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機動戦士Zガンダム第19話「シンデレラ・フォウ」遠藤明吾

あらすじ
「私には昔の記憶がないの」、香港政庁から退去を命じられたアウドムラでカミーユはその日に会った奇妙な少女フォウの面影を追って街に出る。一方フォウもカミーユを探していたのだった。退去までの短い時間、束の間のデートをする二人、しかし、戦おうとしないフォウに業を煮やしたベン・ウッダーはサイコガンダムで無差別攻撃を仕掛けるのだった。

Aパート:フォウとの再会、ウッダー香港攻撃
Bパート:エウーゴ反撃、フォウ対カミーユ

「人は分かり合える」というのがファーストガンダム以来の作品のスローガンで、「ニュータイプ」というのはそれを説明する能力者の概念という認識は放映当時の時代でもあったけれども、ゼータで展開されるニュータイプの像というのは実はひどく即物的である。それはズバリ「人間通信機」であり、ニュータイプ同士が感応することでその人間の考えていることや過去まで手に取るように見えてしまう。そして、その感覚を持つ者同士は互いに相手を「違う」と感じてしまう。

珍しく感動的な逢瀬だが…
 初めての出会いで「違い」を感じてしまったカミーユとフォウは互いを求めて香港市街を徘徊する。なぜそこに都合よくバイクがあるのとか、待ち合わせもしていないのに何で居場所が分かるのといったことはニュータイプ能力で説明することとして、先輩ニュータイプのアムロはフォウの気配にララァと同じ悲劇の予感を感じるのだった。
 「エウーゴとかティターンズというのは大人の都合」、敵同士と認識しつつフォウとカミーユはしばしの逢瀬を楽しむが、実はアウドムラの滞在時間が夜の一二時までと決まっていたように、描きこみに執念を感じるフォウのセル画とふんだんに使われた透過光には予算の都合も決まっていたのだった。この作品にしては感動的な逢瀬の場面は一分半くらいで打ち切られ、ベン・ウッダーの無差別爆撃が始まる。後は見る価値ないがしばらく付き合おう。

カオルのひとこと:最初の出会いでは、ティターンズの隊員にカミーユを足止めしていた、などと説明していたフォウですが、実はまんざらでもなかったようで、再会したときには初めからラブビームが全開です。戦災孤児で、記憶と引き換えに戦いを強要されているという彼女、視聴者は悲劇の予感に「ひょっとして私もニュータイプ?」などと勘違いしたり…はしませんが。

 前回の香港戦で作劇はアクション要素重視にシフトしている。市街地で派手に暴れるサイコガンダムとマークIIで出撃したカミーユはサイコガンダムのパイロットがフォウであることを知る。乗機を降りてサイコガンダムのハッチからフォウに呼び掛けるカミーユだが、フォウは「昔の記憶はティターンズが握っている」と申し出を拒絶するのだった。彼女は強化の過程で以前の記憶を失っていたのだ。そして、ガンダム同士の二度目の対決はサイコガンダムが撤退し痛み分けに終わる。

カオルのひとこと:物語後半、なぜかウッダー大尉が自らサイコガンダムでホンコンを無差別攻撃(彼は何をそんなに焦っているのか?)、フォウが彼を止めると自らサイコガンダムに搭乗してガンダムMk-IIとの戦闘に。そこで、倒すべき相手がさっきキスをせがんだあの少年だと知るのです。作画にも相当気合いが入っており、涙を流すフォウの表情の美しさには眼を見張るものがあります。

感動の場面とナンセンスが同居の心地悪さ
「サイコガンダムは強化人間の物だということだな!」、全身からオーラを発しつつ(ウッダー曰く見えるらしい)、ウッダーの操縦するサイコガンダムを呼び寄せるフォウには「お前人間じゃないだろ」とツッコミを入れたくなるが、この無差別攻撃のナンセンスさについてはもはや何も言うまい。作品では香港は連邦政府の租借地と説明されているが、実際に香港がイギリスから中国政府に返還されたのは放映から12年後の1997年のことなのだった。
(レビュー:小林昭人)

カオルのひとこと:ここにきてようやく、上っ面ではない血の通ったドラマに出会えた気がするのですが、赤やら青やらのオーラを発したり、外部から超能力で機体をコントロールしたり、人間の記憶を都合良く消したり書き込んだりできるらしかったり(彼女はひょっとして人間ではなくアンドロイドなのだろうか?そもそも強化人間って言葉からして怪しいし…)、前作の「リアリティ」を吹っ飛ばす怪設定を考えると「ドラマの善し悪しは、設定がリアルかどうかとは別問題なんだな」と思わされる部分もありますね。未来都市らしからぬ猥雑な香港を舞台にしたのは1982年のSF映画「ブレードランナー」の影響か? シド・ミードが美術を担当したこの映画の舞台はロサンゼルスですが、その町並みのモデルは新宿でした。

評点
★★★ フォウの逢瀬のシーンは評価(小林)
★★★ ボーイ・ミーツ・ガールの物語としては秀逸。(飛田)


関連レビュー「ZZ第19話 プルとアクシズと」脚本:遠藤明吾

あらすじ
 地球に向かったハマーン、アクシズに投降したジュドーはグレミーに捕らえられる。一方、ルーとエルはガンダムでアクシズに強襲を仕掛ける。プルはリィナを人質に取り、ジュドーに投降を迫る。そして、戦艦アーガマはハイメガ砲の発射準備をするのだった。

Aパート:グレミー対ジュドー、ルーのアクシズ強襲
Bパート:プルの市街戦、アーガマのハイメガ砲攻撃

コメント
 ハマーンが地球に向かったが、グレミーの暴走が止まらない。ビーチャからグレミーとルーがいい仲であることを知ったグレミーはジュドーを監禁してルーが現在はZガンダムのパイロットをしていることを突き止める。ついでにリィナがジュドーの妹であることも判明したのでジュドーの妹の株がまた上がってしまい帰れなくなる。一方、エルと共にアクシズを強襲し、やたら活躍するルー・ルカ、が、プルが登場し、状況はますます混乱するのだった。ハイメガ砲の出力を落としてアクシズの居住区への損害を避けたブライトにまだ救いは感じる。
 これはコメディなのか、それともシリアスなのか、雲行きが怪しくなるのがこの辺の話で、おそらくシリーズ中最強のニュータイプであるプルが登場するが、無邪気な割に周囲で人が死んでいくのは前作のフォウを彷彿とさせる。そういうのはちょっと笑えない。ギャグをやるなら死者は出してはいけないというのは最低限のお約束だろう。しかし、若手に任せたここまでが割とうまく行っていたので、出なくても良い老人がしゃしゃり出るのである。(レビュー:小林昭人)

評点
★★★  話の説得力がイマイチ、多分四つ星は今後はない。


関連レビュー「ガンダムAGE第19話 アセムの旅立ち」脚本:日野晃博

あらすじ
 アセムとロマリーは地球連邦軍に入隊する。ゼハートはヴェイガンの地球制圧軍司令官になる。アセムはウルフ隊長の下に配属される。他に新兵ばかり3人の隊員がいる。ディーバはビッグリング基地に向けて発進するが、ヴェイガンの攻撃を受ける。ウルフ隊が出撃、遅れてガンダムAGE2で出撃したアセムの活躍で敵機を全機撃墜するが、アセムは命令違反で自室謹慎処分を受ける。

Aパート:アセム連邦軍入隊、ガンダムAGE2登場、ディーバ発進
Bパート: ヴェイガンの攻撃、ウルフ隊出撃、ガンダムAGE2大活躍

コメント
 前話で高校を卒業したアセム。今回は地球連邦軍入隊から初陣までが描かれる。話はさくさく進むが、相変わらずプロットに絵をつけただけのような展開で、ところどころ、場所と時間を見失う。主人公がどこで何をしているのか、前の場面から次の場面までどれくらい時間が経過しているのか、さっぱり分からないのだ。
 まるで入学式のような親の参観付きの入隊式が終わったと思うと、次は格納庫のような場所で新しいガンダムに見入っている。そうこうしているうちにウルフ隊長の訓示があり、ディーバ発進でいきなり出撃。そこではじめて、アセム他の面々がディーバに乗艦していたことがわかる。驚いたことに、ディーバ出港をアセム母と妹、そしてバルガスが見送っているのだが、バルガスは入隊式で見た羽織袴という出で立ちで、それを見るに、これはすべて入隊式のあったその日の出来事と考えざるを得ない。この軍隊には、訓練期間はないのか。それにアセムは最初から、ガンダムAGE2のパイロットで特別扱い。ウルフ隊は出撃するなり全機撃墜の大活躍で、AGE2に乗ったアセムにとって、初陣は赤子の手を捻るようなたやすいものであった、ように見受けられた。撃墜される敵を見て「これが戦争…」とつぶやくアセムの同僚、というお約束シーンもしっかり挿入されているが、そう呟くほど悲惨な目に遭っているとはとても思えなかった。
 ディーバ艦長の命令に従わなかった、という理由で謹慎処分を受けるアセムだが、入隊したその日にここまでやれるとは、「アセムの旅立ち」は前途洋々のようである。わざわざドラマ仕立てにして語らねばならないことが、このストーリーのどこかにあっただろうか。それが新メカAGE2のプロモーションだったとしても、そのメカの新機構や特徴や新しい武器がどれほどの威力を発揮するのかさえ、ピンとこないまま終わってしまった。視聴率が低迷を続ける中、スタッフのモチベーションも下がる一方なのだろう。公共の電波を、こんなやる気のない仕事のために使って良いものなのか。そんな疑問を抱かざるを得ない1話であった。

評点
★★ ダイジェスト版と思ってみれば、それなりに見られるという程度。


関連レビュー
「宇宙戦艦ヤマト2199第19話 彼らは来た」
脚本:森田繁

あらすじ(人類滅亡まで246日・ バラン星から27日)
 ゼーリックの愚行でバラン星に主力艦隊を置き去りにされたガミラスは収監されていたドメルを釈放し、ヤマト迎撃に出撃させる。

Aパート:ガミラス作戦会議、ドメル艦隊集結
Bパート:ザルツ人特務部隊、七色星団

コメント
 もっぱらスタッフの都合でバランに置き去りにされたガミラス艦隊、それでもヤマト1隻を迎え撃つくらいの艦隊はあるだろうと思うが、デスラーは将軍ドメルを復職させ、老朽艦と老兵士の部隊を与えて戦場に送り出す。どうも何が何でもヤマトに負けさせたいらしい。しかし、原作では決戦前夜の粛然とした話のはずが、2199は画面がヤマト側に切り替わった途端にGdGdタイムになる。
 そして、集合するドメル艦隊、ドメルは置くとして、艦隊がボロ船ばかりになっても各艦に付き合い良く乗り込むバーガーらドメル部下を見ると、何かトンデモ企画に付き合うBBCトップギアのリチャード・ハモンドらみたいに見える。ハモンドがロケットカーで速度記録に挑み、失敗して丸焼けになったのは最近の話である(その後リハビリの後、彼は番組に復帰している)。ハモンド同様、タランチュラ星雲でこれから始まる戦いも彼らドメル部下たちに取ってはトップギア並みの「チャレンジ」であることには変わりないだろう。まずい脚本と演出のせいで、必死のドメル部下たちがガミラスのためではなく、ロケットカーによる速度記録挑戦とかプリウス銃撃、レンジローバー対チャレンジャー戦車に挑むように見えてしまうのは、要するにシチュエーションがおかしいのである。
 声優といえども生身の人間なので、二十何話も続くTVシリーズになると、駄作とか平凡な作品というのは後の方では明らかに演技のノリが悪くなる。ユリーシャに諭される沖田の口調も「もうウンザリだ」という感じだし、デスラーもドメルも全然乗ってない。メルダを止める反乱派二人組も命がけで行動しているはずなのに台詞棒読みで全然迫力ない。そして真田志郎は真田というよりはヤザンかシグナルマンみたいである。
 例によって死中に活を見出し、何度目かの突撃で(もう飽きたよ)七色星団に出現したヤマト、しかし、レーダー席には森雪の姿はない。出撃前にデスラーがドメルに言い含めた、別に無くても良い「ある作戦」のために、この戦いでは彼女は第一艦橋に居てはいけなかったのである。
(レビュー:小林昭人)

カオルのひとこと:  ガミラス側は引っ込めたドメルを出してきて決戦に挑む。一方ヤマトでは大マゼランに到達した感慨にふける乗組員たち。決戦前なのにグダグダ展開。

評点
★★ ダランダランとした緊張感のない話だが、金が掛かっていないだけ前話よりはマシ。(小林)
 決戦前の説明回。これといった展開もなく終わる。百合亜に説教される沖田に驚愕。(飛田)


関連レビュー
「Gのレコンギスタ第19話 ビーナス・グロゥブの一団」

あらすじ
 金星に向かうクレセント・シップと戦艦メガファウナは謎のジット団に襲われる。

Aパート:みんなで健康運動、クレセント地学教室
Bパート:地学教室続き、ジット団登場

コメント
 金星に向かうクレセント・シップでは乗員たちが健康運動に勤しんでいる。トワサンガでのラライヤの姉フラミニアはヘルメス財団の関係者で、Gセルフの地球降下もベルリの搭乗も実は財団の策略であることが明らかになる。あと、知らない間にマスクの部下マニィがメガファウナに乗り込んでいる。あと、クレセント・シップには一応乗員はいる。
 運動の後の座学で「ビーナス・グロゥブ」の「グロゥブ」とは果樹園の意味で、全体がダイソン球のようなエネルギー球体(ビーナス・リング)であることが明らかになる。ヘルメス財団は過去の戦争の体験からエネルギー供給を独占し、技術進歩を禁ずることで地球環境の保持を図っていた。が、ビーナスも例によって分裂しており、ジット団という反政府派がクレセント・シップを占拠する。
 クレセントのカインド艦長の言葉で、ビーナスには進歩否定の思想があることが明らかになるが、この現状満足の思想は実は作品の各所で垣間見えるものである。豊かで平和になると争いが始まるからエネルギー供給を制限し、進歩を否定するのだという考えだが、ある意味、これほど人間というものをバカにした驕慢な考えはないのではなかろうか。制作者が世界平和の手段として、この思想が正しいと考えているらしいところに、この物語の救いのなさを感じる。それは思想の当否は別として富野喜幸氏の主観であり、主観の正しさを論ずるなら両論併記が原則だ。私はちゃんとやっている。
(レビュー:小林昭人)

ユニバーサル・スタンダード:ヘルメス財団がフォトン・バッテリーの受け入れと同時に全地球圏に広めた工業規格、特に操作性に重点が置かれ、この規格で製造されたモビルスーツや戦艦は誰でも、どんな国の人間でも同じ方法で操作することができる。レコンギスタの時代は技術進歩を否定した時代のため、この規格も制定以来改訂はなされず、その規格に背反する機械は財団によって「存在してはならないもの」とされる。規格化の内容は機械の外見のみならず中身にも及び、例えばGセルフは操作系や武装はユニバーサル・スタンダードに準じているが、動力系を含む内部はヘルメスの薔薇の設計図に基づき、スタンダード以前の規格外の機体として建造されている。Gセルフを製造したレイハントン家がヘルメス財団と深い繋がりを持ち、スタンダードの制定にも参与したと考えれば、同家による規格違反が許容され、クレセント・シップの仕様もそれを前提にしていることは理解できることである。Gセルフについてはビーナス・グロゥブのフラミニアがその問題性を指摘したが、真相を知り、以降は主張しなくなっている。IBM−PCの規格を広めたIBMの作るコンピュータが実は独自仕様が多かったこと、ウィンドウズを開発したマイクロソフトのOSとその周辺ソフトがLinuxやMacOSなど他のOSが(ウィンドウズが提唱した)標準仕様に適合していることに比べかなり独自でかなり異端なこと(メディアプレーヤーやXPSドキュメントライター)などが例となる。

評点
★★ 地球周辺では健康運動は必要ないのか。宇宙生活ではあるべきシーンとして評価。


関連レビュー
「コスモウォリアー零第11話 大テクノロジア」

あらすじ
 決戦の地、大テクノロジアに到着したゼロと戦艦火龍はハーロックとの同盟を拒否する。

Aパート:大テクノロジア、トチローの機雷作戦
Bパート:セントエルモ砲、ヘルマティアのゼツボーダー粛清

コメント
  テクノロジアという星は銀河鉄道物語でも2部で名前だけ登場するが、どうも松本作品におけるキューポラのある街、埼玉県川口市みたいな所らしい。ゼロの参戦におののくヘルマティアだが、今のところゼロと戦艦火龍の戦果はといえばセントエルモ砲の暴走で海賊艦2隻を巻き添えにしたことと、自動戦艦の偽デスシャドウを1隻撃沈したことくらいである。しかし、この作品の宇宙公務員、肩書がなければ何もできない男(ハーロック)、ゼロの本話での態度には疑問が残る。最終的に火龍の必殺武器、セントエルモ砲が敵母艦を崩壊させたことを見れば、せめて装備や作戦については合議するなり情報交換とかできなかったのかと思うが、この期に及んで役所のセクト主義を持ち込むこの宇宙公務員のせいでハーロックたちは要らぬ苦戦を強いられるのである。
 実は一度発射されたセントエルモ砲は欠陥品で、トチローに直してもらえばすぐに直ったと思うが、それも拒絶したのでただ一隻の円盤要塞相手の最終決戦はズルズルと3話も続くのである。なお、ルビア将軍との会話で水人間マリーナの母星ミライセリアの別名がルビアーナということが分かる。火龍に乗り込んでセントエルモ砲を見たトチローは砲の改善案を提案したが、ゼロに一蹴される。このアドバイスが役に立つのはやっぱり後の話である。ついでにゼロは通信を送ってきた銀河総督の提案も拒否。どうも宇宙の敵は目の前の巨大円盤ではなく主役のゼロのような気がしてきた。
 ゼロが強敵であることを認識したヘルマティアは銀河総督ゼツボーダー(予告でようやく名前が分かった)を円盤要塞に融合させ、万全の体制でテクノロジア攻略に望む、一枚岩どころか三枚岩、四枚岩のゼロ艦隊は三々五々に敵を迎え撃つ。
(レビュー:小林昭人)

作品キャラ・用語紹介

キャプテン・ハーロック
 松本作品では知らぬ人とていないニヒルでダンディな宇宙海賊、この時期はまだ若いという設定であり、短髪に青色のジャケットを羽織っている。ムダに律儀な性格は過去の諸作品よりも強調されており、トチローの罪を償うため、楽しみといえば吊るし首しかないおバカなガンフロンティアの住人(キチガイ)に酒を振る舞って懐柔したりしているが、最終決戦ではゼロの役人根性にキレるなど感情面でも他作品より熱い人物になっている。一応海賊なのでルーティンワークとして機械化人の船舶や基地を襲撃しているが、同じ機械化人でも民間人には手を出さず、機械化人の民間コロニーを誤爆した際には機械化人の犠牲者に動揺し、ゼロに敗れるという醜態を演じている。最終決戦ではゼロの公務員根性と独善に最後まで振り回され、ヘルマティアのしょぼい要塞に要らぬ苦戦を強いられて盟友ルビアを戦死させた挙句、ゼロに「お前に軍人(正業)は無理」と誹謗されて人間的にもボロボロに打ちのめされる。ある意味、コスモウォーリアー零の最大の被害者。

惑星テクノロジア
 ハーロックが全宇宙の要と位置づけるデス・スター状の機械惑星。三つの太陽の間を巡り、その地上は人間と機械が共存する楽園とされる。モデルは埼玉県川口市。ハーロック艦隊はこの星を守るために出陣したが、ハーロックと反目した軍人ゼロが惑星を盾に使うという卑劣な戦法を取ったため、その地表にヘルキャッスル要塞の砲撃が間断なく降り注ぎ、多数の住民と地表の四分の一が被爆するという大被害を受けた。銀河鉄道物語でも登場し、この時にはより発展して川口市から京浜工業地帯くらいの規模になっている。後には銀河鉄道の車両製造も引き受けるようになり、001号ビッグワンなど多数の車両にテクノロジア製の部品が使われている。そのため、「テクノロジア出身」は松本作品における腕利き技師のステータスであり、1年くらい飲んだくれて休業しても美人のカミさんを貰え、食べて行ける高収入エンジニアの代名詞である。

評点
★★ ゼロの非妥協的な態度は意味不明、話を伸ばすな。


その他のZレビュー
「機動戦士Zガンダム回顧録」 Z第19話レビュー
「パラレルユニヴァース」 Z第19話レビュー


関連リンク
An another tale of Z 第19話紹介
An another tale of Z 第19話「ハマーンの初舞台」(本編)

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