Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2018/11/27)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。



はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。



1.おっとり刀でクーデターごっこ(>日産)



杖而立者、飢也、汲而先飮者、渇也、見利而不進者、勞也(有利なのに進まない)、鳥集者、虚也、夜呼者、恐也(誇張表現)、軍擾者、將不重也、旌旗動者、亂也(言動が一定しない)、吏怒者、倦也、粟馬肉食、軍無糧也、懸缻不返其舍者、窮寇也、諄諄翕翕、徐與人言者、失衆也(信頼喪失)、數賞者、窘也、數罰者、困也、先暴而後畏其衆者、不精之至也、來委謝者、欲休息也(交渉による時間稼ぎ)
(孫子第九・行軍篇)


小林: 日本語の本もあるので、カッコ内は意訳だけどさ、ゴーンさんに人を見る目があったかどうかはともかく、彼の任命した日本人役員は微妙な人が多いとは聞いていた。この人もゴーンの取り立てで1億円もらっているのだけどね。

ハヤト: 例の25%問題ですが、識者によるとゴーンさんがすでに道筋を付けていたようですね。ルノー株の買い増しは従来はルノー取締役会の承認が必要だったのですが、規約を改訂して日産取締役会の決定だけで買い増せるようです。つまり、持ち株比率のいびつさはルノー側もすでに認識していたようです。



小林: 予定されていたのはフランス政府保有の15%だ。それを日産に譲渡する。ゴーンと日産もそうだが、ゴーンとマクロンの関係も実は微妙だからね。それにしても、逮捕からすでに一週間も過ぎているんだよね。話はずっと前からあったのだから、西川が直ちに協議に入らなかったのは解せない話だ(見利而不進者)。後任会長の選出も経団連などあちこちに打診していて遅れている。たぶん、陰謀計画に精力を使い過ぎて余力がない(勞也)のだろう。

ハヤト: 豪遊や私的流用の話も金額がすさまじい割に(夜呼者)、ソースが一方的で信憑性が乏しいのですよ。会計士の方には件のペーパー会社は連結決算の対象でもないから、そもそも株主に対する損害を論ずることに無理があると指摘する人もいます。日産も地検もムキになって彼の悪行をリークしていますが、それだけ大それたことをしている自覚(恐也)はあるのでしょうか。あと、積立金の話なんですがね。

小林: 退職金引当制度は平成15年に廃止されたので、前回の私の説明は間違いだがな。保険で損金処理なら節税策は今でも当てはまるが、日産規模の会社がゴーンの退職金を保険会社で運用するはずないし、そんな話も出てないな。それに積み立てた金には税金が掛かる(1%)んだ。理由は巨額報酬に対する批判をかわすためというが、説得力に乏しいな。

ハヤト: これも最初は退職金という説明だったのですが、すぐに退任後の顧問契約の報酬原資とか、そうではなくて高額報酬に対する批判を恐れた後払いとか、ここ数日だけでも説明が二転三転しているのですよ。今はこれら一切合切を含んだ詐取プロジェクトという説明です。他にも虚偽記載で立件したはずですが、実はそれは別件で本丸は横領とか背任とか。アナタの言う通り、虚偽記載だと司法取引しても被害者が多すぎるのでしょうかね。



小林: 虚偽記載はゴーンに明確な故意がないとすると、常識的には監査法人だねえ。アドバイスを受けて不記載にしたのだから、「法の不知は許さず(Ignorantia legis neminem excusat.:民事の場合は強行法規違反)」で有罪は免れないとしても、後でゴーンが監査法人に賠償請求することになる。いずれにしても、漏れ聞く情報は日産と特捜部が世論を見て恐る恐るやっているせいか(亂也)、言い換えが多く、一定しないねえ(旌旗動者)

ハヤト: 社長の西川さんの従業員向け説得が情緒的でソフトな表現(徐與人言者)だったのも、アナタの見方では日産社内の士気の低さ(失衆也)の現れということですね。まあ、ゴーンがあれでは彼らと一般従業員は別世界人でしょうから。

小林: 先の検査不正もあるしな。そしてようやく始まったブリュッセルでの三社協議(來委謝者)な、これはまさに日産による時間稼ぎ(欲休息也)だよ。

ハヤト: ルノーも内部監査を始めましたし、どうも日産から仕掛けたといっても、これは戦う前から負けている(是故勝兵先勝而後求戰、敗兵先戰而後求勝)ような気がして仕方ないのですよ。

小林: どうも西川さん、古の兵法の原則をことごとく外しているみたいだな(>日産)



2.シナリオを書けば書くほど(>特捜部)



小林: 読むと大したことないんだ。10年前の話で、証券取引等監視委員会(証取委)が関係した銀行に指摘したという話だが、そんな昔の話を今出されてもという話だし、現に肝心の証取委が「個別の案件にはお答えできません」と言っているので、これも数あるゴーン失墜工作の一つと白けた気分になるわな。いつもの特捜部の手口だよ。

ハヤト: しかし、取り調べで報酬後払いについては認めているんですよね。でも、疑問な点もあるのですよ。

小林: 派手に報道されているゴーンの贅沢な、しかし、積立金の存在(毎年10億円)が事実とすると、いくら会社にツケ廻ししても、退職時に精算すれば良いのだから、損失なんかないじゃないか。むしろそのまま置いておけば毎年1%の法人税が掛かるのだから、これは使った方が良いとなる。ゴーンみたいな辣腕経営者がいくら自分の金とはいえ、単に会社に積み立ててそのままという発想はしないと思うんだ。

  11/28共同通信

ハヤト: 要らなくなった不動産は日産が売却すれば利益も出ますしね。

小林: いずれにしろ、今まで報道されている濫費を全部合わせても、日産に積み立てられている積立金で賄えるよ。思うに本人もそのくらいの考え(報酬の定期預金化)だったんじゃないか? それを馬鹿な検事が退職後の慰労金とか顧問契約とか色々こじつけて話を作っているようだけどさ。

 11/28共同通信

ハヤト: 全部空中楼閣です。詐取システムは実体化していませんし、積み立てたという報酬も支払われていません。

小林: ゴーンが自身の報酬を20億円と認識し、それで日産と合意(契約)していたのなら、退職しても報酬請求権はあるけどな。そもそも、CEOの報酬はそれ自体退職金という扱いなんだ。再任の保証はないし、失策には賠償義務もある。すでに退職金としてあるものを、さらに分割して退職金の議論をしているところに連中の幻術がある。

ハヤト: いずれにしろ、虚偽記載罪での勾留期限は、本件の場合は逮捕から12日間です。10日間を限度に何度でも延長できますが、国際的非難の高まりも考えますと、際限なく延長はできないと思います(ウィキペディア・間違い)。それと家族とも面会できないと報道されていますが、ホントですか?

 11/28共同通信

小林: ハヤトさん、この手の話はウィキペディアはまだまだなのかな? 際限なくではなく、延長も含めて通算20日間(刑訴法208条第2項、本件検察留置24時間は除く)だよ。家族と面会できない、、そんなことあるわけ無いだろ、裁判所と検察が刑訴法の規定を悪用(時期指定権)して不当な人権制限をしているだけだ。同じ日本人として恥ずかしくなるね。今のままだといずれ不起訴で釈放しなければならないけど、そうなれば結末は分かるわな。未だルノー会長のゴーンは帰国して、公開買い付けで日産株51%を取得し、彼を陥れた西川や志賀など役員を叩き出して日産を完全子会社化する。今回の件はマクロンが彼に求めていたその件に口実を与えたにすぎないよ。

ハヤト: 日産とルノーですか、一応アライアンスなのは知ってますがね、一緒になって上手くいくかどうかは疑問なんですが、、



3.二度復活した日産



小林: ゴーンという人については何か超人的な力を持つとか天才経営者というイメージが流布しているけれども、実際の彼は割と守旧的で地味な人間だと思うんだ。BBCが良いまとめをしているが、上は日産ルノー両社の生産台数。ゴーンが両社のCEOを兼任した2008~9年はほぼ同じだが、その後10年で日産はほぼ2倍、ロシアのアフトバスを吸収してようやく400万台弱のルノーに大きく差を付けている。

ハヤト: 日産社員が奢るのも分かりますね。グループの躍進を牽引していたのは日産です。

小林: 注目してほしいのは2013~14年なんだな、この時期に日産は志賀がCEOから降り、以降はゴーンの直接指揮になっている。日産もその前の成長は鈍化していたから、これはゴーンが道筋をつけ、志賀が実行してそのまま来ていたのが限界に達したという感じだな。日産車については国内においてはモデルチェンジが長期化(商品力低下)という問題が指摘されていたが、志賀は特にこれといった施策もしなかったらしい。



ハヤト: そこで志賀氏に降りてもらい、シリーズハイブリッドとか新型車を投入して業績を向上させたというわけですね。確かに利益率を見ると、2008年はリーマンショックですが、志賀氏の采配ではジリ貧という感じもしますね。

小林: ホリエモンとは違うよね。ゴーンは現場改善型のリーダーで、株価がどうなるとか利益率がどうとかいうことにはあまり頓着してない。近年の利益率が下がっているのは三菱買収もあるが電池代の高いシリーズハイブリッドのせいだ。これがホリエモンならまず見た目を良くしようとするだろうけれども(粉飾)。ゴーンについては、株式市場を通じた資金調達のインセンティブは低い。と、いうより、株にあまり興味が無いんじゃないか。



ハヤト: これは今年ですが、ルノー合併は海外では関心の高かったイベントのようで、話が立ち消えになった5月以降は株も下がっていますね。

小林: ゴーンの復帰で日産が業績向上したのは、ルノーの場合はアフトバスだけれども、日産が次世代につながる技術をちゃんと持っていて、それを使えた点が大きいだろう。日産はハイブリッド技術の投入ではトヨタに15年遅れていたし、ゴーン就任後もそれは変わりなかった。そういうものに投資するよりコストカットが40代の彼だったからな。が、還暦もすぎ、新技術とのシナジーが処方箋になると遅まきながら気づいたのではないか?

ハヤト: だとすれば、マカロン氏の示唆を受けた「変節」というのも理解できますね。

小林: ルノー公団と鮎川義介の日産が一緒になって上手くいくとは彼も思わなかったし、何より合併反対派の最右翼が彼だった。が、電気自動車・自動運転技術という新しい分野でトヨタに追いつき追い越し、世界一になるというビジョンがあるなら、両社の技術部門を統合して開発資源を集約しないという考えはない。どんなに保守的な自動車人でも、この効用は認めざるを得ない。ましてや自分がそれを握るのなら。

ハヤト: アナタの見立てではゴーン氏は会社そのものを一体化するのではなく、開発部門の一体化を考えていたと。

小林: 在日期間も長かったし、両社の社風の違いについては良く分かっていたと思うんだ。その彼が「できる」と思えるのはこの程度だろうし、巨大技術を育てるにはフランス政府もそうだが、両社のセクト主義は邪魔だ。そこで日産の自尊心を満足させるべく、ルノー議決権については抹消を考えていたのだが。

ハヤト: これはマクロン氏とは違いますね?

小林: 違うけれども、フランス大統領を騙せるくらいの自信はあったと思うよ。大筋では一致していたし、実際に采配を振るうのはマクロンではなく彼だから。

ハヤト: そうなると釈放されたゴーン氏が逆襲して日産を併呑という結末も、そんなに良い感じではありませんね。

小林: それはそれで色々あるからな。ホントに植民地にされてしまった日産は、彼も望んでいまい。何よりこれをやるとフランス政府に恩を着ることになるから、あのお調子者のネトウヨ大統領がうるさい。



閑話休題



ハヤト: そういえば三菱どうなんでしょう? やっぱり解任しましたが、聞けば日産は調査情報を提供しなかったんですよね?

小林: 三菱もそうだし、日産はルノーにもフランス政府にも再三の要請にも関わらず、内部調査の情報を提供してない

ハヤト: 役員会では開陳したんでしょう? ルノー出身の役員も解任に賛成したわけで。

小林: 役員会に検事が同席していなかったという報道はないよ。反対したなら虚偽記載罪の片棒を担いだ罪で即逮捕だろう。懇切丁寧に説明などと言っているが、だったらその内容はフランスの本社に報告されているはずだから、その内容ならゴーンはとっくに解任されているはずだ。

ハヤト: 我が国の司法をここまで悪く言いたくないのですがね。ええ、これは不審を招きます。ルノーも態度を硬化させていますし、これで良いことはないと思うのですよ。

小林: 逮捕を受けて20日にルノーも解任を発議したし、これは日産よりも早く、そのまま解任されても良い状況だったが、事情が分かるにつれ保留したという経緯がある。その後も態度を変えていないところを見ると、22日の役員会で西川らがルノー出身役員に圧力を掛けたことが抜きがたい悪印象として、同社とフランス政府に日本の司法システムに対する不信とクーデター説を裏付けさせてしまった感じに見えるな。

ハヤト: ゴーン氏にも虚偽記載の事実を認めれば背任は不起訴にしてやると誘いを掛けているという話もありますね。

小林: 案の定、日本政府は不介入を決め込んでいるしな。そんなチンケな懐柔策、通用するものか。早速一蹴されて今はアメリカの法律事務所に依頼している。

ハヤト: どうなってしまうんでしょうかねえ、、では、今回はここまで。