Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2018/8/24)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。



はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。


2-2(続き).東電怖さで設定変更 「コスモリバースシステム」 その1



小林: 2009年の木村拓哉の実写版では「放射能除去装置」、でも、3年後の2202では「コスモリバースシステム」、初代ヤマト以来40年間墨守してきた「放射能」の文字は放逐されてしまったわけで、これはやっぱり2011年3月11日の東日本大震災が影響しているというのが専らの見方だ。

ハヤト: それおかしくありません? だって震災で東京電力の原発が次々と爆発した時、国民の間で諧謔的に囁かれた言葉は「放射能除去装置があれば」でしょう?



小林: 今も復興作業に従事していて、施設内に致死量の放射性物質がゴロゴロしている状況では、あれ何とかしてほしいというのは切実なものがあるだろう。放射性物質の半減期は概して短いが、それでも人間の寿命を遥かに超えるものもある。現代科学では手に負えないので、何らかの方法で、それをズビビと不活性化してくれれば、

ハヤト: マア、放射性崩壊以外で放射性物質それ自体を不活化する方法はありませんからね。

小林: そうだ、現状ではフィルターを使って汚染物質を回収するのがせいぜいだ。

ハヤト: 回収、つまり吸着はできるんですよね?

小林: それはそうだが、、、



ハヤト: だったら問題の物質をバリヤーで覆ってしまえば良いじゃありませんか。つまりですね、遊星爆弾による放射能汚染といっても、具体的には爆発散乱した核物質の破片でしょう。それを見つけて未来科学のバリヤーでコーティングしてしまえばいい。

小林: 200年先の未来だからバリヤーがどんなものかは分からんが、確かに覆ってしまえば問題の物質は手で摘める。後はホウキで掃くなりブラシで洗い流すなり、ヤマトの時代ではできなかったという話だが、イスカンダルならできるんじゃないか? それくらいのこと。



ハヤト: つまりこれはコーティング噴霧器で、放射性物質のばら撒かれた地表をコーティングしてしまうわけです。一台で足りなければ複製して何台も稼働させればですね。それで処置の完了した場所には植樹して、無害化した放射性物質は海に洗い流してしまえば良いわけです。いずれ半減しますし、東電のそれはドラム缶からの水漏れが問題になっていますが、イスカンダルですからそれよりは完全な技術ということで。

小林: 窒化とか浸炭みたいにそれ自体放射性物質と結びついて強固に表面処理でも良いだろうな。やはり超科学で放射性物質以外反応しないとか。

ハヤト: 植樹についてはマア、別の技術が必要でしょうがね。ある程度のテラフォーミングの技術や遺伝子バンクが完備していて、放射能さえ何とかなればそれはできたとか。

小林: このくらい考えとけば良さそうな感じだな。いずれにしろ、時間を巻き戻すよりマシだろう。


2-3.宇宙の原理に反する 「コスモリバースシステム」 その2



小林: しかし、2199の連中はそう考えなかった。たぶんバンダイナムコの大株主、日本マスタートラスト(三井住友銀行)のご託宣で、理由は良く分からないが放射能汚染の設定は使えないことになった。それでもガミラスの手によって地球は派手にぶっ壊されたのだけど、どう見てもナードの連中の脳裏に浮かんだのが「反・エントロピーの法則」、確かこの時期本が流行っていたような。



ハヤト: 放っておくと部屋が乱雑になるとか、淹れたインスタントコーヒーは時間が経っても元の水と粉には戻らないとか、色々な説明がありましたね。

小林: 一部不可逆変化が混じっているがな。これもエントロピーの要素だから、同じ理由で一度放射能爆弾の洗礼を受けた地球は元の地球には戻らないというのもエントロピーといえる。

ハヤト: エントロピーの説明で可逆変化と不可逆変化があるのは、この議論が時間という要素を考慮しないことがありますね。時間は存在して当たり前で、常に一定だからアナタが散らかした部屋は自分で片付けない限り元には戻らない。まあ、片付けるという作業がエントロピーの処分なんですがね。でも、これまで話したところでは、放射能は典型的な片付けられない物質ですね。摘んで取り除こうとしたら、自分も被曝して死んでしまう。コーティングすりゃいいと思いますがね。

 

小林: 今のような構図で連中が何を考えたかというと、エントロピーは増大するだけで減少しないのならば(理論)、時間を巻き戻せばいい(笑)。それで可逆変化と同じ結果が得られるというわけだ。散らかした部屋は勝手に片付き、コーヒーは水と豆に分離してカップは元の食器棚に収まっている(大笑)。

ハヤト: たぶん、自分らまで巻き戻されたらリバースシステムの意味がないので、これはたぶん知的生命体以外に作用するというオプション付きなんでしょうね。そうしないと火葬された人は灰から甦り、庭に埋めたポチは穴を掘り返して元の犬小屋に。どう見ても放射性コーティングの方が、、、

小林: 時間を巻き戻すには巻き戻すべき当の時間が可視化されなければいけないから(四次元)、コスモリバースシステムは次元創生システムということになるな。時間を操作できる特異空間をどこかに生成して、そこにコントロール要員を置いて、「明治神宮は可」、「ポチはダメ」と、復活非復活の指図をしているんだろう。オペレータは時間に拘束されない存在、つまり純粋エネルギー体か何かでいる必要もあるのだろう。

ハヤト: そんなような空間出ていましたよ。たぶんその空間を通じて、オペレータが放射能汚染された地球のエントロピーを別宇宙に「捨てる」作業をしているんでしょうね。現宇宙では増大したエントロピーの処分はできませんから。

小林: あれ(エントロピー)流行ったのいつごろだっけ?



ハヤト: 前流行ったのは1990年代ですが、またぞろ最近流行りだしているようですよ。

小林: コーティングの方が直截的で良いよ。なまじっか使いこなせない設定をどこかから仕入れたばかりに、2202は変なことになっているじゃないか。

ハヤト: アナタ、出渕さんや福井さんが考えたとは露ほども思っていないでしょう?

小林: 当たり前だ、ネット配信を見る限り、連中は私より頭が悪いから。


閑話休題

ハヤト: 今回はコスモリバースシステムですが、何か見ているとつくづく設定選びのセンスがない感じがしますね。

小林: ヤマトのコスモクリーナーDは作動の過程で何故かオゾンを発生して森雪を死なせたが、今のところ、放射線の刺激によって発生する活性酸素と放射性物質それ自体の無害化は関係なさそうな感じだな。それは50年前の科学ということで良いのだが、時間を巻き戻すなんて設定を加えたら何でもありで話が崩壊してしまうことには気づかなかったのかな?



ハヤト: 2202は5章でヤマトが壊れて、ポスターだと程よく分解して元の鉄くずに戻っているようですが、それじゃ終わらないでしょうからどうするんですかね?

小林: そこで時間を逆転させて1,000倍の速さで建造し直すんだろう。

ハヤト: そんな話、どうやって視聴者を納得させるんです?

小林: 私にゃ分からんよ。時間までいじらず、昔の作品の設定を良く良く見返せば、それほど複雑な話にしないで済んだ話だと思うがな。

ハヤト: じゃ、続きは次回、しかし、今回の説明で時間断層の解説までやってしまった感じですね。

小林: 次は2202だ。