Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2017/5/3)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。



はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。



1.ネトウヨ外交の蹉跌



小林: シリア攻撃のあたりから風向きが変になっているけど、誤った考えに、誤った見方に、誤った政策と、トランプ政権は早くも年貢の納め時の観があるな。

ハヤト: 習近平氏との会談と同時に行われたシリア攻撃、あれは何だったんです?

小林: トランプはアメリカ右翼だからブレーンには極右軍人が多い、基地の場所とシェルターの破壊の様子を見て気付いたけれども、あれは中国への警告なんだよ。海上に類似した砂漠の基地にホップアップ攻撃で命中させている。トマホークというミサイルには今までこの能力は付与されていなかった。

ハヤト: 船の特徴ですね、艦船は水に浮く必要がありますから、どんなに堅固な軍艦でも甲板は舷側に比べて相対的に薄い。昔の戦艦と違って、今の軍艦は特にそうでしょうね。ええ、これは対艦ミサイルの攻撃法です。

小林: 艦艇に比べれば建造コストは桁違いに安い地上目標にこんな高価なミサイルを使う必要性はないわけで、ホップアップができるのはトマホークの最新型だ。これでトランプは習近平、中国海軍を牽制したつもりだったんだよ。専門家なら、この攻撃を見て中国海軍を撃破しうるのはアメリカの空母だけじゃないと気づく。トマホークは潜水艦にも護衛艦にも積めるからな。それが分かる人間が、会談中におぞけてご注進することを期待したんだろう。



2.トランプ流ビジネス交渉術



ハヤト: と、言うと何ですかね、トランプ氏の言う「ディール」とは交渉中に相手の鼻柱をへし折ることですかね。そういう交渉を今までもやって来たと。増強している中国海軍は東シナ海における中国海軍の切り札でしょうからね。その後、トランプ氏は空母カールビンソンを北朝鮮に派遣した、はずでしたね。

小林: ところがおそらく空母は中国海軍にしつこく追尾され、ロシア、インドも邪魔したのかもしれないな、明後日の方向のインド洋に向かってしまった。東日本大震災で示された通り、アメリカの原子力空母はその気になれば3日で太平洋を横断する能力がある。中国がどうやってカールビンソンを捕捉したかは知らないが、ニミッツ級空母の最大速力は現在でもアメリカの軍事機密なので。中国艦の前で能力を明らかにするわけにはいかんわな。それに東日本も「おそらくそうだろう」という話で、実際にロナルド・レーガンが50ノットで疾走している姿を見た者はいない。

ハヤト: それで到着が遅れたと、最高司令官である大統領の命令一下、即応体制の現在のアメリカ軍でそれはいけませんなあ

小林: 後の祭りだが、トランプは習近平との会談の少なくとも3日前には空母を日本海に走らせるべきであった。この辺から色々狂ってくるな。

ハヤト: 情勢は極めて悪いです。北朝鮮はいつでも核弾道ミサイルを東京や横須賀に落とせるのに対し、アメリカを含む我々は対抗手段をほとんど持っていません。



小林: あの国が核まで飛ばせるかどうかは怪しいが、この場合、破片の一つでも日本に落ちればトランプ外交の敗北は明らかだろうな。今は息を潜めている日本人の反米感情もあるし、何よりアメリカと軍事同盟を組んでいる意味を考え直す契機にはなるだろう。それにだ、トランプのやっている軍事的挑発はあの国の国民を核ミサイルには走らせても、平和的に崩壊させ、極東安定化の方向には行かないんだ。

ハヤト: ネットウヨクの方々はトランプ氏が本気出せば北朝鮮なんか3日で崩壊といった勢いでしたがネ。

小林: 崩壊させた後どうするんだ。きちんとした秩序を打ち立て、溢れる難民をどう扱うかについて考えもないのに、闇雲に崩壊させた所でイラク戦争の二の舞になるだけだ。そもそもあの国にいちばん責任のある韓国がああいう状態で北朝鮮にケンカ売る神経が分かってないよ。

ハヤト: ま、ウチは以前から、北朝鮮崩壊は韓国による併合の絵をきちんと描いてからという考えでしたからね。

小林: 対米追従で無責任な日本政府と、同じく財閥支配で後ろ向きの韓国政府に中国じゃ、こんな三文芝居、誰がやってもうまく行かんわな。北朝鮮が崩壊しないのは韓国がそれを望んでないからだ

ハヤト: いずれにしても、早く終わりにしてもらいたいものです。アメリカは軍事演習などしていますが、北朝鮮も強気を崩していません。トランプ氏が金正恩との会談を示唆した直後にアメリカ人を捕えたりしてますからね

小林: 運良く一発も撃たずにうまく収拾できれば、これはトランプ氏にとっては苦い薬、良い教訓になるだろうがな。見ようによってはアメリカ外交史上に残る外交の失敗ではないかと。



3.ビジネスは都合の良い話ばかりではない



ハヤト: しかし、イヤな予感がします。これまでの所行や習近平氏との会談で示されたトランプ氏のスタイルからしますと、金正恩と妥協するにしてもエクストラ付きだと思うのですよ。「相手の鼻柱をへし折る」スタイルでしょう?

小林: いちばんありそうなのが北朝鮮の核ミサイル設備の破壊だな。しかし、ミサイルは移動式で破壊されそうだと分かったらどこに移動するか分からない。トマホークは先にプログラミングしておかないと飛んでいかないからな。その次にありそうなのが金正恩の暗殺。交渉するにしても先ずそれをやってからというこだわりがあると、事態は泥沼化のままズルズルと夏まで進む。



ハヤト: 鼻柱をへし折られたのはトランプ氏でしょう。金正恩を「頭がいい」と褒めた直後にアメリカ人大学教授の拘束です。

小林: そもそもトランプが正恩に言及したのも、ミサイル破壊が困難なので暗殺への布石かな? 油断していい気になった所でトマホークやドローン爆弾、SEALS部隊でグサリ、と、しかし悪いことに正恩も同じことを考えている。それに正恩を消した所で次は誰と交渉するんだ? 金正恩体制になってから、目ぼしい要人はみんな処刑されているじゃないか。

ハヤト: これまでのトランプ氏の外交を見ていると、行き当たりばったりという言葉がまさにふさわしいと思うのですよ。



4.ネトウヨ流収拾の仕方



小林: 本気で金正恩を殺す気なら、先ず空母を退却させ、北朝鮮に外交上の勝利を一度譲ることだな。それから間を置かずに引き返して、SEALSとレーザー誘導爆弾でドカンと。しかし、ハイテク兵器が独裁者を殺せないことについては戦後世界でうず高く積み重なった歴史があるからねえ。

ハヤト: 替え玉がいるという話ですし、小林さんの案は失敗する方に一枚賭けますよ。

小林: 私も失敗すると思っているよ、しかし、トランプが北朝鮮に対する決め手を見いだせないがために、極東でダラダラと対峙して情勢を泥沼化されているとしたら、それは失策と言うのが正しい見方だろう。勝てない戦争なら最初からしない方がいい。国内でのブーイングを覚悟してでもトランプは朝鮮からは引くべきだな。

ハヤト: 今のアメリカ軍には平壌を占領できる地上部隊もなければ、その用意もありませんからね。

小林: やるとしたら電撃作戦で平壌から金正恩を追い出し、同時にシナンジュと渾河(北朝鮮と中国の国境にある河)にある橋を全部トマホークで落として中国ルートを遮断することだな。しかし、先にも言ったが崩壊した北朝鮮という国に誰が責任を持つんだい? トランプのやっていることは所詮無理筋なんだ。

ハヤト: アナタ、トランプ氏が当選した時に、「就任三日でシリアに核が炸裂しても自分は驚かない」と言ってましたが、身近な所で案外冗談になっていませんね。


5.不気味なロシア



小林: ま、ここ一ヶ月ほどの動きを見てみたけれども、シリア攻撃は実はもう一人の指導者の脆さも明らかにしたと言うべきか、要するにプーチンだよね。今の彼は軍との関係で結構微妙な所にいるんじゃないか?

ハヤト: ロシア軍には早期警戒管制機メインステイがあります。あのロシア空軍が自軍の基地に向けてミサイルを発射するアメリカの駆逐艦二隻を捉えていなかったとは思えません。

小林: やろうと思えばアメリカが持っていない長射程の対艦ミサイル「シップレック」を誘導して二隻を返り討ちにすることもできた。それにこの戦隊の侵入とトマホーク攻撃の危険はプーチンにはご注進されていたと思うんだ。近くには黒海艦隊もいるし、巡航中のトマホーク自体は命中まで2時間もかかる亜音速ミサイルで、迎撃態勢の構築自体はフル装備のロシア軍にはそう難しい話でもなかった

ハヤト: にも関わらず基地を被爆させてしまったわけで、これは何だったんですかね?

小林: たぶん、トランプが思っていた以上にプーチンは自らも成立に関与したトランプ政権を信用もし、また、信頼もしていたんだろうな。それが見事に裏切られた。極端な大統領専制と中央集権が仇になった感じで。ロシア軍はアメリカ艦二隻を撃沈すべきだった。が、プーチンが迷って思考停止状態になってしまったのだろう。彼としては近年稀に見る外交的読み違えで。普段の彼なら沈めたよね。あんなデタラメな攻撃、反撃しない方がおかしい。

ハヤト: ロシア軍ではシャイラット空軍基地を失ったのはプーチンのせいだと、これは不信感を払拭する必要がありますね。

小林: 軍を抑える必要からも、また、兵器の対外輸出による外貨獲得の観点からも、プーチンがこの状況でロシアの軍事的プレセンスを求めていることは容易に理解できる。もちろんトランプの面目を潰す方向でだが、それが事態にどういう影響を及ぼすかだな。

ハヤト: 単なる兵器プレゼンテーションなら、あの攻撃はやらない方が良かったですよ。



閑話休題

ハヤト: 今回はこの一月の情勢の観察という感じになっていますが、不穏な様子になっていますね。

小林: ヤマト2202の先行きも不穏だがな。案の定、そろそろ評価も出てきているが不発らしい。

ハヤト: あれはウチでは扱わないんですよ。二期のPVも出ましたが、ゲンナリするような出来で。

小林: 出来の悪いリメイクというのは先ず、前作の解釈に問題があるよね。その辺がダメな人がメガホン取るとたいてい失敗する。

ハヤト: ま、北朝鮮情勢を読み違えたトランプさんですが、アナタに言わせれば選挙期間中でも示されていた、偏った間違った見方による当然の帰結と。

小林: こちらに迷惑が及ぶのは願い下げだがな。

ハヤト: では、今回はここまで。