Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2019/9/10)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。




はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。



1.今週のゴーン事件 



小林: 西川は役会の前に「誰がリークしてるんだ、処分するぞ!」と力んでるし、すったもんだの挙句、16日まで辞任を先延ばしにして指名委員会というから割れていると思いきや、1日も経たないうちに全員一致で事実上解任になっているし、こりゃ議事録出してもらわないと何が起こったんだか分からないね。

ハヤト: 社長代行というのも分からないですね。西川さん辞任なら、その場で山内さん社長就任で問題ないじゃありませんか。

小林: 10人いる役員で決が取れるなら当然そうなるわな。取れなかったように見えたので、後でワラワラ出てきた「実は~解任賛成」は変だったし、これは役会では解任反対だったのが、後で前言を翻したんだろうなと。



日産の取締役会は9月16日付けで西川社長の辞任を発表した。最大の理由はSAR(株価連動型報酬制度。後段で詳しく説明します)を悪用し、本来より高額な収入を得ていたことだと言われている。こういった不正をしたら本来は違反ながら、不思議なことに検察も事件性が無く静観するという。今回特捜部は日産の誰かと司法取引(情報流す代わりに罪を減じる)したようだ。

ハヤト: この方はマア、自動車評論家ですが、この方に限らず西川氏の所行は「万死に値する悪」という論調が主で、日産関係者と司法当局以外で彼の合法性を主張しているのは皮肉なことにウチくらいですね。

小林: 私に言わせれば何年も前に決めた特定の日(3月31日)に株価が上がって報酬が確定することを祈念する方が、よほど非科学的でト朴占いなのだがな。2013年の有証では西川のSARは1,500万円と記載されているが、これは未確定の報酬につき記載された便宜上の数字で、その他の記載と併せて具体的な算定方法を明示したものにすぎない。

ハヤト: 日産は5月に訂正報告書を出してます。この制度では開始日によっては有証記載の金額を下回ることもありえますからね。今後は差額を明示するそうです。ま、制度自体廃止するのでこれもないのですが。

小林: ストックオプションだったら安く買って高く売るだけだ。



ハヤト: 西川氏が刑事告発なしで難を逃れたことについては、ダブルスタンダードという批判もありますね。

小林: 訂正報告書で開始日を遅らせた恩恵を受けた役員とそうでない役員がいるというのは、この制度ならそうだが、不正(不当利得)はありはするな。これがゴーンだったら横領罪(または特別背任・弘中)で逮捕されてもおかしくないとは言えるだろう。





2.みんなで渡ればガバナンス(勘違い役員会)

 

[東京11日ロイター] 日産自動車(7201.T)の西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)の辞任劇の背景には、取締役会のガバナンス(企業統治)不全に対する、社外取締役らの強い警戒感があった。今後の焦点は後任選びへと移るが、短期間で相次いだトップ交代劇に、市場の見方は一段と厳しくなっている。  

小林: とりあえず時間も経ったので、出所色々で話を作っている感じだな。ああいうタコツボ世界にいると一般的な感覚がなくなるんだが、今の日産のトップは「経営陣の信頼性(ガバナンス)」に神経質だと分かるな。6月に監査役会を廃止して委員会設置会社になったことで、不祥事は「新」役員会の沽券に関わると思っているらしい。が、日産が組織変更したことで役員会が刷新されたと考えているのは日産関係者と当の役員だけだ

ハヤト: マア、西川さん辞めるという話ですから、過程の話は良いでしょう。ただ、我々がゴーン氏を追った経営陣に不満を感じるのはガバナンスが問題だからではありません。ゴーン氏の後を襲った西川氏の打ち出す方針に新味がなく、良く言ってゴーン氏の焼き直しで、変革の続く業界について理解がないように見え、主として外国人を中心とした大規模なリストラや車種廃止、ルノーやFCAとの提携に対する頑なで後ろ向きな態度などは、むしろ会社を衰亡させるように見えることがあります。



小林: 一言で言えば、「ゴーン以上」の内容がないわけだ。おそらく国際戦略車として考えられていたデイズはあまりに未熟成で単なる軽自動車としか扱われなかったし、インフィニティのエンブレムだけ変えて「スカイライン復活」というのもトンチンカンだ。このクルマはスポーティーであると同時に求めやすい価格もあったはずで、それが高級化したV35~37型に対する顧客の不満だったのだが、廉価グレードの2リットルを「ダイムラーのエンジンを使いたくない」という理由で提携を解消してラインナップから消してしまった。それに今だにしつこく続いている販売奨励金を大量投入したキャッシュバック戦略はゴーンがムニョスにやらせていたものと同じものだ。

ハヤト: 策がないので結局はゴーン氏の戦略を水で薄めたような、、とは、言っていましたね。



3.型遅れ電気自動車

 

ハヤト: 電気自動車についても何もしてません。この自動車は日産が国内で唯一トヨタに対しアドバンテージのある分野ですが、現在の旧態化したCHAdeMOさえ整備を明言していませんし、次世代規格のアウトラインも示していません。それにあの日産リーフ、40~64kwhモデルをリリースしましたが、大容量バッテリーを積んでいるくせに、今だに冷却装置が搭載されていないのですよ。

 

小林: これも冷遇したのは「ゴーンがプッシュしていたから」と後ろ向きで、そうこうしている間にもっと優れたコスパと性能のVW・Id3が出てきてしまった。これは冷却装置を備えている上に配置方法もリーフより優れている。電池も自社製(ドレスデン工場)で、テスラみたいにパナソニックの電池を並べるようなブザマさもない。

ハヤト: 前回我々が検討した内容では、電気自動車はリーフeプラス程度の容量で、充電器は100kwh以上(CHAdeMOは40~50kwh)が実用ライン、後は量産効果によるコスパの問題と結論づけていますね。実用走行可能距離としては400kmが一つの目安と。でも、充電スタンドは全国に3万箇所ありますが、実用的な充電のできる充電スタンドは4千箇所にすぎず、また、一基しか充電器のない所が大半なのですよ。

小林: で、VWの新型はといえば、普及モデルは58kwhで上級モデルが77kwh、充電器は聞いた所によると150kwhで、大きさはリーフとほぼ同じ、リーフにはない冷却装置を持つから同じ容量ならパフォーマンスも走行可能距離も上回る。先進装備、安全装備はフル装備、しかも予定価格は3万ユーロ、リーフ400万円だよ?

ハヤト: 技術の進歩がありますから、抜きつ抜かれつは仕方ありません。しかし、西川氏が休眠していた10ヶ月もの間があれば、ミスター電気自動車と自他共に認められていたゴーン氏なら、VWに機先を制されることは無かっただろうし、この自動車について将来のビジョンも示していたでしょう。



4.「資本の論理」を優先させるルノー



小林: 内容については詳しく分からないのだが、報道の一つにFCAの件で業を煮やしたルノーがRAMA協定を無視して、秘密協約より大株主としての権利を優先して行使する方向に方針変更したという話がある。ゴーンを放逐して10ヶ月、後を襲った経営者がスキャンダル暴露にばかり熱心で、経営らしい経営を何もしていないのだから無理もない話だ。

ハヤト: 一応日産側の言い分を見ますと、ゴーン氏の進めた「無理な拡販計画」が諸悪の根源というものですが、顛末を見るとその後の破滅的な減益もありますが、むしろ西川氏主導の無理な撤退が業績に急ブレーキを掛け、損失を拡大させたという見方もできますね。



小林: インセンティブ販売というのは現行車に魅力がなく、価格競争力も劣っている場合に行うものだ。なので、当然仕向地向けで異なるし、新車を投入してそれが十分な競争力を持つものなら値引きなしの販売も可能だ。しかし、西川がムニョスを更迭して北米でのインセンティブ販売を止めさせた時、日産にはアルメラ、セントラの新型は販売店になかったし、本来はインドでも生産するはずだったデイズは日本専業車にしてしまったためにかなり割高なクルマになってしまった。

ハヤト: イギリスでもゴーン氏がメイ首相と密約していたという理由で、欧米では弱い日本車で売れる数少ない日本車キャシュカイ(エクストレイル)工場を閉めましたね。工場を残置させる代わりにゴーン氏は100億円の援助をメイ氏から引き出していたのですが。デイズもアジアでは製造がルノー合弁工場なので、結局インドには廻しませんでした。



小林: VWが示したけど、電気自動車など次世代の自動車を生産するなら、間違いなく規模の経済が必要だねえ。VWの電気自動車のバッテリーは日産やテスラのようなパナソニックやLG製じゃなく、強度部材も兼ねた冷却装置やコネクタを含んだモジュール設計で、さらに充電密度の向上したセルのアップデートにも対応している。ま、VWってこういう会社だけどさ(自社製ロボットとか)、エンジンの図面をもらっていながら愛知機械に丸投げしましたとか、東レだパナソニックだとか、ミスミや新日鉄、キーエンスのカタログ見て設計するような丸投げ「エンジニアリング」から離れたいなら、会社を大きくするしかないじゃない。仕様やコストの点でも有利だ。中途半端に止めたから悲惨なことになったわけで、30億円も給料ももらい、11人もいながらいったい何をやっているのさ。

ハヤト: 我々が見てもこの体たらくですから、フランスのスナールさんやルメール財務相は頭を抱えているでしょうねえ。10ヶ月の期間は「(日本には)プロの経営者がいない」ことを思い知らせたのではないでしょうか。とにかく西川氏は私怨でゴーン氏に復讐したがって貴重な時間を空費したように見えてなりません。



小林: 太平洋戦争とかに詳しい人は分かるな、日本のリーダーってこういうことする人いるんだ。セイロン沖海戦とか、戦略的に全く意味のない戦いを見栄とコンプレックスと私怨だけで人民を巻き込み、国家資産を動かすような、当時は日本海軍だったが、そういえば真珠湾攻撃からミッドウェー海戦までがちょうど6ヶ月だった。

ハヤト: この事件でいえば、ゴーン氏を追放してケリー氏が報酬疑惑を暴露するまでの期間がそのくらいですね。

小林: それまではゴーンスキャンダル満員御礼植民地ルノーの誹謗満載だったが、今の韓国のような、今考えればやっぱり愚者の楽園だったのだろう。



閑話休題



いずれにせよ、西川氏の倫理的な責任は重い。さらに「ゴーン氏よりも責任が重い」といった論調があるが、これは明らかに間違っている。ゴーン氏の「不正」は刑事事件であり、司法が裁く事案だ。西川氏の社内ルール違反はあくまで内規違反であり、これはコーポレートガバナンスの範疇において処理される案件である。

小林: この人(井上久男)のピントのズレっぷりはすでに定評があるが、あんまり特定の会社に詳しすぎるのも考えものだな。なまじっか本人たちの印象がチラついて、ちゃんとした判断ができなくなってしまう。で、今回の辞任劇が示したものはといえば、その「身内」が率先して闇討ち(豊田)や敵前逃亡(井原)を図るというものだったわけで。

サムライ(日産取締役)とは 裏切らない~♪
一度誓った 仲間(西川、山内、豊田ほか)のこと~♪
(歌詞「侍戦隊シンケンジャー」2番)


ハヤト: 井上さんはそういう人たちだったと分かっていたのですかね?

小林: 分かっていても原稿料くれたり、高級料亭の酒席に同席すれば、舌鋒鋭くはならないんじゃないか? それは良いとして、聞き捨てならないのは上の一文、西川は内規違反でゴーンは犯罪という下りだ。

ハヤト: そもそも我々が四十何回も「ゴーン特集」をやっていて、ファンサイトの使命を投擲しているのは、ゴーン氏の案件がどれを取っても内規違反程度の内容と思っているからでしょう? 起訴されているいないで事件の質が変わるんですか?

小林: 現在起訴されている3つの犯罪について見れば、1.金商法違反の虚偽記載はそもそも有価証券報告書の詳細を規定している内閣府令に該当する内容の記載義務がなかった。報酬内容については決められていたが、それは株主総会の決議を経ておらず、取締役会にも上程されていない「覚え書き」でしかなかった。事件を見て慌てて当該部分の規則を直すという金融庁のおまけ付きだが、法的拘束力のない「覚え書き」を確定または未確定の将来の報酬約束とすることは普通はありえない。

ハヤト: 加えて、報酬案を作成したケリー氏は記載の必要につき、金融庁にお伺いを立てているのですよ。注意義務は尽くされていて、これは善管義務違反を観念する余地もありません。それとニュースで取り沙汰された株価連動型報酬ですが、過去の支給実績や支給の趣旨(部門リーダーのパフォーマンス)を見れば、ゴーン氏とケリー氏にはほとんどないでしょう。

小林: 次いで、2.スワップ債権の日産への付替えによる利益相反だが、付け替えを提案したのは現在は日銀政策委員会にいる政井で、これも証取委に指摘されてすぐに復元したから、特別背任の要件である損害がなく、これもせいぜいが内部規定レベルの話だ。

ハヤト: 最後は3.CEOリザーブの濫用によるハリド・ジュファリ氏への複数回の送金が特別背任という話ですが、CEOリザーブを通じて支出された販売奨励金が無駄金という証言はもっぱら中東日産ですね。送金した挙句、合弁会社の日産ガルフが乱脈経営で潰れたというのならともかく、聞く所ではジュファリさんはかなり優秀なディーラーのようですね。つまり、無駄金になることを知っていて送金したわけではなかったわけです。なので最近はキャッシュバックに論点が移っていますね。

小林: つまり、GFIやビューティーヨット、ショーグンファンドが話題になるのは、それ自体ジュファリの話ではないが、CEOリザーブの濫用もジュファリが完全否定していて証拠も乏しい中では立証は難しいものなのだな。それにこれらはオマーンの話で、サウジアラビアのジュファリのキャッシュバックは今だ話すらリークされていない。

ハヤト: 実は論拠も薄弱だったのですよ。アナタの言う通り中東日産ですか、ジュファリ氏との関係につき、ゴーン氏が王族とのコネクションを言いましたが、ここの社員は日産会長と王族との会見をセッティングしたことなどないと言っていました。

小林: ところが、その中東日産のお膝元のUAEでゴーンがムハンマド皇太子(UAE)と王弟相手に講演会をしていたわけで、大使館報告に記載あるからな、実はそんなことも分からない情報収集力しかなかった。

ハヤト: ジュファリ氏と王族との関係については、6年前に有力サウジ王族のビンタラール王子、アナタは日産ガルフの黒幕と最初から言ってましたが、と、ジュファリ氏が肩を並べてジョイントベンチャーの話がありました。ゴーン氏から5年後の話で、そもそもアナタはジュファリ氏という人物は自動車ビジネスに興味がなく、王子が腹心ナセルを送ってビジネス管理していると言ってましたね。ビンタラール王子は一昨年はひどい目に遭いましたが、サウジ最強の王族ビジネスマンです。

小林: ビンタラールの侍医がナセルの娘というのも、実はおおよそそんな関係だと目星がついていたんだ。だからさ、これも本当のことを言っていたのはゴーンで、彼に飛ばされた中東日産の社員じゃないんだよ。

ハヤト: そもそも販売奨励金の使途などは経営判断に属する内容で、司法に馴染むものではありません。日本人ならかなりひどい私物化でも無罪です。

小林: ZOZOの前沢が剛力彩芽を連れて5,000万円使ってプライベートジェットで欧州旅行なんてのも逮捕されないんだから、日本司法のダブスタは明らかじゃない。

ハヤト: ま、その辺はフランスのジムレさんが同時に引き受けている日本の親子DV問題も含めて、規制の不十分と行政司法の癒着の酷さ世界の非常識として国連作業部会に訴えてくれるでしょう。

小林: ダブスタの話は司法記者に話を捏造させている日産経産省より、ジムレとゴーン団の方が遥かに連携して、整然と応対しているわな。何が内規違反と犯罪は違うだ。犯罪にしているのはお前たちではないか。

ハヤト: では、今回はここまで。