Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2019/1/10)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。



はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。



1.本日のゴーン事件

 

小林: またぞろ日産サイドからジュファリ30億円貸出計画とか、オマーンディーラー35億詐取事件とか派手にリークされているけど、今やゴーンが半月勾留されようが一年勾留されようがどうでも良くなったと思うんだ。



ハヤト: 前回は準抗告でしたが、この勾留取り消し請求は手続として少し違うという話ですね。前田弁護士によると、準抗告(刑訴429)は勾留の裁判に不服のある場合、勾留取り消し請求(刑訴87)は勾留の理由又は必要のなくなった場合とありますが、事件の中身(実体的理由)により踏み入ったのが取り消し請求と。前田氏によると認められることは「奇跡に近い」そうですが、大鶴弁護士も何でこんな請求したんですかね?

小林: 俳句で韻を踏むようなものでさ、これは形式を整えたんだ。先に話した通り、憲法34条はヘイビアス・コーパスだ。日本ではこれは形式的な裁判所の応答だけども、その本質は裁判だ。そして現代の刑事裁判の標準は国家が一方的に断罪する糾問主義ではなく、検察と被告が対等に弁論し、裁判所がアンパイアする当事者主義。検事と被告人(弁護士)を対論させ、勝った方を勝訴させるというものだ。この一件なら勝訴の効果はゴーン釈放だな。だが、ヘイビアス・コーパスを手本とした我が国の勾留理由開示には被告人を釈放する裁判はない。

ハヤト: つまりこういうことですか、日本法で欠けている手続を請求を付け足すことで補ったと。何のためです?

小林: ヘイビアス・コーパスはアメリカでは被勾留者の請求として最も多いものだけれども、認められるのは3%くらいなんだよね。行動制限や接触禁止のない完全な釈放となるとさらに少なく1.7%くらいだ。だがそれは問題じゃない。本件において、ゴーンや大鶴弁護士は理由開示を裁判として臨んだが、裁判所は単なる刑訴法上の手続として応答した。

ハヤト: 釈放を巡る裁判として見ますと、アナタの言う当事者主義からはジャーナリストたちはゴーン氏や大鶴氏の意見陳述の内容と裁判所の応答を見比べますよね。結果は見るまでもなく明らかです。整然とした論述でジュファリや新生銀行に関するいくつかの新事実さえ明らかにしたゴーン側に対し、裁判所は法廷のテレビ中継さえ許さず、経験不足の判事補が単独審で紋切り型の応答をしていた。「釈明できない」といったコメントもありました。やり取りを読んだ方は、写真の田中康夫さんもそうですが、これはゴーン氏らの勝利、つまり、「勾留に理由がない、釈放すべき」、と、判断するのではないでしょうか。

小林: そしてその結果が正しく反映されているかを確認するために、あえて勾留取り消しの裁判を求めたんだ。この件はゴーン出廷から却下までを一連のプロセスとして見なければならない。そしてそれが外国人特派員協会のジャーナリストたちの見方でもある。見比べた彼らの心証はこういうものになる。「日本の司法は不正(unfair)だ」と。



ハヤト: こういうことを思いつくケリーさんという人は、日本の裁判所と何かあったんですかね。全く戯画(MANGA)のように、我が国の司法の後進性を思い知らされてしまいます。それが狙いとすれば、確かにアナタの言うように、ゴーン氏の勾留とか再逮捕とかはどうでも良くなってきますね

小林: 大鶴や判事の応答も含む理由開示の全文を記事にしない日本のマスコミは今一歩分かってないよね。ゴーンも合理主義者だが、釈放されたこのケリーという男も同じくらい怜悧な合理主義者だよ。ボスを救出する最短距離の行動を彼は取っているんだ。

ハヤト: 日産をつぶしてしまうのがいちばん早道でしょうね。

小林: それはまだ早い。



2.作られた大義名分



小林: だが、株式の43%を取得し、フランス政府の後援もあり、いつでも日産を子会社化できるルノーには躊躇もあった。総力の点でも余裕がある。ルノーにはフランス政府に加え外資系銀行など多くの大株主の味方があるのに対し、日産はゴーンが持ち合いを解消してしまったので(日産自動車事件・税務)、大株主に関連会社は一社もなく。邦銀系の日本マスタートラストや日本生命を合わせても3%足らずと戦いにもならない情勢だ。

ハヤト: 日産はルノー株を15%持っていると言いますが、子会社を通じての所有で、しかもアナタの言い分では脱法色が強いという、あまり有利でない所有の仕方ですね。25%買い増し案がありましたが、最近ではあまり聞かなくなっています。これは勝負にならないのでは?

小林: けれども、ルノーがこれまで強攻策を俎上に載せなかったのは、そういう状況になった原因がボスのご乱行で、何億フランも使って日産を併呑した所で、それはボスの悪行を揉み消すために強引にとしか見られないことにあった。フランス国内では、彼ら(ルノー役員)は必ずしも評判良くないからな。

ハヤト: 統治できるかにも疑問がありますね。日産はルノーより大きな会社ですし、技術でも資本でも上回っています。ゴーン氏のような豪腕でしか統治できないのでは?

小林: 以上二つの理由、①原因のバツの悪さ、②合併後の経営に不安があったので、代表代行として選ばれたボロレもガバナンスの正常化(西川追放)を提言することくらいしか策がなく、裁判の様子を注視して方向性を見定めていたのだが。果断に行動に移せないあたり、西川もそうだけど、ルノーと日産にゴーン以上に強力なリーダーはいなかったんだな。が、裁判で事情が変わった



小林: 日本の司法システムは最高といわれる特捜部でも自白偏重の捜査で能力が低く、証拠収集は日産頼みで、特に最近に顕著だが、日産は証拠をでっち上げ、冤罪を多数作り出して特捜部を操っている。そして裁判所はトップ経営者の勾留が及ぼす政治的影響重大な人権侵害に対する意識に欠け、あるいは意図的に無視しており、特捜部や日産と共謀した冤罪製造マシーンになっている。つまり、日本の司法システムに公正と正義は期待できない。好ましくない流れを変えるには、先ず、日産と特捜部の繋がりを断つことだ。新年の自動車ミーティングで、同業の経営者に「次は横領だ」と笑いながらゴーン逮捕を促していた西川が事件の黒幕であることは明らかだ。

ハヤト: 西川さんも余計なこと喋ってましたね。「犯罪者は自分の口から牢獄」の典型じゃないですか。

小林: 日産を掌握すれば特捜部との関係も自然消滅し、裁判はたぶんノン・リケット、検察のブザマな敗訴か不起訴で終わるだろうから、無罪で釈放となればもう少し働いてもらいたい敏腕経営者(ゴーン)も戻ってくる。そうなればフランス人には手に余る巨大企業や三菱も、ゴーンに後継者を育ててもらい、持株比率など調整して馴化すれば、少なくとも現在よりは良好な「アライアンス」も維持できる。日産の15%は捨てる。

ハヤト: 世論操作もやっても良いでしょうね。日本の司法システムの信用を毀損したり、特捜部解体を提言したり。この場合は国民に直接呼び掛けた方が良いでしょう。

小林: アメリカ人なら必ずそうすると思うけどな。最近は違うけど、彼らが日本政府に何か言う時は、必ず国民を味方に付けたから。で、1月後にルノーが申し立てた株主総会があるけど、バトル・オブ・フォームズはもう始まっているのかも知れないけど、とりあえず51%を掌握すれば別に合併しなくても、経営陣については制圧はできるな。それすらゴーン犯罪者では世評が厳しかったが、もうそれは終わった話だ。制圧後直ちにゴーン救出の行動に移る。裁判が不正である以上、何の遠慮が要るものか。



ハヤト: 勾留理由開示の真の目的は、ルノーに大義名分を得させることだったんですね。それだったらゴーンさん、もう少し牢屋入っていて良いです



小林: 統計によると受刑者は案外健康上の問題が解決されることがあるんだ。糖尿病だった人がインシュリン注射が要らなくなったり、血圧が下がったり、肥満が解消したり、血糖値が改善したり、見た所肥満だったようだから、数日と言わず、半年くらいいても別に問題ないよ。

ハヤト: 拘置所でゴーン氏が読んでいる本の一冊は「ブッダの教え」だそうです。



小林: 彼にとってはむしろ良かったことなのかも知れないな。



閑話休題

 時事通信社

、、さらに無罪を訴えたゴーン容疑者の意見陳述について「検察が明らかにしている証拠よりも説得力があった」と評価。

ハヤト: マア、、ウチが述べた通りの印象になりましたね。それにしてもケリーという御方、やっぱりゴーン氏が右腕にするだけのことはあるようですね。

小林: 何か見ていると明らかにゴーンの方が西川より優秀な人材をコレクションしている感じがあるね。ケリーは目立たなかったからさ、その人となりも仕事も良く分からないのだけどさ、ゴーン自身が「サイナー(署名役)」として重用していたことを見ると、例えば飛行機事故や卒中などでゴーンが死亡か人事不省になった時に、臨時に日産の指揮を取れるくらいの能力は実はあったんだろうな。たぶん会長室の金庫にある遺言書にも継承者として彼の名が書いてある。



ハヤト: ゴーンさんは一昨年に日産から退いているのですから、アライアンスもでしょう。日産だけなら彼がCEOを辞めた時点で後任の社長か、あるいは退職しているはずです。それに一覧してもこの二人が一緒にいる写真がないんですよ。「ガイアの夜明け」で、十数年前にテストコースにいた執行役員に似た感じの人物はいましたが。そういう人物だとすると万が一を考えて、二人が同じ場所にいたり、同じ交通機関を利用することは避けていたのかも知れませんね。

 テロで暗殺されたルノーの前会長ジョルジュ・ベスはゴーンを引き立てたシュバイツァーの上司

小林: ルノーの社風かも知れないな。職域が偏っており、年齢も高いこの男に何億円もの給料を払い、日産から離れた後も重用していたということは、自分が万が一の時にアライアンスの指揮を取り、準国営も含む巨大企業三社を落着させることのできる人物として高く評価していたということだろう。器量という点ではボロレや西川よりも上かもしれない。見たところ、この二人の器量はそんなに大したことないからな。ケリーは開けたドアが違っていただけで、実はゴーンと同質の才能の持ち主なんだよ。



ハヤト: 日産が強引な理屈でジュファリ氏を犯罪者扱いし始めたのは、ケリー氏の接触禁止リストに彼はたぶん入っていなかったからでしょうね。日産役員の印象でも「無任所副社長」、「テネシーで牛を追っている」、「何をやっているか分からない人物」と散々な言われようで、検察もたぶん彼については相当見くびっていたし、司法取引も持ちかけたんじゃないかと思いますが、これは大魚を逃したという感じですね。

小林: 彼の実家は十分金持ちだし、数代続いた法曹家族の名声もある。買収は不可能で、こういう人物は何が有利かではなく、何が正しいかで行動する。そんな人間は日本の法曹にもいないし、もちろん日産にもいない。彼らにとっては理解不能の人物だが、結構頑固で融通の効かない所もあるようで、虚偽記載はたぶん彼の性格がもたらした部分が結構ある感じがする。

ハヤト: それじゃ、続きは次回。先が見えてきたようですから、次は西郷どんの続きにしましょう。



(追記)



小林: ル・モンドがすっぱ抜いていたから舞台はオランダなのだけどさ、仏当局はプライベートとしているし、会長代行のボロレもRNBVからの不透明報酬が取り沙汰されている。それとオマーンのディーラーからの16億円。西川が焦るのは分かるけど、検察にとってはもはやありがた迷惑だよね。

、、日産自動車の資金をサウジアラビア人の知人側に不正に支出したとして、会社法違反(特別背任)の疑いで再逮捕された前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が、別の知人で、日産の販売代理店を務めるオマーンの会社の幹部から約16億円を受け取った疑いがあることが9日、関係者への取材で分かった。

ハヤト: ジュファリ氏に送金しようとしたことが罪になったり、今度はディーラーですか。日本でもですねえ、フランチャイズで日産ショールームを作るには3億円くらい掛かるんですよ。光熱費だって月間ウン十万円。何の因果があって、オマーンのフランチャイジーが16億円もゴーン氏に贈与しなければいけないんでしょう?

小林: そろそろ訴因の整理や審理計画を立てなきゃいけないんだ。審理の過程で顕出した新事実でも無い限り、起訴前整理手続で整理した訴因の変更は公判中は難しいから、量刑が十分ということであれば、そろそろ事案を整理したいんだよね。ここであれもこれもと色々出されては、全部に応対していると、場合によってはいつまでも裁判が開かれないし、今回みたいな期限切れも頻繁に起きうる。たぶん西川氏は社内法務部の言い分は聞いていないんだろうな

ハヤト: 悪としても陳腐です。もう少し知的でスマートな悪事を期待しているのですが、最近日産からリークされるゴーン氏の悪行は例の信用保証の理屈が破綻して以来、単純なロバリー(robbery)といった、ウチで取り上げるまでもない乱暴で粗雑な悪が多すぎます。何のために十数回もこの件を取り上げているんですか。

小林: ホリエモンみたいな二流の悪なら取り上げるにしても一回で十分だ。

 12年前の古新聞ではあるが(当時のインタビューから)

ハヤト: あれは頭使いませんでしたね。株式分割を多用した手口は注目されましたが、明らかな詐欺でしたし、ホリエモン自身三流の元東大生で、ゴーン氏のような実績と尊敬のある経営者じゃありませんでしたからね。

小林: 手口もあったが動機なんかもミエミエだったし、そもそもこの事件はゴーンと違って散々被害者が泣き寝入りした後で、いい加減手遅れになってから逮捕したから、結論なんか見えていて、むしろ大鶴(当時は検事)に脅されて惰弱に供述調書にサインなんざ、悪の風上にも置けないようなひ弱さだ。それに株式分割の悪用なんざ、できることは分かっているけど、マトモな人間はそんなことに手を染めないんだよ。そんなことをするのは良心の欠落した人格破綻者だけだ。今で言うなら発達障害。少なくともゴーンは病人じゃないでしょ。ホリエモンみたいな六流の人間じゃない。ヘラヘラした顔でテレビに出てホンダジェット乗ってるんじゃねえ。何が「礼文島でウニが食べたい」だ、墜落して死んでしまえ。

 

ハヤト: ま、ウニは別として、堀江貴文氏とゴーン氏じゃ、人間としての魅力が違いすぎます。堀江氏を体張って守るような人は、彼の周りにはいなかったでしょう? ゴーン氏は手錠腰縄でヤレたスーツで法廷に引き出されても、経営者としての存在感を放っています。コメント一つでルノーの役員を奮い立たせ、サウジの友人に行動を促します。そんな人がホリエモンにいましたか?

小林: そういうことだ。司法試験なら間違った答えは「撤回します」で許してもらえるよ。でも、これだけの事件を引き起こした日本の法曹、特捜部だけではない、は、そのツケをこれから支払わなきゃいけない。法的技巧に溺れ、「誰でも罪人にできる」と驕った彼らは、人の生命財産、そして名誉を預かる職務に対する厳粛さを形だけでしか持っていないんだ。民事裁判なら取り下げもできようが、刑事裁判は「撤回します」で終わりにできないよ。



ハヤト: 逮捕を後押しした日本政府、特に文春によるとエクスキューズを与えた安倍首相にも責任はありますね。2019年は彼にとって厄年になりそうです。