年以上前の話で、特殊工作員としては昔の杵柄だ。麻薬取締局にも使い勝手の良かった有能なエージェントで、正義感の強い人物というのは証言がある。2010年に詐欺で捕まって2年服役したが、出所後に活動を再開してより慎ましい事業、誘拐された子供の救出とか離隔家族の救出といった微笑ましい仕事をしている。そんなに取れないな。出所時の資本金は2億円。だから、先の50億はもっと事業規模を小さくしていると考えるべきで、ゴーン救出に要した費用はせいぜいが2~3億だろう。

ハヤト: 報酬にはそれなりの裏付けがあります。5億の仕事には5億の、20億には20億の仕事ができる人員と機材、資金力やコネクションがないとできません。現在のテイラー氏の会社に20億の仕事ができる余力はないとアナタは見ているわけですね。

小林: 余力があったら高齢化した暴力団みたいに社長(テイラー)自らが特殊作戦に従事したりはしないよ。ビジネスジェットも海外ならもっと安いだろうしな。

 関空→イスタンブール ボンバルディアG6000 1,500~1,700万

 イスタンブール→ベイルート ボンバルディアC300 130~150万

ハヤト: ま、ビジネスジェット業界も競争が激しいので、億単位のフライトなんかないです。この事件ですと関空からイスタンブールまでが1,700万、ベイルートまでが150万円で、ドバイからの回航費用(1,500万円)を加えても、この飛行機はマダガスカルから来たのですが、テイラーさんドバイから乗ってますからね、航空料金の総額は3,500万といったところでしょうか。フォーブスは2,500万と書いてますが、そんなもんです。

小林: その金額ならもう1機くらい準備できるよね。

ハヤト: 関空ですとビジネスジェットは30分に1機だそうです。ラウンジの利用料金は1回20万円。一昨年が900便ですので、混み具合はバラツキあると思いますが、大晦日の29日ですと、そんなに空いてもいなかったでしょう。空港到着から乗機までは30分ほどです。方面はやはり中華圏含むアジアがほとんどのようですね。だからイスタンブール行きというのはそれだけで浮きます。



小林: クルマ(WSJ)になったり、新幹線(日テレ)になったり忙しいなあ。それにテイラーは救出のプロじゃなかったのか。何億円ももらって顧客に自腹で空港に来させる? やっぱこの話、どこか変だ。トルコもそうだが、ハッキリと本人と分かる防犯カメラの映像がなければ信用しないからな。

ハヤト: それと押収した携帯からは不審な情報は出なかったようですね。警察は協力者のスマホを使ったと見ています。空港で待っていたおじいちゃん工作員(テイラー)がどの程度関与したかは分かりません。



閑話休題



小林: 実は関空についてはもう一つ気になることがあるんだ。関西国際空港は4年前から運営会社が変わっていて、現在の社長はフランス人だ。テイラー脱出計画はそれなりにサスペンスだが、箱が開披されたり、乗機が自衛隊機に降着させられたらそれきりだろう。今の社長のブノア・リュロはエコールポリテクニック(ゴーンと同じ)出身のフランスの元官僚で、ビジネスマンでもあるはずだから、ゴーンの境遇には同情的のはずだ。

ハヤト: 面識の有無は分かりませんがね。私もこの脱走劇はフランス政府が一枚噛んでいたと考える方が筋が通ると思います。となると、新幹線で関空まで来たゴーンさん、実はホテルで一泊して翌日にパリ行きの直行便(エールフランス)に乗ったんですかね。



小林: 通関は委託会社だから、変な大箱とかなければ、大使館と会社がタッグを組んで圧力掛ければ何とかなる。交代の隙を突く手もある。それに日テレの取材だとゴーンは関空ビルじゃなく、スターゲイトホテルで降車しているんだぜ。



ハヤト: あの高いビルがホテルで、関空は橋の向こうですね。だって到着は7時でしょう? ボーディングまで3時間ちょっとしかないのに、何でホテルで降りるんです?

小林: そのくらいなら関西空港ビルでレストランにでも入っていた方がよほど時間潰せるし自然だよな。

ハヤト: ええ、何十店もあります。帰省ラッシュでごった返していますし、その方がよほど正体隠せますよ。



小林: レバノンに到着したという声明以降、大晦日に撮影したという写真を除いては公の場に姿を見せないのは、実はあちこち飛び回っているからじゃないのか。

ハヤト: テイラー氏が行方不明なのはフランスの諜報機関に「隔離」されているからだという見方もできます。実はゴーン氏は大阪で一泊して30日の午後にパリ、同日深夜にベイルートに着いたという推測もできるでしょう。



小林: あのサルゴジまで使う以上、ミスターマリックまがいのびっくり箱作戦なんてずさんな策略じゃないと思うんだ。フランス国家にとって、最大限の機密と慎重さが必要な作戦だったはずだ。それにもう一枚のパスポートの出所はまだ分からないんだろう?

ハヤト: ま、ウチは度々こういう推論を披露します。当たる当たらないは別として。この見方ではフランス政府はテイラー氏の作戦を途中で乗っ取って、ゴーン氏とはすでに折り合いをつけていることになりますね。

小林: いずれ分かるだろうがな。

ハヤト: では、今回はここまで。