Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2017/2/1)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。



はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです。ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。


1.枢軸国の危機

 



ハヤト: 止めど尽きせぬトランプ劇場と言いますか、いいかげん通常業務に戻りたいのですがね、またやってくれました。

小林: そう言えばこのサイトはアニヲタ小説・レビューサイトだったな(遠い目)。

ハヤト: そもそもアニヲタ専門に特化するためにサイトの規模を縮小し、コンテンツも制限してきたわけです。ああ、別に私アニヲタじゃありませんがね。

 
放映直前だというのにネットで話題にもならないヤマト2202と一人で盛り下げている副監督小林誠のツイッター

小林: でも、当座の話題のヤマト2202が小林誠のせいで盛り下がっているんだからしょうがないじゃないか、せめてトランプで繋がんと。

>トランプ大統領と側近は31日、通貨が過小評価されているとして日本とドイツに矛先を向け、対米貿易で不公正な優位を享受しているとの批判を、中国とメキシコ以外にも広げた(上記記事)。



ハヤト: マア、良いでしょう。記事によると対象になっているのは日本とドイツですか、でもドイツはユーロでしょう?

小林: EUの中では経済力の強いドイツは統一通貨の中で相対的に通貨安を享受している(カレンシー・エクスプロイティション)と言いたいわけだ。本当だけどな。ドイツは統一通貨で金融政策の自由を放棄することに同意していながら、主権国家であることを盾に取ってEUの盟主国としてなすべき財政政策の責任を果たしていない。このドイツの態度はEU危機の最大の要因だ。

ハヤト: ギリシャ危機でしたか、アナタ言ってましたね。でも、EUってアナタの見方では別にドイツが盟主の同盟じゃないでしょう。

小林: EECとかECSCの時代まで遡る必要があるが、EUというのは3種類の国に分けることができてさ、ドイツドイツに負けた国(フランスその他)、そして後から加わった金儲けをしたい国(イギリス、東欧諸国など)。前2つが中心だ。自由貿易を求めて入ってきた(もうすぐ抜けるが)イギリスなどは新参者で、本来のこの連合の目的からはかけ離れた存在だ。ウクライナもな。この条約の本来の目的はウェストファリア条約の時代から、ズバリ「ドイツ封じ込め」だ。

ハヤト: 第二次世界大戦の後、また戦争を起こされると困るから、フランスが音頭を取って、「オレも従うからオマエも従え」ということで導入したのが委員会制度で、これが今のEU指令の原点ですね。

小林: 委員会制度を発明したのは当時のフランス外相シューマン、これで分かるでしょ、ギリシャ債務危機で、なぜドイツがたかだか2兆円の債務のギリシャを助けないのかとか、なぜイギリスが議会の頭越しに発せれられるEU指令に従うことを忌避し、ブレグジットまでになったのかとか。ドイツの立場からすれば、EUというのは同志じゃなくて、日本の憲法同様(私の考えと違うが)、敗戦で連合国に押し付けられた手枷足枷なんだよ。

ハヤト: 理不尽という先入観が先に立つトランプ氏のいつもの発言ですが、全く根拠のないことではないということですね。



小林: トランプがヨーロッパ政治の歴史や実情を理解しているとは思えないがな。彼がEU嫌いなのは、どうも本当らしい。でも、彼がそうしたいようにEUを解体したら、アメリカは日本以外にもう一つ、経済大国の強敵を抱え込むことになるけどね。ドイツマルクを復活させたドイツは、統一通貨ユーロの時のそれよりも、それなりに厄介な相手だと思うけどね。

ハヤト: トランプは先にも取り上げた通り、ドイツ系アメリカ人です。むしろ彼の交友関係にEUとドイツの地位に対する不平を漏らしている人がいるのでは?

小林: あくまで伝え聞く程度だが、三代前に移住したトランプと故郷のカルシュタットの繋がりはあまり無いらしいんだ。当時の法律で祖父がドイツ国籍を剥奪された屈辱もあるし、第二次大戦でのナチスの蛮行もある。むしろドイツとの関わりは避けたがっていて、母方の系統であるスコットランドとか、自伝で名乗っていたスウェーデン(移民と名乗っていた)の方が好きそうな感じだ。そういう経緯からして、彼がドイツの肩を持つとは思えないな



2.トランプ対オーストラリア



ハヤト: 前回の中断から少し時間が経ってしまいました。とにかく流れが早いのでフォローが大変です。今月の話ですが、オーストラリアとの電話会談の内容が入ってきました。トランプさんは前政権が結んだ移民協定の反故を叫んでいますね。先月28日の会談の内容にしては1週間後と遅いのですが、日本なんか何話したのかまだ公開されていませんからね。



小林: NYタイムズも裏を取るのが大変だったのではないかな。ターンブルとトランプは似た者同士だ。一方は白豪主義者、一方は差別主義者でトランプはターンブルを結構口汚く罵っていたけど、実は案外相性は良い感じだな。



ハヤト: オーストラリアの難民受け入れ制度には以前から批判があります。同国は経済成長していますが、移民受け入れの基準が「オーストラリア基準(技能、資産など平均以上)」を求めていて、難民や不法移民には寛大でないとの評があります。

小林: そういう基準外移民をかき集めて領外のナウル島に閉じ込めていたんだ。ひどいよね

ハヤト: ターンブル氏がトランプ氏の誹謗に苦笑しつつ反論しないのはその辺が理由でしょうね。

小林: そういうこと、トランプの言い分は大げさなものが多いが、全くの虚偽というわけでもない、一抹の真実は含んでいる。



3.コイツと意見が合うとは思わなかった(>橋下)



ハヤト: あれあれ、アナタと同じようなことを言っていますよ?

小林: 一応弁護士なんだから、国家賠償については考えはあるのだろうね。私もトランプの措置は「企業経営者のセンスとしては」理解できるよ。混乱した現場を立て直すにはまず仕事を止めることだ。そして棚卸し、従業員100人位の会社だったら私でもそうするけどさ、でもアメリカの人口は3億人、ビザ発給停止で巻き込まれた渡航者は6万人を超えるんだ。

ハヤト: 大統領令については、連邦地裁が仮処分の決定を出したことで、ようやく国務省以下各部局が執行停止の動きに応じているようですね。トランプ氏は頭に来ていますが。



小林: トランプ(司法省)は上訴したから、保守化したと言われる最高裁判所の判断が見物だけどね。でも、どういう決定が出るにしろ、損失補償ないし国家賠償は避けられないし、授益的行政行為だからな、そもそも最初の仮処分で止まらなかったのがおかしいんだ。聞けば国務省以下各省庁のめぼしいスタッフがみんな辞めていて、孫引き条文のある大統領令を解説も付けずにそのまま現場に丸投げしたのが理由らしい。それじゃ混乱するわな

ハヤト: 連邦政府の各省庁の職員はトランプ氏に忠誠を誓っているわけではなく、アメリカ合衆国政府に誓っているのですからね。

小林: そういうこと、裁判所の命令に従うのは当たり前だ。大統領かどちらかじゃない。ただ、最高裁は先にも述べた通り保守化しているし、元々エグゼクティブ・オーダーに対する判断は回避する傾向がある。ウォーレンの時代じゃないからな。思うに憲法問題にはせずに、大統領令の手続上あるいは実体上の瑕疵を問題にして、問題の大統領令を事実上無効化するのじゃないだろうか。先に少し述べた授益的行政行為の撤回には強い公益性が必要だ。その辺につき不十分であったとすれば、憲法判断は回避しつつ、この撤回は取り消しうる。



ハヤト: アシュバンダー(ブランダイス)ルールですね。あと、これもあります。あれあれ? アナタ、今回はこれもこの人と同意見みたいですよ。ネット上では、ま、山口二郎氏の掲示板に限りますが、アナタは彼の最大の敵の一人のはずですがね。

小林: 確かに敵だけれども、最初に彼と山口氏の間に融和の余地がないか探ったのも私だよ。結局、無理だと分かったけどね。橋下の説明を敷衍すると、私だったらトランプなり国務長官には日本国債の購入を提案するな。大前研一や上山信一のいない橋下なんか地アナのアンテナだから、大したことない。もっともこれは向こうでも為替操作を目的とするものについては禁止だと思うけど。円安云々の話は解決できるんじゃないか。それにアベノミクスの行き着く先が通貨安競争と貧困の輸出競争だと明らかになってきた以上、誰かがこれを止めなきゃいけないよ。

ハヤト: ま、日本は産業の空洞化と少子高齢化で色々困ってます。そういう主張はアリでしょうね。橋下氏は地アナのアンテナですか、確かにアニヲタのアナタと大差ない見識のようで、アナタ大阪市長やったらどうです?



小林: こんなんじゃ困るんだけどな(>橋下)、安倍内閣が検討している数十万人分の対米投資というのも発想は同じだろうけれども、直接購入の方がダイレクトだわな。順序としてはまず国債購入を持ち掛け、それから対米投資というのが座りが良いと思うがな。最初にトヨタの社長なんかと会うから話がおかしくなる。このトヨタの社長も六代目だか一〇代目のボンボンで、何考えてるんだか分からない人だけれども。

ハヤト: 前に書いた「クルマの話」で、アナタはトヨタの迷走について嘆いていますね。「現在のこの会社は利益を追求しているのか、メセナ企業を目指しているのか、国内企業なのか海外企業なのか分からない」と書いてますが、実際どうなんです?

小林: 実はあまり変わっていないんだ。



ハヤト: 新聞先生は大統領府と国務省が捻れていることを問題にしていますね。

小林: これについてはさっき言ったよ。意思決定の問題もあるだろうが、これは専制エリート(©橋下徹)どもが辞任したり任官拒否したりしてトランプに協力拒否したのが原因だ。どちらかといえばそちらの方が責任重いと思うがな。



閑話休題



ハヤト: とりあえずアナタ、以前のインタビューで影響を受ける国としてイラン、インド、日本、中国を挙げていますが、インドだけはまだ話題になってませんね。どうなってるんでしょう?

小林: イランは核合意の問題があるから、その辺で何かないかなと思ったが、今の所、これと言った問題もないようだ。ただ、トランプのせいで制裁解除が凍結されると、イランはもちろん困るが、インドもせっかく順調に伸びていた原油輸入が止まり、経済に影響が出るだろう。イラン核合意を破棄するメリットはことインドには無いんだよね。また、インドは核合意を前提にイランに石油関連施設を中心に大規模な投資もしている。歴史的にも対立関係にあり、核武装したイランはインドの指導者には望むところではない。



ハヤト: 先月の25日にモディ首相がトランプと電話会談していますが、オーストラリアのような険悪なものではなかったようですね。また、トランプ氏の経済政策はインドには影響しないという記事もあります。

小林: でも、いずれ対立するよ、例の移民ではアメリカのIT企業はアメリカ移住が困難になればインドに開発の中心を移すだろうし、タタ・スティールは世界最大の鉄鋼会社で、インドのジェネリック薬品は欧米製薬会社の脅威だ。人口もアメリカの三倍あり、そして地政学上も地域大国でありながら、トランプの影響は最小と言って良い位置にある。おそらくはイランを巡って、水面下で隠れていた両国の相違が顕在化する可能性はあるな。

ハヤト: インドについてはまだ良く見えませんね、トランプさんも考えてないのでしょうが。

小林: その前に弾劾裁判でトランプ政権がつぶれる可能性もあるしな。

ハヤト: では、今回はここまで。