Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2019/4/18)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。




はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。



1.今週のゴーン事件



小林: フランス日曜新聞(JDD)のメール記事などあるが、どうも事件の真相はフランス政府の意を受けたゴーンが合併路線に転向したのを見た日産の日本人幹部が会長の弱点を調べ、罪を作って陥れたというのが本当のようだ。そしてそれに手を貸したのが安倍政権、いかにもやりそうだな。今さら義憤も感じないよ

ハヤト: 要するに合併怖さにすでにある事実を元に罪状をでっち上げということですね。スキがある方が悪いとも言えますが、虚偽記載の場合は金融庁に問い合わせもしていましたし、普通の経営者でしたら罪にならないようなものを罪にしたと。そりゃあ誰だって叩けばホコリの一つや二つは出ますからね。

小林: 自動車会社に限らず大手企業の高級幹部の場合、以前はパイロットなんかもだが、重要性の高い業務を円滑に遂行してもらうために社長室や秘書室なんかそれ専門の部門があって、社員がスチュワードみたいなことをすることもあるんだ。世界的大企業のトップが家庭内不和や近所トラブルに悩まされたんじゃ仕事に差し障るだろ。ご多分に漏れずゴーンもその種のサービスを会社から受けていたのだが、実は有料だったという。

ハヤト: それじゃ詐欺ですよ。

小林: 日産の公式見解のように犯罪事実があって通報じゃないよね。そういう事実がないかと鵜の目鷹の目で探して、なりそうなものを罪に仕立て上げただけだから、そもそも事実がない場合も十分考えられる。ジュファリ然り、オマーン然り、付け替えは新生銀行の政井が売り込んだ大口顧客向け金融商品だろ。購入して顧客に犯罪を犯させるような欠陥商品なら、責任を負うべきはゴーンじゃなく新生銀行だ。そして虚偽記載は法律家のケリーが金融庁に確認して不記載なんだろ。この件で日産や検察が言うような犯罪事実なんかどこにもないんだよ。

ハヤト: ま、犯罪を犯している自覚があったなら、ゴーンさん、最初の逮捕で大鶴弁護士のアドバイスに従って虚偽記載は認めたでしょうからね。最初のシナリオではここで自白が取れれば特別背任以下は不起訴で済んだでしょうからね。

小林: 自覚なんかあるはずないんだ。あったらもっと上手く立ち回るよ。



2.亡霊の支配する日産

 日産のインド生産車

小林: またぞろ安倍内閣で年金の原資が足りなくなるので厚生年金を義務化して無職でもなんでも強制的に払わせようという議論があるけど、バカな話だよね。

ハヤト: 必要ないんじゃないですか? 失われた30年で公務員も会社員も正規採用が絞られています。母数が少ないわけで、20年も待てば彼らについては少なくなった現在の若年労働者でも十分養えるでしょう?

小林: こういうことを考えるのは良い時代に大量採用されて今は年金生活者のいわゆる団塊の世代でさ、自分らの将来給付が危ないと思っているから虐めつけられた世代からさらに搾り取ることを考える。いちばん金を持っているのにさ。この連中、バカ臭い仲間同士の競争で荒んでいるから目の前しか見えず、そもそも「失われた」もこいつらの近視眼と無策のせいだ。母数の話が出たが、そんな単純な算数も分からないんだろうよ、どうやら人生100年時代で永遠に生きるつもりらしい。

ハヤト: 日産も20年前にゴーンさんを招き入れた世代は今は年金生活でしょうねえ。でも、アナタによればまだ権力を持っていると。

小林: そう考えなければ説明できないんだ。ゴーンが10年も前の旧悪で逮捕されたり、中東の普通の販売促進費が背任にされたり、あと、インドの話もあるだろ。そういう目で日産のラインナップを見てみると、日産には二種類のクルマがあると気づく。

ハヤト: 前に言ってましたね。リバイバルプラン直後に日産が持っていたクルマは粗製車だと。それと西川さん以下ゴーン批判派の論調の特色は2005年のルノー会長以降の彼の業績を認めない所にあります。ですが、リーマン危機を挟んで日産が大きく飛躍し、親会社のルノーも凌ぐようになったのはこの時期です。

小林: こういうことをこの連中は見ていない。なので、連中の牙城がどこにあるかを見るには、いわゆるリバイバル車がどこで生産され、どこで売られているかを見ればいい。例えば上の日産ラティオ、軽量な1.5リットルの小型セダンで20年前なら良い車だったが、空力の処理も甘いしボディも弱い。欧州で売っている現行型マーチ(マイクラ)とは格段の差で、北米のシルフィ(セントラ)とも異なる。マーチも日本やインドで売られている型(旧型)の設計思想は現行の基準からは10年以上遅れたものだ。ハンドリングは乗らなくても分かるよ。こんなの良いはずがない。ミラージュとはぜんぜん違う。



運転フィールや乗り心地については、スタビライザーレスの14インチタイヤ……という割り切った仕様なので、実用車の域を出ない。ステアリングのフィードバックは希薄で、ちょっと残念。特別にスポーティーに走る必要はないけど、こういう「さしたる思い入れのない人が乗るクルマ」こそ、運転の実感が得られるチューンにしていただかないと、日本人の平均的な運転技量レベルは落ちるいっぽう(WebCGジャーナリスト)

ハヤト: ラティオもインドで売られているクルマですね。インドには協業関係で唯一のアライアンス合弁工場があるんですよ。そこでバッジを付け替えてルノー向けは「スカラ」という名で売られています。製造は日産7割だそうですが。

小林: 素直に「時代遅れのクルマ」と言ったらどうだ。で、こういうのがウロウロしている所が日産で言う「守旧派」の牙城で、言わなくても分かるでしょ。日本とインドだ

ハヤト: ゴーン体制で国内向け新車が極端に少ないことには批判もありましたよ。要するにニッポンの日産は「負け組」だったのですね。



閑話休題

小林: 考えてみれば当たり前の話で、放漫経営で破綻した日産がルノーに資本参加してもらい、ゴーンが来たからといって、古い体質にしがみついた守旧派の社員がいなくなったわけではないわけで。彼らにしてみればゴーンは「ルノーの手先」で、いつ会社を乗っ取られるか分からず、塙社長が依頼したリバイバルプランが終わったならさっさといなくなってもらいたいという感じだろう。が、ルノーの会長になってパワーアップし、20年間君臨し続けたわけで。そして彼らは地下に潜った

ハヤト: どんな人たちだったんですかね?

小林: 技術屋ではないな、クルマや技術の目利きがまるでダメだし、興味もなさそうな感じだ。むしろ法学部や経済学部の出身で、管理や経理で採用された連中だろう。東京大学の出身者が多いのは日産ならそうだ。いかにも陰湿そうだし、たぶんリバイバルでは益体もない社員は切り捨てて、関連会社や組合、経産省の外郭団体などに潜り込んだのだろう。

ハヤト: ゴーンさんはどうだったんです? そういう敵対勢力を野放しにするとは思えないのですが?

小林: 特に何かしたとも思えない。実害のない限り無視だったのではないか。強いて言うなら中東日産を叩き潰し、ジュファリと組んだことくらいだろう。中東を追われた彼らはインドに逃れ、提携会社HAIの販売不振、実際は不振でもなかった、を、言い立てて、インド日産という新たな南アジア司令部を築いた。で、そういう動きを遠目に見ていたゴーンは利ざやの大きい中国については手を付けたが、守旧派の巣窟については新型車などリソースを廻さないことで衰滅を待つことにした。が、そうも行かなくなったのが昨年に任期延長を条件に合併を求められたことで。

ハヤト: 呑気すぎると思うのですよ。半年後に逮捕されちゃったじゃないですか。

小林: 団塊のロートル勢力なんかいつでも叩き潰せると思っていたのだろう。20年前に比べれば彼の味方も増えているし、開発技術は彼の手にある。わざわざインドのアライアンス工場を巻き込んだ新型デイズを開発させ、ミラージュの影響を受けた新型シルフィ、ヴァーサなど最新鋭車を投入して守旧派の巣窟を叩き潰し、それで合併というシナリオだったのだろう。新合金や工法を採用した新鋭車の生産には多数の技術者や工員が付く、守旧派のインド拠点なんか人海戦術で簡単に潰せる。日本でも新型デイズは日産の開発だから、そこでも主導権を奪い返せる。それでいつまでも彼に反感を抱いている方々にはいなくなっていただく。

ハヤト: すでに年金生活者ですよ。

小林: コンサルタント契約とか会社にたかっている不正な利得は探せばいくらでもあるだろう。

ハヤト: つまり、放っておいても数年後に退任だったのに、逮捕を急いだのは彼らもまた崖っぷちだったと

小林: そういうこと、ここで検察にリークしなければ、今年には彼らが大量粛清されたはず。西川が経営権を掌握したのに全社的ビジョンもポリシーも今だに発表しないのは、これが厳密にはゴーン路線に不満のクーデターではなく、緊急避難だったからだ。ポリシーなんかあるわけがない。

 

ハヤト: この記事なんですが、掲載されて10時間足らずで消されてしまった佐藤優氏のインタビューです。お相手はゴーンさんじゃなく西川氏に辞職させられたダニエレ・スキラッチ氏ですが、電気自動車とコミュニケーションについて中々の見識をお持ちです。佐藤氏は、マア、高知能ヲタクといった感じの、ちょっと変わった人ですからね。そんな人でも臆せず悠々とあしらっている。これは大した人物ですよ。西川氏が喋らないようなことを流れるような口調で話してます。

  追放されるガイジン日産社員、ほかバジャージなど

小林: 彼らの言うゴーンの悪事が本当だとしてもさ、えげつないリークといい、スキラッチのような良質な人物を追放とか、都合の悪い記事は削除とかさ、こういうのを見ていると彼らのやっていることに正義はないじゃない。それが彼らを見ていて日産の社員とか我々がいちばん不安を感じる所なんだよ。

ハヤト: では、今回はここまで。



追記



小林: 我々は日本人なので少々ウェットな所があるけど、ゴーンはアラブ人でもっとドライなのかもしれないな。明らかに復権のための布石で、裁判が一段落したら「やられたらやり返す」つもりなのだろう。ヒュンダイは中東で日産とシェア争いを繰り広げているメーカーで、ある意味、中東でのゴーンの手腕を最も評価しているメーカーでもある。ムニョスは北米と中国が専門で、中東はそれほどでもないからな。経験だけが問題ならペイマン・ガーガー(日産のインド中東担当)を引き抜いているよ。

ハヤト: 元原子力技術者でかなり面白い経歴の人ですね。日産のオフィシャルな履歴ではシトロエンのディーラーからキャリアをスタートしていますが、USAトゥディで本人が語った所によれば、それは「よそ行き」の履歴で(若干の勤務経験はあるらしい)、実はGEの工場でエンジニアをしていた。電車通勤がイヤで日産のディーラーを訪れ、面会した店長(後の奥さん)と意気投合して入社したという変わり種で、35歳までクルマも持っていなかったんですよね。2年後にマネジャーになるまで奥さんのクルマを借りていた。それから10年で北米責任者、最終役職は中国担当副社長でした。ワキが甘いのもゴーン氏同様で、ディーラーの営業員をしながら博士課程(2001年)もありませんからね。日産の方では堂々と開陳していましたが、他の誰よりも変な履歴書でしたよ。

小林: 西川らは散々な言いようだけど、ムニョスはたぶん同世代では並外れて頭が良く、そしてパワフルな人物だ。ゴーンが課した課題、だんだん難しくなっていく、を、一つ一つクリアして副社長まで登り詰めたのだから。15年前に西川らが執行役員で「ガイアの夜明け」で試乗車に乗っていた時、彼はまだ入社したばかりだった。ゴーンチルドレンのいわば最右翼だ。

ハヤト: 西川氏らは北米日産の不正経理という理由で彼も訴追しようとしていたんですね。まあ、彼らには理解不能の人物の代表でしょう。ですがまだ逮捕されていませんし、拘禁中の上司と違って行動もフリーです。やはりこういう仕打ちを受けては、日産に対する復讐心はたぶん相当だと思いますよ。ヒュンダイへの転身はやっぱりゴーン氏が一枚噛んでいるでしょうか。

 オマーンでの販売比率

小林: ゴーンは戦略家だよ。これほどの人材、自分の保釈運動のために遊ばせてなどおくものか。北米は日産も地歩を築いて長いからムニョスの有無でどうなるものでもない。中国とインドは元々強いから、新たにポストを作って雇うほどのことはない。今後の成長市場で日産と鍔迫り合いを演じているのは中東だよ。

ハヤト: となると、ゴーン氏とヒュンダイの間である程度の共謀関係があると。ムニョス氏は中東経験ありませんし、当面は北米に注力するとのことです。これも重要な市場ですからね。でも、やっぱりムニョスカードが生きるのは中東市場で、そこでゴーン氏の全面的な協力があればこそでしょう。

小林: 未申告の確定報酬ということで虚偽記載で立件してコンサルタントや競業避止契約という形で株主総会で承認される予定だったゴーンの口止め料を浅はかに葬ってしまったから、組合が焚き付けた国民運動に便乗ということでルノーも同罪だが、両社とも犯罪と連動させている以上支払いようがないな、で、これでは彼を止められないわけだ。やれ35億(年6億)だ、16億(年3億)だ、レバノンの化石マンションだと鼻紙程度のせせこましい話をしている間に年4,000億円(日産のみ)の中東市場が吹き飛んでしまうわけで。

ハヤト: オマーンだけで540億ですよ。国民世論や政権に配慮した損失にしては大きすぎません?

小林: 私が不思議なのは西川と日産守旧派が起こしたこのクーデターのせいで、今年だけでも会社は4,000億を失い、風評被害で販売台数も2割以上ダウンしているんだよね。ゴーンによる損害なんてせいぜい数十億じゃない。その百倍の損失を出して、また紛争が長期化すれば今後も損失が出そうだという状況で、さらに市場を失うような方向に舵を切っていくのは頭おかしいんじゃないかと。

ハヤト: アナタは前から罪や損賠の有無にかかわらず、ゴーン氏の退職金は「支払うべき」という主張でしたね。元CEOがライバル会社に雇われたり、機密や人脈がダダ漏れになるよりはマシと。

小林: そういう理由なら理性と常識を弁えれば、あの西川でも社員と国民を説得し得たと思うんだ。当たり前ではないか。それを一部の人間の卑俗な妬心やマスコミの扇情記事を恐れて言い出せないのは、合議とか何とか色々言っているが、リーダーシップと責任感の欠如だ。ゴーンはちゃんと言ったではないか(10億円報酬)。

ハヤト: 新聞の方では今度はアンソニーくんの会社の投資を問題にしていますね。でも、彼はショーグンのCEOで、どこに投資するかは事件とは関係ないでしょう。GFIもゴーン氏の財布会社と決めつけていますが、そんな理屈が通用するのはテレビしか見ない人だけですよ。

小林: とにかく、この状況ではゴーンは罪を認めてでも早く結審させるべきだが、虚偽記載だけでも認める気はサラサラなさそうだし、起訴されても保釈されれば色々できそうなことは分かったということだ。日産はゴーンに90億円払って裁判所に刑の免除を上申し、裁判は事実上和解で三罪とも無罪がいちばん良いのだがな。ルノー産業スパイ事件ではゴーンはそうした上、結局スパイ罪の三役員とも辞任したが、礼儀正しく復職まで申し出た。ゴーンにできて日産にできないことはないだろう。

ハヤト: 世論では非難されますが、それが経営判断ということですね。