Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2019/1/15)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。



はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。



1.ルノー後任人事

 ニューヨーク・タイムズ

小林: ウチでも20回近く取り上げてきたゴーン特集だが、西川社長の罪障攻撃の甲斐あって、指名委員会を招集してゴーン解任に動き出したようだ。ま、本人が辞任しないし、当面檻の中だし、仕方がないところであろうな。ここで日本の司法制度を締め上げても仕方がない。連中が血を見るのはこれからだ

ハヤト: この種情報はロイターが早いですね。で、候補者の皆さんを挙げるとこんな感じです。

 ジャンドミニク・スナール(ミシュランCEO) タイヤ製造 65歳
 ティエリー・ボロレ(現代表代行) 自動車業 55歳
 ディディエ・ルロワ(トヨタ幹部) 自動車業 61歳
 フィリップ・ギルモ(エリオールCEO) 給食サービス 58歳 ※若干の自動車経験あり


ハヤト: 早くから名前が挙がっていますが、ルロワ氏の可能性はないですね。本人が否定し続けていますし、ボロレ氏は実は取締役でない執行役員で会長の資格がなく、株主総会で任命する必要があります。他も同じですが。スナール氏が最有力とのことですが年齢がやや高いです。暫定政権にしかならないのではないでしょうか。それとギルモ氏は昨年エリオールのCEOに就任したばかりですが、若い頃に若干の自動車経験(ミシュラン)があったこと、アレバ、ヴァレオなどいくつかの自動車関連メーカーを経験していることが理由のようです。しかし、給食屋さんから1年も経たないうちに転職もないでしょう。

 ルノー役員にも常駐している日産関係者

小林: この辺詳しく分かるのはルノーの役員は19人いるが、そのうち1人は日産の指名という事情があるわな。実は先代は小池百合子(~2014)だった。

ハヤト: 全く報道されていませんが、日産がルノーのガバナンスに無影響ということはないのですよ。なので、ロイターの報道も少し割り引いて見る必要があります。ルノー公式では役員会の招集は予定されていません。ロイターの報道は山内氏のリークで、西川社長らのネガティブキャンペーンと連動したものですが、もちろん正しい内容もあります。指名委員会を仏政府が要請などは正しいでしょう。

 候補者の一人ギルモ氏

小林: 最年長のスナールは部品メーカーの経験しかなくて伸び代がないわな。給食屋さんのギルモなんか持ち出してくるのはいかにも切羽詰った感じだし、役員でもないボロレがしぶとく残っている所を見ると、スナール体制でも副社長ボロレでゴーン体制は存続するのかな。ボロレは候補者の中ではバランスが取れているし、年齢も若い。

ハヤト: その可能性は否定できませんね。会長とCEOを分ける案が出ている所を見ると、スナール会長とCEOボロレで、ルノーの日産に対するスタンスは実はあまり変わらないという感じでしょうか。

小林: そのあたりの感じ、つまり日本の司法制度(ドラコニアン)を、ルノーやフランス政府がどう見ているかだな。全然信用していないと思うけど。



2.玉砕覚悟の保釈請求

ハヤト: ゴーン氏の弁護士は「国外での居住」を条件に保釈を請求したそうですが、どういうつもりなんですかねえ、却下されることは分かっていたでしょうに。

小林: ところが今の事情ではそう非常識でもないんだ。宮さまの事件で事情が変わっている。

 東洋経済(仏紙フィガロの転載)

、、多くの人がゴーン氏と竹田氏が、日本とフランスの司法制度のもとでどのような扱いを受けるのかを注視することになるだろう。ゴーン氏が起訴される前からすでに東京拘置所に入れられ、自らの起訴にかかわる書類などにもアクセスできず、非人道的とも言える扱いを受けている(中略)竹田氏は自身の裁判ファイルへのアクセスが可能で、弁護士とともに予審判事と面談することができた。予審判事が竹田氏への説明に納得せず起訴、すなわち正式捜査を開始したにもかかわらず、同氏は自由に東京に戻ることができた。

、、汚職の疑いなどでは、フランスでは罪が確定するまで容疑者を拘留されることはない。

小林: この事件が並行していることは裁判所には特捜部の横暴以上に苦々しいことのはずで、自分らの司法を「中国並み」と見られることが世界標準となりつつあるし、実はブルジョワ金満家族の戯言と日産がネガティブキャンペーンをしているゴーンの家族よりもこちらの方がずっと注目度が高い。新聞でマンガなんか書かれたら要注意だな。とにかく、ベテランの予審判事を配したというフランス裁判所の日本裁判所に対する態度は「小僧(ガマン)、教えてやる」といった感じだ。

ハヤト: ヨーロッパの知識人には少なくない態度という話ですね。近代司法は自分らが作ったという自負がありますから。ま、完全に上から目線と。予審判事は世評やゴーン事件などに関わりなく、粛々と手続を進めるのでしょうね。日本の裁判所に欠けているのはこのオーラなんですよ。

小林: フランス政府がやった政略的動きといえば、すでに進んでいたこの手続をゴーン逮捕に合わせて開陳しただけだ。いや、「えらい」と思っていたんだ。フランスがゴーンがあれだけ酷遇されているのに、訪仏した日本人ビジネスマンを拘束しなかったのはさ。ファーウェイなんか見てみろ、中国は腹いせに逮捕したカナダ人を死刑にしてしまった。ところがJOCでは聴取して解放でしょ、フランス人のエスプリを感じるねえ。それに引き換え、役員会を装った騙し討ち(ケリー)とか、半日前の証拠を調書に仕立て上げて逮捕とか、ホント、裁判所は穴があったら入りたいんじゃないか? おまえらのやっていることにはエスプリのカケラもないよ

ハヤト: 実は前回も裁判所は外国の批判を気にしてゴーン氏を保釈したがっていたという報道もありますね。今回はいきなり外国なので却下したのですが、竹田氏の事件がある限り、勾留し続けることも裁判所には痛々しいものがありますね。比較される度に裁判所の信用がなくなりますから

小林: もっと悪い奴、詐欺師や強盗犯人やあおり運転者がこれを見て、やれ陰謀だ虐待だ不当裁判だ再審だと騒ぎ出すのが目に見えている。そして裁判所の職員は職場の帰りに石を投げられ判事の家はコソ泥に放火、自業自得だとは思うけどな。裁判なんて所詮絵空事、国家が作った集団幻想のファンタジーなんだ。



3.日産メール攻撃

 ニューヨーク・タイムズ

小林: ゴーンを早期に釈放した方が良いというのはこれもあるな。見た所検察が押収したパソコンからというより、CEOリザーブやジーアの事務を担当していたナダの情報だが、メールの内容なんてのは前後の文脈をちゃんと読まないと分からないからな。

ハヤト: しかし、冷静になってみると大した悪ではないのですよ。マンションは日産の所有ですし、改修費といっても18億円の物件に1億5千万は相場です。800万のシャンデリアもゴーン氏が退任すれば日産のものになるのですから、実は損害といえるかどうか。買った事自体悪と言いたいのでしょうがね。実は不正支出の額でも今やゴーンさんよりも竹田さんの方が上回っているのですが(開催後のBT社に1億ドル)。あ、あと、レバノン大学への寄付金がありますね。

 
(竹田事件)相手はロレックス(1670万円)見せびらかし黒人とサウジ貴族のジュファリとは品格も違う


小林: ヨット会員権不動産も、ワンマン社長が失脚した時の賠償請求(ゴルフ会員権、社宅購入、デリバティブ、員外貸付などなど)としては見慣れたクチだが、それで賠償責任というのも聞いたことがないねえ。竹田は露骨に賄賂だけど。請求する側は「復讐するは我にあり」と鼻息荒いけど、認められないケースの方が多い。経営判断原則があるからな。それに「物件のことで頭がいっぱいだ!(同時期に日産不正検査)」という呆れ果てた言い分にも、前後に「〇〇午餐会(要人招待)」とあれば意味も違ってくる。アラブの大王が訪問するのに蛍光灯がナショナルじゃサマにならんだろう。

ハヤト: 名誉毀損で逆に訴えられる可能性もありますね。それにアナタ、ナダさんは法律の専門家で、CEOリザーブの資産管理部門の責任者と言っていますが、ベイルートのマンションについては購入経緯も見た方が良いと思います。聞けばガラス張りの床で地下に遺跡があったという話ですが、そういうの、博物館ではありますよね?

  ガラス張りの床(人吉城歴史館)とナダさん

小林: CEOリザーブ/ジーアでの彼の役割は将来値上がりの可能性のある有望な不動産を選定し、所有者と交渉して契約書を起案し、日産の代理人として物件を購入することだと思うから、ベイルートは買う前から一悶着あったと見るのが適当だな。物件について彼が慎重に調べる前に、ゴーンが勝手に交渉して購入してしまった。それは怒ると思うよ。曲がりなりにも彼は「会社のため」に仕事をしていたから。それで支払いを巡ってゴーンと喧嘩したんだ。

ハヤト: 掘れば遺跡が出るような地域です。思うに地下室は初めからあって、遺跡はセールスポイントの一つだったのではないでしょうか。それを見たゴーン氏が一目惚れしてしまい、後先考えずに契約を結んでしまった。パーティーをしながら欧米のVIPに見せれば良いくらいの考えでしょう。が、グラスを傾けながら遺跡を見るという感覚がナダ氏や西川氏には理解できなかった。

 鴻臚館跡(福岡市)

小林: 西川なんか言動を見る限り無教養な男で、彼ら日産社員は日産のクルマに乗り、日産の社宅に住んで、家族サービスは日産のテーマパークだから、博物館なんて行ったことないんだろう。外国と言っても国際空港とディーラー大会とニュルブルクリンクと日産の工場止まりだからな。ポルシェなんか乗れば裏切り者で村八分。が、ガラス張りの床や屋内展示は保存と展示を両立できると最近の博物館ではポピュラーな様式だ。それも分からない田舎っぺにまともなクルマが作れると思うか。

ハヤト: リオの商工会議所の会頭をしていたお姉さんとの顧問契約もありますね。年1,000万円で8,000万円が損害だと。こちらは受け取る度にお姉さんが謝礼のメールを書いていたそうです。

小林: だからそういうのは必ずしも注意義務違反とは言い切れないんだよ。

ハヤト: 監視義務違反というのもありますね。

小林: どこまでやれば監視義務を履行できるのか良く分からないんだ。大昔の憲法解釈に群民蜂起論というのがあって、自衛隊は違憲で軍隊を保有できないなら、侵略されたら警察や民衆蜂起で抵抗すればいいというガクシャの暴論で、これでいうと西川は議事録に記載するほか、阻止行動としてゴーンの胸ぐらを掴んでしばき倒すとか、ケリを入れるとかしないと義務履行とはいえないらしい。なので、より暴力的な刑事告訴でも、この議論ではあながち悪い方法とは言えない。

ハヤト: それは大変ですね。あと、報道が続々とあり、どうもスナール会長・ボロレCEO体制で決まったようです。

  諜報員顔の元腹心

小林: 日産を巡る状況が好転したとは思えないね。スナールは人の良いおじさん、ボロレはダニエル・グレイグの皮を被ったマッチョなゴーンだから。



閑話休題



ハヤト: 報道では日産のリークをそのまま垂れ流しているせいか、問題の汚職事件のあった地域を、「計画がない」とか「問題にならない」としていて現地取材も試みていない様子なのですが、簡単な調べでもこれは事実誤認だと思うのですよ。オマーンの日産関連施設は35箇所(ショールーム15)、レバノンは13箇所(ショールーム10)で、これは12箇所のベトナムと比べて決して少ない数ではありません。どうも中東とアジアで認証基準が違うようなのですがね。中東最大のショールームはオマーンにあります。2005年の開所式にはゴーン会長のほか、カーブース国王の一族も臨席しました。上の写真なんですがね。

小林: 単純に外面だけ見ても、これは1億や2億で建てられる建物じゃないな。

   レバノンの日産諸店舗

ハヤト: 荒れ果てた紛争地帯という印象のレバノンもディーラーなんかはこんな感じで、統一されたCIで日本のそれと比べても劣るものではありません。ま、ショールームの写真なんか従業員以外興味ありませんから、数も少なく、私も行って調べたわけじゃありませんがね。とにかく世界中どこでも日産は同じイメージの店舗です。アナタの近くでも少し歩けば見られますね。

   日産ベトナム、UAE、アルゼンチンの諸店舗

小林: こういうのって意外とお金掛かるんだ。店を建てる前に供託金を求めるのだけど、だいたい2億かそれ以上と聞いている。1990~2010年頃はCI(シーアイ)はどこもやっていて、自動車ディーラーも軒並み店舗のデザイン変えたでしょ。かなりの投資が求められ、日本でも基準を満たせなくてディーラーシップを手放した業者もある。店の外見のみならず、従業員の訓練も定期的に行う必要がある。手抜きをすると卸価格を上げられて利益が圧迫され、経営が苦しくなる。

 ペトロミンの日産ショールーム

ハヤト: 特筆すべきはサウジアラビアでして、サービス拠点がなんと781箇所もあります。これはオマーンの22倍、タイ王国の4倍です。

小林: 全部がちゃんとした店舗じゃないだろう。

ハヤト: ご名答、サウジの代表的なディーラーはアリッサという会社ですが、このショールームは23箇所しかありません。実はガソリンスタンドのペトロミンがディーラーシップを持っていて、これの拠点が730箇所あるんです。ショールームの数ですと29箇所で、実はオマーンより少し多い程度です。上はペトロミンのショールームですね。

  ペトロミンの店舗

小林: こんなようなの日本にもあるぞ。

ハヤト: アリッサもペトロミンも元は1950年代に成立した会社で、ジュファリ(EAJB)は少し前です。イギリスから独立して、しばらくセブンシスターズの影響下にあったのですが、その時代に技術やノウハウを身に付け、70年代の第二次石油危機以降にシスターズの関連事業を引き継いで発展した会社ですね。創業当時はサウジ王室も貧乏でしたから、電力事業やインフラの建設に携わったジュファリの影響力は現在よりも近しいものがあったはずです。というより、100年ほど前はこれら会社の創立者の祖先たちとサウジの王様は一緒にラクダを連ねて歩いた仲でしょう。これは一朝一夕の付き合いじゃないです。



小林: 要するにジュファリはちゃんと仕事していたということだ。アリッサが2013年、ペトロミンが2015年にディーラーシップを取得とすると、これは会長で弟のワリドの仕事じゃない。同時期に日産ガルフが日産サウジアラビアに発展的解消ということは、やっぱりこの時期にハリドがジュファリ本社の実権を握ったんだな。

ハヤト: アナタは2008年の信用保証その他のゴーン氏との契約はこのハリド氏よりも亡くなった弟のワリドではないかと言ってましたね。ツーショットで写っていた写真がNNNで放映されたこともありましたし。しかし、ワリド氏は2014~16年は禁治産宣告を受けて執務不能の状態でしたね。2016年の7月に亡くなってます。

小林: リーマン危機でハリドが信用保証をしてから、ハリドの日産への貢献といえるような仕事が2010年代まで見当たらず、空白期間が気になっていたんだよね。つまり、ジュファリ家のお家の事情な。それに日産ガルフのハリドはいかにもやる気なさそうだったし、理事もすぐに降ろされたりとヘタレぶりが目立った。何倍も優秀な弟がいろいろ指図したのだろう。ゴーンとの関係も平坦なものではなかったかも知れないな。

ハヤト: 話を戻しましょう。要は日本では無視されているこれら中東の事業所は、巷で考えているほど規模が小さいわけでもなければ、いいかげんなものでもないということです。それは日産の事業規模から見れば小さいでしょうが、20億や30億の金額でどうにかなるほど小規模でもありません。



小林: 私はあれはマネーロンダリングなどではなく、ディーラー供託金だと思うんだ。レバノンが17億、オマーンが35億とほぼ店舗数と一致しているし、より迅速に店舗展開するために社内審査の煩瑣な手続を回避するために送られた金だと思うんだ。それでもオマーン16億は分からんが、ゴーンはせっかちでしょ。彼は中東のあばら家のような工場併設の店舗で日産の車が売られることには耐えられなかったに違いない。

ハヤト: サウジの店舗展開はユニークだと思いますが、2008年から15年まで中東全域で日産車販売を手がけていた日産ガルフがオマーンやレバノンで同じフランチャイズ商法を取ってないことが気になります。やっぱりこの話は最初がジュファリ兄弟の次男ワリド主導で、ワリドの死後、兄のハリドがゴーン氏との関係や事業を引き継いだということが事情を少し見にくくしているのでしょうね。

小林: 実は言うほど親しくないのかも知れないな。ゴーンとワリド、ビンタラール王子はほぼ同じ年だけど、ハリドは少し上か下で離れている。弟の頼みでゴーンの信用保証や送金の仲介を引き受けたけれども、実はあまり乗り気じゃなく、自動車事業への関心も薄いのかもしれない。そうじゃないかと思っていたけれども。

ハヤト: では、今回はこれまで。