Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2017/9/7)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。



はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。



1.朝鮮水爆実験



小林: トランプの言葉じゃないけれど、この男、他にすることがないのかね

ハヤト: あの経済規模で良くやっていると思いますよ。だって、北朝鮮のGDPって韓国の100分の1くらいでしょう?

小林: その韓国がおよそ日本の三分の一だから、水爆やミサイルは日本で言えば県どころじゃない、市町村レベルの経済でやっていることになる。県で言うなら鳥取県(1.7兆円)くらいだ。市で言うなら割と普通の県の県庁所在地(長野市、大津市、富山市ほか)くらいの規模だ。

ハヤト: それじゃおかしくありません? 聞けば朝鮮のミサイルには日本製や中国製の部品も使われているという話ですが、計算なんかはたぶんIBM-PCのパソコンですよね? そんな経済規模じゃこういう部品買えないんじゃないです?



小林: 国際的な通貨市場では北朝鮮ウォンの存在は無きに等しいから、まっとうな国際貿易をしていては外貨なんか稼ぎようがないわな。聞くところによれば国内も貨幣経済がほとんど成り立っていなくて、上にあるような紙幣なんか庶民はほとんど使わないそうだ。私は二重経済と見ているけど。

ハヤト: 国民の生活と核ミサイルも含む戦争経済が切り離されているということですね。

小林: こういうのは別に朝鮮に限った話じゃなく、信用創造とその分別という点ではどの国にも起こり得る。典型的なのがバブル経済期の日本だな。

ハヤト: 身近な例ですと消費者金融とかローンがありますね。日本の場合、不動産を担保にしないと貸してくれませんから。無担保のものもありますが、保証人が必要だったり、何よりこのケースでは金利自体がすこぶる高い(十数パーセント)ですね。でも、企業金融はほとんど無金利というのは今や常識ですね。明らかに二つの経済がある。

小林: こういうのはどこの国でも同じというものではなく、朝鮮の場合は共産党員だったり、金一族と特別な関係にあることが条件なんだろうな。お金というのは媒介だが、どこでも何でも需要と供給の法則に従って自由に巡っているわけではない。このように、法律や制度や慣習によって容易に制限し得る。



ハヤト: 朝鮮の地下経済はおそらくドル建てでしょうか。

小林: 規模はそれほど大きいとは思えないし、国内経済と連関があればその影響もないとは思えない。地域大国規模の家産経済とラオス程度の規模の国民経済が併存しているというのが実態ではなかろうか。

ハヤト: 輸出入を活発にして、今はほとんど交流のない国民経済が活性化すればどうでしょうか?

小林: いびつなものだから、おそらくはミサイルオンリーの家産経済は国民経済に吸収されるか、少なくとも今のような形では存続できないだろうな。

ハヤト: 国民が貧乏な方が支配者には都合が良い、そういう理屈ですか。

小林: 豊かになったらなったで、独裁者でも色々サービスしなければならなくなるはずだからな。



ハヤト: アナタ、軍事力の行使も含め、韓国の大統領(文在寅)とほとんど同じ考えですね。

小林: 今ある中ではあれがいちばんまともだな。



2.トランプ外交の顛末



小林: 今の時点で朝鮮と融和だとか対話だとかいうのは論外だが、外野から見ていると取りうる手段は以下の二つだな。

オプション1.核には核として、米国が優越している核ミサイルの照準を北朝鮮にセットして現指導部に無条件降伏を求める(>北朝鮮解体)。
オプション2.挑発的な動きに呼応せず、軍事的リアクションを一切行わない。平和条約の交渉もしない(>無視作戦)


ハヤト: 1は避けたいものですね。仮に平壌を火の海にできても、腹いせに日本や韓国にミサイルを必ず撃ってきます。

小林: 独裁者というのは自分が滅んだら世界も一緒に滅んでしまえという人種だからな。朝鮮の動きには注意する必要があるが、現在のように軍事的緊張を高め続けることには問題がある。相手が個人だし、どこが一線か分からないからな。それに1の良くない所は核で恫喝すれば何とかなるという悪しき前例を作ってしまうことだ。これは世界の不安定化に繋がる。

ハヤト: そうなると2が良さそうな感じですね。

小林: 侵略行為に備えることは当然だが、朝鮮が自国領内や公海でドンパチしたところで他国への影響はない。弾道ミサイルの撃墜も今の技術では少々頼りないし。今のところ撃っているのはミサイルだけで、地上部隊の集結とか潜水艦の展開とかいった、「ハード」な軍事力はないようだ。だからその相手に空母なんか要らない。

ハヤト: 平和条約といっても、今交渉したら在韓米軍の撤退とか朝鮮に一方的に有利な内容になることは明らかですからね。

小林: だから交渉もしない。そのまま対峙して時間を稼ぐ「百年河清を待つ」という諺もあることだしな。暖簾に腕押し、トランプじゃ難しいだろうけれども。



3.ソ連は崩壊したけれども



小林: しかし解せない話で、いわゆる共産国とその衛星国という体制は1990年代の東西ドイツ統一とソ連崩壊で終わっていたはずなんだよね。

ハヤト: ドイツや東ヨーロッパの政変はアジアにも影響があると思いましたが、北朝鮮は崩壊しませんでしたね。

小林: そこが解せない所で、同じ時期に金日成も死んだし、情勢を見ればここで崩壊していてもおかしくなかった。金日成が死んだのは94年だが、後を継いだ金正日が総書記の座に就くまでに三年かかっているんだ。時期からして、それまでの間はドイツ張りの統一を志向する勢力や政敵を片っ端から粛清していたと見るのが順当で、北朝鮮でも権力の世襲はスンナリと認められていたわけでは実はなかった。



ハヤト: ここでもう一押ししておけば、たぶん、現在北朝鮮という国はなかったはずですよね。

小林: 残念ながら、当時の韓国経済の規模は現在よりずっと小さかった(五分の一)。ロシアや東西ドイツ統一の混乱を見ていた目には、同じ規模の騒乱は国が持たないと考えたとしても不思議はない。日本が後押しすればできたと思うけど。日本のGDPはこの当時でも今とあまり変わらない(500兆円)だから。これは韓国の15倍、北朝鮮に至っては一千倍を優に超える。

ハヤト: マア、過ぎたことを後悔しても始まらないですね。

小林: バブルもそうだったんだが、どうして日本は対米依存を脱するのにアジア地域では鍵となる戦後処理の問題を先送りとかスルーとか、後々考えても賢明とは思えない政治や外交をやっているんだろうね。

ハヤト: 都合の良い時だけ「日本的慣習、伝統」を主張する困った方々がこの国にはいるんですよ。日本会議とか。

小林: 時間さえ作れば、経済については今は韓国でもなんとかできるだろう。しかし、この国も民主主義国というには少し問題がある

ハヤト: 北朝鮮の人民が壁を打ち壊してまで行きたくなるような国ではなかったということですね。

小林: ここで戦略として日本が韓国にテコ入れすることは当然としても、あのいびつな社会にも変わってもらう必要はあるだろうな。一言でいえば、あの国を民主化するには、先ず財閥支配を解体する必要がある。大統領と言っても名ばかり、あの国の政治的不安定は今となってはアジアの迷惑だ。

ハヤト: 北朝鮮をやっつけるより韓国で革命起こす方が楽かもしれませんね。

小林: 北朝鮮にしても韓国にしても国づくりのモデルにしたのは日本だから、どちらの国も我々にも分かりやすい政治的欠陥を持っているんだよね。もちろん、我々の国にも欧米諸国と引き比べれば大きな問題がある。それにこの場合の韓国革命は長ずれば南北統一の方向に行くから、歴史的には冷戦構造の異常な状態が終焉し、朝鮮半島は本来の姿に戻るから悪いことではない。韓国で政変が起きれば北朝鮮も座視はできなくなる。金正恩の亡命先は確保しておく必要はあるがな。

ハヤト: 誰がそれをやるんですか?

小林: 大統領がやっても良いだろう。それと金の亡命先は日本でもいいよ。デヴィ夫人もいるし。



閑話休題

ハヤト: 今回も時事絡みの話でした。マア、アニヲタサイトは開店休業状態ですから、当面は仕方ないでしょう。

小林: 銀河鉄道999のレビューを考えているけど、113話もあるからこれも当面先だ。一応、全部目を通してからレビューをしているので。



ハヤト: マア、ウチのレビューの特色として、ストーリー解説をほとんどしないというのがありますね。



小林: 一応こんな感じで冒頭にまとめてはあるんだ。これだけ見れば分かるようにね。それに詳しいストーリーはそれこそビデオを見れば良いだけの話だしね。

ハヤト: それもそうですね。画像なんかもなるべく少なく(場合によっては付けず)、付けても小さくというのが方針ですしね。

小林: でも、こんなまとめでも全部見てないと書けないよね。本文は別に読まなくても良いよ。



ハヤト: そういえば民進党の代表選挙がありました。裏切り印の前原氏が代表に選ばれましたが、幹事長人事の不倫問題で早速つまづいているようですね。

小林: これも小沢一郎の呪いでさ、かつての民主党の時代、落選率の高かった民主党は弁護士や医者など手に職のある人か、地盤看板のある政治家のボンボンか、ヒマな金持ちの放蕩息子しか政治家にしなかった。二番目がいちばん多いのだが、そうなると議員は自民党になれなかった連中の掃き溜まりみたいなもので、自民党と引き比べた議員の質の悪さはこの党の宿痾だねえ。

ハヤト: 様子を見ていても代表を決めた所でまとまる感じがしないのですよ。

小林: 山尾議員があの豊田議員と親しく、経歴も似通っているのも、保守党に対するのに高学歴エリートを集めたイギリス労働党のマネでね。つくづく山口二郎罪深いわ。労働党の肝心な部分はスルーしたくせに、こういうのだけは採用するという。

ハヤト: 常識的に考えておかしいと思うのですよ。彼ら確かにエリートですが、個々で見ると弁護士としても官僚としても中途半端で実績のない人が多いでしょう?

小林: その点もイギリス労働党的なんだ。以前は同じ官僚上がりと言っても、20~30年勤続していて、ポストも部長や局長などそれなりの地位まで登った人が支持者に乞われて出馬というケースだった。ところが、そんな感じだと年齢は最低でも40代半ば、50代もザラという感じになる。実際、豊田も山尾も前者は課長ですらなく、後者は次席検事ですらない。平官僚、平検事のままで政治の世界に転身したわけで。

ハヤト: キラキラ系なんですが、中身はない、と。

小林: 労働党みたいに試験もしてないしな。いずれにしろ、今の民進党で高卒の多かった昔の社会党みたいな人とか、教員上がりの竹下登みたいな人は政治家になれないよ。今必要なのはそういう人材なのだけどね。

ハヤト: そんなに弱い議員じゃ、ステイクホルダーにいいように操られそうな感じもしますね。



小林: 操られているから豊田はヒステリックに秘書をぶん殴ったんじゃないか(笑)。

ハヤト: こういうの直せないんですか。

小林: 結党の時点でDNA的に組み込まれている内容だから、監修した山口二郎が悪いのだけどな、党が無くならない限り治らないよ。あと、下野した自民も民主党を横目で見て同じような人を登用するようになったけど、こちらは従来型も併存している感じだ。

ハヤト: 我々有権者が問題にすべきは議員がやれ東大だとか、元財務省だとか、ハーバード大に留学したということじゃありませんね。その議員がどんなビジョンを持っているか、政策立案能力があるか、国民生活の向上に寄与できるか否かです。

小林: 私に言わせれば豊田の暴言だとか、山尾の不倫なんて大して問題にすべき話じゃないんだよね。豊田について言えば、公用車に盗聴器を仕掛けるような秘書を見抜けなかった時点で人間観察眼がお粗末と言えるし、青森市議の件で上塗りもしたが、ここで見られる人に対する関心の無さ、煎じ詰めれば国民に対する無関心は政治家失格の理由として十分なものだと思うけどね。私がそう思うのは別に秘書を怒鳴って殴ったからじゃない。事件の経過で見られた彼女の資質がいわゆる二流三流の手合い、選良としてふさわしくないと感じさせるということだ。

ハヤト: 同じことは山尾氏を幹事長に指名した前原氏にも言えますね。



小林: 自称ニューリーダーもいい年なんだから、外見だけで人を見る愚はいいかげん卒業してもらわんとな。ここで看取できることは、いわゆる民進党、自民党もおそらくそうだが、人と人との付き合いが表面的で、思うに互いについては良く分からないということだ。それは彼らが政治家として二流だからとも言えるし、そういう人間ばかり集めてしまった制度設計にも問題がある。今の日本の議会制度それ自体にも問題がないとは言えない話だ。

ハヤト: 次回は時事は離れましょう。では、今回はここまで。