Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2019/9/13)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。




はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。



1.今週のゴーン事件 

 細野祐二:会計評論家

小林: SARの行使日変更をまるで背任のような悪と皆さん言っているけど、これはチトおかしい。で、下は参考までに書いたグラフなんだが。赤部分がいわゆるSAR。株価は基準日の3月を100、4月60、5月120と変動している。単位はドルでもユーロでも好きにしてくれ。



ハヤト: 見れば分かりますよ。本当は「4月」の価格で給付されなければいけないのが、行使日を操作して「5月」でやってしまった。

西川社長は、役員報酬を多く得たいとの自らの利益のために、SARの権利行使が不法に偽装されたものであることを知りつつ増額報酬を受け取り、その結果、日産に9650万円の確定損失を与えた。本件は特別背任の犯罪構成要件を完全に満たしており、しかも、これらの事実関係がマスコミを通じて満天下に明らかとなっている。東京地検特捜部は西川社長を特別背任罪で逮捕しておかなくてはならない(細野)。

社内調査によると、西川氏は住宅を購入するために報酬の増額を求めていて、担当役員がSARの権利を行使する日をずらし、この間に株価が上昇したことで、本来より約4700万円も多い額を受け取ったとされる。同氏は、社内規定に違反するような指示をしていなかったと関与を否定するが、うのみにはできないだろう。結果だけみれば、背任と判断されても仕方ない。ゴーン被告の共犯者として罪に問われた元取締役は、株価連動報酬を報告書に記載しなかったことが不適切だったとされている。西川氏も、同様ではないか(9/11京都新聞社説)。

小林: で、上みたいなコメントが大衆の支持を受けているのだけど、実は上のグラフを見ても分かる通り、会社の取り分の青色部分も同じだが、株価に連動して増減している。なので、5月の株価は120で4月の2倍だから、会社分の42も2倍の84になる。ところが、コメントの通り、5月の価格は不正だといって西川たちが差額を返してしまうと下のグラフみたいになってしまい。



ハヤト: 会社が得してしまうんですね。102マイナス84で18得してしまう。これは不当利得ですよね? 規定通りに支払ったなら、本来ありえない利得なのですから。

会社法による特別背任罪は、会社の取締役が、(1)自己または第三者の利益を図る目的で、(2)任務に背く行為をし、(3)会社に財産上の損害を与えた場合に成立する(細野)。

小林: そういうこと、だから変更された行使日に損害などないので犯罪なんか成立しないと私は思うのだが、聞けば行使日変更をした役員としなかった役員がいるという話なので、役員間では不公平だろうし、こういう問題を生じさせる以上、これは制度そのものに欠陥があると見るべきだ。が、これが特別背任といえるほどの悪かと言えば、そもそも給付額も役員報酬全体から見れば少ない割合しかないし、対象者も少数なので実害はあまりなく、もちろん会社や従業員にも害はないから、指弾されている西川の罪はこちらでは問題にならないとして、結果的にウチがやるのは変だが、擁護論を展開しているわけだ。

ハヤト: この件で西川氏を非難している郷原氏は弁護士、コメントの細野氏は会計士ですが、こちらがそれで動かされることはないということですね。

小林: 会計士はともかく、弁護士はクライアントの利益を代弁するのが仕事だ。だからその言説は公平中立では必ずしもない。しかし、こんなことを言うようでは、会計士としての細野氏をこちらは評価していたんだが、今後は少し割り引いて見る必要があるな。法律の議論というのは裁判官を説得できなくては意味がないので。

ハヤト: ま、この事件は今日はここまでで良いでしょう。



2.常磐あおり&エアガン男



小林: 事件についてはいいな、女(喜本)は釈放されたそうだが、宮崎の方は世間の処罰感情が強いので、余罪を積み上げて確実に牢屋に入れるべく色々しているようだ。あと、便乗犯か「あおりエアガン」という同類もいたな。

ハヤト: 歩行者を銃撃するのはもはや運転ではないでしょう。ですが、自動車から撃ったとなると銃刀法の規制が気になりますね。ほら、アナタはご存知でしょう? エアガンの「1J(ジュール)規制」

小林: 走行している自動車から撃ち出した場合、自動車の運動エネルギーが加算されてしまうからな。計算ソフトがあるが、それだと1.44Jで銃刀法の規制を受ける「準空気銃」になってしまう。所持するだけで違法で、罰則は一年以下の懲役または30万円以下の罰金だ。

ハヤト: ま、エアガン単体では規制値内なので今回はないでしょうが、使い方によっては規制値を超えるとなると、エアガン業界は大変ですね。

小林: 宮崎のように一罪では入牢できないので余罪を積み上げるなんていう様子を見ると、銃刀法での処罰はあるかもしれないな。



3.オマーン問題



ハヤト: あと、この記事なんですがね。配信されたのが先月の27日で目新しい内容がなかったのでスルーしたんですが、実は結構力作で、調査があまり進展していないことも分かるものなんですがね。

小林: 最初の方の図で日産・ルノーが送った販促金が4,300万ドル、GFIに送金されていたのが4,390万ドルとほぼ等しく、ビューティーヨットが1,200万ドル(12億)でショーグンが2,720万ドルという、計算が合わない分(470万ドル)はGFIを通じてゴーンにマネーロンダリングされたのだろうというのが検察の言い分なのだが、実はこの話が最初に出てきた時には「計算が合わない」という難点があって、日産の送った金額よりSBAがGFIに送った金額の方が多いという変なことになっていた。



ハヤト: その難点は今もありまして、上はWSJの描いたグラフですが、販促金の対象期間を2012年からと伸ばしまして、トータルでほぼ4,300万ドルという金額が同じとしているわけです。そもそも2012年の段階では、最終的な送金先、ショーグンファンドのCEOアンソニー・ゴーン君は17歳でハイスクールの学生です。

小林: 17歳の息子を前に、ゴーンが巨額マネーロンダリングの計画を立てていたというのはちょっと無理あるんじゃないか? GFIへの送金が始まったのは2015年だが、その時はゴーンは前妻リタとの離婚調停中で、それは巨額の財産分与があったのだろうが、そんなものまでマネーロンダリングしていたら元手の販促金がなくなってしまう(笑)。それにあのヨットはまだ建造されていない(社長号の就役は2017年)。アンソニー君は大学2年生だ。

ハヤト: ただ、ゴーン側の証言と食い違う所もあるわけです。ゴーン氏はGFIの設立者であるジェブラン氏に送金依頼のメールを送っていますし、そのジェブラン氏はバフワンの役員であるクマール氏に送金を指図するメールを送っています。登記や株式などの「外観上」ではゴーン氏はGFIと関係ないのですが、ジェブラン氏を通じて資金を動かしていた。なお、ジェブラン氏は2017年に死去しています。この辺のメールを入手したことがオマーン事件追起訴の決め手なのですが。

小林: しかし、保有関係指揮命令関係もないのに、どうやってバフワンや投資会社を動かしたのかという説明が相変わらず弱い。一連の送金に手を染めたクマールが今だに背任罪で起訴されていないこともある。日本の司法取引はオマーンでは通じないし、検事によるSBA社長のアハメド(スヘイルの息子)も空振りだった。

ハヤト: WSJは当初から疑惑追及に熱心ですが、やや混乱した記事です。GFIがショーグンへの送金を開始した2015年当時、このシアターにはゴーン氏本人も含め、誰も25億円(当初の送金額)もの大金を扱える人物がいませんでした。アンソニー君は学生で、クマール氏は自動車販売会社の役員、ゴーン氏は多忙で、キャロルさんはまだ結婚しておらず、ヨットも建造されていませんでした。ま、クマール氏(ディベンドゥ)については中東ディーラーの平重役なんか履歴などの資料はありませんがね。



小林: ヨットについては、以前の報道で「知り合いの弁護士(ジェブラン)から購入した中古船」というのがあった。実際は2017年建造の新鋭船で、中古などではなかったのだが、ジェブランはこの年に死んでいるし、シャチョウ号(ナベッタ37型)以前に船はなかったのかな?

ハヤト: そこは説明がないのですよ。ただ、以前に海好きの弁護士が高級ヨット管理会社の仕事(または経営)をしていた話はありました。ゴーン氏に譲った理由も「高齢で海に出れないから」で、キャロルさんのビューティー・ヨット社はシャチョウ号のほか、同船の管理会社も引き継いでいます。アナタはその会社がバフワンの関連会社で、弟のサウド・バフワン社に競合する部門があったため、ジュブランの死を契機にゴーン家に営業譲渡したのだとしましたが。

小林: その関連会社がどんなものだったかは分からんが、GFI方式でジュブランの所有という話もあるし、どちらもレバノン人の富豪で、ゴーンがシャチョウ号以前に大型ヨットを保有するか賃貸していた可能性はあるだろうな。「プレゼント」ではないかというのは、以前検討したけれども。

2015年3月、ゴーン親子は「ショーグン・インベストメンツ」を米デラウェア州で設立。ゴーン被告はそれがシリコンバレーの新興企業に投資する会社だと説明していた。事情に詳しい関係者によると、ゴーン被告が同社の過半数株を所有し、息子にも持ち分があった。アンソニー氏は当時、スタンフォード大学卒業間近で、シリコンバレーのベンチャーキャピタリスト、ジョー・ロンスデール氏のチーフ・オブ・スタッフを務めていた。

ハヤト: 「説明していた」とあるので、ショーグンの設立についてはゴーン氏はそれが利益相反の関係にないことを役員会で説明し、承認を得ていたと思われます。そのため、ショーグン社についてはその投資内容は日産に報告されていたので、かなり詳細に分かっていますね。ただし、ショーグンの資金の出所、GFIについてはゴーン氏は役員会に報告していませんでした。

小林: これは産経にあったな。誤解を招くタイトル(ゴーン会社~通知せず45社に投資)で。

ハヤト: 話をまとめるとですね、やっぱり亡くなったジェブラン氏(離婚事件でのゴーンの主任弁護士)を抜きにしては語れないと思うのですよ。それはアナタの言う通り、スヘイル・バフワン氏が大金持ちで、ゴーン氏を公私ともに支援する意思があったとしてもですね。資金流用が始まったとされる時期に、現地に何百万ドルもの資金を扱える人材がいないわけです。

小林: この話を読んで、いちばん筋が通りそうだと思うのは、ジェブランとバフワンがゴーンに海上ビジネスの会社をやらせたかったのだろうというもので、それなら機材もノウハウもあるし、ジェブランも知識があったから、最初に彼が勧めたのはこれだったのだろう。で、2015年からVIP向け海上サービス「ビューティー・ヨット」の設立準備を始めた。



ハヤト: ですが、スタンフォードにいたアンソニー君の嗜好は違っていた。

小林: アンソニーが志望を決める前から、ゴーン・ジェブラン・バフワンは引退ビジネスの計画を持っていたが、成長したアンソニーがスタートアップ投資の利益を話したので、ゴーンとバフワン(ジェブランは死亡)は計画を修正し、海上サービスは奥さんの所管となった、そういうことだろう。バージン諸島を経由して船をゴーン家の所有としたのもこの頃だ。

ハヤト: アンソニー君は今年に入るまでGFIのクマール氏のことは知らなかったらしいですね。

小林: 23歳の彼の関心は第二のビル・ゲイツ、ジョブスを探すことで、ヨット老人接待金の出所がどこかには関心がなかっただろう。父親の私産と思っていたものが実はGFIを経由したバフワンの投資であったことに驚いたんじゃないか。クマールはアンソニーに一連の経緯、おそらくバフワンからの伝言を話した後に引退し、故郷のインドに帰ったそうだ。同じ頃のゴーンは拘置所にいて、キャロルはヨットを売却しようとしたが、これは裁判所によって差し止められている。差止の理由は刑事裁判によるものか、代金を支払ったGFIによるものかは定かではない。



閑話休題

ハヤト: アナタの見立てでは、オマーン・ルートは西川社長の失脚で、すでに終わっているという話ですね。

小林: WSJのレポートは最新のものだけど、情報の出所が日産であることも明らかすぎる記事で、もう少し進んでいるのかと思っていたけど、期間をずらしての数字合わせとか、追起訴の決め手になったメールをどうやって入手したのかとか、GFIで背任行為を行っていたSBAのクマールがどうして訴追されていないのかとか、疑問を感じる点が多々ある。ショーグンの内訳について詳しいのはアンソニーが事業内容を父親の会社に報告していたからだからな。

ハヤト: 裁判所の接触禁止リストによりますと、ジェブラン氏の死後、事務所の整理でしょうか、彼の助手をしていたのはアマル・アブジョウデという女性で、日産はこの人から故弁護士のメールを入手したようです。これはメールにジェブラン氏死後のものがないことで分かりますね。

小林: 以前の記事だと勾留期限の切れる1日前に入手したそうだけれども、司法機関でもない日産監察部がどうやって守秘義務を解除したのかという疑念があり。まっとうな手段ではないだろうというのは、以前も少し触れたな。日産が要求した6千項目の削除リストにアブジョウデが入っているかは分からないけれども。

 高野・刑事裁判を考える

ハヤト: それとですね、その削除指示の仕方なんですが、文書そのものの削除ではなく、黒塗りでもなく、該当部分の文章をそっくり削るというやり方がウチに来たマーベリック弁護士事務所(千代田区)と同じなのですよ。



小林: メールのコピー出しても良いけど、こちらの方も個人情報の保護なら一部の修正で十分だったので、さくらインターネットを仲介にそれで対応したけれども、修正で目的を達成したにも関わらず、カオルさんのメールフォームを探し出してきて、前後の脈絡から「文意を失っている」という難癖を付けて文章それ自体の削除を要求したんだよね。高野流にいうなら、つまり、証拠の改ざんをしたわけで。それで不審を感じたのだけど、マーベリックが様式美として、少しも美しくないが、日産方式を求められていたというなら合点がいくな。私だったらもう少し個人っぽく演技すると思うけれども。

ハヤト: そんなもんどうでも良いです。高野事務所が協力を求めてきたら協力しましょう。それとひどく紛らわしいのが「クマール」という名前の人物が複数出てくることで、以前のウチでは「カマール」または「カマル」と読んでましたね。このあたりで整理しておきましょうか。

(クマール1号) アニル・クマール(バフワンIT重役)・・・バフワン会長アマルの側近
(クマール2号) ディベンドゥ(ディビエンドゥ)・クマール・・・バフワングループの重役、SBA担当役員
(クマール3号) ヘマント・クマール・ナダナサバパシー・・・日産社員、ハリナダの部下、検察と司法取引

ハヤト: クマール3号、へマントさんは最初の保釈(3/7)が初出で、アニルとディベンドゥについてはウチも知っていましたね。ただ、最初の頃は両者を明確に区別しておらず、ディベンドゥさんかなり年配なんですよ。インド系の名前にはクマールと付くことが多いということで、以降は注意してますがね。バフワンにインド系重役が目に付くのは、創業期のアブドラ(元漁民のスヘイルとサウドの父親)がインド洋ビジネスをしていたからとは以前にも出ましたね。ディベンドゥ氏とアブジョウデが接触禁止リストに加わったのは2回目の保釈です。

 高野・2回目(4/25)保釈条件

小林: このリストなんだが、初見で結構ドタバタしてるなと思ったのは、疑惑流用に直接関係のないスヘイル・バフワンが入っているくせに、バフワン会長のアマルが入っていないことで。スヘイルはとっくに引退していて、現在のバフワンの会長はアマルだ。その持株会社バフワン・ホールディングス(グループ)に長男アハメドのSBA(日産)と次男サードのOTE(ヒュンダイ)がぶら下がっている。

ハヤト: ゴーン氏以前のバフワン家の内紛と、グループ立て直しにアマルが果たした役割を考えれば、スヘイル自身が後継者と指名したアマルがそもそもの最初から事件に関わっていたと見るのが実は座りの良い話で。弁護士の中古ヨットが最新スーパーヨットに変身したのもアマルの指図でしょう? これだけの重要人物がリストにない。

小林: だからさ、元々大した証拠がないんだよ。仮にゴーンが犯罪CEOだとしても、オマーンルートでアマル抜きじゃ、上のリストなんかほとんど意味ないじゃない。

ハヤト: アマル氏についてはこのサイトでも何度か取り上げましたが、私としてはこの事件はですね、ゴーン氏が投資について色々指図できたり資金を動かせたのは、やっぱりグループ総帥のスヘイル(アマル)の後ろ盾があったからだと思うのですよ。なのでクマール氏も罪に問われない。いくら販促金とはいえ、重役が会社に無断で金を動かしたら背任です。記事によると検察の聴取ではSBA社長のアハメド氏は不知でしたから、これはSBAというよりは、その親会社バフワン社の案件なんですよ。

 SBA社長アハメド

小林: クマール(ディベンドゥ)はスヘイルの側近で、かなりの年長者でバフワンITか何かの記事で顔があったけど、現会長アマルのビジネスの師匠兼お目付け役といった風体で、これじゃSBA社長のアハメドも手が出なかっただろう。

ハヤト: では、今回はここまで。