Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2017/10/2)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。



はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。


1.結局民主党がダメだから(希望の党)



ハヤト: 前回のアナタの予測はまんまと外れ、民進党の票を割るどころか割られる党そのものがなくなってしまったという。さらに小池氏につき「政治的創造力がない」というアナタの評も見事に的外れといった趣きですね。

小林: 傍目から見れば小池百合子というのは凄い政略家なのだろうねえ(遠い目)、私はそうは思わないけれども。

ハヤト: 今やアナタの意見の方が異端少数派ですよ。

小林: 私は希望の党と合併するなら、民進党には数人しか残らないと見ていたんだ。山口二郎は「リベラル云々」とか言っているけれども、連中はリベラルじゃなくただの左翼だし、それも原理主義的左翼は旧社会党の教条主義者を除けば、民進党にもそんなにいないと見ていたから。その教条主義者は自社連立以降の政党再編で民主党にさえおらず、社民党という別の党だったからねえ。

ハヤト: しかし、小池氏の言う政権選択選挙は画餅じゃないですか? 民進党に残るのは100人程度と思ったより多いです。



小林: そんな話になったのは、そもそもの民進党、つまり代表の前原の交渉ミスだと思うんだ。



2.野党連合というシナリオ



小林: 民主的に選ばれたリーダーの決定には従うというのが民主主義の基本だが、残念なことに日本の国会議員はそんなに質も良くない。自民もそうだが民主も自分らで選んでおきながらリーダー軽視は甚だしかった。前原が鬱屈するのも無理ない話で、新党結成のご祝儀として、会見した小池に一応進んでいる現在の戦略、つまり、共産党も含む野党が連立して自民に対抗という話をしに行った彼がつい口を滑らせたというのがある。

ハヤト: アナタの見立てでは前原氏は解党ではなく、小池氏に連合構想への参加を打診に行ったということですね。

小林: ついしゃべり過ぎたということだな。民進党にも小池と同旨の改憲、安保法制賛成派はいるとでも言ったのだろう。この時点では小池も民進党が合流するとまでは考えてはいなかった。

ハヤト: ですが、アナタの言うように民進党の議員は梁山泊ですし、マスコミも現在は小池氏に好意的です。

小林: そこで弾みがついてしまい、話が膨らんで本来解党しなくても良いような民進党も解党、マア、連中には誰もがウンザリしていたから、ということになったというのが本当ではないかな。前原にもう少し交渉力があり、民進党の議員にもう少し自制心があれば事態はここまでおかしくはならなかったと思うがな。

ハヤト: 結局は前原氏の統制力の無さ、つまり民進党が原因で、小池氏の寄与度は大きくないと見ているのですね。

小林: 前原って前から女難の相があるね。前は中華料理屋のおばちゃんだったが。しかし小池にもミスがないわけではない。本気で総理の椅子を狙うなら、民進党の議員は選別せず全員合流させるべきだった。そうしなかったのは、当初の彼女のミッションにそのことは含まれていなかったということだろう。



3.何が何でも改憲(安倍ちゃん)



小林: 結局最後に笑うのはこの人で、党の世論調査では政権支持率の低下が懸念されていた。改憲については公明党も難色を示しているし、発議に維新と同じ補完政党を必要としているのは自民党だ。そうでなければ安倍の意を受けた小池が民進議員の選別なんか口にするものか。

ハヤト: マア、政権を狙う気がなければ民進議員を離反させて、ある程度の数を確保できれば御の字ですからね。

小林: 日本会議流の極右思想がウケが悪いことについても、小池が前に出て、変な弁護士を降ろしたから問題なくなった。

ハヤト: いずれにせよ、野党分断の楔を打ち込むことには成功したみたいですね。

小林: そんなことをしなくても勝てる選挙だったよ。

ハヤト: アナタの見立てでは小池氏は単なる機会主義者で、マスコミが吹聴するほどの構想家ではないということですね。

小林: 中身は何でもヒーローを仕立てて、有象無象の反対勢力をそこに集中させて対立構図を作るというのはたぶん、日本の政治はずっとそうだったのだろうが、そんなのは本物の野党じゃないし、オルタナティブでもない。明治以来百数十年続いたこの日本政治の不健康さを打破できるというなら、それこそが本物の政治家であり構想家だよ。



ハヤト: 小沢一郎氏にいまだに期待が集まるのは、彼にアナタの言うそういう政治家の資質を感じさせるからでしょうかねえ、、

小林: 小沢の場合は言っていることとやっていることに差がありすぎて、彼にとっての不幸は、仮に彼がそうでも、彼とそれを共有し得る歴史観や政治観のある政治家が他にいないということだな。それと例の怪文書(選別議員リスト)、出所はこの辺じゃないのか? 怪文書の流布は過去の選挙で小沢が良く使った戦術だ。

ハヤト: 小沢氏は希望の党にも秋波を送っていますが真意は良く分かりません。ですが、現状では自民支配は止めようがないということですか。

小林: 小池が失脚した時点で国民の期待も野党勢力も雲散霧消し、大政翼賛体制が完成するということかもしれないな。今のマスコミは知らず知らずのうちにその片棒を担いでいるんだよ。



閑話休題

ハヤト: 先にアナタは現在の事態は前原氏の交渉ミスと指摘しましたが、もし、彼が正しい交渉をしていたとしたら、それはどんなものでしたか?

小林: 前原のあの弱い立場では、何を言ってもやっても誤解されたと思う。彼の属する民進党という党自体がご都合主義と機会主義者の集団で、小池に世間の注目が集まっている今日では、それを見た民進党の議員が代表そっちのけで暴走したとしても、彼には何もできなかったはずだ。

ハヤト: 民進党の議員の質が悪いのは小沢一郎氏のせいだとアナタは前に言っていましたね。

小林: 小沢自体、古い日本政治の枠組みで訓練を受けた人だから。「政治は力、力は数、数はカネ」という田中角栄時代の金言は、角栄が戦前から戦後の高度成長期にかけての政治家で、ある意味、日本政治が最も委縮し、硬直化していた時代の教訓だ。相手が社会党のような共産主義政党で選択肢が事実上なかった時代ならともかく、これはすべての場合に通用する定理ではない。

ハヤト: それは言えますね。今回の件では民進党は人でもカネでも希望の党や維新には勝っていました。

小林: 問題なのは人だったんだよね。



ハヤト: この方は元々小池アレルギーがあるという話ですから、のっけから希望の党はむきになって否定していますね。

小林: これも子供じみた話で、前原が党を抑えられなかったことについては同情の余地があるが、希望の党もできたならできたで「野党連合」という優れた戦略があるのだから、前原のミスはミスとして、山口は党の崩壊を横目に飄々と小池にその戦略に沿った共闘を呼びかければ良かった。それで否定されれば、改めて「補完勢力」認定をして対抗すれば良いのだが、そんな大人な対応は微塵も感じさせなかったな。

ハヤト: むしろ内ゲバは民進党のお家芸でしょう。

小林: この民進党の自称リベラル(私は認めていない)の硬直性が民主党時代には色々と不具合を引き起こしたし、議員の離反や国民の支持を失う結果に繋がったのだけどな。まあ、この人は小池のブレーンにはなりたくないしなれないから。現在までのところ、小池の選別は目が粗く、立て直しの余地もないわけではないが、火病のこのブレーンが邪魔をするのだろうな。

ハヤト: 山口氏はスウェーデン型福祉国家を理想としているという話ですが、同時に中福祉中負担しかできないと諦めてもいますね。

小林: たぶん、彼の理想は彼自身の問題で一般には天竺よりも遠い所にあるのだろう。小渕・小泉時代の失政で経済が低迷し、これじゃ月並みだから国民のポテンシャルを毀損し、当然の結果として生活水準も低下している現状をこの人はどう見ているのかな? あるいはどんな処方箋を提示できるのかな?

ハヤト: 森友、加計の追及も不十分でした。天竺という評は当たらずといえども遠からずでしょうね。

小林: 政治と行政が癒着していることでどんな害があるのか、どんな歪みを引き起こしているのか、小池の「しがらみ政治」もわけの分からないスローガンだが、説得力のある思い切った提案を提示しなければ、これは話にならない。

ハヤト: 旧民主党、現在の民進党が頼りにしているのは連合です。企業の労働組合ですが、その組織率は低下が指摘されています。また、非正規従業員などは実際の労働者でありながらほとんどカバーされていません。

小林: それじゃ有権者が諸手を挙げて希望の党に走るのを阻止できないよ。

ハヤト: あと、小沢一郎氏は希望の党との合併に前向きでしたが、拒否されて無所属で出馬だそうですね。

小林: 小沢が信奉し、共産党が提示した野党連合は対希望の党にも用い得る優れた戦略だ。だが、現在までのところ、主としてブレーンの教条性と硬直性で、戦略の効力がフルに発揮されているとは言い難い。小沢はその戦略の教義に基づいて忠実に行動しただけだ。小沢と前原の立場が逆だったら、現状は違った結果になっていたかもしれないな。

ハヤト: そうですね、では、今回はここまで。