Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2019/6/23)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。




はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。



1.今週のゴーン事件



ハヤト: このサイトもスッカリ時事評論サイトになってしまい、アナタは小説書かないし、2202を初めとするアニメも批評に値する作品ありませんからしょうがないんですがねえ、、

小林: ホント、しょうがないよね。で、上のはジュファリの会社が独占契約違反で日産を提訴という話だが、WSJにより詳しい内容が載っていて、読んでみるとヤッパリ以前検討したゴーンとジュファリの中東乗っ取り計画が正しかった感じだねえ。が、これも実はスンナリとは行かなかった。で、これが以前書いた図だな。



ハヤト: ま、この日産ガルフというのが提訴したアル・ダハマ社と中東日産が折半して設立した日産の中東地区の統括会社なのですが、実はここには書いてないんですが、UAEのディーラーには契約にも関わらず中東日産が直接卸していました。UAEは陸揚げ港のある中東日産のお膝元ですね。

小林: 他にもあって、合弁会社が販売する場合でも、契約では日産の利益率は3%となっていたが、実は20%で、ガルフの卸価格が高くなった。当然販売では不利だし、ガルフから自動車を購入したディーラーにも不満が噴出した。それで直接卸しに流れたディーラーもあり、これも損害だと言っている。2012年には中東日産の巻き返しでガルフはUAEの市場を事実上失っている。

ハヤト: ちょっと汚いんじゃないですか? 日産ガルフの設立はトップが決めたことでしょう?

小林: トヨタのジャミール商事を手本にだな、間違った戦略じゃない。が、良くある日本的光景でトップが決めても配下が忖度して骨抜きにするという。卸価格を高くしたのもジュファリに撤退を促す日産守旧派の陰険な策略だろう。

ハヤト: まあ、こういう状況でしたら、こちらも今まで説明がつかなかった部分が説明できます。こちらの見立てではガルフに取られて実体のなくなったはずの中東日産がなぜ2019年でも鼻息荒く残っており、ゴーン氏に強い敵愾心を持ち、重要証人として捜査に積極的に協力しているのかですね。あと、こちらも推測通りでしたね。



、、この頃、日産子会社の中東日産(アラブ首長国連邦)にバハワン氏側から接触があったという。オマーンでは「国内シェア3%程度」(関係者)だった当時の日産にとって魅力的な提案だった。翌年4月から日産はSBAに販売代理業を委託。SBAは豊富な資金を元に、首都マスカットに世界最大級(当時)のショールームを建設した。

小林: やっぱり動機は復讐で接触してきたのはバフワンだったか。ジャミール方式が正しいことはこれを見ても分かるわな。記事だと3%のシェアが今では20%だ。何せ中東日産はその前に10年クルマを販売していても3%だったのだからな。

ハヤト: 後知恵ですが、ゴーンさんは中東での戦略は役員会でもっと討議すべきだったと思うのですよ。方法は正しいのですが、後々までゴタゴタしていたことで分かりますが、役員の背後にいる日本人ステイクホルダーの理解を得ていなかった。

小林: ジュファリは割高なクルマを押し付けられて良く健闘したと思うよ。これでお膝元のサウジのシェアが案外低いことの説明も付くんだ。ジュファリはスタンド工場のペトロミンを引き込んでサービスで利益を出そうとしていた。日産が競争力のある価格でクルマを卸していたなら、そこまでやらなくても良かったよね。

ハヤト: 卸価格についてはドバイの訴訟で申し立ての一部になっていますが、そういう情報をジュファリさんはどうやって調査したんでしょう? 訴状ではアル・ダハナの書類を精査してとありますが。そういう書類があるのは中東日産でしょう?



小林: UAEの同じビルにあるんだ。何らかの方法で手を回して入手したか、UAEの官憲に手を回して家宅捜索したかだな。契約違反をジュファリがいつから知ったかだが、2008年から知っていればゴーンに直訴するか訴えただろうから、知ったのは昨年以降だな。それでひどく不利な商売をさせられていたことをしって絶句したというのが本当だろう。たぶんゴーンもジュファリも卸価格の実際についてはほとんど知らなかった。

ハヤト: 中東日産の方々の焦りも分かるのですが、彼らのやってきたことは国際ビジネスの信義に反する話です。無益な足の引っ張り合いと、これがなければ日産はどうだったでしょう?

小林: バフワンが企図していたように、中東でトヨタをやっつけたんじゃないか? 少なくともオマーンはスヘイルの執念と怨念で勝てそうだった。



ハヤト: この方もピンチですねえ、ルノー役員の増員が決まった途端にこれです。あれ(住宅購入)はアナタはそんなに取り合ってないでしょ。

小林: 日産の株価連動型報酬は独特の方式で、模擬(疑似はあるので)ストックオプションだ。法律家で貸付けができないと判断したケリーやハリナダができると判断したのだから、本物のストック・オプションに行使期間があるように、行使日を取得者に有利に変更しても利益相反の問題は生じないとしても、会社法上の問題はないんじゃないか? 細かいところでは制度自体に問題があるとも言えるけれども。

ハヤト: ストック・オプションでは行使期間に権利を行使するかどうかは取得者のインセンティブに左右されますね。

小林: 発行の際に定められる権利行使価格が時価よりも高ければインセンティブはないし、安ければインセンティブがある。行使するかしないかは取得者の自由だ。西川は自宅の購入資金を得るために権利のある株をより高い価格で売却しようとしていたのだから、動機自体は別に非難されることじゃない。ストック・オプションなら安く買って高く売るだけのことだ。これは日産の「取得日」制度がおかしいだけだ。

ハヤト: この事件もですね、我々の検討も煮詰まっていて、そんなに意外な内容は出てこない感じですね。



小林: ジュファリの件なんだが、治療が終わったケリーの接触禁止リストに彼はいないよね。中東の事件では提訴されていないし、本人もアメリカ日産で中東との直接の接点はない。インタビューでも知らないと言っている。が、事件を静観していたジュファリが訴えを提起したとなると。

ハヤト: あのインタビューなんですがね、ご自分の来歴から日産での仕事を語っていたのですが、西川氏と同格の代取でナンバー2という地位にしては仕事が軽すぎると思うのですよ。本人の言によればゴーン氏とは年数回、40分程度の報告をする程度という話でしたがね。

小林: 彼が表に出てきた頃から日産有利な情勢が変わってきたからねえ。先のキャロルの件でジュファリがゴーンの言う事は聞くことは分かっている。となればケリーの指図にも従うわな。ハリナダが執心していたリオとレバノンは軽くあしらいそうだし、日本以外での対日産戦略を立案してコーディネートできる力量はありそうだな。西川も住宅スキャンダルでグサリでしょ。あんなの問題にならないことは当の本人がいちばん良く知っているんだ。

ハヤト: その軽いジャブで西川さん身動き取れませんからね、対ルノー交渉も精彩を欠いています。ルノーにしても日産にしても取締役の大半は法律家じゃありませんからね。ゴーン氏の問題と西川氏の問題の区別がつかない。それ分かっていて文春に出たのなら、この雑誌は日経と並んで企業人はみんな読みますからね、大した役者です。



閑話休題



ハヤト: トランプ氏の日米安保見直し論が喧しいですが、思ったより立派な空母を見て気が変わったんでしょうかね。

小林: 人間の目って直径4センチの球体で、2つの眼球を重ね合わせた像は歪んでいるから、経験則だけど長さが250メートル以上のものには巨大感があるんだ。例えばタイタニック(269m)は同時期の客船モーリタニアより30m長いだけで、排水量も当時最大の戦艦クィーンエリザベスよりも1万トン大きいだけだが、実見した人(つい最近までいた)は「あんな大きな船を見たことがない」と述懐しているし、その後もっと大きな船を見ても撤回してない。戦艦大和やビスマルクなんかも同じだな。当時の日本に250m以上の艦はほかになかった。いずもは248mで、辛うじて「巨大艦」の基準を満たしているねえ。



ハヤト: そもそもあまりテレビに出ない(空母いずも)じゃないですか、艦内エレベーターだってあんな立派とは思いませんでしたよ。遠慮しているんですかね?

小林: 実際はアメリカの空母よりずっと小さいし、ジェット戦闘機を運用する艦としてもギリギリの大きさしかないか、そもそも運用に適していない。アメリカ海軍最小のミッドウェイ(退役)よりずっと非力だ。でも、航空機のスペックとか作戦とかを念頭に置いて船の大きさを考えるのは軍事専門家で、普通の人は見た目の印象を優先するよね。

ハヤト: こんな立派な空母を4隻も持っていて、1機150億円のF35を100機も買える財力があってとなれば、そりゃあ日本守るのバカバカしくなるでしょうなあ。

小林: そんな感じの発言だと思うが、日米安保に執心しているのは今や日本で、それにあの思いやり予算、実は戦後のガリオア援助の返済分なんだ。実はあれは有償で5億ドルほどの返済義務があったが、返そうとした日本に対してアメリカの回答は「返さなくて良いからそれは米軍基地に使ってくれ」、これが「思いやり」予算のそもそもの始まりだ。当時の為替レートで返済したら、5億ドルという金額は外貨の少ない日本ではかなり足を引っ張っただろう。

ハヤト: そんな金額、とっくに返していますよね?

小林: 従業員の給与などで、60年後の現在ではとっくに返している上に、それに十倍する地位協定に基づく負担分まであるのだが、せっかくトランプが口を滑らせてくれたのに、便乗する気はサラサラ無いようだ。

ハヤト: 見直す良い機会なんじゃないかと思いますよ。マア、貿易があるから言いなりなんでしょうがね。



小林: 例のイランなんだが、あのドローン撃墜はイランは地対空ミサイルと発表しているけど、実は戦闘機じゃないかな? 撃墜されたグローバルホークは高高度を飛ぶ無人偵察機でこういうミサイルだとチト高い。でも、トムキャットなら1キロ上にミサイルを打ち上げれば済む。イランのミサイルは地対空と空対空は同型のバージョン違いで、F-14戦闘機ならどれでも運用できる。どの辺で撃ち落とされたかは知らないけど、あえて地上ミサイルとしたのは、先のタンカー事件と併せて領空侵犯・米陰謀説を補完するためだろう。

ハヤト: 地上ミサイルは撃ったのですが外れたんですかね。米中央軍もSAMと言っていますが、公開された映像だけでは分かりにくいですね。



小林: 青色の点が米発表の撃墜位置だが、こりゃおかしいよ。またもミサイルの射程ギリギリで、しかも2万メートルだ。イランはSAMは撃ってはいるようだから、赤点でミサイル攻撃されて避退中に戦闘機に撃墜されたんだ。

ハヤト: 先の機雷の取り付け方なんかもそうですが、どの時点で何が行われたかで見方がだいぶ変わりますからねえ。一部の軍事専門家の言う「港で取り付けた」なら、確実に日イ会談狙いですし、アナタの言う襲撃艇がコッソリだと同じ会談狙いでも跳ね返りの暴発と解する余地があります。

小林: 戦闘機だとこれはイラン空軍の所属で、SAMみたいにこれは革命防衛隊がとは言いにくくなる。米軍の発表が遅れたのは、テロ組織と認知している防衛隊の犯行とした方が米軍にとっても都合が良かったんだろうな。革命防衛隊は導師(ウラマー)ハメネイ直属の部隊で、タンカーも偵察機撃墜も全部こいつがというストーリーだ。

ハヤト: 攻撃10分前まで行ったという話ですが、これは戦争になるんですかネ?



小林: トランプは過激だけど、こういう陰湿な策は弄さないと思うんだ。それに戦争というのはたいていコミュニケーション不良が原因だが、両指導者の意思の疎通には問題ないわな、わざわざ会談しなくてもツイッターで罵言を飛ばし合ってる。安倍がハメネイを知っているより、よっぽどトランプもハメネイも相手のことは知っていると思うよ。

ハヤト: トランプ氏はともかく、ハメネイ氏は数カ国語に精通した学者の教養人で、外国の新聞やネットで自分や自国が何言われているかは十分承知ですからね、すぐにリプライを返しています。ツイッターですがね。金正恩よりも反応早いですよ。

小林: 米政府内部にも不協和音があって、あって当然だが、それこそ10分前になって動物的なカンで「騙された」と気づいたんだろうな。



ハヤト: 色々言われていますが、宗教指導者というのは陰険な策謀家では勤まらないと思うのですよ。日本では天皇ですが、基本的な善良さがないと。トランプ氏はそこは見ているんですかね?

小林: そこは見ているからイケイケでイラン攻撃とトマホークミサイルを準備している米軍に待ったを掛けられたんだろう。何か理由があって、一連の流れが「ハメネイ的でない」と直感で気づいたのかもな。



ハヤト: 安倍さんの訪イは意味あったんですかね?

小林: 「相手にする価値もない」と言われているトランプが密かに対話ルートをということでは価値があったという言い分もあるが、行ったおかげでタンカーが爆破され、グローバルホークが撃墜されて空母部隊が増派され、トマホークミサイルが発射直前になったのだから、対談なんかトランプがツイッター一つでセッティングできることを見れば、やっぱり益より害の方が数層倍大きいと言わざるを得ないな。

ハヤト: 金正恩氏の場合は「ロケットマンは頭が良い」でしたね。流れが変わったのは。



小林: 若くてセルフエスティームの低い正恩ならそれでツボを押せるだろうが、禁欲的で分別のある知的なイラン最高指導者はこういうおだてには乗らないだろう。思うにツボを探しているんじゃないかな?

ハヤト: 日本はどうすればいいんです?

小林: 旗国とか色々あるが、タンカーを爆破された日本は被害者だろう。それこそチームをUAEに送って良いし、自衛艦を送ったって良い。イランと一緒に海上警備行動だって、あれは敵国じゃないのだから提案もできるだろう。調査も米軍任せで、その米国にソッポ向かれたんじゃ、どうしようもないよね。安倍ちゃんは少なくとも帰国してから数日で「決める」べきだった。もう遅いけれども。

ハヤト: では、今回はここまで。