Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2019/3/29)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。



はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。

※画像等は後で付けます。



1.話がヤマト・・・社会のタコツボ化



小林: 一言で要約できないような支離滅裂な話を続けて、DVDの売上は半減、ファンサイトも盛り上がらず、プラモも投げ売りで映画館も閑古鳥のこの作品のどこに続編を作る余地があるのさ(笑)。ま、福井お得意の不意打ちアドバルーンだけども。



ハヤト: 何でやるんでしょうかね、先日の「アニメ!アニメ!」のインタビューでもあまりのトンチンカンぶりにコメンターに駄目出しされたばかりじゃありませんか(笑)。「判らない」とありますが、私にだって分かりませんよ。

小林: 著作権というのは目に見えない権利を明示したり、譲渡したり差止請求もできる便利な権利だけれども、何とかとハサミは使いよう。権利があってもダメなスタッフばかり集めて作ったんじゃ、良い作品になるわけないじゃないか。

ハヤト: 福井さんのコメントの内容もですね、いつかどこかでアナタとか、誰かが先に言った内容を体よくまとめたような。

小林: 正直、福井の作品に代表される傾向は私がサイトを始めた当時からあったんだ。下は一応、今の時代はこんな感じじゃないかと書いてみたが。

 1.現代の時代

ハヤト: 落伍者はともかく、若い人は気の毒ですよ。しかしまあ、極端に流動性のない様子は分かりますよね。しかし、昔のヤマトの時代もこうだったんですか?

 2.過去の時代

小林: 昔のヤマトの時代は、レビューしたZガンダム辺りまで含むが、上みたいな感じじゃないか? もちろんこの時代にも問題があったから今が悪いので、上の図も理想というわけではない。例えば、この社会での上長の温情配慮はかなり抑圧的であった。で、我らが業界はといえば、80年代は1と2の中間であった。



ハヤト: これは時代がどうというより、西崎義展さんとか富野喜幸氏の個性の問題ですね。もっとも、富野氏の場合はガンダムで持ち上げられて神格化して以降ですがね。ファーストは合議制だった。

小林: キメラだよね。時代的な問題で西崎たちの信条心理は1だけれども、実際のスタッフ扱いはというとむしろ2の方が近く。ブランド化して以降は2に変質していったというのが本当なのかな。請負制という業界独特の仕事の仕方もある。

ハヤト: で、問題として感じるのはやっぱり指導的立場の人間の信条心理ですよね。今のは何か年金退職者を意識したように見えるのですが。

 「守り」意識の強い現代の経営指導層

小林: 口で何を言っているかは問題じゃないよ、点描として外見からどう見えるかが問題なんだ。いくら口でグローバリズムだのAIだの仮想通貨だのと言っていても、例えば自民党や安倍晋三なんかの外見の見栄えはこれだ。世界の中の日本、国際関係に強い関心があったなら、韓国にああいう扱いはしないだろうし、ヘイトスピーチは野放しにしないし、ゴーンを陥れたり、原発をインドやイギリスに売り込みに行くなんて愚かなことはできないし、しないだろうよ。

ハヤト: 「全体への無関心」ということですね。確かにヤマト2202も視聴者に無関心な感じがします。

小林: それでも総理大臣になれたり、赤坂の料亭で豪遊できるのだから、彼らは恵まれた人間なのだが、「恵まれている=間違ったことはしてない」という間違った公式を信じている所に問題がある。本来この二つは関係なく、現在の安倍が恵まれているのは別に彼が常に正しい選択をしてきたからではない。物心つく頃から強力な選挙マシーンと支持基盤が既にあり、与党の大派閥の側にいて、さほど努力しなくても地位を得られる場所にいたことの方が大きい。それにそれ自体、彼が作ったものではない。自動車と同じでどうやって動くかは知らなくても運転ができることと同じだ。

 国家や共同体に対する責任感の違い

ハヤト: 過去の指導者との違いは、日本という国の底を見ているか見ていないかにありそうですね。敗戦で追い込まれたことから、国作り、立て直しという意識は過去の方が強いでしょうね。つまりは劣化したということですか。

小林: クルマを運転するにしても上手下手があるんだ。一流のドライバーはメカニックにも造詣が深いけれども、単にハンドルを握っているだけの普通のドライバー、特に主婦は物理法則やメカニックを全く理解してないでしょ。で、様子を見るところ、今の自民党の政治家や安倍はどう見ても一流のドライバーじゃない。関心がない上に、想像力や感性、頭脳の質が低いんだ。

ハヤト: でも、この人たちが財布を握っていると。でも何でウチがこんな議論してるんです?

小林: 小説やレビューだけが目的の人には奇異に感じるよね。でも、これがこのサイト開設当初からあった問題だったんだ。私だって最初は趣味の領域で日常生活や社会政治に関係ないサイトとして運営したかったんだよ。



2.二流の人間が中枢を握ると



小林: 別に右翼だから二流と言うつもりはないが、企業や組織、あるいはスポーツの世界で優良な素質を求めるのは、それで同業他社や相手チームに優位に立つためだよね。優秀な選手を集めても采配がダメな巨人みたいなチームもあるけれども。そこには純粋に才能を求める意思があって、こういうことなら組織もよりスムーズだ。優勝劣敗、フェアプレイの精神で簡潔に進む。できたばかりの会社とか、伸びている企業なんかはそんな感じだな。人材はいくらいても足りない。

ハヤト: ドラマでも起業モノが人気あるのはその辺の要素もありますね。小さな組織が大きくなる話は人もモノもカネもない分、新しい考えをすぐに取り入れて失敗を振り返らない果断さがあります。変わった経歴の人がフラリとやってきて功績を上げたり、話を面白くする要素には事欠きませんね。

小林: 経営者も2みたいなことをやっていては市場にも従業員にもソッポ向かれるから、それは学歴なんかは色々だけど、概して識見を磨き一流たろうと心がける傾向になる。安藤百福なんか小卒だからな。田中角栄は中卒、でも、彼らのビジネスは一流でしょ。が、問題は大きくなった後にある。一流の人間同士の付き合いは概して疲れるし気を抜けないんだ。

ハヤト: 先のゴーン氏も経営者としては一流だと思いますが、人を見る目には難があったと言われてますね。彼が登用した役員はイマイチ評判の良くない人が多いという話ですし、そもそも見る目があれば西川氏を社長にはしないでしょう。

小林: その辺の評価はもう少し様子を見たいがな。ゴーンは見る目が無いというよりは、とりあえずやらせてみて的なタイプじゃないか。あまり人を信用しておらず、機会を与えて実績を見てそれで評価するという。南北戦争の時代のリンカーンがそうだった。リンカーンが軍人のことを何も知らなかったように、ゴーンも日本人やアメリカ人のことはあまり知らないからな。厳しいが公平ではあったと思うよ。でなければムニョスなんか副社長にしない。

ハヤト: 西川氏が頭角を現したのは、語学力もありますが、これまで見たところでは彼はゴーン体制では日の目を見なかった旧体制派と懇意にしていたようですね。その視点で見ると彼が指弾するゴーン氏の悪行というのは良く分かるんですよ。中東日産乗っ取りというのはアナタの指摘ですが、彼としては許しがたい所業で、ゴーン後をリバイバルプラン終了直後に戻したいというビジョンの退嬰性も、彼が旧体制の申し子とすれば理解できます。

小林: 西川氏の評価はともかく、先にも述べた通り一流の経営者は疲れる。そういうわけで、タカの知れた二流の部下を重用するというのはありがちなのだが、その二流が経営トップの座に就くと厄介なことになる。言われているのは二流の人間は同じ二流と群れる傾向があり、また一流の人間は遠ざけてさらに劣る三流を重用するということだな。

ハヤト: 経営者って孤独な商売ですよね。群れるってこと自体がまずいんじゃないですか?

小林: ゴーンは意に沿わない意見があると、「ドント・ティーチ・ミー」と怒ったと言われるけど、実際、あるジャーナリストとの会見録もそんな感じだが、不寛容ということはなかったな。実際、GT-Rの開発者など彼に重用された技術者など見るとゴーンが怒っても反駁してくるようなシンの強い人間ばかりだよね。ゴーン前の組合の塩路一郎は本当に二流だったから、そういうのは閑職に遠ざけた。自殺した人間もいる。それに比べれば数層倍マシだ。説得に労力が必要だというだけで。

ハヤト: それがイヤだから群れると。ま、分からないことはないですが、対決を躊躇しないか否かは一流と二流のメルクマールになりそうですね。

小林: 二流の人間は対決はしないけれども、自分と同質の仲間と群れるようになる。才質が優れている人間は遠ざけるようになり、ノウハウなども握りじめにして囲い込む傾向もある。やっぱりタカが知れていると安心するので、三流の人間に安心し、何も知らない若者などを好む。今の日本が新卒採用主義を辞められないのは、特に大企業だが、報酬体系だけの問題じゃないよ。

ハヤト: 組織に巣食う病理といった感じがしますね。

小林: こうやって現象を観察するのは社会学者の仕事だが、問題なのはそういう事情が所与のものとして与えられてしまっている場合だ。全体として見れば分かるだろ、北朝鮮の体制を見て国民が幸福になるとは絶対に思えないように、こういうことをやっていて結果が良くなるとは思えない。でも、対象が社会全体と大きすぎ、今すぐやめる、変えるというわけにはいかない。そして悪いことに、最善の解決策というのは往々にして分かりやすくシンプルだ。

ハヤト: クリエイターとしては、創造的な人間もそうですが、ここで芸術性を取るか、現状に合わせて妥協するかの選択を強いられますね

小林: 芸術性を取れば今は用いられなくても後世になって評価され、多数に支持される可能性がある。モーツァルトの音楽なんかがそんな感じだな。現状に妥協すれば、その場の糧は得られるけれども、大衆の支持や芸術性の評価は劣ったものになる。直面する複雑晦渋な事情は仕事の質にはほとんど関係がないからだ。そして二流の人間は躊躇なく妥協の方を取る。イージスやUCや2202が凡作で、今の日産車がおしなべて平凡なのは、そこに関わる人間の質の違いだ

ハヤト: ま、ここ数回は14年前のサイト開設前後の話をしているはずなんですよね。では、今回はここまで。