Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2019/7/20)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。




はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。



1.今週のゴーン事件



ハヤト: というお話なんですが、変ですね。確かゴーンさんはNMBVから10億円もらっているのですが、今度は18億円、少々図々しいんじゃありませんか?

小林: ゴーン「ギョーム主事」の話な。港区の統括会社子会社に乗り込んできて勝手に雇用契約というあれだ。報酬額もデタラメ(月給1億円)だし、手続の点でも問題があったことはすでに指摘されているが、この構図では未払いの給金というのは確かなかったな。

ハヤト: アナタの見立てではこの雇用契約はオランダ税務当局の督促をかわすための方便で、実際には金は動いていないという話でしたね。

小林: レゼコーの記事だと「透明性」というのはゴーンの訴訟戦略としてあるという話なんだ。この場合の透明とはリーガリティ(法的整合性)だと思うが、NMBVのカラクリを暴くことは勝つにせよ負けるにせよ彼の不利にはならないという判断だ。もう一つ、より大事なことだが、この事件の捜査のためにオランダの裁判所がゴーンを召喚できるということがある。保釈条件の見直しは必至だ。



ハヤト: 例のゴーン氏に対する支払いなんですが、支払われたのは782万ユーロという話ですが、新たに請求が1500万ユーロということで分かることがあるんです。オランダの所得税は外国人の場合は30%ですから、782万ユーロのうち642万ユーロはNMBVの会社財産の総額2142万ユーロの30%、つまり税金分で、残りの140万ユーロが彼の報酬です。現にレゼコーの記事だと彼はドル建て報酬とは別に140万ユーロのボーナスを受け取っているんですよ。

小林: つまりさ、NMBVのゴーンの雇用契約というのは本当に方便だったんだよ。そしてそのことは益子も日産の西川も日産から出向した三菱の担当役員で元秘書室長の大沼も知っていた。

ハヤト: 拠出金を処分しなけれはいけなかった理由は、NMBVはすでにあるルノーとの合弁会社RNBVの間借りでほとんどコストが掛かりませんでしたし、20億円の資本金も当面の使途はありませんでしたから、課税による毎年3,000万円の目減りを避けるための措置ですね。オランダ税法は特殊で、三菱のように外国に子会社を作っても逃げられません。現に課税されたので泥縄式にゴーン氏が泥を被る話になったのでしょう。あの「ギョーム主事」は誰が見たって変な構図でしたからね。

小林: この契約にはセルフ・デストラクションの仕組みが組み込まれていて、実体上無効というのがミソだ。イザという時には契約を無効にして外見上ゴーンに返還義務を発生させ、オランダ当局には取りすぎの税金を利息付きで返させる。元々「ゴーン報酬」はNMBVの金庫から動いていないし、所得税もNMBVが肩代わりしたのなら、返してもらえば目減りもしない。会社は拠出された金を利息付きで使うことができる。

ハヤト: でも、外形上は完全に有効なんですよね。この契約は。

小林: だから両社は判断を迫られる。契約が有効と認められれば未払いの1,500万ユーロをゴーンに支払わなきゃいけないし、無効なら悪質な税逃れということでオランダ当局が徴税にやって来る。追徴もあるから10億近く取られるのでは。ゴーンが収めた所得税はたぶん返されるが、それを会社の金として組み戻すにはまた一悶着ある。

ハヤト: 両社はゴーン氏との契約を解除はしましたが、業務実態が無いことを言い立てて返還請求はしていませんね



小林: 元々金は動いていないんだ。ゴーンも別に儲けてない。雇用契約の形式を取っていたことで、今のところは給与として支払済の建前で宙に浮いたNMBVの資本金20億円はその他の払いたくないゴーンへの報酬を処理する際になんとか組み入れて辻褄を合わせる目論みだったのだろう。しかし払えと言われたことで、そういうゴマカシは許されず、そうは問屋が卸さなくなった。



2.京アニ放火殺人



小林: 誰も言わないんだが、それは犯人が頭おかしく狂った悪い奴だとは分かるけれども、いちばん非難されるべきはこの社長と経営陣じゃないか。ガソリン一発で大破炎上するような建物にアニメーターを住まわせて、火事で半分死なせた責任はこいつらだろう。

ハヤト: 消防法はどうなっていたんですかね、指摘は受けていたはずです。なので京アニの第1スタジオは福島第一原発同様Googleマップに載っていません。

小林: 賠償責任の観点からも、明らかに安全配慮義務違反のこの会社に請求が行くことは避けられんな。防火扉もなければ非常階段もない。バルコニーに脱出シュートもない。建物は見た所坪30万の安普請で、鉄骨なのだがほとんど木造だろう。避難訓練はおそらくやってない。

ハヤト: 他の業種なら操業停止レベルの建物でしょうが、たぶん人の入れ替わりが激しいと常駐しているのは10人ほどと虚偽の申告もしていたでしょうね。一応業界では社員の待遇に配慮したホワイト企業という評判だったのですが。

小林: そもそも社名が虚飾満点なんだ。「京都アニメーション」なんて、伏見にあるんだから「伏見アニメーション」だろう。



ハヤト: 京都の人はそうらしいですね。5条京都駅から南は京都じゃないという話です。上みたいな人たちだと、「京アニは京都やあらへん、迷惑な話どすえ」とか言いそうなんですがね。

小林: ま、京都をブランドと思っているのは京都府民だけだから、「京都バウムクーヘン」とか、「京都ラーメン」とか、何でも京都付ければ偉いと。だいたい二番煎じが多く、京アニなんかジブリの二番煎じじゃないか。

ハヤト: 自分の不始末で丸焼けになったからといって作品まで否定するのはどうかと思いますが、有名スタジオの京アニでもこの体たらくですと、クール・ジャパンの掛け声が虚しく聞こえますなあ。

小林: この社長、コストの観念を履き違えているよね。見ると比較的小さな建物を買って「〇〇スタジオ」とやっているけど、大きなのを建てるとスプリンクラーとか防火設備が必要になるんだ。延べ面積にして700平米以上、燃えたスタジオは690平米で基準ギリギリ、こういうことをする経営者に社員の安全に対する配慮がないことは明らかだ。

ハヤト: 建築基準法や消防法の基準は最低の水準を定めたものです。アニメーションの制作作業は現在はかなりコンピューター化されたとはいえ、セル画やコンテ、制作資料に有機溶剤など燃えやすいものの多い環境であることは間違いありません。そこで実態を見据えずに「基準さえ通れば良い」というのは賢明な経営者の姿とは言えませんね。

小林: 社員にだって問題がある。そういう環境なら自分の身は自分で守らなきゃいけない。見た所、統制の取れた避難ができている様子はなかったし、指揮する人物もいなかった。実は犯人も大やけどして道路に倒れ込んだんだが、「京アニの社員が100メートル追いかけて捕まえた」とか、事実無根の武勇伝も流布する始末だ。そうやって常に虚勢を張らなくてはやっていけないような会社では、仲間意識などなかっただろうし、不安定な雇用環境で帰属意識もなかっただろう。

ハヤト: ガソリンの急速燃焼で燃え広がったとはいえ、その後の火災は燃えるものがなければありませんからね。木造だからという理由ばかりではない。



小林: 本当に気の毒だし、運も悪かったと思うよ。でも、今の日本では同じことは業種は違えど、いつ、どこで起こっても不思議はないな。そういうことを想像できない知性をお花畑というんだ。京アニの社長と社員は、残念ながらお花畑であったと言うより他にないな。



閑話休題



小林: 案外反感は強いと聞いているんだ。テレビじゃ自民優勢だけど、危ない選挙区もずいぶんあると聞いている。しかし、団塊ジュニアと若者は投票所には行かないし、行かなければ組織票の強い自民が有利で、野党は民主党が二つもあってどちらに入れたら良いか分からないでは結果は見えてるな。この選挙、実は自民党が少し負け込んでくれた方が面白いと思うのだが。

ハヤト: 負け込んでますよ、改選後の3分の2ラインは無理のようで、もう誰も口にしていません。

小林: どこかの県じゃ県職総出で自民候補を応援させて、道路工事を追加発注して露骨に利益誘導して、NHK党とか野党分断の策も応分にやってこの体たらくじゃ、以前だったら勝っても総裁辞任だわな。そもそも改憲がウリの首相なんだし、でも、最近の自民政権は負けそうになると予防線を張って逃げ切っちゃうんだよねえ。改憲のない安倍なんてクリープのないコーヒーみたいなもので、辞めるしか無いと思うのだが。

ハヤト: ま、こと再チャレンジについては安倍さんに限らず自民党はお家芸ですよね。

小林: 結構危ないところに来ていると思っているんだ。今度の選挙で勝てばネットウヨクが制度化(跳ね返り→官僚)しそうだし、アジア諸国との関係も悪い、議論は良心と公平を欠いていて、党派的傾向でまともな情勢判断、政治判断ができるとも思えない。地位は努力ではなく脅迫と背信で決まる。すでにある支持組織のネットワークが強化され、野党は資金の点でも人材の点でもジリ貧で、反対勢力が消滅する。個人の人権が否定され、プライバシーはなくなる

ハヤト: それじゃファシズムですよ。

小林: でも、それを望んだのは国民だろう? いや、望んだ結果については分かっていなかったのかもしれないが、今までしてきた感情的で愚かな選択の反省もないじゃない。政治家には反省して謝罪しろと言っても、「気に入らなければ落とせば良い」とうそぶいている不実な自分たちにそれはないのか、今日の事態をいちばん反省すべきはおまえたちじゃないのか。

ハヤト: では、今回はここまで。